棚田
三草山の麓に拡がる棚田
草萌えと残雪
日本の稲作技術は凄いと常々思っている。普通の田んぼでも水平を維持にするための苦労がしのばれるのに、棚田となると並大抵ではない先人の知恵が詰まっている。大阪の北端能勢には「長谷の棚田」があり、千枚田というほどではないが、200枚の田んぼがひしめき合っている。四季を通じてアマチュアカメラマンや日曜画家がモチーフとして訪ねて来られる。大阪では千早赤阪村とここの2個所が棚田百選に選ばれている。茅葺屋根の民家も点在し日本の原風景とも言える好きな場所だ。奥山としての三草山からじわじわと流れ出す綺麗な水が田んぼを枯らさない。井出と云う水路ではなく、ガマと云う穴が各田んぼに設けられ、水が順次下の田んぼへ補給されるように工夫されている。
棚田は稲作用の水田をさすが、畑は段々畑と云われる。我々は素晴らしいとか綺麗だとか言っているが、農家の方々は大変な苦労でこの棚田を守って来た。映画「裸の島」(大島渚監督)が頭をよぎる。水田はダムの役目を持ち自然災害から我々を守ってくれている。色んな生物が棲み付き生物多様性を保証している。経済効率に走る安倍君や橋下君はそんな事を知っているのだろうか。
「北側の 棚田に春の 遠からじ」