ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

紫(ムラサキ)


 15年ほど前に某薬科大学で頂いたムラサキを花壇で大切に育てていたが、大きくなった紫根を残して姿を消してしまった。諦めていたが法面で育っているのを見つけて、植木鉢に移植してやったのが5年ほど前である。機嫌良く根付いてくれたが、環境の変化に敏感なムラサキは再び姿を消してしまった。ところがとなりの植木鉢で再び芽を出してくれ、花を付けるまでに育ってくれた。運良く種がとなりの鉢に落ちて根付いたので3代目になる。
 今では自生のムラサキを観ることが出来ない環境省絶滅危惧種だ。奈良の万葉植物園で辛うじて観ることが出来て、客寄せパンダの役目を果たしている。かっては紫の染料として栽培までされていたが、色落ちしやすいので代替の染料が使われるようになった経緯もある。そんな貴重ムラサキだから我が家の宝としている。
 染料としての紫根染めは、推古天皇の時代に小野妹子が中国から帰国して伝えたとされている。紫根を臼で粉末にして、ぬるま湯に入れ色素を出して染色液を作ったらしい。江戸時代には「江戸紫」として人々に愛される高貴な染め色だった。薬用(痔、火傷、凍傷、腫れ物など皮膚関係)としても使われていたので、薬科大学でも育てられていたというわけである。
 日曜日にひとくらクラブで何度も経験してきた椿油絞りのデモンストレーションがあった。子ども連れ家族が一般参加で来ていた。椿の実を潰して「仁」を取り出し、蒸してから油を絞り出すまでの、一連の工程を子どもを交えて経験させておられた。実の殻が草木染めの媒染になると言うことで、そこで「紫」が話題になった。


「紫に こころ彷徨う 古代まで」

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