土佐・日向
雄しべの葯が赤いトサミズキ
かんざしのように垂れ下がるトサミズキ
葯が黄色いヒュウガミズキ
全てに控えめなヒュウガミズキ
地名が冠されたトサミズキとヒュウガミズキ(イヨミズキ)です。前者は高知県の蛇紋岩地帯に自生する日本固有種で、高知県花になっています。一方後者は日向や伊予を冠していますが、どちらにも自生は見られません。石川から兵庫に至る日本海側と台湾に自生しています。名前の由来ははっきりしていないようですが、明智日向守光秀が所領していた丹波地方に多く植栽されていたから、というのが通説になっています。ミズキとなっていますがどちらもマンサク科の植物でミズキとは何ら関係がありません。葉っぱが似ているからミズキとなったのでしょう。
土佐の高知の播磨屋橋で坊さん簪買うを見た~♪とよさこい節に出て来るかんざしに似た花をつけているのがトサミズキです。下垂している花序に7~10個の花をつけている様がまるでかんざしのようです。雄しべの葯も赤茶色で目立ちます。ヒュウガミズキの花序は1~3個で、雄蕊の葯も淡い黄色で目立ちません。しかし両者とも上品な花で、春を演出してくれる花として、庭園などに好んで植えられています。
「簪を 揺らし春呼ぶ 黄色花」