柾・正木(マサキ)
枯葉にカモフラージュするテングチョウ
スイバの越冬戦略
マサキの実が目立つようになってきた。自生しているのに出くわした記憶がなく、いつも目にするのは生け垣に植栽されているものばかりである。ところが日本全国の海岸部に結構自生しているらしい。たぶん見落としてきたのだろう。
マサキはニシキギ科ニシキギ属であるから、ツリバナやマユミに似た実を枝からぶら下げるように付けている。実が弾くと橙赤色の仮種皮に包まれた種が飛び出す。何時までも落ちずにぶら下がっているので、小鳥の捕食を待っているのかも知れない。樹皮と根は薬用になり、葉は食用になると云うが若葉の頃に摘むのかな。
昔は生け垣に使われていたようだが、レッドロビンに取って代わられたようだ。植物たちの利用も時代により変遷していくようだ。あれだけ人気のあった皇帝ダリアが、余り見向きをされなくなったように。
枯葉道を歩いていると、生き物の気配がした。その姿を探すのだがなかなか見つからない。足で枯葉をかさこそしてやると飛び出して別の場所に移動した。どうやら蝶か蛾だろうと判断して近寄ると、テング蝶のようだった。保護色で完全に隠れているようだ。彼は越冬して春を待つのかも知れない。
植物たちの越冬は糖度を高めて凍結を防いでいる。スイバが赤くなっているのでジャムに使えるのだが、シュウ酸を含むので最近は余り採らなくなった。
「正木の実 コート脱ごうか 脱ぐまいか」