ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

過去へのご招待22

[2301] 椿油搾り [PC]  2016/02/15 07:02:14    [削除]


   ひとくらクラブ恒例で人気イベントの椿油搾りには沢山の参加者が集まりました。講師のレクチャーを受け、椿の実を砕くところから皆さん体験します。油分たっぷりの実と殻を選り分け、ミキサーで細かく砕いたものを検量して特殊な袋に詰め、それを蒸し上げます。蒸し上がった椿を容器に詰め、手作りの圧搾機で搾ります。大まか25%の油がとれます。子どもたちも難しい話は別にして、体験したことは記憶にしっかリと残ることでしょう。
 女性スタッフの方々が毎度お昼に合わせて味噌汁を作ってくれますが、昨日は珍しい朴葉味噌まで用意して頂きました。外では男性スタッフが焼き芋を焼いています。ほっこりするイベントでした。


「椿の実 絞って想う 故郷を」


[2303] 朴葉焼き [PC]  2016/02/16 07:23:12    [削除]


   一昨日提供された朴葉味噌焼きです。当日はおにぎりを持って行きましたが、熱いご飯で戴くか、日本酒でもあれば最高だったのですが。昔、信州かぶれしていた頃、中仙道辺りの旅からお土産に買って帰ったのを思い出します。方形に象った素焼きのコンロに、和紙を貼り付けだけの素朴さが気に入って購入しました。1~2度家で使ったのを思い出しますが、何処へ消えてしまったのか?多分熱で劣化して壊れてしまったのでしょう。
 朴葉味噌は飛騨高山の郷土料理です。同じ様に朴葉で包んだ朴葉寿司も岐阜県や長野木曽の郷土料理です。ホオノキ・カシワ・サンキライ・アカメガシワなど殺菌作用のある大きな葉っぱを、飯盛り様に使っていた古人の生活が偲ばれます。


「熱燗が 過る朴葉の 昼餉かな」


[2304] 同志社 [PC]  2016/02/17 08:24:17    [削除]


   月1回のじねんクラブ例会で今出川にある同志社のキャンパスツアーに行ってきました。京都の地下鉄「今出川駅」を降りるとそこが学舎につながっているのです。午後から学生ボランティアの案内を頼んであるので、それまでの時間を相国寺の観光や、学食での安い食事体験で俄か学生になって来ました。学生たちは長い休みに入っているので、静かな雰囲気の中、シニアたちはロビーで折り紙教室などを楽しんできました。
 同志社はテレビドラマ「八重の桜」で一躍有名になった新島襄創設の英学校から、140年の歴史を誇る名門大学です。今出川学舎は文系で理系は京田辺市に移設されました。学生の勉学に必要なIT機器など自由に使える恵まれた環境にただただ驚くばかりです。その分学費も高くなって親は大変だろうなぁ~、と子育ての終わったシニアの心配です。


「囀りの 梢見降ろす チャペル在り」


[2305] 相国寺 [PC]  2016/02/18 07:46:22    [削除]


   京都五山の第二位と言われている相国寺に寄り道して来た。元々歴史音痴のロクは、仏教寺院の姿かたちに興味を注がれるだけで、誰が創建したかなど歴史的背景などトンと知らない。何時も帰ってからネットで調べるパターンになっている。今回は妻から実家が臨済宗(禅宗)でその本山が相国寺と聞かされていた。そして昔、親たちと一緒に訪れた事があったらしい。鳴き龍の話も聞いたが覚えていない有様だ。因みに京都臨済宗の五山とは天龍寺・相国寺・建仁寺・東福寺・万寿寺と別格の南禅寺らしい。
 一度来た事があるという事だけで、800円の拝観料を惜しんで境内を散策するに留めた。リアカーに夏ミカンがどっさりと積まれていて、お持ち帰り下さいとある。後先のことを考えずにリュックに入るだけの夏ミカンを、僅かな志納金だけで戴いて帰った。ロクは凡人で小市民だなとつくづく思う。


「名刹も 夏蜜柑には 甲脱ぎ」 


 [2306] 木喰仏 [PC]  2016/02/19 06:58:53    [削除]


   3木と言う妻のグループが猪名川町の木喰仏を訪ねるというので、一緒に参加させてもらいました。江戸時代の真言宗戒律の木食修行を成し遂げた高僧木喰明満上人が、全国を旅し、その間に千躯の仏像を彫ったと言い伝えられています。彼の晩年90歳の春に猪名川町を訪れ、三カ月の滞在の間に33躯の仏像を造られたらしいです。猪名川町には今でも26躯の木喰仏が現存しています。
 その内の16躯の木喰仏を2個所の寺に訪ねました。写真は天乳寺の3躯で住職の説明によると、真ん中が明満仙人自刻蔵で、両端が一本の木を半分に割り彫られた菩薩像で、背中合わせにすると木目がつながります。裏には日付や自分のサイン代わりの花押や年齢、協同制作者の大工の名前まで書かれています。


「春の寺 微笑み仏 猪名川に」 


[2308] 糸寒天 [PC]  2016/02/21 07:13:00    [削除]


   昔は能勢でも寒天作りが盛んでした。聞くところによると能勢の最北部天王と言う寒冷地では、過っては何軒も寒天を作っていたようです。温暖化と機械化が進み、手作り寒天は廃れてしまいました。今では猪名川町阿古谷の井谷寒天製作所だけが手作り寒天の伝統を受け継いでいます。同じ様に三白と言われていた高野豆腐作りも廃れてしまいました。
 写真は阿古谷の糸寒天を乾燥させている工程風景です。道の駅「いながわ」で手に入りますが、かなりの高級品です。お米を炊く時に少し入れたり、サラダにしたりされるようです。能勢ではその加工品としての丁稚羊羹が往時を偲ばせています。


「山間に 寒天干しの 眩しくて」


[2309] 曙馬酔木 [PC]  2016/02/22 07:41:33    [削除]


   日当たりのよい場所ではアセビが沢山の蕾を付け、間もなく満開と言う状態です。アセビは日本原産で山に自生しています。写真はアケボノアセビで植栽されているものです。万葉集ではアシミと詠われ、古今集ではアセボとなっていると知りました。先日“アセビ半分”と僕の持ちネタを紹介してもらいましたが、遊びの意味が含まれているのは知りませんでした。多分古今集のアセボから来ているのでしょうか。
 植栽されているものは園芸種だと思っていましたが、変異種を観賞用として育てたものと思います。交配させて品種を作っているという話はあまり聞きません。盆梅と同じように鉢植えで盆栽仕立てにしているものを鑑賞したことがあります。何れにしても春を感じさせてくれる花です。


「紅を注す 馬酔木シャワーに むせ返り」


[2310] 蕗の薹 [PC]  2016/02/23 08:12:54    [削除]


   この時季散歩しているとフキノトウの萌黄色が目につくのだが、今年はまだ見つからない。顔馴染みの人に会ったのでそれとなく聞いてみると、もう出ているよとのこと。他の農家の人は少量だが今日道の駅に出荷したと教えてくれた。確かに目を凝らすと恥ずかしげに顔を出し始めている。顔馴染みの彼はわざわざハサミとビニール袋まで持って来てくれて、出始めたばかりの蕗の薹を幾つか摘んでくれた。夕餉にほろ苦い蕗の薹の天ぷらを頂いたのは言うまでもない。春は苦味からやってくる。
 フキは冬に黄色の花を咲かすことから冬黄(ふゆき)と呼ばれ、それが転化してフキになったらしい。葉と花が別々の茎に出てくるのが変わっている。花の付く茎をフキノトウと呼ぶ。雌雄異株で雄花は薄黄色で雌花は白色だが、まだ開いていないので区別がつかない。冬黄と言うから雄花が先に咲き出すのだろうか?


「山里に 居を構えて 蕗の薹」


[2312] 牡丹鍋 [PC]  2016/02/24 13:20:44    [削除]


   毎月飲み会をしている仲間に、奥猪名の牡丹鍋の話を得意気にしていたところ、是非行ってみたいと乗り気になられたので、急遽予約して行って来た。客は我々6人だけと言う貸切状態。元々は研修施設だったものを一般にも開放したところなので部屋がだだっ広い。16人部屋に6人が大の字になって宿泊して来た。サービスこそ期待出来ないが、酒類などの持ち込み歓迎なので、驚くほど安く牡丹鍋宴会を楽しめた。
 宴会だけではつまらないので、道中の観光も織り交ぜ、三田のめんたいパークや猪名川町の静思館、多田銀銅山にも寄り道してきた。皆さん初めてという事でちょっとしたミニ旅行気分を味わって貰えた。


「寒暖が 行きつ戻りつ 牡丹鍋」


[2313] 福寿草 [PC]  2016/02/25 07:04:22    [削除]


   旧暦の正月ごろに咲く花と云う事でフクジュソウと言う目出たい名前を頂いています。花色が小判の様に光り輝き、花期が長いので長寿に準えて福寿草になりました。かなり昔から鉢植えにして親しまれてきたので古典園芸植物のさきがけです。フクジュソウはキンポウゲ科の有毒植物です。利尿・強心の薬効がありますが、劇薬成分を含んでいますので民間では利用できない危険な薬草です。
 トンボのメガネで皆さんを自生地に案内したいので、咲き具合を確認に行って来ました。随分と数を減らしています。鉢植え欲しいなら花屋さんで購入してもらいたいものです。盗掘して持って帰っても育ってくれないはずです。ロープを張って監視しなければならないなんて寂しいですから。


「田んぼ脇 押しくら饅頭 福寿草」


[2314] 古墳群 [PC]  2016/02/26 06:57:40    [削除]


   予定もなく買い物ついでの散歩に付き合いました。我が家の近くの裏山は城址になっており、その麓には御門第(みかどやしき)と言って応仁の乱の際に公家たちが移り住んでいた屋敷跡まで在ります。今でもその土地に家を建てたり、触るとたたりがあると言い伝えられています。家から数分のスギ林に鳥居が建っているので、何だろうと前から気になっていました。
 鳥居をくぐり急な坂を登って行くと「大歳神」と書かれた石碑が鎮座しています。円墳らしき所に横穴式の石室の跡があります。資料によると二基の古墳があったようで、一基は倒壊して形を留めていません。能勢町には143もの古墳が確認されています。歴史音痴のロクですが百年単位の世紀で括れる古墳なら齧ってもいいかなと思っています。


