井口辺草(イノモトソウ)
葉軸部に翼があるイノモトソウ
翼のないオオバイノモトソウ
巻雲(筋状の雲)
古名では「井之許草」と表記されていた常緑多年生シダのイノモトソウである。先日サークルで観察してきたのだが、オオバイノモトソウとの比較をするために探したが、なかなか見つけられなかった。と言うよりも違いが分かるほどの画像が撮れなかった。
イノモトソウは井戸の近くの日当たりの良くないところに生える、と言うことで名付けられた。葉は薬用とか香料になるらしい。シダ植物のミツデウラボシと同じような桜餅の香りを持つのかもしれない。胞子葉と栄養葉に分かれるのは他のシダと一緒だが、香りを放つのは胞子葉かもしれない。そこまでの観察をしなかったので機会を見つけて確認したい。
シダ植物は地味なので観察対象から外しているが、ハイキング途中では何種類かを必ずと言って良いほど見かける。ウラジロの群生やリョウメンシダ、コシダ、ワラビ、ゼンマイ、フユノハナワラビなどである。冬場の山で見かけるのはシダ類ばかりなのは、シカの不嗜好植物だからだろう。
さて、イノモトソウだが、群生状態で見かけるのは殆どがオオバイノモトソウである。イノモトソウは葉軸上部に翼を持つのが特徴である。同定するときの決め手は「翼」のありなしで判断できる。冬場の観察対象としてシダ植物も加えてやろうかな。
「シダ類も 仲間にしたき 冬の山」