ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

農村部やな~


 どんよりとした空模様でピリピリと雨が落ちてきだした。野暮用を片付けたいのと、運動不足解消のために、傘持参で散歩に出掛けることにした。「ピリピリ」と言う表現は能勢に伝わる方言で、小雨にも満たない雨を指す言葉だと地元の方に教わった。傘を差そうか差すまいか?と悩む程度の時に使われる。
 区内の健康体操場として使われている処に年代物の男雛と女雛が飾られている。かなり古いものだとは思うが時代までは判らない。たぶん蔵に眠っていたものを見つけ出されたのだろう。2~3年前から道行く人の目にとまるように展示されている。
 今にも崩れ落ちそうな区の集会所を、新たに建て替える工事が進んでいる。基礎工事としての盛り土を終えた段階で、来春完成を目指して着々と進められている。都会のビル作りとは趣を異にし、まるで城作りのような農村部の工事である。旧村に溶け込んでいるロクの登城は何時のことになるやら。
 畑の片隅にはウド栽培用として籾殻を敷き詰めた囲いが、ウドの芽だしを待っているようだ。農家の方は春を待つ間も、休みなき農作業があるのを垣間見ることが出来る。
 主夫業で買い出しに出掛けたときに厚切りステーキ肉をゲットしておいた。その焼き部長を命じられたので、レストラン的旨さに仕上げたい。前回は500グラムの肉を2人で食べきれなかったので、今回は少し小さめの塊を調達した。安価なもも肉をいかにレストラン味に仕上げるか、そこが腕の見せ所である。ソースを使わないのでスパイスにこだわる。ワサビを効かせながら戴くのが我が家流である。禁酒を続けているが肉と言えばワインが欠かせない。赤が定番だが妻の好みで甲州ワインの白を開けることにした。シャブリとまでは行かないものの、すっきりした味わいは日本産ワインの持ち味である。長らく飲んでいなかったので酔いが回る。明日からまた休肝にすれば良いかと思うのだが、ボトルに残ったワインが誘惑しそうだ。


「山里は 独活の芽だしで 季節知り」

地衣さんぽ

            本から拝借してマイ図鑑作り

               地衣さんぽの一端


 10年以上にもなるのだろうか、俳優 地井武男の「ちい散歩」というシリーズがお茶の間の人気番組になり、その後の散歩番組の火付け役となった。「鶴瓶の家族に乾杯」やタモリの紀行番組もその流れをくむ散歩番組である。地井武男は視聴者やテレビ局に惜しまれならがも帰らぬ人になってしまったが、彼の残した功績は計り知れない。スケッチブック片手に散歩の足跡を残されたのも、未だに忘れなれない思い出として残っている。
 6回目の自粛生活を強いられているが、やっと3回目のワクチン接種を明日に迎えることになった。明後日からは少しは足を伸ばせるようになるのかもしれない。今回のオミクロン株では、公共交通機関を使っての外出は控えた。鬱屈した気持ちを晴らすための対象物として辿り着いたのが「地衣」観察である。一歩外へ出ると「地衣」だらけの世界が展開する。今までは全く興味外の生物だったが、環境指標生物としての地衣類なので勉強してみると、以前はまっていた菌類キノコの親戚筋だと言うことが判り、俄然興味が湧き出した。地衣入門書とも言うべき「となりの地衣類」に接し、さらに深めようと図書室で地衣関係の本を探してもらった。それが地衣類研究会会長 浜田信夫先生の「人類とカビの歴史」である。「いつでも、どこでも地衣」といわれるぐらいの対象物。お友達に加えたいので「地衣さんぽ」と銘打って、陸のサンゴとも言われる相手をルーペ片手に探してみよう。


「霜を置く 岩の隙間に 地衣ありて」

多田銀銅山へ

                 ルリビタキ♀

          ルリビタキ♂(友から送られた画像拝借)


