ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

丸実の山牛蒡(マルミノヤマゴボウ)

           シカは実だけを食べているのかな?

      マルミノヤマゴボウ花穂(参考画像)

               イワヒメワラビ

             見るからに痛々しいイラクサ


 奈良公園内を散策すると鹿が食べない植物だけが目に付く。それらは鹿に食べられないような防御物質を持っているもので「シカ不嗜好性植物」と呼ばれている。特にシダ類のイワヒメワラビの繁茂が目立つ。このシダはシカの生息する山なら何処にでも繁茂している。他にナンキンハゼなどもシカは見向きもしないので実生で勢力範囲を拡げている。元々は蝋を採るために植栽されたものが、鳥たちが種を運ぶので公園中に繁茂する結果になった。触れただけで腫れ上がってしまうイラクサも所々で見かけるが、ここのイラクサは鹿もたまに食べるので、他の地域のものより毒性が増していると窺った。
 帰化植物のヨウシュヤマゴボウは何処でも見ることが出来るが、マルミノヤマゴボウは地域単位で絶滅危惧種に指定されている。貴重種なのであまり目にすることはない。ところが奈良公園には繁茂している処があり大発見の気持ちになった。奈良に出向くとマルミノヤマゴボウを訪ねるのだが、これ程の群落を作っているとは思わなかった。花も清楚で綺麗だが、実が黒く熟する頃になると穂が真っ赤になり見事なものである。ヨウシュヤマゴボウは花の時期からトラノオのような咲き方をするが、こちらの花穂は直立するので凜とした姿が晩春の林内では目立つ。鹿も食べないマルミノヤマゴボウだが、観光客のいなくなった奈良では、彼たちも食糧事情が悪くなったのか、味見している痕跡を確認することが出来る。


「人の来ぬ 奈良には鹿と 毒の草」

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