三手裏星と熊リン
3裂した葉から三出・葉裏の胞子を星に準えて裏星
日当たり良い渓筋斜面に群生する
ボランティアさんが檻内を清掃中
胡桃を食べるクマのとよ君(かなりの接写)
9月第1金曜日にトンボのメガネ例会で、カリガネソウと野生ランのミヤマウズラを観に行く予定を立てている。仲間からの情報で年間計画に組み込んだが、10日後に迫って来たので生育場所とコース確認のために高代寺山を下見してきた。色んなところを探したがお目当ての植物には出合えなかった。後は本番時に提案者に案内して頂くしかない。
この山ではコース途中で常緑シダ植物ミツデウラボシを観察することが出来る。観察会で見付けたら葉を少しだけ採取し、皆さんのポケットに入れて貰う。帰るときに香りを嗅いでもらうと桜餅の良い香りがする。香りの正体はクマリンである。生葉では匂わないが、ポケットに入れている間に酵素が働くことでクマリンが生成される。世界にはクマリンを含む植物が100種ほどしか確認されていない。日本ではフジバカマが昔から媚薬効果があるとして利用されてきた。ヨーロッパではアカネ科のクルマバソウの乾燥葉をベッドのマットに入れられていたようだ。他に落葉でカツラやタカノツメなども良い香りを提供してくれる。
クマリンに掛けた訳ではないが、高代寺には猪の罠にかかったツキノワグマが飼育されている。殺処分にする方針だったが、高代寺住職が「殺生はならず!」との思いから、境内に堅牢な檻を設けて飼育するようになった。一般財団法人「日本熊森協会」のボランティアさんたちによって保護されている。檻の掃除日にあたっていたので、とよ君(8歳雄)には会えなかったが、わざわざ我々のために餌投入口からクルミを与えるのを見せて頂いた。冬眠準備のために脂肪たっぷりの餌を与えているとのこと。
「食欲の 秋は味から 香りから」