美容柳と金糸梅
ビヨウヤナギ(雄しべが飛び出す)
キンシバイ(花柱5つが合着)
公園などに行くと雄しべの長いビヨウヤナギの黄花が目に付くようになりました。概ね同じ公園によく似たキンシバイも植栽されています。案外同じ花だと思って通り過ぎる方が多いようです。それもそのはず、どちらもオトギリソウ属の仲間だからです。薬草としても有用な植物です。雄しべが花弁から飛び出して目立つビヨウヤナギは、60本の雄しべの束が5列で構成されています。その姿が華やかなので美容柳と命名されました。1708年に中国から観賞用として入って来ました。50年ほど後にキンシバイも渡来して来ました。こちらも雄しべの数は300ほどありますが、長くないので区別が出来ます。そして300年近くも経つと野生化したものを見かけるようになっています。
オトギリソウの仲間には葉を透かすと白い明点と黒い黒点が散在しています。草本のオトギリソウには黒点があり、木本のビヨウヤナギやキンシバイには明点があります。含まれる油分の違いです。オトギリソウの名前には悲しい謂われがあります。鷹匠の兄が傷ついた鷹を治す秘薬としてある薬草を使っていました。気の良い弟はそれを他の鷹匠に漏らしてしまいます。それを知った兄は弟を切り捨てました。恋人も後を追ったと云います。その時に飛び散った血の跡が葉に黒点として残ったのです。弟切りからオトギリソウになったという悲しい名前の由来です。
「黄金の 美花に哀しき 初夏の来て」