小賀玉木
先日アップのモクレン科の仲間で、神社などの神木になっているオガタマノキです。招霊の木とも表記されます。モクレン科の花は総じて大きく、芳香を放ちますが、こちらは少し控えめな花です。しかし、近くで花を手にとって観察出来なくなるぐらいの大木になります。大木の下には可愛い花びら状の花被片が落ちていて、オガタマノキがあると見上げます。同じオガタマ属の仲間に中国原産のカラタネオガタマがあり、5月頃になるとバナナの香りに包まれます。
モクレン科は植物生態学的には古い部類です。花びらに見えるのは全て花被片で3数性を持ち、6~18個までの倍数で形成されています。因みにモクレンは9個で、オガタマは12個で構成されています。花に萼が出来る進化の過程が、モクレン科を観察すると見えてきそうです。ハクモクレンの花被片9個では区別出来ませんが、(紫)モクレンの花被片を観察すると、外側3個は内側6個よりも小さくなっているところから、多分萼への進化の過程かなと想像出来ます。
「目立たずに 紫添えて 春彼岸」