冬の観察
ラピスラズリを想わせる龍の玉
ソヨゴとイヌツゲに出来た死環
白籏池までの道中で何が観察出来るか下見の時に探してみたが、草本類では観察出来そうなものが見つからなかった。ジャノヒゲの果実に見える瑠璃色の種(弾み玉)がたくさん根元に落ちていたのを仲間が拾い集め、持ち帰ってワイングラスに入れて飾るらしい。お洒落!冬芽観察は次回に取ってあるので、今回は仲間が常緑樹の「死環」を調べようとライターと線香を用意して来てくれた。死環という響きは良くないが、植物を同定する際に役立つ化学変化である。一部分に熱を加えたり、一定の圧力を加えたり、凍結させたりすると細胞内の酵素が壊れて化学変化を起こす。線香やたばこの火で葉っぱを火傷させるとその周りに黒い輪が出来る。それを死環と呼んでいる。約70℃になった辺りが黒変すると考えられている。酵素はカプセル内に収まっているが、熱などの外圧でカプセルから一気に放出されるようである。
死環が出来やすいのはモチノキ科植物と云われているが、他にモクセイ科、バラ科などでも出来るようである。モチノキ科のタラヨウは爪楊枝などで傷を付けてやると、直ぐに黒変するので字も書ける。葉書の原型と云われ郵便局のシンボルツリーになっている。当日はクスノキ科のシロダモ、モチノキ科のソヨゴとイヌツゲなどを試してみた。アオキなどの葉も採取したが、家に帰ってから調べる宿題とした。まだどうなったかの連絡は届いていない。
「弾み行く ころころころと 龍の玉」