ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

過去へのご招待24

[2502] 山の日 [PC]  2016/08/11 07:30:59    [削除]


   今年から新たに制定された国民の祝日「山の日」です。「海の日」が制定されてから20年になります。これで年間16日になりました。なぜ今日なのかと云う事ですが、夏休み期間中でお盆休みにつなげやすいという事から11日が選ばれました。候補としては当初12日だったのですが、日航機墜落事故があった日なので遺族の方の心情を察し11日にしたようです。公的休日は明治時代に出来ましたが、皇室儀式がある日を中心に決められ「祝祭日」と呼ばれていました。昭和入って制定された祝日法の施行に伴い祝祭日は廃止されました。
 山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。と云う事ですが、こう暑い日が続くと山に行こうという気持ちになりません。働き過ぎの日本に休日が増えることは歓迎ですが、働きやすい環境整備が一番望まれます。非正規雇用の低賃金では山に行く余裕すらありません。


「山の日は 青春時代の 思い出日」


 [2503] 面高(沢瀉) [PC]  2016/08/12 07:58:50    [削除]


   昨夜の民放ニュースは山の日を取り上げて特集していました。実際にアウトドアーで過ごした人は少なかったようで、圧倒的にインドアーで過ごされたようです。それもその筈、高校野球とオリンピックに釘付けで、サラリーマンには好い休養日になったようです。ロクは地域の6次産業のお手伝いで、鹿の燻製作りを頼まれました。麹部会が麹を使った食品開発に取り組んでいます。鹿も塩麹を擦り込んだものです。イベントで提供されるとのこと。一片を味見しましたがなかなかのものです。
 炉に肉を吊るし火を入れて約5時間。目を離せません。その合間を利用しての写真で、オモダカの雄花と云う事が黄色い花粉で判断出来ます。右下にかすかに写っているのが雌花です。雌しべが緑色の球形集合体になっています。昨年もアップしていますのでご覧下さい。近似種のアギナシに遇ってみたいものです。


「この田には 蛙も多し 沢瀉も」


[2504] 木洩れ日 [PC]  2016/08/13 07:01:31    [削除]


   この掲示板のタイトルが『ロクさんのアクティブライフ』だが、最近は一緒に遊んでくれる仲間も高齢化を迎え、今年に入ってからは殆ど山歩きもしていない。11日の山の日を横目にうじうじしていた。昨日は意を決して家から歩いて行ける三草山まで登って来た。登山道に辿り着くまでの道中の暑いこと。今年は能勢でも箕面の山でも熊の目撃情報が出ているので、独りで歩くのはヤバいかなと頭をよぎったが、その時は「熊さん元気かい」と声をかけてやれば好いやと開き直った。熊に出遭うどころか誰とも出会わなかった。山道の木漏れ日が日頃の鬱憤を晴らしてくれた。
 ペルセウス座流星群が観られるという事で、夜の9時過ぎから10時半頃まで粘ったが南点の月が邪魔しているのか、確認することが出来なかった。折角折りたたみ椅子と団扇を持って待機していたのに。観られた流れ星は2つだけで、流星群のものではなかった。明日の未明に早起きして、もう一度チャレンジしてみたい。


「木漏れ日が そっと消し去る 玉の汗」


 [2505] 狐の剃刀 [PC]  2016/08/14 07:23:31    [削除]


   目覚まし時計を4時にセットして早寝したが2時半ごろ目が覚めたので、これ幸いと寝ぼけ眼で流星観察に出かけた。1時間に数十個も観られるはず、で30分ほど待ったが全然流れてくれない。カシオペアは中天まで上がり、ペルセウス座は見易い位置のはずだが……。微かに薄雲がかかっていたからかもしれないし、村の灯りが邪魔していたのかもしれない。断念して帰宅。今年は最高の条件だったが、来年は肉眼観察は無理なようだ。
 7月にオオキツネノカミソリをアップしたが、基本種のキツネノカミソリはお盆の時期まで咲き残っていてくれた。開花時期の違いを今年初めて知ることが出来た。自然観察は実際に現地に出掛けて確認することで、自分の知識として蓄積される。


「めらめらと 門火の如き 花の咲き」


[2506] 現の証拠 [PC]  2016/08/15 07:06:08    [削除]


   フウロソウ科のゲンノショウコです。種を飛ばした後の形が神輿に似ているのでミコシグサとか、古くから下痢止め妙薬として知られているのでイシャイラズとかの別名で呼ばれたりします。ゲンノショウコはドクダミ、センブリと並ぶ三大民間薬としてこの欄で紹介していますが、他にキササゲ、カキドオシ、タラノキ、ウラジロガシなどが良く知られ利用されています。
 ところで民間薬とはなんぞやと云う事になりますが、日本に文字のない頃から口伝えで伝わり、副作用のないことが実証されてきた薬と云う事です。漢方薬は主に根っこを使いますが、民間薬は地上部を使います。従って一番勢いのある時期に1年分摘んでおくのです。ゲンノショウコも花真っ盛りの今が摘み頃です。毒草と間違わないための方策かもしれません。


「摘み採るに 惜しき色香の 神輿草」


 [2508] 秋葵 [PC]  2016/08/16 06:43:56    [削除]


   今人気上昇中の花オクラです。オクラの実は栄養価が高いと言われ、健康野菜として普及しています。オクラはアフリカ原産でエジプトでは13世紀ごろから栽培されていたようです。日本には幕末に渡来して来ましたが、当時は和食に合わないと普及しませんでした。昭和40年ごろから食事の洋風化が進み、それに伴ってオクラも市場に出回る様になったようです。一方、花オクラはオクラの改良種で、より大きな花を咲かせるように改良されたものです。エディブルフラワー(食用花)として人気が出て来たのはつい最近のことです。我が家では甘酢漬けにしますが、サラダや天ぷらなど如何様にでも楽しめます。
 テレビに映っている愛ちゃんを意識的に取り込んでいますが、女子卓球団体戦に釘付けになっていたのです。娘の勤務先の生徒がリオに出ているからです。普段は卓球を4時間も観戦することはないのですが……。身近にオリンピック選手がいると言うだけで、身内でもないのに胃が痛くなってしまいそうな試合展開でした。


「テレビ観し 心の奥に 終戦日」


[2509] 牡丹蔓 [PC]  2016/08/17 07:38:33    [削除]


   キンポウゲ科センニンソウ属のボタンヅルが大木に絡み付き、我が物顔でのさばっている。この時季の観察会ではセンニンソウなどの白花が目立つ。両者は花の区別が付かない位よく似ている。葉っぱの違いでボタンヅルかセンニンソウかを見分けている。彼らの逞しい生命力を観て欲しくって、繁茂している写真を紹介した。
 ボタンヅルもセンニンソウもキンポウゲ科で全草に毒性分を持っている。牛の歯毀れ(うしのはこぼれ)や馬喰わず(馬喰わず)などの別名を持ち、毒草であることを喚起している。しかし、神経痛やリューマチに薬効がある様で、民間としては外用で用いられていたらしい。肌がかぶれるので安易な利用は出来ない。


「夏バテの 木々を傘下に 羽伸ばし」


[2510] 仙人草 [PC]  2016/08/18 07:32:19    [削除]


   昨日アップのボタンヅルにそっくりなセンニンソウです。花後の実(種)につく花柱が長く、それが仙人の髭を連想するところから名付けられました。6弁のテッセンとか8弁のカザグルマなどクレマチスと同じ仲間です。十字に展開しているのは花弁ではなく萼片だという事です。汁液が皮膚に付くとかぶれますが、花には芳香があるので近寄って匂いを楽しみます。
 幕末の医者で後に植物の研究に没頭した飯沼慾齊(よくさい)が残した文献に、センニンソウの葉を患部に貼り、皮膚を発泡させて痛みを取り去る治療は、刺激療法の部類だと紹介しています。彼の残した植物研究は現在にも綿々と受け継がれているようで、牧野富太郎もその恩恵にあずかったのでは。


「髭生える 稔りの季節 待ち焦れ」


 [2511] 葛 [PC]  2016/08/19 06:59:00    [削除]


   秋の七草のクズの花がいたるところで咲いています。風が吹くと葉裏が白く目立つところから裏見草ともいわれ、平安時代の和歌にも葛はたくさん詠まれています。しかし今は繁茂し過ぎてありがた味もありません。昔は有用植物で、根からは葛根や葛粉が取れ食用・薬用に使われていました。今でも葛根は漢方薬に一番使われています。デンプンで作る葛饅頭や葛切りなどは高級和菓子になっています。蔓からとれる葛布は静岡県掛川の民芸織物の特産になっています。葉っぱなどは家畜の飼料として利用していました。
 クズは山渓の図鑑でも多年草として扱われています。確かに地上部は枯るので草本かなと思いますが、基部は木質化しそこからも新芽を出すので、木本に近いとロクを悩ませます。今日も観察会があるので皆さんの意見を拝聴して来ます。


「垂れし蔓 葉脇にゆかし 葛の花」


[2512] 黄蓮華升麻 [PC]  2016/08/20 07:33:56    [削除]


   昨日の大阪は記録的な暑さだったようだが、トンボのメガネ観察会は避暑を兼ねて六甲高山植物園を訪ね、高嶺の花々を楽しんできた。植物園スタッフから30分間の案内を受け、見頃の花をチェックしたのち、我がサークルが誇る仲間の案内で園内をくまなく観察して回った。お目当ては徳島の剣山に自生が観られるキレンゲショウマ。時期を迎えていたので、満開状態の群生を観ることが出来た。
 キレンゲショウマは東大植物学科の初代教授矢田部亮吉によって命名されたとのこと。キンポウゲ科のレンゲショウマに花姿が似ているので、それに黄色を冠して黄蓮華升麻に。しかしこちらはアジサイ科(←ユキノシタ科)に分類されている。湿度の高い所を好み、低いと開花しない。開花と云ってもラッパ状のままで平開することはないのだが。


「残暑避け 高嶺の花に 夢現」


 [2513] 白髭草 [PC]  2016/08/21 07:33:11    [削除]


   何とも安易な名前の付け方ですが、まさにその通りとしか言えません。ニシキギ科(←ユキノシタ科)ウメバチソウ属のシラヒゲソウです。花はカラスウリとかガガブタに似て花びらの変化が目立ちます。葉っぱは茎を抱くところがウメバチソウと同じです。写真ではよく判りませんが、5花弁の基部に3本に分かれた雄しべが付いているのが、この属の特徴です。
 昨日、友達から頂いたサギソウがやっと咲き出しました。今年は赤とんぼさんがアップして下さったので我が家の分は控えますが、シラヒゲソウやサギソウの美しさは誰に見せたいためなのでしょうか。カラスウリは夜の蛾を呼ぶためにレースを纏いますが。何れにしても自然が織りなす素晴らしい造形です。


「杜陰に 白く際立ち 爽気満ち」


 [2514] 葉隠釣舟 [PC]  2016/08/22 07:25:56    [削除]


   ツリフネソウは沢沿いの山道を歩いているとよく見かける。花器の釣舟(釣花入れ)に花の付き方が似ているという事で名付けられているのはよく知られている。赤紫の群生はよく見かけるが、仲間のキツリフネは自生地を減らしている。箕面の清水谷にも群生地があったが、今ではその面影すらなくなっている。ハガクレツリフネとのツリフネ三兄弟が何時までも観察出来ることを願いたい。
 さて写真のハガクレツリフネに出合えるチャンスはますます減っている。忍者のように葉の下に隠れて咲いているのでなかなか見付けられない。観察会で皆が通り過ぎた後、仲間の一人が見付けてくれた。花柄が葉裏に合着してそこから花が垂れ下がって咲くのが特徴だ。ボダイジュなどシナノキ属の苞に実がぶら下がっている様子に似ている。


「葉隠れの そこだけ秋の 忍び寄り」


 [2515] 蝿地獄 [PC]  2016/08/23 07:35:46    [削除]


   ハエトリソウを別名で表記しました。ダーウィンが「世界で最も不思議な植物」として熱心に研究したことでも知られています。北アメリカの湿地帯に自生し、日本と同じように四季がある地域らしいです。以前テレビで放映されていたのを観た事がありますが、二枚貝に似た葉の中に3本のセンサー(触角子)があり、それに虫が2度触れることで、僅か0.5秒で葉を閉じしまうという凄技を持っています。2度と云うのがみそで、虫の動きを感知し、余分な開閉でエネルギーを消耗しないという戦略です。
 あろうことか、それを六甲高山植物園で買ってしまいました。基本的に“やはり野に置け蓮華草”派のロクとしては珍しいことです。仲間に戴いたサギソウが咲き出したので、その水ゴケでならハエトリソウも育てられるだろうと云う魂胆からです。20日から毎朝ダーウィンになっているロクです。


