鹿の発情期
3歳雄鹿の雄姿
泥塗り行動
いざ出陣
頭を舐めて雌を誘う
あっちに行ってと振られる
鹿煎餅を試食中!
「奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき」(猿丸太夫作)とされる歌だが、そんなメランコリーな心情に浸ることなく、奈良公園に鹿の発情期の行動観察に訪れた。主催は奈良の自然を観察する会で、あらかじめ下見をされ資料も準備されている。リーダーからレクチャーを受け観察に臨むのだが、好奇心旺盛な彼から鹿煎餅の味見をしてみようとの提案があり、勇気ある何人かがチャレンジした。もちろんロクも参加した。だって「鹿」はロクと読むのだから。
発情期の雄は毛が茶色から黒毛に生え換わる。より逞しく見せるためにヌタバで泥を塗りたくる。イノシシの行動とは違う雄鹿の発情行動と見られている。首の周りの毛に泥塗りしてタテガミにするためかも知れない。彼等は後足を引き摺るようにして歩くようになる。生殖器が既に体内で膨張しているのかもしれない。そんな雄たちを見付けては観察するのだが、マウンティング(交尾行動)までは目撃できなかった。発情期の雄は目が充血し血走っているが、観察会に参加した男女21人のシニアの目の方が血走っていた。
「逃げられて なお逃げられて 鹿の声」