ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

ササユリを求めて

             栗の雌花(赤ちゃん)探し


 観察サークル「トンボのメガネ」の年間計画に、奈良県 三輪明神 大神神社のササユリを訪ねる予定だった。ところが昨年に引き続き今年も一般公開はされなくなった。サークルとしても宣言発令中の例会は避けたいとの思いでやむなく中止とした。大神神社のササユリが、奈良市最古の神社である率川神社に祀られる五十鈴姫命に、酒樽などの飾りとして奉納される神事が毎年6月17日に催される。ご神花としてのササユリという歴史・文化的側面から訪ねてみようという企画先のつもりだった。
 サークルメンバーからは近場で良いからササユリを訪ねたいという要望が寄せられ、代替案として以前にも訪ねた宝塚西谷の森公園に行くことにした。空模様は怪しいが雨が降るまでと決めて観察することにした。何輪のササユリに出合えるかメモを取って貰いながら観察を続けた結果、前半コースで28輪、場所を移動した後半コースで13輪に出合えたが、盗掘されたのか、あるべき場所に一輪も見つけられなかったのが残念だった。でも初訪問の方には満足して頂けたようである。昼前から雨が降り出したので山コースは避け、2時間近くも短縮して帰路を急いだ。武田尾駅近くに無料の足湯があるので、遠くから来て頂いた方々のために、仲間にお願いして案内役を引き受けて頂いた。感謝!


「そっぽ向く 姿もゆかし 笹百合の」

山の生き物たち

            鹿がヒノキの樹皮を剥いだ跡

                 猪のヌタ場

             熊かな?

                センチコガネ

           てんとう虫擬き?

              もくもくと入道雲まで


 3木山の会は何度も訪れている山田城趾である。けもの道を掻き分けて登るコースなので、ダニの襲来が頭をよぎる。足下だけは万全の対策をして参加することにした。長めの靴下でズボンを覆い、ハイカットの登山靴にスパッツを付け、更に虫除けスプレーを振りかけて歩いたのでダニの入り込む隙はなかった。
 鹿はリョウブが好きなので樹皮を剥いだ跡が散見される。ヒノキの樹皮まで剥がれていたのは生々しい。猪のヌタ場もあり活用されているのだろう。樹皮に爪痕のような痕跡を見付けたので、これは熊かも知れないとの想像をかき立てられる。鹿こそ見かけることがあるが、猪などに出会す事は殆どない。ファミリーで道路を歩いていたのを目撃したことはあるのだが。熊に至っては目撃情報だけで、実際に見たことはない。能勢では猿も見かけないが、見たよという情報は届く。そんな生き物たちが自然いっぱいの能勢に生息している。
 鹿は多いのでセンチコガネはよく見つかる。奈良のセンチコガネは瑠璃色をしているが、こちらの個体は緑色が光を浴びて輝いている。フンコロガシだと敬遠される方もいるが、綺麗な昆虫で、エジプトなどでは神の使いとして崇められている。テントウムシ擬きの昆虫まで見つかった。「虫屋」ではないので昆虫図鑑を持っていないから名前まで調べていない。花の育たない環境でも、生き物たちがいるので楽しさに変りはない。


「手のひらに 地球の宝石 コガネムシ」

紫蘇葉立浪(シソバタツナミ)