「新涼を ホースの水で お裾分け」


 [2517] ガガイモ [PC]  2016/08/24 14:23:46    [削除]


   今回のガガイモは難しくて漢字表記出来ませんでした。蘿(ら)摩(ま)と書くのですが摩の漢字には草冠が付くのです。古くから親しまれてきた植物で古事記の国造りにも登場します。ゴーヤの様な形の実が弾けたところがカヌーのようで、小さな神様(スクナヒコナノミコト)がその舟で海を渡って来たという神話です。以前にこの欄で薬用や山菜として有用な植物だと紹介していますのでご覧下さい。
 ケサランパサランと云う謎の生物がいます。江戸時代からの民間伝承の生物で、捕まえて箪笥の中で飼っておくと好い事があるようです。白粉が好物なようです。しかし、その正体が謎のままです。動物だったり植物だったりいろんな説があります。そのケサランパサランがガガイモの綿毛だというのが有力説です。何とも夢のある話です。


「熱帯夜 うつらふわりの 夢見かな」


[2518] 水玉草 [PC]  2016/08/25 07:27:08    [削除]


   一昨日の武田尾観察会で仲間が見付けたミズタマソウです。以前、川久保渓谷で教えて貰い、ルーペで観察して感動したものです。写真に写して見ると水玉と名付けた謂れが良く判ります。花後の実が光を受けて水玉の様に見えるのです。目立たない植物ですが、虫の目で観察すると特徴のある花です。4弁に見える花弁が実は2弁が裂けている様子とか、雄蕊が2つで、雌蕊も柱頭の先が2つになっている様子とか、アカバナ科の特徴を表しています。
 果実が水玉状と云いますが、花の下に付いて子房がすでに水玉状です。次第に成長して大きくなり目立つように成ってきます。密生する鉤型の毛を逆光で観察するとまさに水玉です。鉤型の毛で動物などに絡み付き種を運んでもらう「ひっつき虫」戦略です。


「反省会 冷えたビールに 水玉が」


 [2520] ゲット! [PC]  2016/08/26 06:55:31    [削除]


   毎日夕方近くになると一雨きそうな空模様になって来る。昨日も黒い雲が張り出し、風が出て来たので雨を期待したが降ってくれなかった。そんな雨待ちのひと時、窓下に展開するワイルドな世界である。田んぼの稲穂は頭を垂れ黄金色に色付いてきた。ダイサギ(?)が獲物を狙って静かに足を運んでいる。長い首を稲の根元に入れ蛙やイナゴなどを獲っているようだ。大物をゲットしたようで、なかなか一気に飲み込めない。大きさから判断するとトノサマガエルかもしれない。何回か咥え直して、やっと飲み込めたのを確認出来てやれやれ。
 窓の下に見える田んぼには沢山のカエルがいるようで、傍を通ると一斉に田んぼに逃げ込む。と云う事はあまり農薬を使っていない証かもしれない。この分ではコウノトリがやって来ても大丈夫かなと思うのだが、まだそこまでの環境にはなっていないようだ。


「白鷺の 狩り場に重く 稲穂垂れ」 


[2521] 兵馬俑展 [PC]  2016/08/27 07:47:55    [削除]


   中之島にある国立国際美術館で「始皇帝と大兵馬俑」が開催されているので、避暑を兼ねて観に行って来た。始皇帝の陵墓を永遠に警護(守護)する軍団とみなされている。ルーツは同じだと思うが、日本の古墳(前方後円墳など)から発掘された埴輪群などと同じものだと思う。
 何時も感じるのだが○○展などを観ると、実際に現地に足を運んでみたくなる。そうして訪ねた処が何箇所もある。やはり現地で観ると規模の違いもさることながら、覆っている空気が違うので全く別物に見える。次回は陝西省に行ってもいいなあ~と(*^_^*)


「旅立ちぬ 古代ロマンに 避暑を兼ね」


[2522] 菊芋 [PC]  2016/08/28 07:20:53    [削除]


   我が家の花壇に1本だけ残したキク科ヒマワリ属キクイモが咲いている。一時はキクイモ採取のために育てていたが、たくさんの芋が出来て、小さな花壇を占領してしまうので、ことごとくひっこ抜いてしまった。多年草だから毎年咲いてくれる。観察していると面白いことに気が付く。初めは葉が対生だが大きくなるに従って上部の葉は互生に替わってくる。葉腋から分枝した枝もその傾向があり、下部の方は対生で花を付ける辺りは互生になっている。
 北米から1859年に入ってきた帰化植物で、戦時中から終戦直後の食糧不足の頃にはよく食べられていた。その後見向きもされなくなったが、最近では糖尿病予防と肥満予防の健康食として見直されている。キクイモの果糖はブドウ糖ではないので血糖値を上げない。アルコールの原料や飴にも用いられている有益植物だ。


「強かに 居場所とばかり 菊芋の」

定式幕

 

 一昨日夜、新学校の体育館で浄瑠璃の柿落とし(こけらおとし)が披露されました。能勢では200年以上にわたって受け継がれてきた伝統文化の浄瑠璃です。受け継がれてきた素浄瑠璃に、人形劇を組み合わせて大衆化を図り、其の劇団「鹿角座」が広く公演活動をしています。当日披露されたのは風神雷神、素浄瑠璃で先代萩ー政岡忠義の段、壷坂観音霊験記ー山の段、鬼一法眼三略巻ー五條橋の段です。学校の体育館に定式幕を設置しているところは、全国でも珍しいことではないでしょうか。
 定式幕と云うのは歌舞伎座などに設置されている引幕の事で、歌舞伎が広まった江戸時代からの様式です。下手から上手に引くことで幕が開くことになっています。幕の色は陰陽五行の考えに基づき、黒・白・黄・柿・萌黄(緑)から三色選ばれています。劇場ごとに異なり白が入っている処もあるようです。学校の定式幕は大阪歌舞伎座と同じ配列の黒・萌黄・柿色になっています。因みに京都南座は黒・柿・萌黄の配列です。


「雷神も 連れ来る野分 前夜かな」

過去へのご招待23

[2401] 稚児百合 [PC]  2016/05/10 07:31:10    [削除]


   散歩道や山でも見かけるチゴユリは、どちらかと云うと上手く写真に撮れないタイプの植物だ。稚児と云うぐらい小さな植物で、下斜め向きに咲いているので極めて撮り難い。特に白系の花はピンボケになってしまう。寝ころんで写したので何とか観られるかなと思いアップした。愛用の山渓ハンディ図鑑ではユリ科に分類されているが、最近の分類法ではイヌサフラン科に代わっている。
 手持ち図鑑では紹介されていないが、ネットで調べると若葉は食用になるらしい。しかし、仲間にホウチャクソウなどの毒草もあるので気を付けたい。ニリンソウとトリカブト属、ギボウシとコバイケイソウ、ギョウジャニンニクとスズランなど、似たものに毒草があるものには手を出さない、口に入れないを守っている。


「稚児百合に 大きくなれよと 老婆心」


 [2402] 真弓 [PC]  2016/05/11 07:43:39    [削除]


   鳥が運んで来たのか、花壇の中に置いてある植木鉢にマユミが実生で出て来て、今年で3年目になる。たくさんの花芽を付けて、何時咲くのだろうと毎朝観察を続けている。昨年の葉を落した後から花柄が出て来て、それがV字になり、さらに同じように分かれて伸びている。ダイヤモンドでホームベースの所から最初に花が咲き出し、一塁・三塁ベースは少し遅れて咲き出してきた。実になった時に果柄が“くの字型”になっていることが、花の段階から観察出来た。マユミの材は緻密なので工作などに使ってみたい。若芽は山菜にもなるらしい。
 今日も含めて3日間雨になったので山行もなくなり、外出していないので写真が撮れていない。ロクの写真には日付が記録されるようにしてあり、何時も旬の写真を使うことにこだわっている。今日は苦肉の策で、起床して花壇を覗きに出てみた次第である。ところで真弓の活躍した球団に期待を寄せているのだが……(*^_^*)


「田植雨 ベースにきらり 代打役」


 [2403] 定家葛 [PC]  2016/05/12 06:28:18    [削除]


   花に特徴あるテイカカズラが咲き出しました。スクリューに似た巴形の花が山道などに落ちているのをよく見かけます。キョウチクトウ科だと言いますから毒だろうと思っていましたが、果実と茎葉の乾燥させたものは滋養強壮などの薬用になるようです。名前の由来は謡曲の『定家』から名付けられ、天の岩戸神話にも登場するので、日本古来種かと思いきや台湾・中国にも自生種があるようです。どちらかと云うと南方系植物です。
 写真は植栽されたものでたくさんの花を付けています。開花直後の白い花には芳香があり、次第に黄ばんでくると香りもなくなってきます。ササゲの様な実にも特徴があり、お爺さんのドジョウ髭のようです。何故か華の無くなったシニアに結びつけてしまいました。


「大海に 船出の如き 夏の花」


 [2404] 田植え前 [PC]  2016/05/13 05:51:18    [削除]


   窓を閉めていても蛙の鳴き声がうるさいこと。田植え前の準備として田んぼに水が貼られ出した。既に田植えの始まっているところもある。何カエルか判らないが夜の大合唱はコロコロなんてものではない。流石に朝は鳴き疲れたのか、恋が成就したのか、比較的静かになる。先日も水を張られた田んぼの脇で、雄ガエルが雌ガエルを追っかけまわしている姿をつぶさに観察した。雄が袋を膨らませて鳴いている姿は見飽きない。
 昨日は新学校支援ボランティアとして初めての活動に参加してきた。アフタースクールと名付けられ、通学バスで帰るまでの時間を利用して、子どもたちのお相手をしてやるという活動。自主学習や観察会、野外ゲーム、もの作りなど様々で、ロクは自然工作を担当した。募集を掛けたところ希望者が90人。一人で対応できる人数ではない。それも1年から6年までの児童たちである。応援を頼んで何とか切り抜けたが、課題山積のアフタースクールだった。因みに提供した工作はシュレーゲルアオガエルを捩って、シュロの葉柄で作るシュロアオガエルのストラップと木登りタイプのカエルの2種類提供、ぐったり!


