ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

雨に映える三椏

                雨にも負けず

              ニホンヒキガエルの卵


 地元小学校が卒業式と言うことで6年生以外の在校生は休校になった。彼らは4連休になるので朝立ち見守り隊もお休みすることにした。たとえ通学日でも朝から雨になってしまったので子どもたちは通らない。
 1週間前から出ている雨予報は当日を迎えても変化はなく、出掛ける時点で既に振り出し、午後からは雨脚が強くなる、と出足をくじくようなラジオからの情報。仲間からはLINEに「今日はお休み」と申し訳なそうな連絡が入る。催行と決めたからには主宰者としては集合駅に行かなければならない。それでも駅に着くと悪天候をものともしない5人の淑女がお揃いである。寒さがぶり返してきたので雨具なども着てミツマタ群生地をめざす。道端の観察も花が見つからないので、ここに○○があったはずなどと言いながら通過する。初参加の方もおられるので、何か五感で観察出来ないだろうかと探すが、目に出来たのはダンコウバイの花と、未だに葉を落とさないヤマコウバシぐらいだった。下見の時に見つけた絶滅危惧種になりかけのニホンヒキガエルの卵を観てもらえたのが、何よりのサプライズである。
 雨の降りしきるなかミツマタ群生地にたどり着いた。と、そこだけが光を放っている景観に出くわし、これって雨に合う花だ!と思ってしまうほどの感動を与えてくれた。雨に合う花と言えば紫陽花と花菖蒲が頭に浮かぶが、ミツマタも雨に合う花だったのだ。ミツマタは陰樹で湿気の多い場所を好む。和紙の材料としてコウゾやガンピと共に知られているが、漉いた樹皮の繊維は加工しやすく、虫を寄せ付けない特性を持っているので、今でも高額紙幣に使われている。眼病や解熱などの薬効もあり用途の広い鑑賞樹である。隣町の豊能町ではミツマタも客寄せパンダにするべく取り組まれている。良いことだ。


「雨でこそ 光を放つ 三椏よ」

三椏(ミツマタ)


 3月中旬がミツマタの見頃なのでサークル例会の訪問地に加えた。運が良ければエドヒガンも観察できるかもしれない。ところが今年の冬は長引き殆どの植物の出足が遅れている。今日がその例会日である。桜が無理でもミツマタの群生地には案内したい、開花して黄色くなっている状態を是非とも眼に焼き付けてもらいたい。
 昨日3木会でミツマタを訪ねるというので、これ幸いと下見がてらに豊能町の群生地2ヶ所を訪ねてきた。寒さがぶり返して来たものの、まだ天気の崩れはなかったので2分咲きぐらいのミツマタをみることが出来た。珍しくお茶会への寄り道付きである。コーヒー党ではないので、本来ならビールといきたいところだが運転手なので飲めない。女性軍が🍺セットをオーダーしているのを横目で見ながらトマトジュースで我慢した。
 ところが今日は1週間前からの雨予報になっている。まだ降っていないが時間の問題だろうと覚悟している。山コースだから中止選択も頭をかすめたが、殆どの方はハイキングなどの経験者である。何人の方が集合駅に集まってくれるか未知数だが、初参加という方の期待も大きい。我が家では素通りするお札にミツマタが使われている事も伝えたい。早めに切り上げてどこかで「雨宿り」という名の反省会も捨てがたい。


