森の人「オランウータン」

　　　　　　　　　　　　　　　　石橋　雄一郎氏

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　警鐘！

　シニア自然大学校「自然学講座」のテーマが＝ボルネオ島オランウータンの未来と私たちの暮らし＝だったので興味を持って拝聴した。講師は「ウータン・森と生活を考える会」事務局長の石橋雄一郎氏。導入部でオラン（人）ウータン（森）がヒト科で90数％ヒトの遺伝子に近い動物だと知った。もちろんオランウータンやチンパンジーは人間に最も近しい動物だとは知っていた。それが激減し絶滅の危機にさらされている。要因はペット用としての密漁もさることながら、熱帯雨林の開発で泥炭地の火災など、森林破壊が進み、彼らの生息地が奪われてしまっている。
　安い輸入材に頼って来た日本が、ボルネオ島などの熱帯森林破壊に一役買ってきた。その後、違法伐採は取り締まられたが、それに代わってアブラヤシ農園が森林を破壊し続けている。大規模なプランテーション化が求められて、全ての森林を伐採して広い農園化を進めている。パーム油は植物油生産量で主流を占めるようになった。パーム油は安価で生産の安定性が図れ、加工がしやすいというメリットがある。その代償が森林破壊である。人のお隣さんオランウータンは絶滅してもいいのだろうか！

「室内は　小春日和に　勝つ熱さ」