「神々の おわす山里 春の雪」


[2315] 鴛鴦 [PC]  2016/02/27 07:35:04    [削除]


   大阪の近郊でオシドリ観察が出来るとの情報を得たので、千里中央公園に下見がてらに訪ねて来た。観察は午後からの方が良いとのことなので、昼食を済ませてから観察場所に着くと、先着のウオッチャーがカメラを据えて待機中。様子をうかがうと、数羽のオシドリがいる、とのことだが全然姿が見えない。池の反対側に回ってみると、樹の下にオシドリが確認出来た。持って行ったドングリを蒔いていると、驚いた事にカルガモがやって来て食べ始める。暫くするとオシドリも姿を見せてくれるようになった。
 地元の人が沢山のドングリを持って来て蒔き始めると、何処に潜んでいたのかオシドリが群れで集まって来る。この池には50羽ほどが10月頃から4月頃まで居るとのこと。池の周りにドングリの木が植わっているので、それを充てに集まって来るようだ。オシドリがドングリを啄むために池に潜るという光景にも出くわせた。


「銀杏羽を 畳んで潜る 鴛鴦の」


[2316] 黄梅擬 [PC]  2016/02/28 06:59:17    [削除]


   写真を撮っている時にオウバイと教えて貰ったが、枝が枝垂れているのでオウバイモドキかもしれない。別名で雲南黄梅と言われている。勿論教えて貰った黄梅かもしれない。オウバイは中国原産で江戸時代初期に渡来してきた。梅と同じ頃に黄色の梅に似た花を付けるのでそのまま黄梅と呼ばれ親しまれている。中国では旧暦の正月頃に咲くので迎春花と呼ばれ目出たい花になっている。
 モクセイ科の低木でジャスミンの仲間らしいが香りは無い。鉢植えなどで育てられているが、垂れ下がった葉っぱからも根付くらしく、繁殖力旺盛で籠抜けしたものが野生化している。ツルニチニチソウの様に処構わず繁茂する事もないだろう。


「黄梅も 黄砂の時季に 黄色増し」


[2317] 万作 [PC]  2016/02/29 07:35:52    [削除]


   春の使者マンサクが咲き始めました。“先んず咲く”から転訛してマンサクになったという由来は有名ですが、古名のシイナと言う名前の忌詞(いみことば)を嫌って万作になってという説もあります。シイナとは殻ばかりで実の無い籾とか、ひなびた果実の事を指す言葉らしいです。マンサクは日本特産種でマルバ(マンサク)・アカバナ(以下略)・トキワ・ベニバナトキワなどが自生しています。中国原産のシナマンサクと言うのもありますが、こちらは品種改良されて園芸種として出回っています。
 細長い4枚の花弁が捩れた何とも変わった形の花ですが、マンサクは3つの花が合着しているように見えます。種類によっては2つが背中合わせになっていたりして、観察すると楽しい仲間たちです。材に粘りがあるので、枝を潰して麻ひも代わりに使う「ねそ」と言う利用法があり、合掌造りの重要な建材になっているとのことです。昔の人々の知恵に感心させられます。


「万作の 咲いて会話も 弾みけり」


 [2318] 春雪 [PC]  2016/03/01 07:18:08    [削除]


   折角春が来た喜びを昨日はアップしたのに今朝は真っ白です。昨夜から寒気団が居座っているのでしょう。基本的には暖冬でしたが、寒暖の差が大きくそれに着いて行くのが大変です。植物の開花も概ね1ヶ月ほど早い様で観察予定を狂わせています。今月半ばに椿の観察を予定していますが、案内を頼んでいる方からは1~2月早く咲き出しているとの連絡を頂きました。その点サクラは開花時期に多少のズレがありますが、寒さをしっかり感知してから開花するので、今日の寒さなどは目覚めに良い刺激を与えていることでしょう。冬眠打破と言います。
 3月が雪で開けてしまいました。一昨日は着ていたコートを脱ぐ位の陽気だったのに今朝の寒さ。明後日辺りからは5月の陽気になるようです。今年の夏が猛暑との予報も出ています。温暖化で極端な気象現象が地球を襲っています。くわばらくわばら。また雪が深々と降り出しました。


「お雛様 白粉塗って 紅を待ち」


[2320] 接骨木 [PC]  2016/03/02 07:12:06    [削除]


   3月の声を聞くといち早くニワトコの花穂が出て来ました。枝に対生に付くブロッコリーの様な蕾が特徴です。漢字表記でも判るように骨折した時に患部に塗ったり、患部を保護する当て木に使われていました。全草が打ち身や打撲、リューマチなどに効く薬草です。神経痛などを和らげる効果があるので煮出した汁をお風呂に入れると良いらしいです。変わったところでは小鳥の止まり木にニワトコの枝を使うと病気をしないようです。
 ロクはもっぱら山菜として利用しています。早春の山で見付けた時には天ぷら用に少し摘んで帰ります。赤く熟れた実の果実酒も酸味のある美味しいものらしいですが、まだ試したことがありません。何時も作る楽しみだけで何年も昔の果実酒が地下収納庫に眠っています。


「接骨木の 二つ並んで 咲き比べ」


[2322] 白木蓮 [PC]  2016/03/03 06:58:53    [削除]


   モクレン属の花はこの欄で一番アップが多いはずです。昨年も何度か登場させました。花が大きくて目立つのでつい写真に収めています。紫色のモクレンより、ハクモクレンの方が早春の青空に映えます。冬の間は殻に閉じこもっていたのが、陽射しが長くなってくるとコートを脱ぎ棄て、真っ白な花が顔を覗かせる様子が“春が来たよ”と告げているようでロクを嬉しくさせます。
 ハクモクレンは中国東部原産ですが、渡来時期は判らないようです。1660年代には記述があるのでそれ以前に入って来たのでしょう。中国では花と蕾は薬用にされ、花弁は食用にされているようです。種子からは油を採るとのことです。仲間のコブシ・タムシバ・ホウノキ・オオヤマレンゲなども良い香りがするので、モクレン属にはたっぷりの精油成分が含まれています。


「颯爽と 飛び出す如き 白蓮の」


[2324] コピー [PC]  2016/03/04 07:11:02    [削除]


   以前、奈良町の「からくり玩具館」に行った時に、江戸時代から明治頃まで楽しまれていた『目付絵』に感心して、アイデアを戴いて植物バージョンで作ってみました。その時友達からこんなのもあるよと、動物イラストで作った『不思議カード』と言うのを見せて貰いました。これを観察会で利用出来ないものだろうかと考えて、水鳥観察用のものを作りました。皆さんからの反応は好評で、気をよくして今度は椿バージョンです。これらのアイデアは全て借りものです。写真と使い方だけがオリジナルなのです。作者が判れば紹介したいのですが……。
 今日、トンボのメガネでは福寿草観察会もあるので、皆さんに開花の様子を伝えたくて歩いて来ました。我が能勢ではまだ春らしいモチーフが見つかりません。苦肉の策として昨日頑張って作った、次回観察用の『お好きな椿』を紹介しました。


「盗っ人も アイデアだけでは 咎ならず」(川柳)


[2325] 雛飾り [PC]  2016/03/05 06:50:57    [削除]


   今年も花折街道の雛飾りを観に行って来ました。竹雛の趣向が毎年変わり楽しませてもらいますが、今年は土雛が無かったのでがっかりです。自治会館に展示されている歴史あるお雛さんも、ヨガ教室とかで観ることが出来ません。町興しで始められたイベントですが、せっかく楽しみで遠くからも参加してもらったのに、教室が終わってから見て下さいというのはあまりにも失礼だと思うのですが。主催者である観光協会などと、地域住民の感覚のずれを感じました。
 途中でお寺に寄りましたが、そこではお茶の接待があり、霰も袋に入れて提供されています。訪いを乞いましたが、無住寺なのか応答がありません。粋な計らいに心ばかりの志納をして立ち去りました。


「雛暖簾 潜り古刹に 憩い在り」


[2326] 観劇 [PC]  2016/03/06 07:49:33    [削除]


   午前中は男の料理教室で鹿肉が手に入ったので、塩麹を浸みこませた鹿肉のハンバーグと竜田揚げを先生が考えてくれた。能勢ならばこそのジビエ料理だ。サークル会員の農家の方が、採れたて野菜を提供してくれるので、新鮮野菜たっぷりのヘルシーメニューが食卓に並ぶ。
 大阪のてっぺん能勢から東大阪の若江岩田まで観劇に行くので、後片付けもそこそこにバスに乗り向かう。4時からの開演には余裕を持って到着できたが、帰りの時間が気になる。劇団「息吹」の団員から毎回案内が届く。今回の公演は井上ひさし作の「闇に咲く花」-愛敬稲荷神社物語ーメッセージは“父さん、ついこのあいだおこったことを忘れちゃだめだ、わすれたふりをしちゃなおいけない”戦争への道を突き進む暴走政治への警鐘と思った。帰宅は9時前になり、能勢は遠い、まさに大阪のてっぺんだ。


「啓蟄と 聞いてバス待ち 苦にならず」


 [2328] 紫鷺苔 [PC]  2016/03/07 07:18:41    [削除]


   普通4月頃から咲き出すムラサキサギゴケが開花しているのに出合いました。やはり今年は総じて花の開花が早いようです。花姿から鷺の舞いを連想して名付けられました。後ろに苔とついているのは、茎が地面を這って拡がっている様子からですが、一般的に言われているコケ植物ではありません。
 良く似た仲間にトキワハゼと言うのがあります。何時も観察会で、どちらだろうと迷うほど似ています。大まかに言って匍匐しているのがムラサキサギゴケで、茎が立ち上がっているのがトキワハゼです。花の色と大きさもムラサキサギゴケの方が勝っています。花期の長さは常盤と言うぐらいですからトキワハゼが秋頃まで開花しています。


「田んぼ道 色を注したる 春の草」


[2329] 関西蒲公英 [PC]  2016/03/08 07:03:08    [削除]


