甘茶Ⅱ
雄しべが約10本、花柱は3本
今年もたくさんのアマチャが咲いた。良く分枝するのでガクアジサイに似た花序の数は、数えきれないほどに咲いている。ガクアジサイとの違いは飾り花に囲まれた花の集団が長方形状に拡がっている点である。10年ほど前に薬科大学から頂いた株は、200花序位も咲いている。昨年アップした時に、来年こそ甘茶を作ろうと思っていたが、蕾を摘み取って葉だけを育てる決断が付かなかった。来年は株分けをして観賞用の花と甘茶用にしてみようかと考えている。甘茶にするには、花を咲かせずに蕾を摘んで、夏場に大きく成長させた葉を採取して、醗酵・乾燥などの加工をしなければならない。
ヤマアジサイが母種で、その中の甘味成分を持つ1系統がアマチャとして栽培されている。そのまま生葉を噛んでも苦いだけだが、醗酵させると甘味が増しフィロズルチンは砂糖の1000倍の甘実を持つ。口中清涼剤や歯磨きの甘味、醤油の味付けなどにも使われているという。伊豆天城自生のアマギアマチャがあるが、アマチャほどの甘味がないらしい。
甘茶と云えば4月8日の花まつり(灌仏会)に欠かせない。お釈迦様の誕生日に甘露の雨が降ったという言い伝えから、釈迦像に甘茶をかける風習が今でも受け継がれている。
「赤と青 甘茶に小虫 集い来て」