            葉裏がシソ色のシソバタツナミ

        雨に洗われたタツナミソウ

             散歩のお駄賃:ニガイチゴ


 4月から毎日朝立ちをしているが、昨日は雨で誰一人通ってくれなかった。雨でも歩いて通学すれば楽しいこともあるだろうにと思うのは、昭和ノスタルジー世代の思い込みかも知れない。子どもが雨中通学を嫌がるのか、親が甘えさせているのか?ピチピチちゃぷちゃぷラン♪~♪ d(⌒o⌒)b♪~♪ランラン♪ のうたごえも聞かれなくなって久しい。
 4月・5月は救援会の会議も中止されたが、7月には支部ニュースを発行しなければならないので、編集会議を兼ねた常任委員会が開催された。この間活動も停滞しているのでニュースソースにも事欠く。裁判傍聴にも行っていないので、臨場感あふれる原稿が書ける筈もない。東住吉えん罪事件の国家賠償裁判も大詰めを迎えている。書けないのをコロナの所為ばかりにしておけないのが、編集者としも辛いところである。会議は箕面で行なわれるので、天気でも良ければ滝道歩きでもと考えていたが、あいにくの雨でそれも果たせず、課題だけを抱えて重い足を引きずって帰宅した。
 旬の写真探しに家の周辺を徘徊してみた。時期こそ過ぎているが、雨に洗われたタツナミソウが水路でポーズを取ってくれている。少し山地に入るとオカタツナミソウになるのだが、人里近くで咲くタツナミソウの方が花色も鮮やかなので人目を惹く。深山まで足を伸ばせばシソバタツナミに出合える。今日も山歩き予定なので何か発見して来よう!


「洗い髪 映す流れに 紫蘇の花」

痩靫(ヤセウツボ)

                ヤセウツボ

              ヒカゲノカズラ胞子葉

              カマキリの赤ちゃん


 ハマウツボ科という植物は葉緑素を持たず、宿主の根に寄生して養分を吸収する居候的生き方をしている。代表的なものではススキやミョウガに寄生するナンバンギセルがよく知られている。
 同じような生態を持つハマウツボ科のヤセウツボという植物に出会った。何とも地味な花だが、こちらはマメ科ムラサキツメクサの根に寄生する1年草である。1937年(昭和12年)に千葉県で確認され、その後各地でも帰化状態で拡がっている。ガラスなどの緩衝材として使われた詰め草なのか、肥料や飼料として輸入したものに混ざっていたのか定かではないが、発見の時期から推察すると後者だろうと思われる。
 初めての出会いだったので、珍しい植物だと喜んでいたが、手持ちの山渓ハンディ図鑑「野に咲く花」編に掲載されていた。ネット検索すると外来生物法で要注意外来生物に指定されていることを知り驚いた。
 地味ついでに、神話:天岩戸伝説にも登場するヒカゲノカズラが、胞子葉を伸ばしていたのに出くわせた。この胞子が生薬名で石松子(せきしょうし)と呼ばれと製薬材料として使われている。この葛は爆発的に発火するので花火の原料になることは以前に紹介した。
 目立たない姿でカマキリの赤ちゃんが花壇で成長を続けている。こちらも家族の一員である。みんな目立たず生きているのに、我が家だけが飛び跳ねていていいのだろうか?


「居候 一寸先に 豆の花」

小実鼠黐(コミノネズミモチ)

            イボタノキ属コミノネズミモチ

             アリマウマノスズクサ

          アケボノソウの株


 最近は1日おきに山に出掛けている。行けるチャンスがあれば躊躇なく参加するようにしている。昨日は「北摂の山を楽しむ会」例会日だった。この会はシニア自然大学校の講座生が立ち上げたサークルで、発足当社からの会員だからいわば古参である。リーダーは3代目で山に精通され、植物にも詳しいということで人気ある山サークルだ。植物好きもたくさんおられてかなりマニアックな観察もされている。
 六甲山系の奥池・ゴロゴロ山コースを案内して貰った。多分六甲山系なら観察出来るだろうと期待していたアリマウマノスズクサにも巡り会えたり、アケボノソウの株も所々で見かけるなど、植物観察に持ってこいの場所だった。ただ山歩きの道中なので我がサークルメンバーには荷が重すぎるハードなコースだ。
 奥池周辺にはイボタノキ仲間のコミノネズミモチがたくさん自生状態で咲いていた。中国原産というから植栽されたものが拡がったのだろう。この植物も名前を教えて貰うまで知らない樹木だった。多分イボタノキだろうと素通りしていたことだろう。別名でシナイボタと言うぐらいだから。とにかく皆さんよくご存知で勉強になる。山渓ハンディ図鑑にも掲載されていない樹種までご存知のマニアック集団である。


「奥池に 瀟洒な洋館 夏木立」