クラゲは世界を征服できるか?
地球環境「自然学」講座のテーマは「海はクラゲだらけになるのか?大発生の謎」という興味津々の講座だった。講師は広島大学の特任教授で、過っては大学理事と副学長も務められた上 真一先生で、日本のクラゲ研究の第一人者である。
クラゲは1%の有機物だけで後は海水で構成されているらしい。
日本では文字のない時代からクラゲは認知され、古事記に登場したり、木簡などにも記されている。
食いしん坊ロクの興味を惹いたのは食用クラゲである。岡山県産のビゼンクラゲが最高級品で高値で取引される。長崎の有明産のヒゼンクラゲも高級品。代用品として大量発生したエチゼンクラゲも中国人は食用に加工している。
漁民泣かせのエチゼンクラゲは過去にも発生していた。
エチゼンクラゲの発生場所が長江下流域の湾だと突き止められた。クラゲの赤ちゃんであるポリプが春に成長して、日本海を北上した後、秋には太平洋を南下し100~200kgまでに成長して死滅する。
上先生を中心に発生のメカニズムと対策などを日中韓で共同研究されている。
結論は人間の勝手し放題がもたらした生態系の破壊だと警告を発せられている。クラゲは脳を持たないが、能ある人間の後押しのおかげで、世界の海を征服してしまうかもしれないと警鐘され、話を締めくくられた。
「人の世は 海月予期せぬ 展開に」