狐の剃刀(キツネノカミソリ)
花は葉を見ず
葉は花を見ず(参考画像)
日がな一日ジャコウアゲハの幼虫観察ばかり続けておれない。雨が上がりそうな気配を感じると、居ても立ってもおられなくなり、傘と飲み物とカメラを持って飛び出す。何時もの散歩コースは代わり映えしないので、三草山の山麓コースを歩いてみた。
早々咲き出したと言えばいいのか、雨のために足止めされていたために気付きが遅れたのか、キツネノカミソリが田んぼの畔や林内で咲いている。一般的に8月頃の開花と言われているのでしばらくは楽しめるだろう。都会から来た人はこの花に惹き付けられるが、田舎の人たちは狐の変幻に見立ててキツネノタイマツ、キツネユリ、キツネバナなどと呼んだり、毒花、地獄花などとも呼び、忌み嫌っているようだ。根茎にアルカイド系リコリンの有毒成分を含み、近寄らせないための知恵だったのかも知れない。因みにリコリスというのはギリシャ神話の美しい海の女神のことらしい。
ヒガンバナ科の植物だから花の咲く時期には葉はなく、花茎だけが伸びてきてオレンジ色の綺麗な花を咲かせる。剃刀に似た葉を春先に出すところからキツネノカミソリと言われるようになった。ヒガンバナ科の植物の特徴である花と葉のすれ違いを称して韓国では「相思華」と呼ばれているので、日本でも「相思花」と呼ぶようになった。「葉は花を思い、花は葉を思う」お互いに逢うことの出来ない相手を想い合うだけ。ロマンチックやなあ~!
「梅雨末期 今日も見飽きた 連れ合いと」