桜二態
ヒマラヤザクラ
ソメイヨシノ落葉
甘い香りのカツラ落葉(参考画像)
すっかりお馴染みになったヒマラヤザクラが開花の時期を迎えている。日本産の冬桜と違いこちらは華やかである。1967年にネパールの皇太子が東京大学に留学していた時に、桜と梅の種を献上したところ、ネパール王室からその返礼としてヒマラヤザクラが寄贈された。この桜のルーツを調べると日本のヤマザクラと同じ祖先を持つらしい。本来春咲きだったものが、ネパールの1200m~2400mと言う高地の気候に適応するために秋咲きになったと考えられている。従って春咲きタイプのものもあるとのこと。サクランボは食用になるほか、葉や枝などは染料としても使われるらしい。
この桜は先日カイノキで紹介した相川公園遊歩道入口に数本植えられている。同じ遊歩道を進むとソメイヨシノの紅葉が真っ盛りで、歩道にも落葉が敷き詰められ得も言えぬグラデーションが目を奪う。あまりにも美しいからと持って帰っても直ぐに色褪せてしまう。やはり野に置け蓮華草の例え通り、自然の中でこそ輝きを増すものである。そこはかと芳香を放つカツラの落葉だけは持って帰り香りを楽しんでいる。
「咲いて善し 散ってなお好し 桜かな」