「帰るまで 煩きことよ 昼蛙」


[2405] 吉野林業 [PC]  2016/05/14 07:31:39    [削除]


   シニア自然大学校の地球環境「自然学」講座を今年は受講しているが、昨日は講座の一環として林業400年の歴史ある奈良県吉野の川上村を訪れた。座学で学んだ内容を実際に観察しようという試みで、吉野地方の密植造林と林道作りを、現地で説明を受けながら勉強させてもらった。林床まで光が届き明るい植林風景だった。昨年から稼働のバイオマス発電の見学も、普及すれば林業の再生に期待が持て、何れも目から鱗の話で、今後の日本林業に光がさす内容だった。
 盛り沢山な企画のバスツアーだったが、観光要素もあり“割り箸作り体験”でマイ箸を作って来た。折角だからと桧の香り高い割り箸を土産に購入して、少しだけ地元に貢献してきた。


「林道に 春から夏の そこかしこ」


 [2407] 雪割草 [PC]  2016/05/15 06:01:24    [削除]


   昨日の続きです。川上村で出合った花です。サクラソウに似ているのですが、散系の花序がサクラソウよりも小さく多いように感じました。写真整理の時に図鑑で調べましたが、掲載されていません。一緒に参加した仲間はユキワリソウかも知れないと教えてくれました。
 雪解けの頃に咲くスプリング・エフェメラルでキンポウゲ科のミスミソウやスハマソウのことを別名で雪割草と呼んでいます。サクラソウ科サクラソウ属にユキワリソウがあることを初めて知りました。ひょっとしたら園芸種の籠抜けかもしれません。何れにしても吉野川源流域の集落に咲いている花に目を奪われました。


「山村に 春告げ花の そっと咲き」 


 [2408] 幼虫探し [PC]  2016/05/16 06:11:36    [削除]


   所属する奈良の自然を観察する会で矢田丘陵へ蝶の観察に行ってきた。リーダーもさることながら蝶に詳しい方の案内で、途中レクチャ-を受けながら補虫網を手に手に、童心に戻ったシニアの集団が蝶を追っかけまわしてきた。飛びまわる蝶を捕獲するのは、動作の鈍くなったシニアにはなかなかで、結局、蝶の専門家がほとんどを捕獲されたようだ。
 写真はカラムシを食草とするアカタテハの幼虫探しである。葉裏が白いカラムシは、幼虫が葉を折りたたんで隠れているので見付けやすい。あまり綺麗な幼虫ではないが、触れても刺されることが無いので、慣れて来ると指で挟めるまでになる。イヌビワを食草とするイシガケチョウの幼虫も採取出来た。


「白蝶の 飛翔に網の 追い付かず」


 [2409] 苗代苺 [PC]  2016/05/17 06:26:32    [削除]


   何時も利用するバス停の脇にナワシロイチゴの可愛い花が咲き出しました。旧暦の5月頃に実が出来るので皐月苺とも呼ばれています。ナワシログミなどと同じように、稲作農業に関する名前が冠されています。既にヘビイチゴやクサイチゴが山道に目立って来ました。何でも口にするロクはヘビイチゴも食べてみましたが、しまりのない味で美味しくないので、以後食べないことにしています。草本系イチゴが美味しくないのかな?クサイチゴは紛らわしい名を付けていますが、木本で美味しいイチゴの部類です。
 ナワシロイチゴは生食でも甘酸っぱくて美味しいですが、ざらつきが口に残るのでジュースなどにすれば好いようです。果実酒にすれば甘味と酸味が調和した万人向きの美味しい酒になるようです。特に疲労回復と美肌効果があるので、今からでも間に合うと思う方はチャレンジしてみて下さい。


「白花に 非ず紅注す 野苺の」 


 [2411] 白糸草 [PC]  2016/05/18 07:45:39    [削除]


   以前はユリ科とされていたが、最近ではシュウロソウ科に分類されているシライトソウが山の尾根で我々を迎えてくれた。白花で上手く撮れていないが、花姿と花色で白糸草と名付けられたのは納得できる。日本固有種で中部以南に自生している。以前猪名川町に咲いているのを観に行ったことがあるので、アップしたかなと検索してみたが履歴は無かった。花は秋に咲くサラシナショウマに似るが、こちらは初夏なので間違う事はない。ロゼット状の葉がショウジョウバカマと似ているので、花が咲かないと見分けがつかない。
 昨日はじねんクラブの例会で逆瀬川から白瀬川源流を目指し樫ヶ峰コースを案内して頂いた。白瀬とか逆瀬などと言われるのは、かなり大きな川がこの辺りに流れていた名残らしい。白瀬川源流までのコースは植生も豊かで、もう一度訪ねたいと思ったが、最後尾を歩いたロクがトレース出来るか疑問だ。


「薫風に 運ばれ香る 白糸の」 


 [2412] 箕面滝 [PC]  2016/05/19 07:54:18    [削除]


   箕面牧落で用事があったので、折角の機会と思い、滝まで足を延ばし新緑を訪ねて来た。午前中の用事を終え、箕面駅まで歩いて行くと13時前だ。14時9分発の電車に乗ると15時のバスで帰れると逆算しスタートした。滝までは2.8Kmと表示してある。1時間余りしかないので、途中で引き返すことになるかもしれない。往きは緩やかな登りである。スイッチを速足モードに切り替えて歩き始める。何としても時間までに5.6Kmを歩きたいと欲が出てくる。復路の時間を考え、何とか滝まで辿り着けた。かなりの雨が降ってくれたので水量十分。悪名高いポンプアップの必要もない本物の瀑布を久し振りに見ることが出来た。
 ひたすら急ぎ足で歩いたので新緑を楽しむ間もなかったが、帰りは下り道なのでいざとなれば走っても良い。時間を気にしつつ、新緑の写真など撮りながら箕面駅に戻ってくることが出来た。今朝はあと数ヶ月で後期(高貴)高齢者の仲間入りをするロクの元気報告になってしまった。


「轟々と 白き飛沫に 緑さし」


 [2413] 紫詰草 [PC]  2016/05/20 06:11:31    [削除]


   ムラサキツメクサが何時も通る散歩道に咲いている。アカツメクサともいわれるが、どちらが本名か定かでない。愛用の山渓ハンディ図鑑では前者であり、同じ山渓の名前図鑑「野草の名前」では後者になっている。ヨーロッパから徳川幕府にガラス器具などを贈られた時に、詰物として使われていた乾燥植物の種が全国に拡がった。詰草用途以外に牧草や緑肥として利用されている。便秘・強壮・鎮咳・痰・腫れ物など様々な薬効もあるようだ。因みにアカツメクサはデンマーク王国の国花らしい。
 アカツメクサとシロツメクサとの決定的な違いは、アカは花の下すぐに葉が付いているが、シロの方は長い花柄に葉が付いていない。葉の形もアカツメクサの方が少し先が尖っている。草花遊びで使ったり、四つ葉のクローバー探しはシロツメクサの方である。


「刈られても 刈られてもなお 夏草の」


[2414] 山吹草 [PC]  2016/05/21 07:33:08    [削除]


   鮮やかな黄色が林内を明るくしています。ヤマブキソウですが別名をクサヤマブキとも云います。花色がヤマブキに似ているので単純に名付けられていますが、こちらはケシ科の植物でクサノオウと同じように折ると黄色い汁が出てきます。ヤマブキは木本バラ科で5弁花ですが、ヤマブキソウは草本4弁花ですから、科の違いが一目瞭然です。花後の実が細長く付いていて、どんな種が出来るのか確認してみたいものです。
 トンボのメガネで昨年に引き続き訪ねましたが、金剛山は植生が豊富で季節ごとの花が期待にそぐわず我々を迎えてくれます。昨日もたくさんの花に出合い紹介しきれません。仲間に鳥屋さんが来てくれるようになったので、野鳥観察も少しできるようになって来ました。双眼鏡を持って行かなかったのが不覚です。


「山吹の 黄色シニアを 黙らせて」


 [2415] 鍬形草 [PC]  2016/05/22 06:57:34    [削除]


   以前、大山の麓でも観たことのあるクワガタソウです。萼を付けた状態の果実がクワガタムシに似ているという事ですが、実際に観たことはないので、時々参考にさせて貰う「松江の花図鑑」と云うブログで拝見すると、採取した実の拡大写真が掲載されています。クワガタと云うより蛾が羽を広げたように見えました。
 クワガタソウは近畿以西の日本原産種です。花の形がオオイヌノフグリに似ているので、以前はゴマノハグサ科になっていましたが、最近はオオバコ科に分類されています。ロク的には以前の分類の方が馴染みやすい気がします。あまりマニアックに考えないように心掛けたいと常々思っているのですが……。


「樹の陰で 夏日を避けて 咲きし花」


 [2416] 要黐 [PC]  2016/05/23 06:56:03    [削除]


   カナメモチの花が満開で、まるで泡を吹いているような感じです。アカメモチともいわれますが、最近はより新芽が紅いレッドロビンと云う西洋品種に人気があるようです。黐となっていますが、モチノキ科ではなくカマツカと同じようにバラ科です。材も硬く農機具の柄にしたり、牛の鼻輪に使われたりして、まったくカマツカと同じような用途に使われます。
 新芽が赤いのは、まだ柔らかくて葉緑素が十分形成されていない若葉を、紫外線から守るアントシアニンと云う色素が働いているからです。謂わばサングラスをかけて保護している感じです。真冬の凍結を防いだり、植物にとってのアントシアニンは様々な働きをしています。


「木々たちも UVカットで 肌守り」


 [2417] アフター
スクール [PC]  2016/05/24 06:58:50    [削除]


   学童保育とは違って、バス運行までの時間を使って児童たちの面倒を見ようと始まったアフタースクール。前回は工作で数人のボランテァさんに応援して頂いたので、昨日の自然観察会ではお手伝いに行って来た。応募生徒80人ほどを連れての観察には無理があるので、4グループに分けてそれぞれの思いで観察することになった。一応下見しておいたが、新学校なので木も育っていないし、周辺はもと牧場だったので遊歩道はコンクリート。僅かにイネ科植物やパイオニア植物が蔓延っているだけのつまらないコース。シロツメクサの説明と草遊びに多くの時間を割いて3・4年生と遊んで来た。
 子どもたちに90分を如何に楽しませるか、あれこれ思案して、観察の予備として手作り紙芝居を持って行った。真夏日になっているので野外観察は60分、残り時間を日陰で紙芝居に費やした。ロクのグループは『竹ちから』を図書館で読み聞かせしている方にお願いした。他のグループも貸して欲しいと言われたので『ブナのふしぎ』をお貸した。


「真夏日を 真っ赤な顔の 児童たち」


 [2418] 文目 [PC]  2016/05/25 06:45:40    [削除]


   何れ文目か杜若で、先日、白花カキツバタをアップしましたが、今朝はアヤメの方です。謂わばアヤメ科の代表ですから、あだやおろそかに扱えません。アヤメを漢字変換すると菖蒲になります。万葉時代にはセキショウ、ショウブ、アヤメなどは同じ仲間として扱われていました。その名残として漢字表記は「菖蒲」のまま残っています。区分され出したのは18世紀になってかららしいです。
 アヤメは乾いた所に自生します。一方カキツバタは湿った水辺でしか育たないので、ものの例えに使われる“何れが文目か杜若”は一目瞭然です。花の基部に網目模様があるので綾目(アヤメ)と呼ばれる所以でもあります。それにつけても、何れも高貴な花色をしています。


「気高くて 手折るに難き 文目かな」


 [2420] 紅花山芍薬 [PC]  2016/05/26 06:53:23    [削除]


   じねんクラブのリーダー提案で京都南丹市の美山へベニバナヤマシャクヤクを訪ねて来た。昨日はリーダーが現地の方にお願いし、特別に保護地に案内してもらった。既に一般公開は終わっているが、明るく整備された林内のあちらこちらに群落があり、最盛期を迎えた上品な桃色や白色のベニバナヤマシャクヤクが我々の目を引く。太陽が顔を出していないので、殆どのシャクヤクは珠のままだったが、それが又良い。白色もヤマシャクヤクではなくベニバナ種だと説明されていた。
 嬉しい余録まで有った。現地のガイドさんが我々のためにイッポンコゴミと云われている珍しい山菜を採っておいてくれた。正式名称はオニヒカゲワラビと云い、見るからに恐竜が活躍していた頃の生き残りシダ植物の雰囲気だ。これが癖が無く滑りもあり美味しいらしい。地元の道の駅に出荷されているとのこと。参加者12人で分け合って頂いて帰った。


「芍薬の 閉じて曇りの 観察路」


[2421] 丸実山牛蒡 [PC]  2016/05/27 07:19:56    [削除]


   ヨウシュヤマゴボウは日本に帰化し、パイオニア植物として繁茂し続けています。一方在来種のマルミノヤマゴボウは殆ど見かけません。木蔭にひっそりと咲く姿は清楚で凛としています。花穂がヨウシュヤマゴボウの様に下垂せず直立しています。ヤマゴボウ属は中国産ヤマゴボウを入れても3種類だけしか日本で観られません。
 箕面で紅くなったマルミノヤマゴボウの実を見付けてこの欄でも紹介しましたが、なかなか実になるまで待ってくれず、鹿に食べられてしまうようです。鹿避けネット内で咲いていたのを写しました。でも奈良では何箇所かで観た事があるので、鹿も食べないのかなと思っていたのですが。疑問です。


「花の穂も 親子寄り添い 風薫る」


 [2422] 文化協会 [PC]  2016/05/28 07:02:42    [削除]


   昨日は能勢の文化協会総会があり、その構成団体として名を連ねている、我がコーラス団も初めてその場で発表の機会を与えられた。16構成団体の中で俳句、短歌会の活動報告や民謡披露などもあり、締めくくりとして合唱団も登場した。今年の練習曲である「糸」「いでそよ人よ」と「涙をこえて」「フィンランディア(能勢讃歌)」「能勢町歌」を披露し、最後は「ふるさと」を皆さんと一緒に歌い、会場に5月の風を吹き込んできた。
 メインは能勢に250年前から伝わる素浄瑠璃に、人形を付けて始まった鹿角座。今年の浄瑠璃月間6月公演に先駆け、新しい人形の披露と、3人遣いの役割と細かな内容を説明して貰った。オモをつかさどる方、足遣い、左手遣いなど3人の呼吸が合っているかどうかが出来を左右する。


