長実雛芥子(ナガミヒナゲシ)
間もなく開花のナガミヒナゲシ蕾
何とか生き残っているハエトリグサ
地球海沿岸辺りから1960年頃に渡来してきたナガミヒナゲシが、アスファルト道路脇に風に揺らいでいるのをよく見かける。漱石で有名な「虞美人草」と同義語のヒナゲシの仲間である。ヒナゲシは色も各種あり公園などに植栽され客寄せパンダになるぐらいだが、ナガミヒナゲシはポピーレッドとも言われる単色だけである。
儚い一日花だが、毎日観察していると、蕾が膨らみ次第に立ち上がって、コートを脱いで 開花するまでに数日を要する。翌日には下位子房の実だけが残っている。一般的にケシ科ケシ属を総称して英名でポピーと呼ばれているが、スペインでは「アマポーラ」、フランスでは「コクリコ」と呼ばれ親しまれている。虞美人草と並んで文学の世界に馴染む植物である。1年草だがたくさんの芥子粒を撒き散らすので、毎年花壇に咲いてくれる。外来種だが邪魔にならないので好き勝手に咲かせている。
サギソウと一緒にミズゴケで育てているハエトリグサが、今年も葉先に二枚貝を付けて出てきた。サギソウの芋を植え替えなどしたので、ハエトリグサを痛めてしまったと思っていたが、2箇所で芽を出してくれた。花壇は雑草天国だが、発泡スチロール内の植物たちだけは一応の管理下にある貴重なエリアになっている。
「強風に いのち半日 芥子の花」