6san-activelifeのブログ

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

猩々袴

          花色まちまちのショウジョウバカマたち


 近くの散歩道にショウジョウバカマが咲き出しました。常緑多年草だから何時も同じ時期に同じ場所で観察出来ます。猩猩というのは中国の想像上の動物で、能楽にも登場する猿に似た「大酒飲み」の動物です。赤い花が枯れる寸前さらに赤味を持ちます。ロゼット状の葉っぱを袴に見立てて名付けられました。普通は山歩き途中、渓谷などの湿気の多い傾斜地などで見ることが出来ます。
 この植物は、開花前の蕾の内から雌しべを突き出し、受粉出来る体制を早々と作っています。確実に受粉するためと、自家受粉を防ぐための戦略です。雌性先熟と云われています。さらに驚くのは葉っぱの先が地面に着くと、そこから芽が出て根が生えて来ます。種以外にも子孫を残す驚くべき方法で、栄養繁殖体と呼ばれる生態戦略を持っています。強かな植物たちの知恵に驚かさる世界です。


「春の花 戒めと聞き 休肝日」

鹿と桜

               見事なディアーライン

           花びらを舐めとる様に食べ進む鹿

            観察途中で齧り盗られた資料

        桜と云えば馬でしょう(家の窓からの参考画像)


しかし 鹿と云えば紅葉、桜と云えば馬と相場が決まっています。因みに猪と云えば牡丹で、鶏と云えば柏、と云う風に肉に加工されたものを植物名を充てて呼ばれます。鹿と桜という組み合わせは奈良公園ならではの現象です。奈良公園では独特の景観を鹿が作っています。結構樹木が植わっているのですが、その割に見通しが良いのです。地上2mぐらいまでの枝葉は鹿が食べ尽くすので、遥か彼方まで見通しが効くのです。この高さをDeer-Lineと呼んでいます。鹿が食べないアセビやナンキンハゼなどの毒を持つ植物以外はディアーライン状になっています。草花も食べ尽くされるので、あの痛いイラクサも、他よりさらに痛くなって生き延びています。
 観察に夢中になっていると鹿が近寄って来て、資料類などの紙類を引きちぎります。地面に散り始めた桜の花びらを食べにくそうに舐めとっています。紙をひったくるよりサクラの方が美味しいに決まっています。花びらは鹿煎餅に飽きた鹿たちへの自然からの一時のプレゼントかも知れません。


「舞い落ちる 桜花に鹿も 追い付けず」

奈良九重桜

       副萼を含めて10枚の萼を持つナラノココノエザクラ

             雌しべの数も右側は複数個

                雌しべが3つも

           何とも優雅なナラノココノエザクラ


 兎に角珍しいナラノココノエザクラです。昨年も観察会で天然記念物のナラノヤエザクラを訪ねた時に、花びらを落としたココノエザクラの萼片だけが僅かに枝に残っていました。その特徴だけを観察したので、今年は花をしっかり観察したいとトンボのメガネで計画しました。昨日はその下見です。今が盛りと咲き誇っています。一週間後の本番まで残ってくれるかが気掛かりです。八重と九重の両方を観たいと欲張りましたが、開花時期にかなりのズレがあります。奈良の桜は氷室神社のシダレザクラで幕開けし、次にヒガンザクラと早咲きヤマザクラとが登場します。ソメイヨシノが花びらを散らし始める頃にナラノココノエサクラが最盛期を迎え、最後にナラノヤエザクラで桜劇場の幕を閉じます。
 ナラノヤエザクラはカスミザクラの重弁化したもので、ナラノココノエザクラはヤマザクラの重弁化したものだと云われています。大きな特徴は普通のサクラ類の萼片が5枚であるのに対して、こちらは大きさの異なる10枚の萼片で構成されています。小さな萼片を副萼というらしいです。重弁化すると普通は実を付けないものですが、ナラノココノエザクラには雌しべが複数個あり、結実するという特異な戦略を持っています。


「貴種桜 ルーペで観察 得意顔」