「歌声が 五月の風に 乗せられて」


 [2423] ナウマンゾウ [PC]  2016/05/29 07:40:37    [削除]


   地球環境「自然学」講座でナウマンゾウ発掘調査のロマンある話を聞いてきた。講師は野尻湖ナウマンゾウ博物館の館長をされている近藤洋一先生。日本各地で化石が見つかっているが、都市化の進んだ大阪など大都市部では、経済的効率からみても発掘調査する余裕が無い。野尻湖では冬場の渇水期に2年毎の調査を全国からスタッフを集めて実施されている。小学生などの学童たちも調査に参加して、6~7万年前から2~3万年前のゾウの化石探しをしている。写真は上が北海道で見つかったマンモスで、下が日本全国で見つかっているナウマンゾウのスケッチ。
 先日象の花子が日本の戦後を共に歩み、69歳の生涯を閉じた。戦時中、動物園で飼育されていた動物たちは、軍部の要請で殺処分された。飼育員の機転で何とか命を食い止めた象の話は今も語り継がれている。今また戦争に駆りだそうという策動が進む中、子どもたちが古代象にロマンを寄せる環境を残してやりたいものだ。広島を訪れたオバマ氏の核廃絶発信を、本来は日本の指導者が世界に向けて発信しなければならないのに。


「古代象 冷房ホール 熱くして」


[2424] 鉤葛 [PC]  2016/05/30 07:47:59    [削除]


   珍しいカギカズラですが、森林のギャップ(隙間)などに素早く繁茂するパイオニア要素のある植物として、林業家の間では厄介者として嫌われています。写真で判るように釣針の様な形をした鉤が付いていて、これで他の植物に絡み付いて樹冠の上まで一気に伸びて行きます。以前、植物園でその有様を観て凄い進化だと感心したものです。京都市の松尾大社にカギカズラの野生地があり、市の天然記念物に指定されています。球形にまとまる花序にも特徴があり、6~7月が開花時季と云うから、それに合わせてトンボのメガネの観察会に組み込みました。
 鉤の付き方も変わっていて、1つの鉤と2つの鉤が葉の脇に交互に付いています。上に伸びる新枝にしか付いていないところから、枝の変形したものと考えられています。この鉤が薬用で鎮痛剤として日本薬局方にも収載されているようで、以前は中国からも輸入していたようです。最近ではアルツハイマーや脳障害による痴呆などにも薬効があるという実験結果が出ているようです。


「六月に 花咲かさんと 手を伸ばし」


 [2425] 空木 [PC]  2016/05/31 06:58:49    [削除]


   卯の花の匂う垣根にホトトギスの早も来鳴きて~♪まさにこの季節になりました。ウツギを全て云い現わしている歌詞だと思います。卯月に咲く花と云う事で卯の花と言われ、昔から詩歌に沢山詠まれています。日本原産種で今まではユキノシタ科になっていましたが、最近ではアジサイ科に分類されています。タニウツギなど○○ウツギと言われるものが何種類かありますが、そちらはスイカズラ科が多いようです。ドクウツギ科などと云うのもありますが。
 ウツギは邪気を祓うという事で垣根などに好まれて植えられています。葉や独楽の様な実は小便不利の薬として使われて来ました。材が硬いので木釘の材料に向いているようです。ホトトギスも鳴き出しました。トッキョキョカキョク~あるいはテッペンカケタカ~どちらに聞えますか(*^_^*)


「卯の花の 白きが冴える 雨上がり」


[2426] 小紫陽花 [PC]  2016/06/01 07:47:13    [削除]


   5月の締めくくりに50歩100歩と云う山サークルから中山を歩いて来ました。中山観音から渓筋を歩き、最高峰で眺望を楽しみ、何時もならここで昼飯になるところですが、先を急ぎ十万辻峠に降り、北摂大峰山を目指し、下山は桜の園からJR武田尾まで24000歩、15キロほどをしっかり歩いて来ました。メンバーが4人と少人数なのでその早いこと。何時も最後尾を歩いていますが、写真など撮っていると置いてけぼりになり、必死で追っかけます。
 コース途中の所々にコアジサイが咲いています。昨日アップのウツギ同様ユキノシタ科からアジサイ科として独立しました。アジサイの中で唯一中性花を持たない地味な花ですが、薄水色の花が渓筋を明るくしてくれます。何枚か写真に収めましたが、花の影が葉っぱに投影されたこの写真が気に入りました。


「飾り花 持たぬ紫陽花 渓に映え」


 [2427] 栗の花 [PC]  2016/06/02 06:59:38    [削除]


   能勢は栗の産地です。銀寄などの栽培種はまだ雄花も蕾状態ですが、野生の柴栗が咲き出し、特有の匂いを放つようになって来ました。ドングリの出来るブナ科植物は基本的に風媒花ですが、クリは虫媒花なのです。だから虫を集めるために匂いを出しているのでしょう。能勢に移り住んでクリの匂いに慣れてきたとはいえ、当分はあの匂いに悩ませられる日々が続きます。
 火星が地球に一番近付いているという情報で、一昨日から夜空を見上げていますが、昨夜は雲の切れ目から一際赤く輝く星を観察出来ました。夜中に西の山に沈んだようですが、暫く天体観察が出来ます。近くの川にはホタルも飛び出し、パジャマ姿で観に行けるところです。栗花の匂いさえ我慢すれば素晴らしい山里環境です。


「栗花の 放つ匂いに むせ返り」


 [2429] 庭漆 [PC]  2016/06/03 05:53:26    [削除]


   川沿いの道の上から真下にニワウルシを覗けるところがある。大きな葉を拡げ太陽光を独り占めするパイオニア植物で、みる間に全国に拡がった。津田塾大学創始者の親がウイーンから持ち帰ったのが明治8年と記されている。ウルシの名になっているが、かぶれる心配のないニガキ科だから心配ない。間もなく花を咲かせ秋には沢山の翼果を付けるのでよく目立つ。羽状複葉の小葉に特徴があり、基部の方に一対の鋸歯が出ていて、そこに線点があるらしいが、間違って子どもたちに蜜腺だと教えていた。線点の役割ってなんだろう。
 公園の緑陰樹として植栽されている。蒸散作用が大きく大気を冷やしてくれる。ヒートアイランド化防止に一役買ってくれる植物である。根皮や樹皮には血圧降下作用もあるらしい。


「夏の陽を 独り占めせし 強かさ」


 [2430] 瓜木 [PC]  2016/06/04 07:51:49    [削除]


   変わった花の代表格に挙げても良い様なウリノキの花が川久保渓谷に咲いていました。蕾は円柱形で開花すると花弁が外側に巻き上がり、人の手で作られた簪の様な形をしています。葉っぱはウリハダカエデに似ているところからウリノキと云われています。山渓ハンディ図鑑ではウリノキ科になっていますが、最近はミズキ科に分類されています。
 植生が豊かで500種ほどの植物観察が出来る場所として、毎年定点観察に訪れていた高槻の川久保渓谷美女谷ですが、御多分に漏れずここでも鹿に食い荒らされて、貴重な植物群落がなくなって来ています。鹿の食べない植物が幅を利かせるようになり、随分と植生が変わりつつあります。これも自然の成り行きとして傍観していていいものだろうかと悩むところです。


「葉を日傘 かんざし風に 思うまま」


[2431] 榧蘭 [PC]  2016/06/05 07:48:00    [削除]


   川久保渓谷観察会の狙いの一つに野生ランの一種、カヤランの花の観察を入れていました。昨年もスギの木に着生している様を観察していたので、今年は花を観てみたいものだと期待して探しましたが、カヤランそのものが見つかりません。野生ラン愛好家がたくさんいるので、業者などが盗掘したのかもしれません。それでもスギ落葉の辺りを探すと、落枝に僅かばかりのカヤランが付いているのを見つける事が出来ます。落枝では枯渇してしまうので持ち帰り、樹木に括りつけ世話をしてやると活かすことが出来ます。
 今朝の写真は仲間が撮ってくれたものを拝借しました。高いスギの枝にカヤランの赤ちゃんを見付けたので、機能の優れたカメラをお持ちの仲間が写したものを送って頂きました。カヤの葉に似た特徴や、根を拡げ着生している様子が良く判ります。カメラの機能が良いだけではなく、彼の技術も優れていることを付け足しておきます。


「梅雨ミスト 浴びて活き活き 野生蘭」


 [2433] 甘茶 [PC]  2016/06/06 06:52:40    [削除]


  我が家の花壇に植えてあるアマチャが咲き出した。まだ時季が速いのかガクアジサイに似た花の塊が数えるほどである。多分薬科大学から貰って来たものだが、毎年梅雨時に一服の清涼感を与えてくれる。アマチャはヤマアジサイの一系統で甘味成分を持つものを、食用・薬用として栽培されてきた。アジサイの仲間なので挿し木で直ぐに増やせる。
 甘味料として重宝なのだが、それをするためには花を咲かさずに、蕾を摘んで葉を大きくしてやらなければならない。真夏に大きくした葉を採取して乾燥させ、さらに霧吹きで水分を与えて発酵させなければ甘くならない。面倒だから花だけを楽しむようにしている。アマチャの利用で、変わったところでは醤油の味付けや歯磨きの甘味剤としても使われているらしい。


「花甘茶 小さき花の 色替り」


[2434] 野薊 [PC]  2016/06/07 07:20:54    [削除]


   アザミの種類は夏から秋にかけて咲き出すが、ノアザミだけは一番に春から初夏に咲き出し日本全国でみられる。アザミの種類は60~100種もある様でなかなか同定するのが難しい。今咲いているのは時期から見てノアザミと決めつけても問題ないように思う。日本原産だが、最近はアメリカオニアザミなどという云う恐ろしいアザミも勢力を拡げている。因みにイギリスのスコットランドとイングランドが戦争していた時、痛い棘がスコットランドを救ったという事で国花になっているとのこと。
 色んな薬効があり、特に静脈腫に効くという事で学名にも使われている。春の山菜時季に利用すればいいのだが、やはり痛々しい棘がロクを躊躇させる。古語辞典で調べると語根「あざ」には意外さに驚く、あきれる、という意味がある。花が美しいので手折ろうとすると棘に刺され「驚きあきれ、興ざめ」して「あざ・む」からアザミになったらしい。“綺麗な花には棘があり”くわばらくわばら!