「晴れてこそ 黄金が映える 三椏の」

ムスカリ

            田んぼを埋めつくすタネツケバナ


 野の花派としてはあまりカタカナ表記の園芸種には心が動かないが、籠脱けした園芸種が次第に野生化して、帰化状態になっているのに出くわすと、お前も野の花の仲間入りをしたいのか?と寛大な気持ちで迎えてやりたくなる。彼女の花言葉が「寛大な愛」だから。早春の花としていち早く顔を出してくれるムスカリが何故か愛おしい。目ざとい蝶がいち早く吸蜜に訪れている。別名で「グレープヒヤシンス」と言われるのは花姿からだろう。日本に定着するようになれば、和名をつけてやらなくては。
 人間の都合で外来種を選り好みしているが、イギリスの研究ではミツバチなどが好んで特定外来種とされている植物に吸蜜に訪れるという研究結果が発表された。生物多様性にとっては無駄な植物は存在しないという認識を持たれたようである。
 田んぼではタネツケバナが一面に咲き出している。まるで蕎麦畑にいるようなのどかな雰囲気を醸し出している。若葉を食用にすると美味しいらしいが、あるかないかの小さな葉を集めるのが面倒なので、まだ食した事が無い。薬用としても利用されるので健康食品になるかもしれない。名前の由来は稲の種漬けの頃に咲き出す事と、果実が熟して種を四方に飛ばすことから、馬の種付けに準えたなどと言われている。春の七草であるナズナとそっくりなので、観察会では比較してもらう対象物でもある。


「散歩道 春の先駆け ムスカリが」

星の瞳❁と鼓草🌼


 オオイヌノフグリが春の一番乗りとして顔を見せてくれた時にブログアップしたことがある。でもこの花が「星の瞳」として愛でられるのは、宝石をちりばめた如くに咲き出してからであろう。太陽光を浴びて精一杯に開花し、群生状態で虫たちを招き寄せる作戦を持つ一日花である。啓蟄も過ぎやっと春らしい陽気になってきたが、まだ花の周り飛び交うほどに虫は飛んでいない。仕方なく自家受粉して子孫を残すと言うところに健気さを感じる。とは言え在来種のイヌノフグリを追いやってしまい、外来種のオオイヌノフグリが「イヌノフグリ」に取って代わってしまった。仲間のタチイヌノフグリやフラサバソウも外来種である。
 オオイヌノフグリが群生状態で咲き出す頃になると、在来種のタンポポが、少し敷地内をお借りしますと言う謙虚さで咲き出す。しばらくするとセイヨウタンポポが我が物顔でのさばってくるのだが、しばしの間カンサイタンポポが頑張ってくれる。こちらも都会では見かけなくなり、環境指標植物的存在になりつつある。カントウタンポポは大丈夫だろうか?エゾタンポポやシロバナタンポポが駆逐されていないだろうかと、ウクライナ侵攻に心を痛めるぐらい、在来種タンポポの行方にも関心を注いでいる。
 何はともあれ「星の瞳」と「鼓草」が仲よく咲いてくれているので良しとしよう!


「鼓草 ふぐりに囲まれ ご満悦」

クリスマスローズ

             通称「クリスマスローズ」

               フジバカマ発芽


 ヨーロッパでは自生しているクリスマスローズだが、日本では園芸種として人気が高くマニアの間では高額で取引されるものもあるらしい。
 基本的には早春の花のイメージが強いが、イタリアやドイツ原産の白花種はクリスマスの頃に咲くので、イギリスで愛され「クリスマスローズ」と呼ばれるようになった。日本では遅咲きのトルコ原産の品種に人気がある。欧州ではトルコ産は「レンテンローズ」として「クリスマスローズ」とは区別している。日本は品種の違うものも含め総称として「クリスマスローズ」と呼んでいる。
 フクジュソウ、キクザキリュウキンカを紹介してきたので、同じキンポウゲ科の人気種クリスマスローズ(広義)も紹介しないと片手落ちになる。西洋では古くから薬用として用いられてきたが、根茎や葉には有毒成分が含まれているので、民間薬としては利用できない。下向きに垂れ下がり、花びらに見えているのは萼片で、花弁は退化しておしべの周りに蜜袋として着いているのを確認できる。その蜜袋をつまんで味見するのがロクの観察会スタイルである。
 花壇には植栽したフジバカマが発芽してきた。今年はたくさんの株が出てきそうである。となればアサギマダラの訪問も期待できる。春は希望まで運んでくれる。この希望をウクライナまで届けられないだろうか。


「雨上がり 待ってましたと ものの芽が」