   タンポポと言うのは日本に20種ほどするキク科タンポポ属の総称です。世界には400種ほどあります。属の特徴はロゼット状の根生葉から花茎を出し、先頭に1つの頭花を付けることです。花茎は分枝もしないし、途中に葉も付けません。タンポポによく似た花にブタナがあります。しかしこちらは花茎が分枝して頭花を複数個付けるので、タンポポ属ではないことが判ります。
 月並みな花ですが、やはり春を一番感じさせてくれる花です。別名で田菜(タナ)と言われるくらい生活域に自生しています。最近はセイヨウタンポポに押され気味ですが、滋養強壮・健胃・がん一般などの薬効が薬理実験で確認されているので、春の味として食卓に乗せたい野草です。自分で作ったことがまだ無いのですが、根っこのタンポポ珈琲も試してみたいものです。


「童顔 コーラス帰り 鼓草」


 [2330] 虚空蔵山 [PC]  2016/03/09 08:02:52    [削除]


   帰ってからネットでコースを調べてみたが見つからないマニアックなルートで虚空蔵山に行って来た。幾つもの山を越えながらの縦走コースで、JR篠山線の草野駅スタート~遠回りして山上山390m~大谷山417m~八王子山496m~虚空蔵山597mから藍本駅に戻るというハードなコースだった。頂上でお昼の予定だったがアップダウンの多いコースで、結局頂上には1時半前になってしまった。下山は一度通った事のある簡単コースで駅まで2時間もかからなかった。
 最近山行回数が減っているので、筋力の低下か足の重かったこと。山行前のアルコールは控えているので、息こそ上がらなかったが、同じように足も上がらなかった。川西池田駅で降りた後の階段の厳しかったこと。打ち上げの人参に釣られて改札口に辿り着いた始末。(*^_^*)


「杉花粉 くしゅん一つ こだまして」


 [2331] 深山樒 [PC]  2016/03/10 07:34:17    [削除]


   ミカン科ミヤマシキミの雄花の蕾かなと同定しました。まだ蕾なので雌花の子房があるかまで確認出来ないのですが、円錐花序の花の多さから雄花にしました。よく似た仲間にツルシキミがありますが、あまりにも似ているので区別がつきません。ミヤマシキミは福島県以西の日本原産種です。葉にアルカイドを含む有毒植物ですが、頭痛やめまいなどの民間薬として使われて来たようです。煎じ液を虫下しに使ったと紹介されています。
 ハイキングでよく見かける植物なので、何気なしにミヤマシキミと言っていますが、同じようなところに生える、ジンチョウゲ科のコショウノキもあるのでうっかりした事は言えません。ただコショウノキは花の数が少ないのと、花期や実のなる時期が速いので区別しています。


「何も無き 山に香りの 弥生来て」


 [2332] 食事時間 [PC]  2016/03/11 06:54:10    [削除]


   窓から覗いていると鹿の一家が山から下りて来て、萌えだした若草を食べに来ています。14~5頭もいるでしょうか。見ている分には愛おしいのですが、地元の農家の方には農作物を荒らす憎たらしい害獣です。鉄砲打ちが少なくなり駆除はもっぱら檻や罠に頼っているばかりです。行政も考えているようですが、これといった解決策を見出せない状態です。ロクは鹿牧場を機会ある毎に提案していますが、聞き入れて貰っていません。と言うより肝心な人に届いていないといった方が正しいでしょう。
 二月堂のお水取りが始まっていますが、松明に使う真竹がピンチを迎えていると報道されていました。こちらは猪がタケノコを食べ尽くしてしまうので、松明用に使う真っ直ぐで太さも揃ったものが調達しにくくなっているようです。奈良の鹿も増え過ぎているので捕獲できる地域を拡げたとの報道もありました。シカ害・イノシシ害困ったものです。今朝も芽吹きを食んでいます。


「朝一に 眺める癖の 春の鹿」


 [2333] 玉の浦 [PC]  2016/03/12 05:43:07    [削除]


   何とも云えない綺麗な椿「玉の浦」の子孫です。長崎県五島市の旧町名「玉の浦」から付けられた命名です。炭焼きを生業としていた故有川作五郎さんが昭和22年に、旧「玉の浦町」の山で偶然見付けました。それを町長であった故藤田友一氏が椿の品評会で発表して見る間に愛好家の間に広まりました。受難を受けたのは発見された母木です。枝や根を持ち帰られ枯死してしまったようです。いま世界中に広まっているのは玉の浦の子孫で、名前に「玉の糸」などと玉やタマが冠されています。
 能勢で歩きまわってもあまり春を感じられないので、都会の植物園に足を運びました。長居公園にある植物園です。今朝は椿の紹介ですが、春を先取りしている花々を、機会があれば古くならない程度で紹介したいものです。


「水甕に 浮かべたき彩 落椿」


[2334] お水取り [PC]  2016/03/13 07:41:44    [削除]


   山友会の例会は足腰の状態が悪いという方が増えて来たので、今回はお水取りクライマックスの奈良公園にしました。鹿寄せも13日が最終回と言う事で、せっかくの機会だからと皆さんを案内しました。今回の奈良はトンボのメガネで2月に訪れたコースのトレースなので効率よく皆さんを案内出来ました。前回は移動にバスを使いましたが、今回は山友会と言う名前が泣くので歩いて貰いました。因みにコースは鹿寄せの飛火野~保護施設「鹿苑」見学~手向山神社~二月堂~頭塔~奈良町散策でした。
 二月堂には全国から講を組んで来られている方でごった返しています。休憩場所はどこも満員です。多分竹などを奉納された講かもしれません。昨日の籠松明はクライマックスにふさわしく、今までより2m長い8mで重さも20k重い60~70kだそうです。写真は本番前のスタンバイ中の籠松明です。


「御水取 終えて季節の 一めくり」


 [2335] ヒキガエル [PC]  2016/03/14 07:19:08    [削除]


   昨日はひとくらクラブの活動日で、鹿の防護ネット設置や樹木に名札を付けたり、観察道をつける作業など森の整備をしました。自然大学校のカエル調査をしている仲間が「ひとくら通信」と言う広報誌を見て、ヒキガエルの生息調査に訪れました。公園の2個所に作られたビオトープ池にはたくさんの卵が産みつけられ、ロープ状の卵塊の中では、孵化しそうな状態にまで成長しています。日当たりのよい別の池では、孵化直後で13ミリほどのオタマジャクシがおしくらまんじゅうになっています。
 昨年も同じ池でたくさんのオタマジャクシがいたのですが、それがニホンヒキガエルだったのです。日本には他にアズマヒキガエルと渓流にすむナガレヒキガエルがいるという事も教わりました。ヒキガエルと云うのは俗に云うガマガエルの事です。昔、滋賀県の武奈ヶ岳から持って帰り、再び山に返しに行ったもらった苦い経験を思い出しました。


「陽だまりで 微かに尾振る 蛙の子」


[2337] 金花茶 [PC]  2016/03/15 06:24:23    [削除]


   キンカチャと云うのは黄色い椿の総称です。1965年に中国の広西省地方で初めて発見され「幻の黄色い椿」として注目を集めました。その後ベトナムにかけて50種ほどが確認され、日本には15種が持ち込まれています。何れにしても珍しい椿で、長居植物園と奈良の万葉植物園でしか見た事がありません。写真は長居植物園の椿エリアに1本だけ在りました。その横には菊花茶とかチューリップタイムなどの珍しい椿も鑑賞できます。
 キンカチャはアルミニューム耐性植物と云われ、その成分で黄色く発色するようです。アジサイなども土壌によって花色が変化するのと同じ理屈です。18日金曜日11時前頃から服部緑化植物園で椿のレクチャを受けます。興味のある方はご参加下さい。


「際立ちて 厚葉に黄色の 椿咲く」


 [2338] 河津桜 [PC]  2016/03/16 07:44:41    [削除]


   1955年に静岡県河津町で発見されたカワヅザクラです。カンヒザクラとオオシマザクラの自然交雑種と考えられています。早咲き桜で花期の長いのが特徴なので、3月1ヶ月間は花見を楽しめそうです。関西でもソメイヨシノが咲くまでの間、いち早く桜を楽しんでもらおうと、公園などへの植樹が増えています。
 昨日はじねんクラブと云うサークル例会で、新たに国宝になった石清水八幡宮と、伏見区淀水路の河津桜を訪ねました。淀競馬場の池から溢れ出る水を水路とした人工河川に170本ほど植えられていて、今が盛りと花を咲かせています。周辺住民以外に観光客にも来てもらおうという試みです。メジロも我々に負けじと訪問しています。


「早咲きの 桜に遊ぶ 目白かな」


 [2339] 小賀玉木 [PC]  2016/03/17 07:34:32    [削除]


   オガタマノキが花を付けている。別名で常盤辛夷と云うらしい。モクレン科の常緑樹で花がコブシを小さくしたようだから、こちらの方が植物の生態を表しているように思う。日本原産で関東以西の日当たりの良い所に自生しているようだが、神社でしか見た事が無い。名前の招霊(おがたま)から神社をイメージしてしまう。神木以外に葉を香料に、樹皮を鳥モチに、材は床柱に使われるようだ。
 オガタマノキの仲間で、中国原産のカラタネオガタマも神社の境内に植えられている。こちらは開花が5月頃になり、花色も淡い黄色で何とも言えない芳香を放つ。その香りはババナエッセンスの様で、香りの花ベストテンにランクされるだろう。


「葉の陰で 香り抑えし 辛夷在り」


[2340] お猿さん [PC]  2016/03/18 07:16:05    [削除]


   定例の検診日から一目散に帰り、工作に没頭した。干支工作の申は年末から年始にかけて何回も作ったので、今年のお猿さんの工作は終わりと決めていたのだが、自然大学校の仲間からストラップタイプのお猿さん3種類を頂いた。それがなかなか可愛く仕上がっている。そのアイデアを戴いて、少しバージョンアップしたものを作ってみた。手を加えなければならないので大変だが、試作品として写真の数だけ作ってみた。我ながら上出来だとほくそ笑んでいる。
 彼から頂いたものはお猿の横顔だけをストラップにしたものだが、左右の横顔を貼り合わせると、立体感が出て見栄えも良くなると考えて作ってみた。確かに見てくれは良くなったが、手間は倍以上かかり大量生産には向かない。今年のトンボのメガネでサルの観察会も予定しているので、それまでに参加者に差し上げる分は作れるようにしておきたい。