「野薊に 待てど来る虫 浮気中」


[2435] 立浪草 [PC]  2016/06/08 06:49:20    [削除]


   タツナミソウが畑の畝に咲いている。名前の由来そのもので,同じ方向に波が泡立って寄せて来るようで、浮世絵の世界を彷彿させてくれる。特徴的な花だから直ぐに覚えたはずなのに、よく似た花に出合うとどちらだったかと迷ってしまう。その最たる花がラショウモンカズラだ。タツナミソウにも仲間がいてコバノタツナミやオカタツナミソウと云うのがある。
 自分自身で同定の決め手を持っていないので、とりあえずシソ科タツナミソウとしておく。それは違うよと云う方がおられたら教えて欲しい。あまりマニアックなところまで踏み込みたくないというのを言い訳にしている。


「山里に 卯浪立つごと 唇弁花」


 [2437] ヤマボウシ [PC]  2016/06/09 07:49:52    [削除]


   昨日は展葉調査の打ち上げで能勢妙見に行き、バーベキューで御苦労さん会を楽しんできた。今年も常緑樹・落葉樹を合わせ18樹種の展葉具合を0~4までの5段階で調査してきた。55日目から153日までの15週間調査され、まとめられたグラフによると芽吹きは早かったものの、気温の変動が激しく、完全展葉までの時間が昨年・一昨年よりも長引いた結果になっている。日照時間や積算温度などの考察が加えられ、一定の調査結果も追々発表されることだろう。
 ビールとバーべキューを味わいながら周囲を見渡すとヤマボウシが満開である。妙見山はブナの自生が見られるほど気温も低く、すでに他では咲き終わっているヤマボウシがまだ観られる。これだけの花が全部実になるのだろうか。余談だが能勢には何時でも楽しめる『やまぼうし』と云う素敵な空間がある。美味しいコーヒーやランチを頂きながらギャラリー展示で癒しの時間を持つもの…。ネットで検索して見て下さい。


「緑陰の そこだけ白き 別世界」


[2438] 雪の木 [PC]  2016/06/10 07:08:36    [削除]


   今年はユクノキが咲いているらしいという情報を仕入れたのが先月の25日だった。その直後、妻を誘って散歩を兼ね現地まで出掛けてみた。その時はまだ花穂が立っているだけで蕾固しと云う状態だった。しかし、匂いを発散しているのか、蝶がたくさん集まり乱舞している。そして一昨日、展葉調査の仲間からユクノキが満開だとの情報が届いたので、初めて観るユクノキの花に合いに行って来た。場所は一庫ダムの少し上流の龍河吊橋から観察出来る。既に散り始めているから日曜日まで残っていてくれるかどうか。
 ユクノキは雪の木からなまって付けられた名前で、日本固有種のあまりお目にかからないマメ科の高木である。と云うのも数年に一度しか花を咲かせないらしい。それと高木なので花を咲かせていても観ることが出来ない。2~3年前にユクノキが自生しているのを確認していたが、見上げても花が咲いているのかどうかまでは判らなかった。
次の開花に元気で観れるかが気になる植物だ。


「蝶花に 釣られて蝶と 好々爺」 


 [2439] 錫蘭弁慶草 [PC]  2016/06/11 07:26:31    [削除]


   セイロンベンケイソウを今年も育てています。5年前から毎年同じことを繰り返しているのですが、冬場に霜で枯らしてしまいます。霜が降りるまでに室内に入れても、氷点下の寒さでは生き残ってくれません。セイロンと云うのは熱帯産を表していて、きわめて寒さに弱い多肉植物です。簡単なビニールカバーぐらいでは育ってくれないでしょう。今年をどう生かし切れるか課題です。
 トレイに湿らせたティッシュを敷き、その上に葉を置いて、毎日鋸歯の間から芽が出て来るのを確認しています。そんな観察が出来る今が一番楽しみです。別名でハカラメ(葉から芽)とかコダカラソウ(子宝草)などと云われています。トンボのメガネの仲間から戴きましたが、他の方々のハカラメ状態は如何に?


「爺の眼で 孫の数観る 夏の朝」


 [2440] 自然学 [PC]  2016/06/12 07:10:56    [削除]


   今年4月から受講している地球環境自然学講座も5回目を迎え、京大名誉教授田中先生の監修が良いのか、講師陣は素晴らしい先生ばかりでカリキュラムに満足している。昨日は名城大学大学院の鈴木先生の講座で「干潟の機能とその保全」と云うテーマで、自身の研究結果をもとに赤潮発生の原因を突き止め、干潟の機能をアサリなどの生息調査で解明され、眼から鱗の話を拝聴出来た。
 先日ニュースで、保健の授業を全くしていなかった学校があるとの報道に驚いた。幅広い基礎学力を身に付けないと人格形成が出来ないのに、目先のことばかりに目が向く教育行政の実態に唖然としたが、昨日の話では中・高・大学からの環境に対する基礎的理解が必要で、市民自らが理論武装しなければならないという話で、すとんと落ちた。


「偶然の 浅蜊夕餉に 酒蒸しで」


 [2441] 林立 [PC]  2016/06/13 06:53:41    [削除]


   ひとくらクラブの定例活動日で、前半は森の整備をしながら、ジュエリーツリー用の小枝の採取をしました。お持ち頂いた味わいのある小枝なども、それぞれの好みで樹皮を剥いだり、金属タワシで磨きをかけたりしたものを台座に固定し、マイジュエリーツリーの完成です。家に帰れば真珠のネックレス位はお持ちでしょうが、集まった仲間は自然大好き人間です。ツリーの使い道に困ります。
 そこでロクの出番です。ツリーに止まらせるフクロウを2種類作って貰いました。北極圏の白フクロウと本土にもいるフクロウです。どちらも自然工作にこだわっています。完成したツリーの林にフクロウが止まっています。この時季、能勢の大ケヤキにはフクロウが営巣しています。少し時期を遅れせてアオバズクの子育ても始まります。


「ホーホーと 家に今夜は 青葉木菟」


[2442] 毒痛・十薬 [PC]  2016/06/14 06:11:29    [削除]


   散歩していると日陰にドクダミの花が目立ちます。毒痛みとか毒溜めとかが和名の由来になっているようですが、十薬の方が馴染み深いようです。万能薬と言われるぐらいの薬効があり、ゲンノショウコ、センブリと並んで三大民間薬と云われています。副作用が無いというのが民間薬の条件です。我が家ではもっぱらお茶用として採取していますが、シミ取りの化粧水としては市販のものより優れていると教えて貰いました。
 独特の臭いで昔は敬遠していましたが、最近では毎年お茶用として利用したり、山菜の一品に加えたりしているので、よく利用する野草の筆頭に挙げられます。4枚の白い部分は花弁ではなく苞で、実際の花は花穂状に付き花弁も萼もなく黄色い雄しべが目立つだけです。何時も持参する健康茶にもドクダミの乾燥したものを少し入れてあります。


「十薬を 効かせてみたい 世直しに」


 [2443] 奈良町散策 [PC]  2016/06/15 07:13:49    [削除]


   この欄でもお馴染みのじねんクラブの例会で奈良町を散策してきた。午前中は近鉄奈良駅からボランティアガイドさんの案内で、独りでは歩けない様な裏道を歩かせて頂き、元興寺にまつわる歴史的風土色濃い奈良町までを案内してもらった。お昼はちょっとだけ贅沢して「あしびの郷」と云う元々は漬物屋さんだった場所で「ならまち御膳」なるものを頂いた。
 午後からの予定は江戸~明治時代のからくり玩具を展示してある館を訪問して、暫し童心に戻って遊ばせて頂いた。メンバーは工作好き揃いなので、からくりの仕組みなど興味津々と云う面持ちで眼が輝いている。今回の例会はロクの担当だったが、ボランティアさんなど人任せで進行出来たので、労せずに皆さんに楽しんで頂けた。


「梅雨晴れ間 童に戻って 奈良歩き」


[2444] 蛍袋 [PC]  2016/06/16 08:04:53    [削除]


   5月の終わりごろからホタルブクロが咲き出し、当分楽しませてくれる花期の長い花です。白花と紅花がありますが、どちらかと云うとヤマホタルブクロが色が濃くて、里に生えるホタルブクロの方は淡い色合いです。子どもがホタルを入れて遊んだからとの説がありますが、花の形が提灯に似ているので、その古名「火垂(ほたる)」から採った説に納得性があります。花も含めて食用になりますが、摘んで持ち帰るよりそっと咲かせておきたい花です。
 陽が落ちてから帰る時などに橋の上からホタルを探しますが、随分と少なくなりました。野坂昭如の「火垂の墓」のワンシーンが何時も頭をよぎります。ロクに焼き付いているのはサクマのドロップ缶が出て来る場面です。平和憲法を孫子の代まで引き継ぎたいものです。座して待てません。


「重たげに 垂れる蛍の 袋草」


 [2446] 苦肉の策 [PC]  2016/06/17 06:13:29    [削除]


   新学校のアフタースクールで今回も工作提供してきた。初めの募集では90人も集まり、とても対応出来ないと今回は人数を減らして貰った。それでも40人近くが集まり、4時半帰宅組と5時半帰宅組に分かれる。学年もまちまちだ。苦肉の策として自分たちで自由に作れるバンブーアートを提供した。厚紙の台紙に枠を作り、そこに様々にスライスした竹の輪切りなどを貼り付け、アートを完成させる。早い帰宅組には額のフレームと吊り紐まで付けたものを用意しておいた。
 今までいろんなところで出前授業などに関わって来たが、今年のアフタースクールは以前と趣が異なり、準備から苦慮しっぱなしだった。とても1年間続けていけないと弱腰になり、気持は引けている。しかし、2時間余り過ごす時間は楽しく、バスに向かう子どもたちとハイタッチして別れると気持ちが揺らいでしまう。


「初夏の午後 思い思いを 貼りつけて」


[2447] 新生児 [PC]  2016/06/18 06:49:27    [削除]


   トンボのメガネ観察会、今回は趣向を替えて嵐山いわたやまモンキーパークにお猿さんを訪ねた。今年が申年と云う事もあり、ニホンザルの生態などを勉強してみようという企画だ。10時半からの給餌に間に合うように登ってもらう。ここでも餌付けされているが基本的には野生の状態で管理されている。スタッフからニホンザルの生態など無駄なく丁寧なレクチャーを受け、最近のサル社会に付いての認識を深めることが出来た。写真は今年5月に生まれたばかりの赤ちゃんザルだ。数頭生まれたらしいが野生状態で管理しているので、亡くなった新生児もいるらしい。
 我がサークルのスタッフが事前におサルクイズを冊子風に作って参加者に配り、観察会をより質の高いものにとの思惑が伝わったかどうか。お土産としておサルさんのストラップも用意したが、その苦労を判ってくれた方がどれだけおられたか。過剰サービス?が課題として残った観察会でもあった。


「猿山に 5月生まれの 新生児」


[2448] 鉤葛の花 [PC]  2016/06/19 08:02:47    [削除]


   今回は5月末にアップしたカギカズラ、その花をトンボのメガネ観察会のもう一つの柱として松尾大社に訪ねました。入園した庭園内で探しますが、肉眼ではなかなか見つかりません。双眼鏡で探し当てた仲間の情報で樹冠の辺りを探します。鈴なりに球形の花序がぶら下がっていますが、今が盛りか咲き終わったのかまでは判りません。
 例によってロクのデジカメでは上手く捉える事が出来ません。前回のカヤラン同様に仲間が撮ってくれた写真を拝借してアップしました。この写真でもまだよく判らない位ですが、レイシがぶら下がっているようで特徴的な花姿です。参加した仲間の何人がちゃんと観察することが出来たか?今日の写真で確認しておいて下さい。


「鉤葛 夏日求めて 天空に」


 [2449] ラジオ体操 [PC]  2016/06/20 06:54:29    [削除]


   参加予定していたサークル例会が雨のため延期になったので、これ幸いと新学校での公開ラジオ体操に行って来た。生憎雨もぱらつき体育館と校庭とに分かれての体操になった。全国に放送するための機材などは校庭のテントに設置されてある。テレビ体操でお馴染みの体操指導の多胡さん、ピアノ伴奏の名川さん、今では古株の天井澤さん、4月から登場したニューフェイス舘野さんが能勢に来てくれた。
 一番美人だと思っている天井澤さんは体育館だというので、舞台の前でかぶりつき状態で、彼女の体操演技を見させて頂いた。校庭から流れて来るピアノ伴奏に併せて、体操を普段よりまじめに出来て、父の日の爽やかなスタートが切れた。夜になって娘からお酒を送ったとの連絡が届いた。


「父の日に 希望の朝を 口ずさみ」


 [2450] 郁子 [PC]  2016/06/21 05:28:13    [削除]


   天地天皇が狩り先で元気な老夫婦に長寿の秘訣を訪ね、その時差し出された果実を食べた時に「むべなるかな」(もっともである)といったのがムベの名前の由来とされています。春に花を咲かせ秋に赤紫色の実を付けます。野生のムベの花を見ることがありますが、実を採った経験は有りません。何方かに戴いて食してみた事はあり、アケビより甘かった記憶がおぼろげながら残っています。
 ムベは別名でトキワアケビと言われる様に常緑のつる性木本です。アケビの様に実が裂けないのも特徴です。アケビなら小鳥たちに啄んで貰ったり出来るのですが、ムベは裂開しないので誰に食べて欲しいのかが疑問に残るところです。


「青き実の むべなるかなと 夏至の朝」


 [2451] 干潟観察 [PC]  2016/06/24 07:57:42    [削除]


   自然学講座の一環として有明海の干潟観察に行って来た。諫早湾の閉め切り堤防(ギロチン堤防)で閉め切られたことにより有明海の水質が悪化して、主要な漁業産物のノリ栽培に悪影響を及ぼすようになり、堤防の開門を求めて漁民側は国を提訴し、結果開門を命じる判決が下されそれが確定した。しかし、いったん失われた自然生態系はなかなか元に戻らない。森里海関連学として研究さてれいる学者たちと地元漁民が試行錯誤して干潟の再生に取り組まれている。
 干潟再生の実際を確かめようと泥の干潟に入り生き物を採取した。森からのミネラル成分が堤防で遮断された干潟に鉄分補給などを施し、植物プランクトンの増殖を図ったり、アサリを捕食するエイなどが入ってこれないようにするなどの対策の結果、一旦は姿を消したアサリが確認されるようになり、未来に少しずつだが光りが射し出したのを自分の目で確認させてもらった。


