ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

アオシギ🐦・カスミザクラ🌸

            デジカメでたぐり寄せたアオシギ

           立派なカスミザクラと花柄の特徴


 「アオシギとカスミザクラ」をタイトルにしているが何の脈絡もない。ほしだ園地に向かう磐船峡という川沿いを歩いていたときに、地元交野市の仲間から「アオシギが来ているのよ」と教えて頂いた。初めて聞く野鳥名で、シギの仲間なんだぐらいの興味で伺っていた。2人のバーダーさんがカメラを構えておられる。その方向を見渡すが鳥の姿が捉えられない。親切なバーダーさんがカメラのディスプレイを覗かせて下さる。地味な鳥で周りの風景に溶け込んでいる。我々のデジカメでも捉えられる距離で、アオシギが体を上下に揺すっている。長いクチバシで水生昆虫でも探しているのだろうか。帰宅してから山渓のポケットガイド「野鳥」で調べたが掲載されていない。ということは珍しい野鳥だと云うことになる。そんな幸運に巡り会えた。
 天然記念物になっているカスミザクラの巨木を観たことがあるが、この時期、山で咲いている桜の殆どがカスミザクラだと教えて頂けたのも収穫である。今まではヤマザクラが遅れて咲いたのだろうぐらいに思っていた。これも仲間が桜の勉強をされているので、レクチャーしてもらえた賜物である。カスミザクラはヤマザクラやオオシマザクラと並んで基本野生桜の10種に分類されている。遅咲きで花柄に毛が生えていることで同定出来る。
 今回の観察会でロクは新たな知識を野鳥と桜で仕入れることが出来た。仲間の皆さんがお互いに教え合うというサークルの真骨頂が発揮されている。手前味噌だが良いサークルに育ってきているのを嬉しく思う。


「冬鳥よ 帰り道時を 忘れたの」

白花雲仙躑躅(シロバナウンゼンツツジ)

   芽吹きとカスミザクラに迎えられた9人がシロバナウンゼンツツジを訪ねた

          ハンバーガーストーンでご満悦のロク


 ウンゼンツツジに白花種があることを知ったのは数年前のことである。それ以後、サークル例会として自生地を訪ねてきた。大阪府交野市の「ほしだ園地」に自生していたのを以前に確認していたので、最盛期に訪ねてみたいものだと年間計画に組み入れていた。ところがここへきてコロナ変異株が第4波をもたらし、我々の活動も自粛方向へ舵取りしなければならない。全く萎縮してしまうのも良くないとの判断から、サークルメンバーには無理をしないで!と言う前提での消極的催行に踏み切った。案内が効を奏したのか通常例会の半分ぐらいの参加者で密を避けることが出来た。雨予報も我々に味方してくれたのか、ほしだ園地は訪問者も少なく、ほとんど貸し切り状態で芽吹き時の園内観察を愉しめた。
 シロバナウンゼンツツジはウンゼンツツジの白花変種で、南関東以西に自生する日本固有種である。先日紹介したヒカゲツツジのように山の斜面を好み、特に急な崖などに自生するので、近寄りがたいというのも我々を誘う要因になっている。花も小型がそれよりも葉が小さいというのが特徴である。六甲山はシロバナウンゼンツツジの三大自生地とされているが、まだ訪ねていないので次回の訪問先に加えようかなぁ~。


「曇天の 山に溶け込む 白躑躅」

竜王山へ

        コバノミツバツツジ・ウワミズザクラ・ミヤマハコベ

               雨乞い神事の祠前

              ヤマブキとヤエヤマブキ


 妻の主宰する会で一番楽な山歩きをするグループが「3木会」である。「2木会」に続き、こちらにもコロナのおかげで参加させてもらい、準会員の扱いを受けている。他に暦女の会も2~3度参加させてもらったが、まだジェンダー平等の定着が出来ていないので、肩身の狭い思いでの参加になっている。
 昨日は家から歩いて行ける、雨乞いの山として地元で神事が伝承されている竜王山に、3木会として登ってきた。都会のハイカーにもよく知られている三草山縦走コースにも組み込まれる龍王山があり、2つの雨乞い山が向かい合って鎮座している。
 何度も訪ねた山だがこの季節に訪ねるのは初めてで、コバノミツバツツジが今を盛りと迎えてくれた。見上げるとウワミズザクラが何本もあり、皆さんはこんな桜もあるのかと不思議がられていた。よく似た仲間にイヌザクラというものあるよと、わざわざ下山してからイヌザクラの大木まで案内して違いを確認して頂いた。
 ヤマブキの花も咲き出していたので、雨乞い山=雨にまつわる花として格好のモチーフが見つかった。ヤマブキはバラ科の5弁花だが、園芸種としてのヤエヤマブキも人気がある。ヤマブキと云えば太田道灌に結びつく。雨に見舞われた道灌は農家の娘に「簔」を貸してくれと所望した。貧しい娘は「簔」の代わりに「山吹」の枝を差し出した。道灌はその意味を理解出来ずに、後で「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだに無きぞ悲しき」という歌を教わり、自分の無知を恥じ、歌道に精進したという偉い話である。


