豚菜
舌状花だけで構成されているブタナ
タンポポに似たブタナが宅地一面に咲いている姿は壮観である。ヨーロッパ原産で1933年に札幌で確認されたのち、見る間に全国に広まった比較的新しい帰化植物である。多分牧草や飼料として輸入したものだろうと推測されている。豚菜などと色気のない名前を付けられているが、フランス語で「ブタのサラダ」と云われていたのをそのまま和名に直訳しただけらしい。別名でタンポポモドキと云われている。
葉っぱもタンポポに似たロゼット型の根生葉を持つが、茎はかなり強靭で空洞にならず髄が入っている。手折ろうとしても硬い。カッターで切ると乳液も出ない。暫く観察していると髄以外の周りが黒変してきた。この硬さでは豚でも敬遠するだろう。長く伸びる花茎が途中で分枝する点でタンポポとの見分けがつく。
「夏嵐 どこ吹く風と 右左」