「検診日 歩幅も広く 彼岸入り」 


[2341] 椿山 [PC]  2016/03/19 07:14:43    [削除]


   服部緑化植物園に椿を訪ねた。園内では「この指たかれ」と云うボランティアの団体があり、そこの椿に詳しい仲間から案内して頂いた。彼とは昨年知り合い、椿の展示会にも参加させてもらった関係から『トンボのメガネ』今年度最終回は椿山と決めていた。心配していた雨も降らずに、今を盛りと咲く色とりどりの椿に、皆さん堪能されたようだ。落椿を放置しておくとキノコが生えやすくなり、椿を痛める話など眼から鱗だった。特にロクを満足させてくれたのは、手のひらに垂らして貰った椿の蜜を味見出来たこと。メジロやヒヨなどの小禽たちと楽しみを共有出来た。
 午後からは別のメンバーに園内を案内して頂き、我々の観察会と違った切り口での案内に、また新たな再発見をすることが出来た。サクラの蕾も膨らみ、木々の芽吹きなども観察出来て、植物園は身近な自然を提供してくれる。お二方に感謝したい。


「色香たち 何で誘うか 椿山」


[2342] 閉校式 [PC]  2016/03/20 06:50:34    [削除]


   今まで学校支援ボランティアとして度々お邪魔していた地域の小学校の閉校式に招かれて参加して来ました。能勢では6小学校と2中学校が全て廃校され、今年度から新築された学校に小・中学生は転校になります。昨日訪れた学校は141年の歴史を持ち、地元の方々が巣立って来られた学校です。計画が持ち上がった段階から、能勢の将来が無いと反対して来ましたが、多数派の声になりませんでした。
 新学校は我が家の窓から見える丘の上にあり、これからは校内放送や子どもたちの声が聞こえてくることでしょう。今は鹿が若草を求めて山から下りて来ますが、4月からは子どもたち一色になります。一抹の寂しさと、子どもたちの歓声に包まれる環境を想像して複雑な気持ちになっています。


「卒業を 待たず半ばで 母校去り」


[2343] 葉蘭 [PC]  2016/03/21 08:18:53    [削除]


   常緑の多年草ですから和風庭園に欠かせないハラン(バラン)です。また日本料理を引き立てる脇役として使われて来ました。多分ハランには抗菌作用があるので使われたのでしょうが、最近は味気ないプラスチック製のものにとって代わられました。実際にハランの乾燥根茎には利尿、咳・痰、滋養強壮の薬効があるようです。中国原産でかなり古くに渡来してきたようですが、すっかり日本に帰化してしまった感がします。
 初めてハランの花と実を観察しました。葉をかき分けて覗かないと見付けられない暗紫色の目立たない花です。その横にキンカンぐらいの球形の果実まで在りました。ハランは蝸牛媒花(かぎゅうばいか)と言われる植物で、カンアオイやオモトなどと同じようにカタツムリやナメクジによって花粉が媒介されます。自生している処で花や実を採取して、観察してみたいのですが、鹿児島県辺りの島に行かないと自生種は無いようです。


「目立たずに 葉蘭の根元で 穀雨待ち」


 [2344] 植樹 [PC]  2016/03/22 07:47:46    [削除]


   川西里山クラブのイベントに「ひとくらクラブ」の仲間と参加してきた。妙見の森でのクヌギの植樹と里山再生を研究されている大学の先生の講演会。ブナ科コナラの古木にナラ枯が拡がり、その対策として林を若返らすためにクヌギの幼木を植樹するというもので、初めての体験をしてきた。石の多い急斜面に孟宗竹で土止めの基礎を作り、その上を掘って苗木を植えて行く作業だが、慎重派のロクは2本しか植えられなかった。
 伐採された薪を使ってダッチオーブンでピザが焼かれている。お昼には煙の香りがぷんぷんするピザが参加者全員に1枚ずつ振舞われた。手作りロケットストーブでは引き立てコーヒーが香っている。素朴な野外料理の味に大満足。午後からの先生の講演も、眠気を吹き飛ばす里山再生の実験報告で、いろんな切り口で里山再生を考えようという目から鱗の内容だった。


「幼木の 芽吹きに明日の 夢託し」


 [2346] 甘菜 [PC]  2016/03/23 07:01:53    [削除]


   50歩100歩と云う山サークルから地元の三草山に行って来ました。皆さんをバス停でお迎えし、勝手知ったる田園風景を登山口まで案内しました。後のコースはリーダーにお任せです。下山は猪名川町の槻並集落を通り、最終目的地の屏風岩までアスファルト道を延々と下って行きました。
 空は晴れ渡り、田んぼの脇にはツクシや蕗の薹がたくさん出ているので、皆さん前に進みません。ロクはそんなものには目もくれず、早春の花を探しながら歩きました。何と貴重種になってしまったアマナが咲いています。これもスプリング・エフェメラルに入るのでしょう。夏季には枯死してしまい、地下部の根茎だけが来年の春まで休眠します。甘菜と云うぐらいですから、昔から鱗茎や葉を食用にして来ました。ムギグワイとも呼んでいたようで、鱗茎を何となくイメージ出来ます。自然保護の観点から採取しては駄目な植物になりました。


「内緒道 甘菜の咲きし 農道を」


 [2347] 一休み [PC]  2016/03/24 06:58:09    [削除]


   今日と昨日の二日間は予定が入っていないので、工作でも作るかと取りかかったが、細工が彫刻刀を使う仕事なので肩が凝り、午前中でギブアップしてしまった。今年はフキノトウを採り損ねたので、息抜きを兼ねてフキノトウ探しに歩いてみた。既に花を咲かせていたが、まだ蕾の状態を保っているものだけを採取して帰った。もちろん蕗味噌を作るためである。
 帰り道、知り合いの農家のお年寄りが、農作業の合間の一休みの談笑を楽しんでおられる。やあ~!と気安く声をかけ暫しの時間仲間に加わった。ここでしか“若い人は良いね”と言って貰えない。ホウレン草とワケギを畑から引き抜いて持たせてくれた。感謝!


「ほころびし 話し言葉も 彼岸過ぎ」


[2348] 今朝の月 [PC]  2016/03/25 06:39:58    [削除]


   2日間予定の無いフリー曜日を過ごしたので、今朝は何時もより早く起きだして、天気はどうだろうと窓から空を確認しました。西の山に間もなく沈みかけの月が満丸です。空も晴れ渡っています。気温はと云うと室外、屋内とも2度です。氷点下にこそなっていないものの冬に逆戻りです。これが大阪のてっぺん能勢なのです。
 写真の下に写っているのが明日開校式を迎える新学校です。間もなく東の空に太陽が登ってきます。西の空の月は既に沈んでしまいました。能勢の将来を暗示しているような今朝の風景です。登ってくる太陽に期待するしかないでしょうね。


「あと暫し 残って欲しき 春の月」


 [2350] 燈台草 [PC]  2016/03/26 07:03:43    [削除]


   今朝も霜が降りているので外気温を確認に行きました。マイナス1度です。さて、昨日は下見を兼ねて摂津峡まで足を伸ばしました。目的は山野草の天ぷら材料が当日揃えられるか?所要時間はどれぐらいか?場所の予約は必要なのか?などです。それ以外にコース途中の足場とか、バスの時間など細かいチェックが要ります。年間24回の例会をこなしましたが、案内役は単純に見てその倍は行っている勘定になります。別に負担とか思っていません。
 下見の余禄です。トウダイグサが空き地全体を埋め尽くしています。まるで種をまいたようです。何とも変わった植物なので一度覚えると忘れられない燈台草、灯明を置く台に見立てて名付けられました。手折ると乳液が出てきます。手に着くとかぶれる有毒植物です。と云う事で薬草でもあります。


「土手道の そこだけ春を 独り占め」


[2351] 椿展 [PC]  2016/03/27 07:34:26    [削除]


   コーベ・カメリア・ソサエティ主催の椿展を訪ねました。先日服部緑化植物園で椿のレクチャーを受けた方からの紹介です。会場には和種・洋種の様々な椿の切り花が展示されています。和種と洋種の違いは、漢字表記されているのか、片仮名表記されているのかで、おおよその区別がつきますが、我々素人目には素朴だな、ゴージャスな大輪だな位の判断しかできません。そこでスタッフの方に椿鑑賞の案内を乞いました。懇切丁寧に案内して頂き、世界中で今も椿の品種改良が続いていることまで教わりました。
 春眠暁を覚えず、寝床から起き出すのにエイヤー!と気合を掛けないとなかなか脱出できません。暑さ寒さも彼岸までと云いますが、今年はそんな慣用句が通じない異常さです。今朝も霜が降りています。せめてこの欄で春を感じて貰おうと“椿”をアップしました。


「其々が 自分を生きる 椿展」


 [2352] 土筆 [PC]  2016/03/28 06:57:53    [削除]


   花言葉は「意外・驚き・向上心・努力」のツクシです。写真がまさにそれを表しているようです。石に押しつぶされないで、何くそ!と頑張っているように見えます。春一番の野草として皆さんに好まれています。フキノトウと並んで摘み菜の代表格です。ツクシの後に出て来るスギナには様々な薬効があり、乾燥させたスギナをミキサーにかけ、そのまま服用しても好いようです。乾燥葉はお茶にしたり、入浴剤にもなります。
 ツクシ誰の子スギナの子と童謡で歌われているように、両者は同じ植物でスギナは栄養茎でツクシは胞子茎のシダ植物です。トクサ科でトクサと同じ様に古生代の生き残り植物と見られています。ハカマと言われる部分は葉が退化したものです。


「何くそと 力合わせる つくしんぼ」


[2354] 土佐水木 [PC]  2016/03/29 06:56:28    [削除]


   トサミズキの花序が垂れ下がっているのが、なんとも素朴で可愛いです。仲間にヒュウガミズキがありますが、そちらの花は総状花序で塊に見えます。トサミズキは土佐で自生が確認さてれいる日本固有種です。高野山にも自生地がある様で、日当たりの良い蛇紋岩帯を好むようです。一方ヒュウガミズキの自生地は確認されておらず、日向にも無いようです。愛用の山渓ハンディ図鑑でも石川県から兵庫県の日本海側としか記されていません。
 ミズキと名が付くのでミズキの仲間かと思いますが、トサミズキもヒュウガミズキも春一番に花を咲かせるマンサクの仲間です。寒い春の幕開けでしたが、今日あたりから暖かい花見日和の陽気が戻って来るようです。やっとストーブから解放される朝が来るようになります。因みに今朝も霜が降りていました。