「泥の海 のらりくらりの 言い逃れ」(川柳)


(変換ミス:天地→天智天皇)


 [2452] ムツゴロウ [PC]  2016/06/25 07:13:39    [削除]


   今回の観察会では伝統漁法として今に伝わる「むつかけ」を見学する予定だったが、九州地方は大雨で避難勧告が出るほどの雨になり、川の増水で「むつかけ」実演は中止になってしまった。ムツゴロウも観察出来ないかと諦めていたが、雨も止み干潟が出現してくると、所々の巣穴から彼らが這い出して来て、飛び跳ねたり、縄張りに侵入してくる邪魔者を排除したりと活発な動きを見せる。そのムツゴロウの行動に釘づけになりゆっくり観察させてもらった。
 ハゼ科のムツゴロウは植物食性で泥の上に付着している珪藻などの藻類を食べている。縄張りは2mほどで、そこに侵入してくるトビハゼやカニなどを追い散らす。今が活動期で雄は何回も飛び跳ねて求愛行動をしている。何となくユーモラスなムツゴロウに愛着が沸く。でも干潟の減少と乱獲で絶滅危惧種(EN)に指定されている。柳川でウナギを食べたが、ロクとしては佐賀県の郷土料理としてのムツゴロウの蒲焼を食べてみたかった。


「梅雨合間 求愛むつに 一茶の眼」


[2453] 紫雲木 [PC]  2016/06/26 08:03:12    [削除]


   午後から自然学の講座があるので、それまでの時間を有効に活用しようと、昨年も訪ねた天王寺の一心寺へジャカランダを訪ねた。昨年6月20日に訪ねた時はたくさん咲いていたが、今年は時季が遅れたのか、写真の花穂だけが僅かに咲き残っていただけで、殆ど散ってしまっていた。それともあまり咲かせなかったのかもしれない。この木も隔年毎に成り年があるのだろうか。材はギター材になり葉は薬用との記述がある。変わった形の実だけを何個か拾って帰った。
 ジャカランダとういうのは総称で、ノウゼンカズラ科キリモドキ属に属していて、日本にはアルゼンチン産のジャカランダ・ミシモフォリアと云う種類が植栽されている。和名で紫雲木と言われている。この名前が普及した方が判り易いと思うのだが、熱海や宮崎ではジャカランダで売り出しているので今から変えることは難しいだろう。


「梅雨時と 決めて訪ねし 異国花」


[2455] 浅沙 [PC]  2016/06/27 08:02:31    [削除]


   3年ほど前にアップしたことのあるアサザです。ミツガシワ科でガガブタなどと同じように花に毛が生えているように見えるのが特徴です。繁殖力旺盛な植物ですが、農薬散布などの影響を受け今では絶滅危惧種に指定されています。葉がジュンサイに似ているのでハナジュンサイとも呼ばれています。葉の若い頃は食用になるのでジュンサイの名を戴いているのかも知れません。
 コウノトリが住めるような環境を取り戻してやると、アサザも復活してくれるでしょう。伊丹空港の豊中側の利倉地域のビオトープ活動地ではカキツバタなどが咲き、蜻蛉や蛍も飛び交い、子どもたちの楽園になっています。自然大学の仲間や空港騒音問題で住民の声を一番に取り上げていた元議員さんなどの活動の成果を見ることの出来る場所です。


「風のまま 浮葉に添って 咲きし花」


 [2456] 半夏生 [PC]  2016/06/28 07:03:38    [削除]


   ハンゲショウが咲き出しました。ドクダミ科ですから手折ると嫌な臭いがします。漢字表記では半化粧とも書きます。ドクダミに似た花が下から順次咲き出すと、葉っぱの上の方から白くなり、虫たちを誘うと考えられています。古名では片白草と呼ばれていました。何れの表記もハンゲショウを上手く言い表しています。花が終わると葉も元の緑に戻ります。
 半夏生は1年の真ん中で、夏至を過ぎて11日目の日になります。今年は7月2日で地方によっては農作業を休む習慣が今でも続いているようです。その頃に咲く花と云う事でハンゲショウになりました。2日にアップしたかったのですが、しばらく旅に出るので今朝のアップになりました。ボランティアでこの欄の留守番をお願いします。


「金婚の けじめと旅に 半夏生」


 [2461] テロに! [PC]  2016/07/08 07:46:35    [削除]


   6月28日から7月7日までイタリア北部アオスタ地方とドロミーテ山塊群周辺をハイキングして来た。ところが今回は思わぬハプニングに遭遇して、スタートから予定が狂ってしまった。トルコ航空利用だったのでイスタンブールで乗り継ぎ、ミラノに入り、前半ハイキングの滞在地クールマイユールまで行く予定になっていた。
 ところがである。イスタンブールに到着すると空港内がごった返している。何時も経験する流れが無い。通路に秩序なく寝そべっている家族連れなど、難民を思わせる雰囲気に空港内は包まれている。出発案内の電光掲示板では殆どがキャンセル表示になっている。次第に判って来た事は空港の国際線ゲートがテロ集団に襲われたようで、離発着出来なくなっていて、何時乗り継ぎ便が飛び立ってくれるのか判らない。我々の添乗員は情報収集と対応に走り回ってくれている。とりあえずは飲料水と当面の食料と休憩場所の確保だ。結論を急ぐが12時間の缶詰め状態を余儀なくされた。“トラベルはトラブル”の一節で、添乗員の苦労を垣間見た一日だった。ご苦労様でした。


「梅雨逃れ 異国でテロに 遭遇し」


[2462] 北イタリア [PC]  2016/07/09 07:39:54    [削除]


   イタリアへは今回で5回目の訪問になります。アオスタとドロミーテへのハイキングは2011年9月に訪れているので、参加を躊躇していたのですが、結婚50周年記念に託けてツアーに参加することにしました。5年前に訪れているのに宿もコースも殆ど思い出せませんでした。おぼろげながら記憶に残っていたのはロープウエイ頂上駅から下山するコースで、第1次大戦でイタリアとオーストリアが戦った山岳地帯の塹壕が今も残っているコースでした。
 生憎のガスで視界が遮られ眺望は望めませんが、是非にと皆さんに勧めました。途中でガイドが鉛の弾を探してくれます。好奇心旺盛な参加者も自ら大戦の名残と云うべき銃の弾探しに加わっていました。今回は我々も一参加者のつもりで参加しましたが、少しは情報提供で貢献できたかなと思っています。


「雪渓を 踵で刻む 夏の山」


 [2463] 唐松草 [PC]  2016/07/10 07:04:27    [削除]


   日本固有種とされてるキンポウゲ科のカラマツソウをイタリアで観るとは思わなかった。白花以外に紅色系のものまで咲いていた。ネットのアルプス花図鑑にも紹介されているので、カラマツソウ属の別種かもしれない。よく似た仲間にモミジカラマツもある。何れも花が落葉松の様に見えることで名付けられている。
 今回のハイキングでも手当たり次第に花の写真を撮って来た。参加された皆さんは山をバックに記念写真を撮っておられるが、ロク的には毎年数枚の遺影用写真を撮っておけば事足りるので、もっぱら風景と花と生活しか撮らない。帰ってから花の名前調べが大変なのだがそれがまた楽しい。


「花姿 そろそろ恋し 夏の膳」


[2464] エーデルワイス [PC]  2016/07/11 08:26:38    [削除]


   スイスでは殆ど観られなくなった高山植物のエーデルワイス、ハイキング途中の所々に咲いていて我々を迎えてくれた。アルペンローゼ、ゲンチアナと並んでアルプス3大名花と云われている憧れの植物だ。キク科でウスユキソウ属に分類され、日本のウスユキソウに似ているが、雰囲気はハハコグサに似て厚みのある花だ。
 ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』で一躍有名になり、誰もがエーデルワイスを一度は口にしたことだろう。第2次大戦でドイツ軍兵士が口ずさんでいたと言われている。直訳すると「高貴な白」らしい。高嶺で霧に濡れて咲くエーデルワイスはまさに名花だ。


「霧纏い 高嶺に咲きし 白き花」


 [2465] アルペンローゼ [PC]  2016/07/12 06:58:00    [削除]


   ドイツ語でアルプスに咲くバラとも表現されているアルペンローゼです。3大名花として紹介したので、アップしないと片手落ちになるかなと…。もちろんバラ科ではなくツツジ科です。アルプスには大きく分けて葉裏が褐色のものと、緑色で葉に毛が生えているものに分かれますが、確認されている種類は9種らしいです。総称してアルペンローゼと呼ばれています。
 日本でツツジとして総称されているのと同じで、レンゲツツジやヤマツツジに近いかなと思います。5弁の花で鮮やかな紅色がアルプス山塊群に目立ちます。


「背を屈め 暫しの夏と 崖に咲く」


 [2466] ゲンチアナ [PC]  2016/07/13 07:11:54    [削除]


   アルプスの花が続きます。3大名花最後の花です。こちらも総称で呼ばれているリンドウ科のゲンチアナです。淡い水色から白花まで有りますが、ゲンチアナ・ヴェルナと云う種類が濃い藍色で、空の青さに引けを取らない群青色がハイカーの眼を引きます。初めてスイスを旅した時からロクを虜にしてしまった花です。
 昨日も山歩きの計画が雨で流れてしまいました。旅の間の飲み過ぎ・食べ過ぎから現状復帰したいのにままになりません。イタリアから帰って出かけたのは自然学の座学とひとくらクラブ例会だけで、後は家で工作作りに明け暮れています。アクティブ・ロクでない日々に鬱屈しています。


「群青の 空待ち焦がれ 梅雨湿り」


 [2467] 蛙の卵塊 [PC]  2016/07/14 07:34:27    [削除]


   今年3月にヒキガエルのオタマジャクシをアップしたが、同じビオトープ池の樹上にモリアオガエルの卵塊がぶら下がっていた。泡の中に卵を産み付けるのはアオガエル科の特徴だが、日本にはシュレーゲルアオガエルとモリアオガエルの2種しか確認されていない。当初は前者の変種として考えられていたが、研究の結果、別種としてモリアオガエルが独立した。本州と佐渡島に分布する日本固有種で、環境省の絶滅危惧種には至っていないが、府県では数を減らしているので危惧種に指定されている。
 樹上に出来た大きな卵塊は数匹のオスが放精したためで、卵塊の中で卵の争奪戦が繰り広げているらしい。受精卵は1週間ほどでオタマジャクシに変態するが、雨で溶け崩れるのを待って池に落下して水中での生活が始まる。梅雨時に合わせた彼らの生活史である。池ではたくさんのオタマジャクシが泳ぎ回っていた。天敵のアカハライモリやヤゴなどあまりいないようだ。


「梅雨借りて オタマジャクシの 池に落ち」


 [2468] 沢桔梗 [PC]  2016/07/15 05:54:35    [削除]


   天気がやっと回復して来たので、トンボのメガネの下見を兼ねて万博記念公園に行って来ました。来週の観察会のメインにハスを入れていますが、他にハンゲショウやアジサイ、秋の七草なども気になるところです。この欄で紹介しきれない位の花が咲いていて、十分楽しませてもらいました。
 キキョウ科ミゾカクシ属のサワギキョウが咲いています。2唇形の花で上唇は細く左右に2裂して、下唇は3裂している特徴ある花です。キキョウ科には毒をもつものが多いのですが、中でもミゾカクシ属が最も強い毒性を持つらしいです。ロベリンと云うアルカロイドの毒性分ですが、呼吸困難の際の回復薬として使われ、ニコチンと分子構造が似ているので、禁煙プログラムに使用されているというのが興味を引く話です。


「段々に 紫煙り 梅雨末期」


 [2469] 玉紫陽花 [PC]  2016/07/16 07:25:10    [削除]


