浅沙
来年度の観察地下見を兼ねて天王寺まで出掛けた。慶沢園と茶臼山コースである。ところがどちらも台風被害でクローズされている。ジャカランダでお馴染みの一心寺にも立ち寄ってみたが枝が大胆に切られていた。多分ここでも枝が折れたのだろう。歴史散策では必ず立ち寄る安居神社でも、大木のヒマヤラスギが折れ、無残な姿をさらしていた。真田幸村も二度の台風でおちおち眠っておれなかったことだろう。
辛うじて茶臼山に隣接する池の一ヶ所だけは通行可能で、水面に群生するアサザを観る事が出来た。一時は環境省の絶滅危惧種に指定されていたが、保護活動などの成果が出て準絶滅危惧種までランクが下げられた。喜ばしいことである。
アサザはミツガシワ科で植物生態学的には特異な存在である。花は雌しべの花柱が長い「長花柱花」と、雄しべの雄ずいが長い「短花柱花」に分かれ、異なった花でしか種を結ばない。殆どがクローンで増えるため、調べるとお里が判るらしい。霞ケ浦や琵琶湖で群生が見られたが、クローンは霞ヶ浦に限定されているらしいので、琵琶湖産も元は霞ケ浦から来たのだろうか?アサザミステリーである。
「束の間の 陽射し恋しきし 浅沙かな」