「簪を 風に任せて 土佐水木」


 [2355] 江戸彼岸 [PC]  2016/03/30 07:45:02    [削除]


   ひとくらクラブでお世話になっている方から、エドヒガンが3分咲きだよと云う連絡を頂き、川西市の天然記念物に指定された群生地の一つである水明台を訪ねました。20年ほど前から地元の方々が、渓のサクラを守ろうと森の整備をして来られました。毎年この時期一般公開され、昨年に続いてエドヒガンの観察をさせて貰いました。植栽された若木は手に取って花の観察が出来ますが、成長の早いエドヒガン、あと何年近くで観察出来るでしょうか。殆どが高木になっているので、離れた処から全体を見渡すのがエドヒガンの観方でしょうか。
 エドヒガンは別名アズマヒガンとも言われ江戸(東)の名前が冠されています。関東に多くの自生地や植栽地があったからでしょう。ご存知ソメイヨシノの片親です。本州と四国、九州から台湾まで分布しています。寿命も長く高木になり、天然記念物にも指定されている銘木が各地に在ります。「○○の淡墨桜」と云うのは概ねエドヒガンの古木のことです。


「影写す 清き流れに 江戸彼岸」


[2356] 春蘭 [PC]  2016/03/31 06:56:39    [削除]


   野生ランで春に咲くのでそのままシュンランと名付けられた。冬に咲くカンランもあるが、絶滅危惧種でお目にかかったことが無い。中国シュンランとの3種を総称して東洋ランと呼ばれている。シュンランは江戸時代から園芸用として好まれ、葉の斑入りや紅花、白花などが珍重されたようで、古典園芸植物と云われている。花と茎は食用になり、根を乾燥させて粉末にしたものはひび・あかぎれに効くらしい。花酒にしたり、塩漬けにした花の蘭茶などは目出度い席に供されたようで、昔から好まれてきた植物である。
 昨日は展葉調査の活動中に仲間が林の中で見付け、一昨日はエドヒガンの保護活動地で何株ものシュンランを観察してきた。野生のものを見ると嬉しくなってくる。盗掘されずに来年も同じ所で咲いてくれるか、爺婆の心配事がまた増えた。因みにシュンランの事を別名で「じじばば」と呼ぶらしい。


「淡き花 腰を屈めた 春蘭の」


[2357] 大島桜 [PC]  2016/04/01 07:12:47    [削除]


   昨日は天満橋まで出掛ける用事があったので、ついでに足を延ばして大阪城のサクラを観に行って来ました。全体的にはまだ3分咲きぐらいでしょうか。天神橋大川のサクラも同じぐらいの開花で、明日皆さんと訪ねてみようと思っているので、その下見もしてきました。写真はオオシマザクラで、ソメイヨシノのもう一方の片親と云われています。白い花が他のサクラよりも大きく、一緒に出て来た瑞々しい葉とマッチして、何とも言えない優雅さを持っています。
 オオシマザクラは別名を餅桜とか薪桜と呼ばれています。葉っぱの塩漬けしたものを桜餅に使います。香りの成分クマリンを含んでいるので、なんとも言えない芳香を放ちます。また成長が速く材が柔らかいので薪炭用としても栽培されていたようです。乾燥樹皮には様々な薬効もあるようです。名前の由来になっているように伊豆大島や房総半島などに自生地があります。


「緑葉が 桜の白さ 際立たせ」


[2358] 踊子草 [PC]  2016/04/02 06:49:35    [削除]


   トンボのメガネの定例観察日だったが、終日の雨予報が出ていたのでやむなく中止連絡を送った。しかし主催者としては連絡を見ていない人がいたら困るので一応現地まで行ってみた。案の定メール連絡を確認せずに来られた人がいたので、予定のコースを案内した。小雨降る中、背割堤の桜を観賞しながら、目的のオドリコソウを追っかけた。河川敷の環境が著しく変わり、ブッシュ状態でなかなか前に進めない。スパッツを付けていない足元は雨の滴で濡れている。かなり奥まで進んだところで、茂みの陰にオドリコソウを見付けた。ほっとしたのも束の間、携帯にエリアメールが入り地震情報が。こんなところにいたら大変とそそくさと脱出。昨年も雨に遭いここは鬼門だ。
 シソ科オドリコソウは多年草なので、毎年同じ所に花を咲かせてくれる。野草とも思えない優雅な花で好きな植物である。全草が山菜として利用出来る。乾燥させたものを布袋に入れて浴剤にすると腰痛に効くらしい。次回行く時には山菜狩りとして訪れたい。


「春雨を 舞台装置に 踊子の」


 [2359] 大川花見 [PC]  2016/04/03 06:17:18    [削除]


   午前中は天満繁昌亭の朝寄席で落語を楽しみ、終わってから近くの大川まで桜を観に行った。京都の旅仲間たちや奈良からも来られたので、結局案内する羽目になった。大川端にはぎっしりとシートが敷き詰められて、我々団体の潜り込む余地が無い。散策程度の予定だったのでシート類も持って行かなかったが。しかし、お昼時だったので弁当も摂りたい時間になっている。
 何処にでもあるようだが、会社などの花見の場所取りを請け負う仕事があるようだ!広い場所にシートを拡げて、夕方まで場所を確保しておくらしい。“何でも屋”と云うような「よろず承り商売」なのだろう?そこでアルバイトしている気の良い若者が、夕方まで空いているから、自由に使って下さいと声を掛けてくれたので、渡りに船とばかりに甘えさせてもらった。缶ビールが驚くほど高かったが、ご馳走様でしたと応える若者の声に、爽やかな気持ちで花見を終えることが出来た。


「ひらひらと ブルーシートに 花弁の」


[2360] 黒文字 [PC]  2016/04/04 06:58:22    [削除]


   特徴のあるクロモジの花が膨らんで来ました。雌雄異株ですがこの段階では良く判りません。自生地によって開花の状況が違う様で、高地では花が先に咲き、低地では花と葉が同時に出て来るようです。高級和菓子の楊枝に使われる話は有名ですが、樹皮からアルコール成分を含む精油が採れるようです。ダンコウバイ、ケアブラチャンなどクロモジ属の仲間から採った精油をクロモジ油として、石鹸などの香料などに使われます。材は傘の柄などの細工ものに使われるようです。
 昨日の奈良のサークルで野草料理の会があったので、クロモジ茶でも提供しようかなと探しましたが、全然見つかりませんでした。様々な薬効があるのでお茶にして香りを楽しんだり、クロモジ酒を作ったりして活用したいものです。桜が終わった頃から山菜料理の時期到来で、今年も忙しくなりそうです。


「黒文字の 黄花が山を 染め始め」


 [2361] 団栗発芽 [PC]  2016/04/05 06:15:06    [削除]


   こんにちは赤ちゃん~♪と呼びかけたくなるような団栗の赤ちゃんをこの時季よく見かける。特にコナラのドングリが赤くて目立つ。写真はコナラかクヌギか区別が付かない。外の殻がコナラより丸いのでクヌギかなと思ったりしている。生命力溢れる春の息吹を感じるが、果たしてどれだけが実生で育つのだろうか。
 大型の鹿が出る所ならまず食べ尽くされてしまう事だろう。小型のリスやネズミたちは発芽したドングリを食べないのだろうか。同じ所で定点観察を続けたいところだが、近くで観察できる場所を特定できていない。ブナなどは数年おきに大量の実を付けて、リスなどを介して実生で育つ可能性はあるようだが。


「春眠を 終えて団栗 殻破り」 


[2362] 姫踊子草 [PC]  2016/04/06 07:05:07    [削除]


   ヒメオドリコソウは何処にでもあるヨーロッパからの帰化植物で、あまり興味をそそられませんが、偶に白花があると珍しくって皆さんにも紹介したくなります。愛用の図鑑で調べてみても掲載されていないので、ネットで検索してみたら、各地で観察されていて、シロバナヒメオドリコソウとして植物的に確立しているようです。
 一株しか見付けられなかったシロバナヒメオドリコソウを、同じ場所で2日後に写真を撮って来た仲間がいて、写真を見せてくれたのには驚きました。野の花を慈しむ仲間と喜びを共有できたようで、僕たちの観察サークルが驚きやときめきを求めて、野山を駆け回りたくさせてくれる出来事でした。


「春萌に 真白き小花 凛として」


 [2364] 猩猩袴 [PC]  2016/04/07 07:24:06    [削除]


   次回のトンボのメガネで野草料理を提供するので、菜箸は手作りのものを作りたいと竹を切りに出かけた。ついでに山菜の状況も確認したかった。タカノツメが少し顔を出しかけた段階で、タラの芽もまだ硬い。あと1週間ほどで採取できるまでになってくれるか、今日の温かい雨が成長を促してくれることに期待したい。
 毎年ショウジョウバカマが咲く道を歩いてみると、今が見頃と花が咲き誇っている。中国の想像上の動物「猩猩」は猿の様な顔で大酒飲みらしい。能の演目にもなっていて、頭が赤いところが似ていると名付けられた。ショウジョウバカマは常緑の宿根草でロゼット状の葉を袴に見立てたとのこと。大酒飲みの猩猩はとても他人とは思えない。


「花見酒 喰らい小躍り 猩猩の」


 [2365] 以呂波楓 [PC]  2016/04/08 06:19:32    [削除]


   今月のじねんクラブ例会は醍醐の桜を観賞しようと、日程を早めて行って来ました。醍醐寺は噂にたがわず凄い人出です。コースの最後に設定されていたので、拝観は省略して広い境内をそぞろ歩くに留めました。今回のコースは京都地下鉄小野駅から勧修寺を起点に、山科川沿いの桜を見ながら醍醐駅まで歩き、最後に秀吉気分になって貰おうという企画です。
 コース初めの勧修寺は醍醐天皇が900年に創建されたと伝えられています。落ち着いた雰囲気の庭園が素晴らしく、水戸黄門も訪れて寄進されたという変わった形の灯篭もあります。植栽されたイロハモミジの芽吹きです。早春に葉と花が一緒に出て来るイロハモミジは、桜の華やかさに劣らずしっかり自己を主張しているようです。最近の植物分類ではカエデ科からムクロジ科に変更されています。何でやろ?