   トンボのメガネ観察会は夏場と云う事で涼しさを求めて、神戸市立森林植物園にアジサイを訪ねました。園内には各種アジサイが植栽されていて、もうたくさんと云うほど堪能出来ました。紫陽花寺などと観光化されたところは人でごった返していますが、植物園は静かな雰囲気で紫陽花をゆっくり愛でることが出来、装飾花に隠れた真花探しなども出来る余裕が。
 遅咲きのタマアジサイが開花し出したという情報もあり、期待に胸が膨らみます。入口直ぐの所にタマアジサイがあり、球形の蕾から開花して間もないものや、開き切った様子がガクアジサイに見える様までの全てを観察することが出来ました。写真は蕾の苞が弾けて間もない状態のものです。


「花火玉 弾けた如く 花の散り」


 [2471] 鈴蘭木 [PC]  2016/07/17 07:44:34    [削除]


   森林植物園でスズランノキと云う初めての木に出合った。写真で見て頂くとよく判るが、スズランの花をそのまま木に付けたように見える。ツツジ科と云う事で納得した。北米原産で日本に何時入って来たのか定かではないらしい。イチゴノキなどと同じ時期だろうと勝手に思ってしまう。落葉樹らしいが半落葉もあるらしい。
 ツツジ科も種類が多く春を代表するヤマツツジやモチツツジなど華やかな花が多い中で、釣鐘型の小さな花を付けるドウダンツツジやアセビ、ネジキなどもツツジ科に分類されている。最近では植物分類も細分化されてきているので、そろそろこの科も花の形が異なる釣鐘型をツツジ科から独立させたらどうだろうか、と素人のロクが独りつぶやく。


「鈴蘭と 名付けられたる 木花揺れ」


 [2472] 分けつ期 [PC]  2016/07/18 07:29:56    [削除]


   梅雨の晴れ間を利用して、久し振りに能勢を歩きました。家の窓から見下ろすと一面に田んぼが拡がっていますが、風を受けながらの田園風景には格別な趣があります。栗も次第に大きくなり、田んぼも青々と茂っています。草花も気の早いものが咲き出しています。蝉の声も聞こえます。
 田植えされた1本の苗は、根元から分かれて増えていきます。この枝分かれのことを分けつと言います。苗の節から根を出し、その上に新しい芽を出します。この芽が伸びて分けつとなるのです。分けつした節から同じようにまた根と芽とを出します。最初が一次分けつで、次が二次分けつで最盛期を迎えます。三次分けつ以降は勢いがなくなり枯れて来るので、田んぼの水を落としてこの分けつを止めます。今まさに最盛期を迎えています。


「畦道に ケリの番か 青田風」


 [2473] 大狐剃刀 [PC]  2016/07/19 07:35:20    [削除]


   トンボのメガネの下見で能勢妙見山の初谷コースにキツネノカミソリを訪ねました。基本種のキツネノカミソリよりも花色が淡く少し大ぶりで、雄蕊が花弁より長く付き出してるのでオオキツネノカミソリと同定しました。この欄でも度々アップしていますが、ヒガンバナ科で一番早く咲き出します。早春にヒガンバナより幅広で先が丸みを帯びた葉を茂らせますが、それが剃刀に似ていることから狐の剃刀と名付けられました。
 他に狐の松明とか狐百合とか狐花などと呼ばれているのは、林の中に突然咲き出す様子を狐火に例えたものだと考えられています。狐の変幻に見立てた名前です。一方リコリスと云うのはギリシャ神話の女神の名前ですが、花の美しさを称えての賛称なのでしょう。


「渓筋を 妖しく照らす 狐百合」


 [2474] ヘビトンボ [PC]  2016/07/20 06:47:17    [削除]


   能勢の初谷川で河原を観察中の仲間が見付けたヘビトンボです。運良く子どもたちも水棲生物の観察会に来て、これから捕獲しようと云う時に出くわしました。ひと足早く来ていた指導者らしき人に名前を教えて貰いました。町中で育ったロクはヘビトンボの存在を知りませんでした。しかし、子どもの中には知っている子がいて「ヘビトンボだ!」と得意げに伝えてくれました。清流にしか住めない昆虫です。何でも子どもの疳の虫に効く民間薬で孫太郎虫とも呼ばれているとか。
 河原の石の上に止まっていたのを撮ろうと近寄ると、トンボの様な鮮やかな飛翔ではなく、頼りなげに飛び立ってしまいました。ヘビトンボと云いますが、トンボの仲間ではなくウスバカゲロウなどに近い仲間なのです。止まったところを捕まえようと両手で覆うと、鋭い顎で噛まれてしまいました。ハンミョウに噛まれた苦い経験が甦った一瞬です。


「先生の 声も彼方へ 水遊び」 


 [2476] チゴガニ [PC]  2016/07/21 21:12:05    [削除]


   奈良の自然を観察する会から、三重県松阪の松名瀬干潟まで、合宿の観察会に行って来ました。海浜植物観察と干潟で暮らすカニ類の観察会です。櫛田川河口では干潮時に70ヘクタールの干潟が出現します。そこでチゴガニのウエービング行動が観察出来るのです。一般的に求愛行動だと言われていますが、雄の縄張り行動とも考えられています。1センチにも満たない小さなカニが一斉にハサミを上げ下げする行動は、砂浜に花びらが散っているようで圧巻です。
 チゴガニ以外に雄の片側のハサミが大きいハクセンシオマネキやアシハラガニの集団や、イソガニなどを採取して雄か雌かの違いなど観察しました。すばしっこいカニをいかに獲るか、知恵比べで追っかけるシニア集団にカニ達もたじたじだったのでは。


「炎昼を ものともせずに 蟹ダンス」


 [2477] 浜朴 [PC]  2016/07/22 06:16:50    [削除]


   干潟を訪ねた目的のひとつは、今満開のハマボウなどの海浜植物観察である。以前、淡路島の成ヶ島にハマボウを訪ねたがそれ以来のアップだ。特に今回は潮の満ち引きで塩水に浸かっても生きられる塩生植物を観察した。1日の内の何時間かは海水につかっても、体内に塩分をためる仕組みを持ち生きられる植物群である。謂わばマングローブの様な塩に強い植物だが、干潟の減少で絶滅危惧種になっている。ハマボウはアオイ科フヨウ属で花の形がハイビスカス、ムクゲ、フヨウ、オクラ、ワタなどとそっくりだ。
 このサークルのリーダーは何でも五感で観察しようというスタンスを持っておられるので、塩味がするかどうかを試したり、臭いを嗅いだりを仲間に求められる。ハマボウがハナオクラに似た雰囲気だったので、多分同じような食感だろうと、皆さんにお勧めしてみた。確かに少し粘りがあり花も食べられるだろうとの結論をロクたちのグループは確認した。


「浜朴の 落ちて明日は 種になり」


 [2478] 蓮観察 [PC]  2016/07/23 07:37:31    [削除]


   トンボのメガネで万博記念公園の日本庭園へハスの観察に訪れました。ハスは早朝から開花して昼頃には閉じかけます。3日間その開閉運動を繰り返し、4日目には花弁を散らしてしまいます。その不思議を実際の眼で観察しようと、1日目から4日目までの花と花後を探しました。写真は種が食べ頃になったものです。大きくなった種を少し失敬して味わってみました。ハスは根っこのレンコン以外にも花、葉、茎、種に至るまで全て食用になります。
 午後からは、観察途中で拾い集めたタイサンボクの未熟実を使っての工作です。岩山に止まるコンドルを作って頂きました。簡単な工作の割に精悍な猛禽類の表情が出て、皆さんに喜んで頂けたようです。おまけとしてアザラシも作って貰いましたが、ちょっとのことでトドになったりして、個性豊かなアザラシが並びました。


「蓮の葉に 如雨露で雫 垂らしたく」


[2479] エゴノネコアシ [PC]  2016/07/24 05:57:09    [削除]


   エゴノキの実が出来る頃になると、写真の様なエゴノネコアシ探しをします。今までは実にアブラムシが入って猫の足の様な虫こぶが出来るものだとばかり思っていました。ところが、イネ科アシボソと云う植物との相関関係があることを教えて貰いました。
 初夏にエゴノキからイネ科アシボソに移動して、秋にアシボソからエゴノキに戻るエゴノキアブラムシと云う昆虫がいます。エゴノキで越冬した受精卵が孵化しますが、羽根の無い雌ばかりだそうです。その雌が新芽を吸汁するので刺激を受けて芽が変形します。猫の足状になった虫こぶの中で胎生単為生殖で増殖します。やがて羽根のある虫が誕生して、7月には羽化して虫こぶから飛び去りアシボソに移動します。秋にはまたエゴノキに戻るという事を繰り返す不思議な関係です。


「夏と秋 行きつ戻りつ 油虫」


[2480] 薄黄衣笠茸 [PC]  2016/07/25 07:07:51    [削除]


   久し振りに菌類研究会のキノコ観察会にお邪魔させて頂いた。昨年もこの時季に龍谷大学の森でキノコ観察会があり、絶滅危惧2類に指定されているウスキキヌガサタケに出合い感動した。今回も彼女に会える楽しみを抱いて参加させてもらった。敢えて彼女と云っているのは、黄色い網目のドレスを纏って現れるので「茸の女王」と呼ばれているからである。
 ウスキキヌガサタケはスッポンタケ科のキノコで、西日本のごく限られた地域にしか自生が確認されていない。明け方より1時間かけてドレスで身を纏い、地上に出てからは3時間の命でしかない。我々も龍谷の森に到着すると一目散に自生地に駈けつけて、何とか現認することが出来た。彼女と出合えるのは梅雨明け後の1週間ぐらいらしい。栽培しているもので良いから一度食してみたい。


「万緑に 淑女抱かれ 早や眠る」


 [2482] 上溝桜 [PC]  2016/07/26 06:46:21    [削除]


   ウワミズザクラは花も蕾も以前にアップしています。不老長寿の薬として三蔵法師が探し求めた逸話も紹介しました。以前、地元の三草山頂上で熟れた実を食べた記憶がありますが、今回のキノコ観察会でも見付けたので皆さんに紹介しながら、紅くなった実を試食して頂きました。甘味は有りますが黒くならないと美味しいというほどでもありません。しかし、穂状の実は残り少なく小鳥たちに先を越されたようです。
 これも桜の一種だから穂状に付く実をサクランボと呼ぶのだろうか?蕾の塩漬けを新潟ではあんにんご漬けと呼び酒の肴として好まれる山菜です。鎮咳効果もあり、不老長寿にも効くとのことですが、薬用酒を作るだけ熟れた果実を集めるのも大変です。ウワミズザクラは小鳥たちのために遠慮ましょうか。


「紅き実を 啄むシニア 蝉の鳴き」


 [2483] 丘虎の尾 [PC]  2016/07/27 06:48:54    [削除]


   一株だけ見つかったオカトラノオです。何処でも見かける馴染みの植物ですが、明日アップしようと思っている同じ仲間のサクラソウ科ヌマトラノオとの違いを写真で紹介したいという目論見です。花穂が垂れ下がって咲いている様子が、虎の尾に似ているからという命名の由来です。確かに似ていますが、大きさからいうと猫の尾と云うところでしょうか。若葉は山菜になるようです。強い酸味があるので、甘味を利かせた酢味噌和えなどにされるようです。
 ところで兄貴率いる虎軍団に期待していたのですが、今の状態は“借りて来た猫”のように大人し過ぎます。来シーズン以降に期待するしかありませんが、猫を虎にする特効薬はないものでしょうか?


