オオイヌノフグリに混じってハコベも
カルちゃんが小さな溜め池に採餌に訪れている
1月頃から「星の瞳(オオイヌノフグリ)」の小さな株を見かけるようになっていたが、やはり宝石箱をひっくり返したように、コバルトブルーが散らばって咲いてくれるのを今か今かと待っていた。陽射しのある日中でこそ愉しめる春の使者でもある。
オオイヌノフグリは明治初年にヨーロッパから渡来してきて、見る間に日本の国土に根付き帰化植物になった。その所為かどうかは判らないが、日本固有種のイヌフグリにはとんとお目にかかれなくなってしまった。もともと名前の由来は在来のイヌフグリに付けられたものである。それの少し大型ということでオオイヌノフグリと呼ぶようになった。花の色もイヌフグリはピンク系だが、オオイヌノフグリはブルー系でタチイヌノフグリに近い。
可憐な花なのに名前が可哀想だと「星の瞳」とか「瑠璃唐草」「天人唐草」とかの別名を与えられている。タイトルに「星の瞳」を使ってみたが、どうもすっきりしない。あまりにもロマンチックすぎて植物名には適さない気がする。子どもたちに説明する時にはフグリの方が惹き付けやすい。植物名の命名者は著名な植物学者で、殆どが男性だったのでデリカシーに欠ける名前を付けられた。
オオイヌノフグリは春まだ早くから咲き出すので、花粉を運んでくれる虫たちもあまりいない。花は3日間ほど閉じたり開いたりを繰り返すが、受粉できなかった花は最後の保険として、自家受粉するという戦略で子孫を残すようにしている。両手を挙げたような雄しべが、雌しべの頭に垂れ下がり3日間の命を終える。
「児らたちに 比べられたり 犬ふぐり」