スペイン点描
オレオ(穀物貯蔵庫)
刃物研ぎ屋さん
ホテルの窓から
夜9時30分
中央郵便局
マドリッドのマクド
個人タクシー
過ってはオランダと並んで世界を手中に収めるほどの権勢を誇っていたが、今ではその勢いは影をひそめ、ユーロ圏内でも目立たない国になっている。誇れる産業が無く、失業率が高く識字率は低い、と言う負の連鎖がスペインの未来を暗くしている。
114kmを歩いただけだから詳しくは語れない。農業国としての牧歌的な風景は旅行者には嬉しいが、質素で貧しい暮らしを垣間見ることも出来る。これと言った誇れる産業基盤もないので、若者たちの就職先が狭き門になっている。向学心も湧かず一生農夫で終わると言う運命が重くのしかかっているようだ。でも価値観の問題かもしれない。日本でも経験したそのスローな生活が必要なのかもしれない。我々が忘れ去った大切なものが彼らの中には脈々と受け継がれているのかもしれない。
街中のタクシーを利用した時に、すべてのタクシーが同じデザインに統一されているので、国営かどうかをガイドに質問した。この国では個人タクシー制だと教えて貰った。許可ライセンスを取るのに多額の費用がかかり、それが財産として子孫に受け継がれているようだ。交通省の厳しい管理下に置かれ、ぼったくりなどの不正はないので旅行者には安心して利用出来る。ただ停車中でもメーターは絶えず上がって行くので、少しの渋滞でも驚くほどの料金になってしまう。往きは10ユーロだったのに、帰りは渋滞に蒔き込まれ17ユーロにもなってしまった。車は渋滞で走らないのにタクシーメーターだけが独り走っている恐ろしい経験もして来た。
「春落ちて 栄枯盛衰 これも良し」