掃溜菊(ハキダメギク)と高三郎(タカサブロウ)
ハキダメギク
タカサブロウ
両者の比較
キク科植物でよく似た小花を咲かせているのが、お馴染みのハキダメギクとタカサブロウであり、これも観察会で見付けたら花の違いを確認してもらうことにしている。
ハキダメギクは熱帯アメリカ産で大正時代に東京で既に確認されている。ゴミ捨て場や畑の脇など窒素分の多いところを好む性質から、牧野富太郎氏によって命名されたのは有名な話で、ヘクソカズラと共に可哀想な名前を付けられたものである。ヘクソカズラは別名で早乙女花とも呼ばれているが、ハキダメギクにはまだ可愛い別名が付けられていないようだ。5つある舌状花の先端が3裂しているので「小蝶花」と名付けてやりたくなる。
一方、タカサブロウは既に江戸時代に刊行された文献にも登場する薬草で、目のただれを治す薬草として「タダレメソウ」と呼ばれていたが、イケメンの高三郎がこの草でただれ目を治したので、語感の良いタカサブロウにしたとも言われている。原産地はアメリカ大陸らしいが、史前に帰化したと考えられ、アメリカタカサブロウと区別するためにモトタカサブロウと呼ばれることもあるらしい。
ブログで植物の名前の由来などを紹介する際は、山渓名前図鑑「野草の名前」(春・夏・秋冬)3巻を利用している。あとは山渓ハンディ図鑑「野に咲く花」「山に咲く花」「樹に咲く花1・2・3」の5巻を参考にしている。決してロクの引き出しからの知識ではない。
「小菊たち 可愛い名前で 呼びたいな」