「指を折り いろはにほへと 芽吹きたり」


 [2366] 石清水八幡宮 [PC]  2016/04/09 07:44:18    [削除]


   自然大学校講座生の頃の仲間たちとの同窓会で、今年2月に国宝に指定された石清水八幡宮を訪ねた。今年2度目の訪問になる。前回は外から綺麗になった八幡宮を眺めるだけだっが、今回は仲間の予約で、昇殿して中を拝観させてもらった。神道などにあまり興味が無かったが、今まで知らなかった神社の仕組みなど、神官に案内してもらい楽しく勉強させてもらった。
 八幡市はエジソンゆかりの地で、一躍竹で有名になった。そこでNPO法人の「八幡たけくらぶ」の顧問をしておられる仲間が今回の企画を組んでくれ、男山の活動拠点にもお邪魔させた頂いた。竹林の整備活動や竹細工同好会の活動なども紹介してもらい、締めくくりの食事会でシニア健在を確認し合った。


「八幡の 朱に彩差す 残り花」


 [2367] 蓮華草 [PC]  2016/04/10 07:28:33    [削除]


   紫雲英とも表記されるレンゲソウです。中国で英とは花をさす言葉らしいです。中国原産で古くに渡来して来ました。マメ科植物は空気中の窒素を取り込んで、地中の根粒菌と共生して窒素を増やすことが出来るので、緑肥として大切な植物でした。しかし、化学肥料が普及して昨今ではレンゲ畑を見ることが出来なくなりました。
 昨日からシニア自然大学校の地球環境「自然学」講座が始まりました。京大名誉教授の田中克先生の主宰でーいのちのふるさと海と生きる社会を目指してーが講座のテーマです。森は海の恋人と云う考えは随分と定着して来ましたが、森と海の間の里も重要な役割を持っています。農薬に頼って来た農業も見直される時期に差し掛かっています。緑肥で育った無農薬の美味しいご飯が何時食べられることでしょう。


「物言えぬ げんげが送る メッセージ」


 [2368] 紅葉苺 [PC]  2016/04/11 07:23:54    [削除]


   バラ科イチゴ属の花がいたるとことに咲いています。殆どがクサイチゴと思いますが、山道では写真のモミジイチゴも咲き出しています。一般にキイチゴと言われる種類で、美味しいイチゴです。果実が黄橙色だから黄苺といわれています。木苺との説もありますが、他のイチゴ属も木本ですから木より黄の方が合っているように思います。
 このキイチゴは美味しいだけじゃなく色んな薬効もあるようです。二日酔いには果実を数個生食すれば収まるとか、乾燥させた根は下痢、腹痛に効くようです。モミジイチゴ酒は美肌、疲労回復、食欲増進になるようです。二日酔いの苦しさは遠い昔のことで忘れてしまいましたが……(*^_^*)


「花色が 黄から白に 移る春」 


[2369] 三葉躑躅 [PC]  2016/04/12 07:56:54    [削除]


   北摂の山の会と云うサークルから久し振りのハイキングに行って来た。リーダーが良く周知の山だったが、のっけからコースが宅地開発で寸断され、ブッシュの中を探し歩きやっと山道に合流できほっとした。だれも文句を云わないほど林の中にはコバノミツバツツジが咲いている。比較的短いコースだったが全コースでミツバツツジが咲き誇り、楽しませてもらった。因みにミツバツツジには小葉以外に大山・東国・西国・南国などを冠する種類が各地に自生している。
 ロクの目的は山歩き以外に、山菜採取も兼ねていた。今週金曜日の野草料理に提供出来る山菜があるかどうかが一番の関心事だった。リョウブとサルトリイバラは採取できたが他の山菜は見つからない。里に下山したところで、採れない場所にタラの芽を1本見付けた。家に帰ってから改めて採取に出掛け、出始めたタラの芽をたくさん採取して帰り、これで皆さんに喜んで頂ける。


「山道に 桃色躑躅 照り映えて」


 [2370] 采振木 [PC]  2016/04/13 07:01:50    [削除]


   尾根道を歩いていると、驚くほどの花を付けたザイフリボクが遥か彼方に咲いている。別名シデザクラと云われるバラ科植物である。采振木とは武将の采配に見立てて名付けられたもので、四手桜は玉串などに添える四手に見た立ている。こんなに咲いているものは過って見たことが無い。庭木や公園にはアメリカザイフリボクが植えられていて、実が出来た時には時々失敬していた。ジューンベリーと云われるぐらいだから果実としても好まれている。写真の分は山の中だから多分自生で咲いているものだと思う。こちらも実が出来るが食べられるのだろうか、まだ食した経験が無い。
 早春の黄色い花から次第に白い花が目立つようになってきた。季節は着実に進んでいるが、寒暖の差が激しく、昨日の朝は霜が降りていた。今朝はどんより曇り、窓から見える桜も色あせて来た。今年たくさん咲いていたタムシバはすっかり姿を消してしまった。今日から三連ちゃんで観察に出る予定だが、天気だけが意地悪しそうだ。せめて金曜日の野草料理だけでも晴れて欲しい。


「山中に 今を盛りと 四手桜」


[2371] 立山竜胆 [PC]  2016/04/14 21:58:12    [削除]


   関西ではあまり見られないタテヤマリンドウです。ハルリンドウの高層湿原型変種と見られています。スキー場などで雪解け後に何とも言えない可愛さで出てきます。ヨーロッパの山で観るゲンチアナの雰囲気が漂い、見付けると嬉しくなります。リンドウは基本的に秋の花ですが、こちらはハルリンドウの仲間ですから今が最盛期です。
 リンドウは好きな花なのでこの写真俳句でも何回も取り上げています。下の検索欄で確認してみて下さい。地元の三草山でも頂上にハルリンドウが咲いているのですよ。熊の胆より苦い竜の胆を充てています。良薬口に苦しそのもので胃薬などに使われます。


「星の花 春雨浴びて 輝けり」


 [2373] 座禅草 [PC]  2016/04/15 06:00:03    [削除]


   達磨大師が座禅を組んでいる姿に似るところからザゼンソウの名になった。ミズバショウと同じサトイモ科の仲間だ。日本海側の湿原などに群生する様だが、自生の群生地をまだ訪ねた事が無い。管理された公園や植物園で見かけるが、自生に近いところで見付けるとやはり嬉しくなる。暗紫色の仏焔苞の中にあるものを肉穂花序と呼ばれているが、たくさんの小花が付いている。匂いを嗅いだことが無いが、特有の悪臭がある様で、馬も食べないという。
 ミズバショウとザゲンソウはサトイモ科で毒草かなと思っていたが、救荒食として利用されてきたと知った。奥飛騨ではどちらも食べられてきたらしい。昨夜は熊本で大きな地震があったので、長崎に赴任している息子に連絡を取ったり、テレビにかじりついて状況把握をしていた。今日の座禅草は被害の少ないことを願う仏の姿だ!


「地震国 原発要らぬと 座禅草」


 [2374] 野草料理 [PC]  2016/04/16 06:55:32    [削除]


   今回の「トンボのメガネ観察会」は趣向を変えて、五感で観察してみようと、食べられる野草探しに徹した。摘み草をしながら、芽吹き始めた摂津峡を楽しみ“あくあぴあ芥川”と云う学習センターの敷地で採取してきた野草を、みんなで手分けしながら間違いないかを確認。同定できたものを順次天ぷらにして食べて頂いた。
 野草料理は初めてだという人もかなりいて、次々と揚がってくる天ぷらに舌鼓を打たれたようだ。好評だったのはヨモギのホットケーキ、ノビルの天ぷらなどで、セイタカアワダチソウを食べるのは皆さん初体験で、こんなに美味しいものだとは知らなかった、という驚きを感じて貰えた。前もって用意していたタラの芽などの山菜も好評だったのは云うまでもない。


「口中に 拡がる香り 春草の」


 [2375] 二輪草 [PC]  2016/04/17 07:20:19    [削除]


   金曜日の重い荷物が腰に負担をかけたのか腰痛になり、昨日はゆっくり休もうと決め込んで音楽など聞いていた。が、回遊魚の(ロク)マグロはじっとして居れない。少し出かける用事があったので周り道をしてニリンソウを訪ねた。この欄で何度も登場させているので開花は4月半ばと判断していた。
 何時もの群生地に何輪ものニリンソウが風に揺らいでいる。二輪が同時に咲かずに少し遅れるのは、種の保存のためと云われているが……。ギリシャ語では風の娘と云う意味らしい。地下の根茎で増殖していくから、採取されなければ大群落を作る。若葉は山菜になるが、トリカブトと間違えやすいので食べないことにしている。と云うよりも春の妖精としての花を楽しみたい。


「控えめな 遅れ花待つ 二輪草」


 [2376] 草蘇鉄 [PC]  2016/04/18 07:10:02    [削除]


   クサソテツなどと書くと他人行儀な感じになってしまう。癖の無い山菜として好まれているコゴミと云った方が馴染み深い。春に出て来る栄養葉の屈んでいる状態を採取する。見ている間に大きくなり可食時期を逸してしまう。放置空き地にコゴミが出ていたので、根元をかき分けて失敬して帰る。目安は茎に葉を付けていない状態のものが良いように思う。
 今週も野草料理を提供しなければならないので、暇を見つけては採取に出掛ける。昨日もタラノメ、コシアブラ、コゴミを採りに行き、ゲット出来たものを冷蔵庫で眠らせている。コゴミがどれだけ鮮度を保ってくれるかが心配の種である。心配事がそれだけかと云われると困ってしまうのが、九州や北海道にもロクの心は向いている。


「青空に 連帯拳 突くコゴミ」


 [2377] 丸葉青椨 [PC]  2016/04/19 06:39:58    [削除]


