厳密に分ける必要もないがシロバナジンチョウゲ
秋の金木犀に引けを取らない芳香を放つ春の沈丁花が咲き出してきた。マスクを外さなくっても、咲き出しの頃には香りが漂っているのを愉しめる。
昨日は緊急事態宣言解除の見通しが明らかになったので、サークル「トンボのメガネ」の活動が再開できると判断して、2021年の年間計画を策定するために打ち合わせをしてきた。そのついでに、大阪新里山ではジンチョウゲ科のミツマタが観られるはずだと寄り道してきた。ところが思い違いで、本家本元のジンチョウゲが開花直後だった。
ジンチョウゲは中国原産と言われているが、現在では自生種は確認されていないらしい。日本には室町時代に渡来してきた。錯覚したのは枝が根元から三つに分れる特徴を持つミツマタに似ていたからだろう。ミツマタは落葉樹だがジンチョウゲは常緑樹だという大きな違いがあったのに。
花を日干しで乾燥させたものには消炎・鎮痛作用があるので、風邪などの喉の痛みがあるときには煎じ液を服用したり、うがい液として使ったりする。生薬名が「瑞香花」というのも体に良さそうな気がしてくる。クマリンも含まれているので、何となく味見してみたい気がする。でも花を採取する気持ちにはなれない。春の香りだけで満足しよう。
「沈丁花 マスク漉しでも そこはかと」