「主の居ぬ 荒れ地に過去の 山吹が」

野豌豆(のえんどう)三兄弟

                カラスノエンドウ

               スズメノエンドウ

                 カスマグサ

                三兄弟が混生


 カラスノエンドウを物資の欠乏していた時に婆ちゃんがお茶にしていたことを思い出す。他にアカザなどの野草が食卓に上ったのも戦後の貧しさの記憶として残っている。そんな経験がロクの野草好きの原点になっているのかも知れない。
 さてカラスノエンドウだが、あまりにも身近に繁茂しているので、雑草が茂っている位の感覚で素通りされてしまう。立ち止まって観察してやるとマメ科特有の蝶型花がなんとも言えないぐらい可愛い。その美しさを是非紹介したいとアップで撮ってみた。豆が黒く熟れて弾ける頃にはお茶にも出来るが、新芽の頃には山菜として利用できる。素揚げが香ばしくって美味しい。熟れる前の幼果も若芽と一緒に塩茹でしてさらしてやると、和え物や汁の実としても使える。野草料理の集いを計画していたが、大阪では感染者がうなぎ登りなので中止することにした。薬用としては花のつく時期に全草を刈り取り、日干し乾燥させたものは胃炎を抑える働きがある。血行をよくするので胃のもたれなどにも効くらしい。
 カラスノエンドウの近くを観察していると、必ずと言っていいほどスズメノエンドウも仲良く寄り添って生えているのを確認できる。花は小さく目立たない。葉だけが僕も仲間だよと言っているようだ。更につぶさに周辺を探すとカラスノエンドウとスズメノエンドウの中間ぐらいの仲間が見つかる。それがカスマグサである。カラスの「カ」とスズメの「ス」のあいだ「間(マ)」と言うことから名付けられた。誰が名付けたのかは判らない。もしカスマグサを見つけ出せたら、思わずヤッタ~と~叫ぶことだろう。


「野豌豆 いずれは蝶に なるのかな」

二輪草(ニリンソウ)

      「植村直己冒険賞」受賞の稲葉香さん

       ヒマラヤトレッキング合間の美容師が草原でカット✄

   かいがいしく面倒を見てくれた香さん(参考画像)


 ニリンソウもスプリング・エフェメラルの仲間だろうかと思うぐらいの遅咲きである。毎年地元で確認できる「春の妖精」だから逢いに行かないことには、不義理をしている気になる。フクジュソウ、ミヤマカタバミ、ショウジョウバカマについで出てくるのがこの娘である。ニリンソウはキンポウゲ科イチリンソウ属とされていたが、最近ではアネモネ属に再分類されている。ギリシャ語でアネモネ属は「風の娘」と呼ばれている。長く伸ばした花茎につく花はたえず風に揺らいでいる。風の娘とは言い得て妙である。二輪の花は川中美幸が歌っているような男女の仲ではなく、実は姉妹なのかも知れない。少し遅れて出てくる妹は、蕾が恥じらっているようにピンク色を帯びている。
 葉や花は山菜として食用になるが、まだ試したことがない。春の妖精は観て愉しむだけにしている。花びらをコーヒーゼリーや寒天寄せに散らす程度なら試してみても良いのかも。花びらと言ったが花弁はなく全て萼片である。
  (☛猛毒のヤマトリカブトと葉が似ているのでくれぐれもご注意を!)
 根茎で拡がり群落を作るが、その根茎を日干し乾燥させたものを煎じて服用するとリウマチに効くらしい。4月5日に2020年度の「植村直己冒険賞」の受賞者が発表されたが、ヒマラヤ・トレッキングの案内をしてくれた千早赤阪村の美容師 稲葉 香さんが受賞された。彼女は18歳でリウマチを発症して、それの克服を目指してヒマラヤ行脚を続けてこられた。過酷な環境に身を置き、半ば修行の境地で挑んでこられた姿勢に頭が下がる。池江璃花子さんの頑張りに通じるものがある。香さんおめでとう!
 
「咲いたかな 思い連れ来る 二輪草」