   マルバアオダモの木が目立つようになって来ました。トネリコの仲間で遠くから見ると白い花が霞のように見えます。マルバと云うのは葉が丸いというのではなく鋸歯が無いことを意味しています。別名でホソバアオダモと云われる位の葉形です。樹皮や枝を水に浸けておくと藍色の蛍光を発するらしいです。そこから「アオ」になり「ダモ」はタブノキの別称とのこと。
 アオダモがバットの材料だという事は可成り知られています。それ以外に箪笥などの家具、スキー板や天秤棒に、さらに薪炭用としても利用される用途の広い材です。樹脂には薬効があり、古くから洗眼用に用いられてきたとの記述もあります。今日も観察会で出掛けますが、多分マルバアオダモが迎えてくれることでしょう。


「山笑い 過ぎない様に 抑え役」


 [2378] 五葉通草 [PC]  2016/04/20 06:56:54    [削除]


   アケビ三兄弟が咲いていました。写真がゴヨウアケビなのかミツバアケビなのか区別がつきかねています。観察会の現地では皆さんと3種類の違いを確認し合っていたのですが……。普通のアケビは葉っぱが5枚の小葉からなる掌状複葉です。花も白から薄い桃色でよく見かける花です。一方、ミツバアケビは小葉が3枚で花は暗紫色です。アケビとミツバアケビの自然交雑種がゴヨウアケビと云われています。確かにゴヨウアケビの観察をしていると、中に3葉の葉も混じっていました。
 秋に出来るアケビの実は競って採り合いますが、春の新芽も山菜として利用出来ます。ただ量的にボリュームが無いのでロクはあまり採取しません。昨日は天ぷら用にアカメガシワの新芽を採取して帰りました。


「川沿いに 色も気高き 木通咲き」


[2379] 花点草 [PC]  2016/04/21 06:56:06    [削除]


   イラクサ科のカテンソウ雄花です。まさに点の様な小さな花であまり目立ちません。雌花は葉の脇にへばりついているので探さないと見つかりません。イラクサ科の特徴は雄花が開花する時、外側へ花粉を弾き飛ばすバネ仕掛けになっているようです。写真はまさに花粉を飛ばした後の姿です。5つの雄しべが星型に開いているのがなんとも可愛いです。上手くミクロな写真が撮れました。
 愛用の山渓ハンディ図鑑で調べても良く判らな時には、ネットの「松江の花図鑑」のお世話になります。カテンソウの雄花・雌花や葉の特徴など何枚もの写真データを公開しておられるので勉強になります。


「春の野に 笑い弾けし 花点草」


 [2381] 山菜三昧 [PC]  2016/04/22 06:24:15    [削除]


   山菜料理を味わう会を年金者組合と新婦人支部との共催で企画した。ところがあいにくの雨に。キャンプ場での開催予定だったが、大人数では屋根のある場所に収まりきれない。今回は北摂地域の各行政区からも来られるという事で、中止するわけにもいかない。仕方なく会員さんの建物をお借りして実施に踏み切った。高槻・茨木・箕面・豊中・池田・吹田・豊能町などからの参加者で熱気にあふれた山菜パーティーになり、皆さんに初物の山菜を味わって頂けた。
 地元の新婦人の方々はタケノコの炊き込みご飯や山菜の和え物などを人数分提供して頂いた。残りは全て天ぷらで提供。タラノメ・コシアブラ・アカメガシワ・ヤブツバキ・タカノツメ・カキノキ・コゴミ・ノビル・カキドウシ・ユキノシタ・ヨモギ・ドクダミなどなど。余ったタラノメなどは最後にお持ち帰りして頂いた。クロモジ茶やヨモギ入りとスギナ入りホットケーキを提供したのは云うまでもない。


「両の手で 一つパチンと 木の芽かな」


 [2382] ヨコヅナ
サシガメ [PC]  2016/04/23 07:39:27    [削除]


   ヨコズナサシガメに出合うのは今年2度目です。カメムシの仲間で昭和初期頃九州に上陸したようです。水棲昆虫のタガメと同じように、他の生き物の体液を吸って生きています。昆虫が苦手と云う方もおられますが、自然観察をしていると、木の幹などで見かけることもあり、間違って刺されたりしたら大変ですから、しばらくお付き合いください。ヨコヅナと云うのは成虫の体側模様が白黒模様だからでしょうか。大きいからとも云われています。サシは体液を吸うために刺すから。ガメはカメムシを表しています。
 写真は成虫の羽化直後のもので赤色をしています。これは防衛本能で派手な色にして鳥たちから身を守っているのかもしれません。珍しいものに出合えたと思っています。観察していると何時も新たな発見があり、好奇心をくすぐります。


「芽吹き時 うごめく命 また楽し」


 [2383] 三柏 [PC]  2016/04/24 06:14:35    [削除]


   京都北区深泥池のミツガシワです。東北や北海道など寒帯、亜寒帯に育つ氷河期生き残り植物で、遺存種植物と云われる貴重種です。深泥池は湧水で出来た池だから水温が低く、貧栄養だったことが氷河期植物を留めたと考えられています。他では見られない貴重な生物が生息しているので、ここでは生物群全てを含めて天然記念物に指定されています。皆さんと一緒に来ることになっている5月初旬までミツガシワの花が残ってくれているか?
 ミツガシワは今まで何箇所かで群落を確認していますが、花の観察は初めてです。ガガブタの様な花が下から次々と咲いて来ます。上の蕾は紅色を帯びなんとも清楚な花です。咲き終わると球形の実を付けていきます。中国では根茎を睡眠を誘うとして食べられ、ヨーロッパでは苦味健胃薬として用いられているようです。


「階段を 登りつめたる 三柏」


 [2384] 奈良八重桜 [PC]  2016/04/25 07:07:22    [削除]


   天然記念物に指定されているナラノヤエザクラを「奈良の自然を観察する会」で訪ねた。カスミザクラ(ケヤマザクラ)の重弁化した品種で、一般に云われているサトザクラの八重桜とは趣が違う。結実するが子孫は先祖返りしてカスミザクラに戻ってしまう。奈良公園では最後に咲く桜として一番たくさん植えられている。通年5月初旬に満開を迎えるらしいが、今年は今が最盛期と咲き誇っていた。九重桜と云うのもあるが既に散ってしまっていた。
 元々はカスミザクラの突然変異で重弁化したものだが、今は挿し木で増やされているので、ソメイヨシノと同じ様にクローンの桜である。他にも普賢象・ウコン・御衣黄・関山・楊貴妃などの里桜を観察出来た。


「見飽きた 云うほど桜 追っかけて」


 [2385] 鎌柄 [PC]  2016/04/26 06:16:48    [削除]


   鎌の柄に使われるところからそのまま名付けられたカマツカです。ウシコロシの異名を持ち、牛の鼻輪として使われていました。それほど強靭な材質だという事です。観察会で出合うと必ず名前の由来など得意気に話しています。名前にそぐわずバラ科の特徴を備えた綺麗な5弁花を咲かせてくれます。秋に出来る実は甘くておいしいのですが、肝心な時になかなか出合えません。果柄のつぶつぶに特徴があるので間違えることは無いのですが。
 何年か前にアップしていますが、今年は随分と開花が早いようです。たくさんの花を付けてくれるのでよく目立ちます。冬に落葉しても葉柄の基部が冬芽を保護するために残っているのを観察したいと思っています。しかし、葉を落としたカマツカと同定出来ずに困っています。


「鎌柄の 出番とばかり 咲き誇り」


[2386] 衝羽根空木 [PC]  2016/04/27 06:59:22    [削除]


   久し振りに50歩100歩の山歩きに行ってきた。リーダーも体調を崩し2週間ぶりの山歩きとのこと。3人だけの寂しいハイキングだったが、それ位がゆっくり山を楽しめると自分を慰める。最近は所属する山クラブメンバーの高齢化、軟弱化が進み、足腰の状態が良くないとか、体調が優れないとかで存続の危機にさらされている。かく云うロクも皆さんと同じスピードで年齢を重ねているのだが……。
 山ではコバノミツバツツジは僅かに残っているだけで、ウツギの季節に替わって来た。新緑が目にまぶしく、鶯が鳴き交わし気持が良い。写真は萼が追い羽根に似ているのでツクバネウツギと云われている。卯の花でお馴染みのウツギはユキノシタ科で、こちらはスイカズラ科である。日本固有種だと云われると何故か愛おしい。


「尾根道に 忍び音洩らす 空木花」


 [2387] 吊広告 [PC]  2016/04/28 05:41:49    [削除]


   あれっ!と眼を見張る吊広告が目にとまった。透明のプラスチック用紙に筆の写真が印刷されている。興味を持ったロクは座席から立ち上がり内容確認をしに行った。何でも大阪市立美術館の80周年記念の特別展らしい。中国の書家王義之(おうぎし)から空海までの書が展示されているとのこと。帰ってから王義之についてネットで調べてみたのは云うまでもない。
 一時、書も習ってみたいと思ったことがあったが、アウトドアー派のロクには時間が取れなかった。絵に関しても同じである。基本デッサンが出来ていないのでつまらない絵になってしまう。何でもしてみたいのだが、何もものにならないジレンマに陥っている。まあいいか!


