空蝉
真ん中に「でべそ」があるのでクマゼミ
実物セミも配置した手作り資料
我が家では花壇に手を加えずに放置しているが、先日の梅雨明け以来、雨が降らないので植物たちの悲鳴が聞こえる。自分だけビールを飲んで・・・、花壇にも水撒きして!と言われるので、仕方なく水遣りだけは欠かさない。繁茂しているミョウガに眼をやるとセミの抜け殻が付いている。ということは7年間ほど前から花壇で幼虫として暮らしていたことになる。出前教室でセミの抜け殻調査など経験して来たので、どの種類の抜け殻かは直ぐに同定出来る。調べてみるとクマゼミの雌だった。
まだこの周辺にはクマゼミはいないと思っていたのに、とうとう能勢にまで進出して来た。環境指標としてのアブラゼミは里山周辺に生息し、クマゼミは都市化した公園などで確認されていたが、ヒートアイランド現象が大阪のてっぺん里山周辺まで拡がって来ている。今年の異常気象で温暖化をひしひしと実感しているが、眼で観える形で確認出来た事にショックを受けている。
セミの抜け殻を空蝉と言い俳句の季語になっている。こちらの表現は詩情をそそられる。源氏物語の悲恋話の一節が根底にあるからかも知れない。何でも作者の紫式部自身をモデルとしたのではと考察されている。そんな雰囲気とは裏腹にセミの幼虫はしっかりしがみついて羽化をしている。
「しがみつく 力に愛を 空蝉の」