ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

垣通し


 これぞシソ科というべき独特の唇弁花を持つカキドオシが咲き出してきた。花色・立ち姿共に可愛い花だ。でも苦い思い出に繋がる。山の案内をしていた下山途中で、右手がブラブラして上がらなくなってしまった。可笑しな事もあるものだと、別の案内人にお客さんをバスまで送って貰い、道端で暫く休憩する事にした。元通りに手が上がる様になったので、お客の待つバスへ急いだ。途中でカキドオシの可愛い花が咲いていたので、何本かを摘み、皆さんに差し上げようとした。説明してあげようとしたが言葉がもつれて上手く話せない。当時、僕の辞書には脳梗塞という概念が欠落していた。顛末は長くなるので端折るが、結局、その日の帰り道で意識が混濁し旅先での入院となってしまった。何年か前の4月17日だった。
 カキドオシは食用・薬用として古くから利用されてきた。山菜野草料理の彩りを添えるために欠かさず天ぷらの一品に加える。薬効も優れ、糖尿病治療薬として副作用がない民間薬として有効だと、1968年日本生薬学会で発表され、お墨付きを頂いている。アジア原産だがヨーロッパでも8~9世紀ごろから薬用として利用されていたらしい。強壮剤としての効果もあるので薬用酒や茶剤として利用したい。


「摘むのさえ 躊躇いがちの 垣通し」

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