「車窓から 春風流れ 揺れる筆」


[2388] 瓊花 [PC]  2016/04/29 05:57:30    [削除]


   終日雨予報の中、唐招提寺に『瓊花(ケイカ)』を訪ねた。鑑真和上の故郷揚州の花で、隋の皇帝・煬帝が特に好んだと云う事で門外不出とされてきた。1963年に一本の瓊花が唐招提寺に贈られ、挿し木で増殖して、今は10株になっている。ここ唐招提寺以外では皇居と鑑真和上が上陸した佐賀県、あとは東大寺に栽培されているのを見るのみである。ガクアジサイに似ているが、1つの頭花に5弁の飾り花を8つ付けている。別名で八仙花とも云われている。因みにガクアジサイの飾り花は4枚である。
 じねんクラブのOP観察会として企画されていたが、一応雨のため中止との連絡が届いた。興味ある方はどうぞと云うことで、西の京に行ってみると殆どの方が参加されている。観光客も少なくしっとりした雰囲気の中でケイカを鑑賞することが出来た。今が見頃でケイカの芳しい香りに境内は包まれている。雨予報が素敵な時間と空間を提供してくれた。


「春雨の 雫を纏い 香る花」


[2389] 白根葵 [PC]  2016/04/30 06:47:48    [削除]


   金剛山に行って来た。と云っても観察会ルートと時間配分の確認だから、往復ケーブル利用と云う楽ちんコースを、時間をかけながら観察してきた。頂上付近の気温は4℃で昨日の北海道と同じ寒さだ。晴れ予報になっていたが曇り空で寒い観察会下見になった。しかし、コースには色んな花が咲き出し、帰ってからの写真整理に困るほどの春の花々が我々を迎えてくれた。
 日本海側高山地帯に咲くシラネアオイの群落が大きな花を咲かせている。日光白根山に多くの自生が見られるのでシラネが冠されている。日本特産種で1種1属のキンポウゲ科植物である。淡青紫色の花弁に見えるのは実は萼片らしい。何度か佐渡島にシラネアオイを訪ねたのを思い出す。


「咲き出した 白根葵も 首竦め」


[2391] 山藤 [PC]  2016/05/01 08:37:45    [削除]


   朝方は寒さも残っていたが、日差しと共に暖かくなって来たので散歩に出た。あまり訪ったことのないお寺の説明板に宝篋印塔の写真があり、観てみたいと思っていたところ、僧衣を纏った女性が出てこられたので、後を追っ駆け訪ねてみた。彼女が今から行くお墓に安置されているとのことで案内してもらった。今風の化粧で目の辺りがきらきらしている。彼女と別れて山道に入るとヤマフジがあちこちに咲いている。勝手にヤマフジだとっているだけでしっかり確認していない。
 ヤマフジの自生地は日本の西南部だと云われていて、後は全てノダフジと云う事。したがって西日本ではヤマフジとノダフジが自生している。日本原産で古来から親しまれ、改良園芸品種もたくさん作られ、先日訪れた奈良の万葉植物園には、花穂が地面まで垂れさがるほどの九尺と云う品種や、麝香藤と云う香り高い藤や、黒龍と云う八重の藤まである。ノダフジを始め園芸品種はツルが右巻きだが、ヤマフジだけが左巻きになっている。右か左かを確認すれば済む事だが、それがなかなかややこしい。ロクは親指を立てて拳を握り、右手の指先方向にツルが伸びているか、左手かで判断しているが、それでも判らなくなってしまう。瞬時に判る見分け方を教えて欲しい。


「先急ぐ 尼僧微笑み 藤の花」


 [2392] 山瑠璃草 [PC]  2016/05/02 06:01:26    [削除]


   少し湿り気のある山の斜面で見かけるムラサキ科のヤマルリソウです。場所によって淡い水色だったり、ピンク色だったりしますが、基本色は名前の由来になっている瑠璃色です。この花も日本原産種で福島県以西の本州と四国、九州に自生します。我が家の猫の額花壇には絶滅危惧種のムラサキが毎年大きな株を作ります。まだ確認していませんが染料になる根茎が大きくなっていることでしょう。残念ながら自生のムラサキに出合ったことがありません。
 連休は誰も遊んでくれないので、ひたすら妻のお伴をして出掛けます。今日も次回の山案内のための下見に付き合わされます。六甲ではあまりヤマルリソウを見かけませんが、今日は目的の一つにそれも探してみたいものです。自分の楽しみも折り込まなければ……。(*^_^*)


「瑠璃色の 春宝石を 散りばめて」


[2393] 山躑躅 [PC]  2016/05/03 07:39:19    [削除]


   小鳥の鸚鵡(オウム)は何とか諳んじて書けるが、躑躅は読めこそすれ漢字で書いてみろと言われるとなかなか書けるものではない。ツツジは日本特産種で、各地に色んな種類のツツジが自生している。園芸品種を加えると300種ぐらいになるらしい。万葉の時代から親しまれている植物なのに、なんとも難しい漢字を充てたものだ。葛城山のヤマツツジは有名だが、自生しているものなら何処の山でも観ることが出来る。緋紅色の花を山で見かけると近寄ってみたくなる。色も様々で白色まであるらしい。因みにヤマツツジは5月4日の誕生花らしい。明日アップすれば良かったかな。
 昨日は芦屋ロックガーデンから東おたふく山にコースを採り、荒地山を経由して下山する予定だったが、どこで間違ったのか、とんでもない道なき道に紛れ込み、テープを頼りに歩き進むと下山途中の地点に戻ってしまった。花を愛でる間もなく夏日の中の辛い山下見だった。


「幼木も 自己を誇示せし 山躑躅」


[2394] 谷空木 [PC]  2016/05/04 07:26:07    [削除]


   タニウツギが咲き出す5月になりました。これも日本原産で日本海側に多いと言いますが、どこの山でも7月頃まで自生が見られます。名前の通り渓筋に多く咲きますが、日当たりの良い尾根などでもよく見かけます。タニウツギ属の仲間にはハコネウツギやニシキウツギもあり、公園などに好んで植栽されています。
 タニウツギが米の増量材としての糅(かて)になるとは知りませんでした。愛用の山渓図鑑に記述がなかったからです。葉を乾燥させたものを水に浸し、蒸してから筵に保存しておくと幾十年と味が変わらないと紹介されていました。若葉をそのまま揚げ物など山菜として利用したり、健康茶にも使われるらしいです。


「急坂で 休む口実 谷空木」


 [2395] 三角蔓 [PC]  2016/05/05 07:16:33    [削除]


   連休さなかも休むことなく継続されている週1回の展葉調査に参加してきた。娘がご機嫌伺いに来てくれていたが、ローテーションに組み込まれているのでそちらを優先した。殆どの落葉樹の展葉レベルは4で、しっかり最終段階に達していた。常緑樹ではアセビがあと一歩でレベル3ぐらい、ヒサカキがレベル2と云う段階だった。あと1~2週間で全ての樹種は展葉してしまうだろう。
 調査中に他の植物を観察出来る楽しみがある。ウリカエデがプロペラを拡げていたり、サンカクヅルが花の時期を迎えていたりするのに出合えた。多分以前に取り上げた記憶があるが、花の写真は初めてだと思いアップしてみた。サンカクヅルは野葡萄の仲間で熟すと食べられる。酸味も少なく結構美味しい。昔、修験者が山で修行している時に、喉の渇きを癒すためにサンカクヅルのツルを切り、中の水分を呑んだという伝説から“行者の水”と云う別名を持つ。


「暦より 早く夏立ち 喉乾き」


[2396] 野点 [PC]  2016/05/06 06:16:37    [削除]


   5月5日子どもの日には毎年知り合いの茶道の先生から野点への招待を受ける。厚かましくも友達にも声をかけ一緒に参加させて頂く。我々は客としてお邪魔しているが、会のメンバーさんたちはお稽古の一環として催されている。一服戴いてすぐに退散するもの失礼かと思い、お稽古の様子をつぶさに拝見させて頂いた。会員さんたちは「お濃い」の練習で、お手前の方を中心に色々指導を受けながら進めておられる。お薄を喫する機会は度々あるが、お濃いはまだ経験したことが無い。夜中に目が覚め暫く寝付けなかったが、もしお濃いを戴いていたら朝まで眼が冴えていたことだろう。
 歌垣山の頂上には土を盛り、寄せ植えまで準備されている。青竹で組んだ炉には鉄瓶が吊るされ、程良い温度のお湯が沸いている。赤い毛繊に正座してしばし日本の伝統文化に触れて来たが、ロクはやっぱり柏餅の味に惹かれているきらいがある。


「山頂の 野点お供に 柏餅」


 [2397] 白花杜若 [PC]  2016/05/07 07:12:47    [削除]


   日本三大カキツバタ自生地の一つ京都府北区の「太田の沢」をトンボのメガネで訪ねて来た。愛知県刈谷の「小堤西池」、鳥取県岩美町の「唐川湿原」それぞれ天然記念物に指定されている。太田の沢では鹿害に遭い、かなり花の数は減っているが、防護ネットを作り対策を取られている。写真の白花カキツバタは、大田神社より少し離れた深泥池に自生しているカキツバタで、こちらも生物群の一部として天然記念物に指定されている。
 名前の由来は花の汁で布を染めた所から「書き付け花」と呼ばれ、それが転化してカキツバタになったらしい。漢字表記で杜若を充てているのがロクを悩ませる。“いずれが文目か杜若“と似ているものの例えに使われるアヤメとカキツバタであるが、アヤメは山地の乾燥地に自生して、カキツバタは水湿地でしか自生できない。花被片の色や模様でも見分けられる。アヤメは網目模様になっており、カキツバタには白い筋がくっきり見える。因みに梅雨時に咲くハナショウブは黄色である。


「雨露を 真珠代わりの 杜若」 


 [2398] 菖蒲 [PC]  2016/05/08 07:06:50    [削除]


   観察会でショウブの花が咲いているのを見付けました。皆さんに紹介すると怪訝な顔をされています。アヤメ科のハナショウブやキショウブをイメージされているので、どうやらピンとこなかったようです。端午の節句に用いられるのはサトイモ科(現在はショウブ科)ショウブ属のこちらです。根茎には万能薬と云っていいほどの様々な薬効があります。葉っぱにも精油が含まれていて芳香があります。子どもの日に風呂に浮かべて香りを楽しみました。
 日本では民間薬としてショウブの根茎を使いますが、中国では同属のセキショウを使っていたようです。漢字表記も中国の石菖(菖蒲)をそのまま持ってきたようです。因みにアヤメと混同されるのは、漢字変換するとアヤメも菖蒲になっているからでしょう。混同を避けるためにも図鑑では片仮名表記される所以です。


「母の日に 便り無いのは 無事かなと」


 [2399] 野草料理 [PC]  2016/05/09 06:50:42    [削除]


   今年は既に4回目になる野草料理の会で腕をふるってきた。今回は「ひとくらクラブ」の例会で、昨年から野草料理と燻製を採り入れるようになった。健康茶もその道の自称プロ級の方が、昨年よりバージョンアップしたものを作って全員に小分けして頂いた。野草料理・燻製・健康茶を提供するスタンスは手作りで自然のものを戴こうという所にある。
 野草料理は天ぷら以外に和え物や煮物なども各種作って頂き、春の野生の味を経験して貰った。燻製ではチップ作りから始まり、材料こそ購入したものを使ったが、アウトドアー料理の醍醐味を味わってもらえた。健康茶は薬効まで記した資料を提供して頂き、不老長寿で200歳まで長生きしたら…という心配まで与えてしまった。


「夏野菜 出回るまでの 凌ぎ技」

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