 暦の上では春なのに何時までも冬が居座っている。「余寒」などというレベルではなく「この冬一番の寒さ」という日々が続き、3月の声を聞かないことには春がやってこない「予感」さえしている今日この頃である。
 終日粉雪が舞う寒さだったが、緩やか歩きの「3木会」は新しいメンバーも加わり、長らくご無沙汰していた多田銀銅山コースを歩いてきた。殆ど平地歩きで2カ所ほどの登りもストックを頼らずに歩くことが出来る。ロクなどは町内歩き用のくたびれたスニーカーで間に合わせるほどの楽ちんコースである。
 先日図書室で借りた「となりの地衣類」盛口 満著がえらく気に入ったので、今回の歩きでは「地衣」観察をしてみたいとルーペ持参で望んだ。ところが妻が遅れる仲間のサポート役を引き受けることになったので、やむなく道案内をすることになり、立ち止まってルーペで樹皮模様を覗くゆとりがなくなってしまった。スタート時にスーパーに植栽されている樹木の地衣類を少し覗き込み、あまりの綺麗さを何人かと共有出来たのが地衣観察の第一歩だった。顕微鏡写真が撮れるデジカメを手に入れたくなり始めている。
 今回の歩きでの収穫は鉱山脇の流れにルリビタキの雌を発見出来たことである。1月の箕面滝道で雌を見かけているので、図鑑のお世話になることなく同定することが出来た。ただ雄でも2年目までの幼鳥は瑠璃色になっていないので、雌と見間違いすることのあるらしい。それでも繁殖できる能力が備わっているので、同じ色のルリビタキが2羽いるからといって同性とは限らない。


「冬らしく 目立たずチチッと 雌の鳥」

トンボってすごいぞ!


 アフタースクール「元気広場」の工作教室は自己紹介の後、導入部として「トンボってすごいぞ!」という話から始めた。3年生から6年生までの学童だからたぶん理解の範疇だろう、と古事記に出てくる雄略天皇とトンボにまつわる逸話から話を進め、戦国武将も好んだ「勝ち虫」話と、害虫を食べてくれる「益虫」話をおりまぜ、オニヤンマが「虫除けトンボ」になった経緯につなげ、子どもたちが待ちに待たされた工作をスタートした。
 今回は新たにボランティアとして地元のご婦人3人に助っ人を頼んだので、手際よくお手伝いして頂ける。教員経験者や地域活動をこなされておられる方ばかりなので、阿吽の呼吸で段取りされ無駄な時間が生じない。事前に工作教室で時間配分など相談していたが、ことのほか短時間でオニヤンマを作ることが出来た。
 サプライズとして用意していった紙芝居「ブナのふしぎ」まで披露することが出来た。演者に前もって預けておいたので、質問コーナーまで準備して下さり、工作と共に子どもたちを自然の入り口にいざなうのに役立った。
 子どもたちから勉強になったとか、楽しかったと言う感想をもらったが、ボランティアの皆さんから「可愛かったね!」と喜んで頂けた。


「子の笑顔 真剣さにも 春きざし」

馬酔木(アセビ)半分

            5人目の友チョコは手作りクッキー


 鹿の不嗜好植物の代表格であるアセビがスズラン状の可愛い花を咲かせ出した。通常花期は3月初旬から4月中旬になっているのだが、ひと月も早く咲き出したことになる。山を歩いていても真冬から蕾をつけているのを見かけるので、特に今年は開花が早いと言うことではなさそうである。ツツジ科アセビは日本固有種で万葉集に詠まれるぐらい、古くから人々と共に在った。農作物の殺虫剤として活用されてきた。こんな毒植物なのに花言葉が「あなたと二人で旅をしよう」だって。心中をイメージしているのかな?
 アセビの木全てが毒性分を持っているので、流石のシカもアセビには手(口)を出さない。漢字表記では「馬が酔う木」とされているが、「馬」も「鹿」も酔っぱらったように足を取られる。そこから「馬鹿」という言葉が生まれたのだろうか?シカは食べるものが少なくなると、毒成分を持つ植物でも食べらるように体内の消化酵素を高めるように進化する。一方食べられる方の植物も、シカに食べられてはならじとより毒性分を増すようである。奈良のイラクサなどは他のものより数段痛くなっているらしい。
 早春の観察会でアセビを見つけたら、皆さんに「まだ花は満開状態ではありませんね。この時期のアセビを称して『アセビ半分』と言うのです」一応笑いを取るのですが、判らない方もおられて、馬と鹿が頭をよぎるいっときの遊び半分、ちゃんちゃん!


「山道の 息継ぎ処と 馬酔木咲き」