高野箒
あまり目立たない花だが山道で咲いていると、近寄って確かめたくなるキク科のコウヤボウキが盛りを迎えている。雰囲気的には草本に見えるが、厳密には草本性落葉低木である。種子植物の中で最も進化したキク科は、殆どが草本だがコウヤボウキ属など僅かに木本類がある。世界に2万3000種あるキク科の中で木本はわずか3%に過ぎない。
名前の由来は読んで字の如く高野山で箒として使われていたからである。高野山では果樹や竹類など商品価値のあるものは、人間の煩悩の原因として植栽されなかった。そこで竹の代わりとしてコウヤボウキの幹や枝で箒を作ったと言われている。今でもその箒は神事に使われたり、京都伏見の酒桶の濁りの泡をふきとるのに使われているらしい。
1年目枝に付く葉は丸いが、2年目枝に付く葉は細くなって束性している。そんな観察を皆さんと楽しんで来ます。今日も秋晴れレッツゴー!
「山道の 重なる花に いわし雲」