青木
雄しべが退化したアオキの雌花
雌花の花序
アオキ雄花の雄しべ
山に入れば何処でも見かけるアオキの花が目立つようになってきた。雌雄異株で雄花の方が花粉を飛ばすので大きな花序を作る。雌花の花序は小さく少し遅れて咲き出す。どちらも小さくて目立たない花だが、ルーペで覗くと雌雄の違いがよく判る。雄花は雄しべが4本あり黄色い花粉を付けているのが可愛い。雌花は雄しべが退化し柱頭だけが残っている。チョコレート色の小花を昆虫の目で眺めるのも楽しい。
青木と表記されるように林の中で幹も枝も青々としている。樹皮になるコルク層の発達が弱いので何時までも青いままである。陰樹だから林の中で赤い実を付けたアオキはよく目立つ。昔から薬用として栽培もされてきた。兵庫県川西市多田銀山にもアオキ栽培の名残があり、鉱山に青木間歩と名付けられている坑道もある。生葉を弱火で炙って火傷やできものに貼る外用薬として民間でも用いられてきた。凍傷にも効くらしい。胃腸薬の「陀羅尼助」の黒と光沢を出すためにアオキが使われている。
「青木花 雄花の花粉 虫の目に」