「虎の尾の 垂れ様に涼し 風の吹き」


 [2484] 沼虎の尾 [PC]  2016/07/28 06:47:09    [削除]


   こちらがサクラソウ科オカトラノオ属のヌマトラノオです。写真で見て頂くと一目瞭然で、花穂がオカトラノオのように垂れ下がらずに直立しています。名前でも判るように湿生植物で休耕田や棚田、用水路わきなどに生育しています。多年草で横に這った根から茎を出すので、人の手が入らないところでは大きな群落を作ります。
 ヌマトラノオの近似種にサワトラノオがありますが、そちらは花期が4~5月なので間違う事は有りません。他に絶滅危惧種のトウサワトラノオとかノジトラノオなど各種ありますが近辺では見かけないので写真紹介出来ません。人間との関わりで地球上の生物たちが絶滅の危機にさらされているのですね。心しなければ。


「夏空に 揺るがぬ花の 心意気」


 [2485] 夏椿 [PC]  2016/07/29 06:09:19    [削除]


   日本ではお寺などによく植えられているナツツバキです。別名で「沙羅の木」と云われていますが、仏教三大聖木とされている「沙羅双樹」とは全く別物の植物です。因みにお釈迦さんが生まれた処には「無憂樹」が生えており、「印度菩提樹」の傍で悟りを開き、亡くなった時が「沙羅双樹」とされています。サラソウジュは日本では育たない熱帯産植物で、植物園の温室ぐらいでしか観ることは出来ません。
 ナツツバキは日本原産のツバキ科植物です。ツバキは春を代表する花ですが、ナツツバキだけは7月頃に開花します。沙羅双樹の代用品以外に、公園樹や茶花としても人気があります。根元にはまだ鑑賞に堪える落椿がたくさん落ちています。


「一日で 落とすに惜しき 夏椿」


[2486] アメリカ
ザリガニ [PC]  2016/07/30 07:25:56    [削除]


   平城宮跡へ下見に行き、その案内資料作りのために、ザリガニ釣りも体験してきた。目的はアメリカザリガニの雌雄の違いを実際の眼で確かめることだった。しかし、持参した資料画像ではポイントがつかめず、結局わからずじまいで、写真だけを持ち帰りネットで検索して、やっと雄雌の違いが判るようになった。トンボのメガネ観察会本番では、皆さんに即座に判定してあげることが出来るだろう。因みに写真は雌の固体である。
 残念ながら西日本ではニホンザリガニを観ることは出来ない。アメリカザリガニは1927年5月に食用ガエル(ウシガエル)の餌用として、神奈川県鎌倉の食用蛙養殖場に20匹移入した。その一部が逃げ出し九州まで分布するようになった。ウシガエル共々侵略的外来種ワースト100に指定されている。ロクの子どもの頃はエビガニと云って、近くの池に釣りに行き、バケツ一杯のザリガニを塩茹でにして食べた記憶が鮮明に残っている。因みに外国では高級食材になっているらしい。


「海老蟹の 鋏挙げつつ 後退り」


 [2487] キリギリス [PC]  2016/07/31 07:18:32    [削除]


   過っての腕白時代を彷彿させてくれる画像が続きます。河原の傍でキリギリスを見付けました。少年時代は勉強もせずに野原を駆け回っていたものです。その所為かいまだに年甲斐もなく、動くものに直ぐ反応してしまいます。手当たり次第に昆虫を捕まえて、虫籠に入れて飼ったものです。キリギリスの雄の鋭い顎に噛まれた痛さは今でも覚えています。近年キリギリスの鳴き声もあまり聞かなくなってしまいました。野原が減ってしまったのが原因だと思いますが、自然いっぱいの能勢でも聞く機会は余りありません。
 最近の分類では青森から岡山まで生息するものをヒガシキリギリスとし、近畿から九州のものをニシキリギリスに分け、お互いは別種と云う考えです。従ってキリギリスと云うのは総称になりました。彼等は危険を察知すると擬死して落下します。イソップ寓話のアリとキリギリスで亨楽的生活者と描かれているのとダブります。


「試したく ぎすの演じる 死んだ振り」


[2488] 大根草 [PC]  2016/08/01 07:11:14    [削除]


   日本全国の里山環境に適する植物ダイコンソウです。少し湿った林縁などで見かけますが、能勢ではクリ林などで目にすることがあります。大根を名乗っていますが、全く関係なくこちらはバラ科で花がダイコンなどアブラナ科と異なり5弁化です。越冬したロゼット状の根生葉が大根葉に似ているからダイコンソウと名付けられました。茎の上になるほど葉の切れ込みが無くなるという特徴を持ちます。
 集合果(種)が動物などに付き、勢力を拡げる戦略を持つひっつきむしタイプです。全草が利尿・浮腫み・膀胱炎や湿疹に薬効があるようです。春の若葉は天ぷらや和え物として食されると紹介されていますが、まだ試したことがありません。あれもこれもと食べられる植物がたくさんあるのですが、その時期まで覚えきれずに素通りしているのが実態です。


「若栗に 負けずと毬を ひけらかし」


[2489] アブラゼミ [PC]  2016/08/02 07:41:49    [削除]


   アブラゼミが我が家のマユミの木で休んでいる。カメラを持って来るまで待機していてと願いながら…。そっと近づきアップで写すことが出来た。毎朝の日課で花壇の周辺を観察している。ミョウガの花が出てきたら採取したり、仲間から頂いたサギソウが咲き出すのをまだかまだかと確認したりしている。ミョウガの茂みが好きなのか毎年クロカワトンボが来ている。セミの来訪は初めてだ。
 アブラゼミの生息状況は一般的にヒートアイランドなど温暖化の環境指標として注目されている。と云うのもアブラゼミは湿度の高い森林部を好むために、都市化が進んだ乾燥地では住めなくなり、クマゼミやミンミンゼミにとって代わられる。殆どのセミは羽根が透明なのにたいして、アブラゼミは世界でも珍しい不透明の褐色をしている。樹皮に同化しているので天敵から身を隠しやすく、そのために森林を好むと考えられている。


「油蝉 峠の茶屋で 翅休め」


 [2491] 空蝉 [PC]  2016/08/03 07:29:16    [削除]


   小学校への出前教室でセミの抜け殻調査を何年か続けていたことがあります。セミの抜け殻を見付けると、触角など潰さないように大切にフイルムケースに保存し、資料として活用していました。何種類かは覚えていて、子どもたちが持ち寄った抜け殻を一緒に同定したものです。手持ち資料もセミに関するものは、自作も含めてたくさん溜まっています。
 写真の抜け殻は手にとってしっかり観ていないのではっきりしたことは言えませんが、多分ミンミンゼミかなと思っています。触角の節の大きさなどルーペで確認して同定するのですが、昨日アップのアブラゼミの抜け殻は光沢があり、泥も付いていないと思うので、大きさなどから勝手にミンミンゼミにしてしまいました。


「空蝉の しがみ付きたる 二つ在り」


 [2492] 百日紅 [PC]  2016/08/04 07:24:14    [削除]


   加賀千代女が「散れば咲き散れば咲きして百日紅」と詠んでいます。サルスベリの特徴が良く理解できる俳句になっています。咲き終わった枝先から再度花芽を出し花を咲かせるので、何時までも咲いているように見えます。樹皮がすべすべなので猿も滑るという意味でサルスベリになりました。漢字表記の百日紅は7月15日頃から10月15日頃までの3ヶ月間、約百日咲く紅色の花と云う事で充てられました。花を付ける細枝には稜があり、四角になっていることを仲間から教わりました。
 淀川への観察へ行く前に立ち寄った大阪駅前ビルの9階にグリーンエリアがあり都会にオアシスを提供しています。大阪駅にも同じような緑の空間が作られていたり、中津には里山を模した空間があります。それらの場所には野鳥やトンボなどが集まってきます。都会に出てもそんなところが好きな極楽トンボのロクです。


「ビル風に ゆらりゆらりの 百日紅」


[2493] 児の手柏 [PC]  2016/08/07 06:11:44    [削除]


   葉の形と果実の形が何とも奇妙なヒノキ科のコノテガシワです。子どもが手を挙げているように見えるところから名付けられました。葉裏が表と同じ色なのでフタオモテとも呼ばれます。江戸時代に中国から入って来たとされていますが、万葉集などに詠われたり、薬として献上されたりとの記述があるので、かなり古くに入って来たのでしょう。庭木として広まったのが江戸時代かもしれません。日本では植栽されたものしか見ませんが高木になるようです。
 カシワと言われる植物なので殺菌作用などあるのだろうと推測して、ネットで調べてみました。若い枝と葉、種には様々な薬効があるようです。細菌性下痢、滋養強壮、咳・痰、吐血・喀血などの他に円形脱毛症や毛生え薬にもなるようです。最近頂点が気になりだしたロクも試してみようかな。


「児らたちの 声も届かぬ 夏休み」


 [2494] 案山子 [PC]  2016/08/07 06:55:42    [削除]


   8月5日にアップしようと思っていたコノテガシワが、掲示板の不都合でアップ出来なかった。サーバーが込み合っているのでしばらくお待ちくださいのメッセージが昨日まで続いた。仕方なく新たにホームページを立ち上げて、今日からそちらで発信する段取りをして、最後の試みとばかりに再度送信してみると今朝はちゃんと修復していた。
 田んぼでは稲が実を付け出し、暫くすると稲穂が垂れて黄金の季節を迎える。妙見口近くの田んぼでは案山子がたくさん飾られ里山景観を演出している。最近の田んぼは鹿避けネットや電柵が張り巡らされ、田園風景を味気ないものにしてきたが、こうして案山子などを置いてくれると郷愁をそそられる。


「着飾った 案山子をそっと 後ろから」


[2495] 平和の日 [PC]  2016/08/07 08:01:04    [削除]


   朝はテレビを観る習慣は無いのだが、広島に原爆が投下された記念日。毎年時間の許す限りテレビを見ながら、黙祷を捧げている。8時からの式典を見ながら平和について考える1日のスタートだったが、写真俳句がアップ出来ないので、その対応に多くの時間を潰してしまった。
 以前住んでいた箕面では市長選と市会議員選挙がおこなわれる。先の参議院選挙に続いてここでも野党共闘の候補者が擁立され、夕方からの箕面駅前街頭演説を聞きに行って来た。社民党前衆議院銀の服部良一、共産党の辰巳コウタロウ参議院議員、市民派の市会議員などの応援を受け、マイクを握った市長候補はロクの知り合い。暑い夏をさらに熱くさせる平和の一日だった。


「原爆忌 津々浦々に 拳挙げ」


 [2497] 木槿 [PC]  2016/08/08 07:37:13    [削除]


   この時季ムクゲの花が目立ちます。サルスベリと並んで長い期間楽しませてくれます。夜中から開花し夕方には萎んでしまう一日花です。午前中の散歩で出合った白花のムクゲで、すがすがしい清涼感あふれる佇まいを感じさせてくれます。ムクゲについてはこの欄でも2012年と2014年にアップしていますので、下の検索スペースに「ムクゲ」と入れて検索してみて下さい。薬効はこの白花種が一番だそうです。
 昨夜の献立にたまたま花オクラの甘酢浸けが供されていました。オクラに似たぬめりがあり、箸休めとしてよく食卓に上がります。アオイ科の花は同じ様なものだろう、とムクゲの花も現地で少しだけ頂きます。他人の敷地に植えられているので、摘んで帰って甘酢浸けと云う訳にはいきません。


「白木槿 そこだけ季節 先取りて」


 [2499] 唐駒繋 [PC]  2016/08/09 06:44:37    [削除]


   観察途中で立派なコマツナギに出合った。同行の仲間ら外来種だと教えて貰った。帰宅してから帰化植物図鑑をお持ちの仲間からキダチコマツナギだと名前を教わった。いつもお世話になっているネットの「松江の花図鑑」によると、中国から緑化のために移入したトウコマツナギのことで和名として木立駒繋としたらしい。
 在来のコマツナギも草本に見えるが、草本状小低木だと山渓ハンディ図鑑に記述されている。一方キダチコマツナギは見るからに大きく2~3mになる。馬の手綱をつなぐほど強いという事からコマツナギになったらしいが、馬の大好物で立ち止まってしまうからという説もある。


「馬肥ゆる 季節を待たず 腹周り」


 [2500] 水棲生物 [PC]  2016/08/10 08:10:48    [削除]


   毎年恒例になっているひとくらクラブの「水辺の生物観察会」が猪名川町のふるさと館で開催された。今回はシニア自然大学校の水生生物研究科で活躍されている河田さんを講師にお招きしての観察会。全国的な猛暑で熱中症が心配される気象条件だったが、流石に清流の中は心地良く、暑さを忘れて川遊びが出来た。
 猪名川は大野山を源流域にする川で、下流で神崎川に合流している。観察したふるさと館の辺りは少し上流域で、そこに棲む生物からも水質の良さが窺い知れる。アユが群れているが流石に網では捕獲することが出来ない。河田先生の同定で確認されたのは、オヤミラミ、カワヨシノボリ、カマツカ、シマドジョウ、カワムツ、メダカ、オイカワなどの魚類とカワニナ、マシジミの貝類、さらに水棲昆虫ではトビケラの仲間、コオニヤンマなどのヤゴ類が同定された。


「爺婆の 孫より嬉々と 水遊び」

集会参加

 昨年安保法案(戦争法)が強行採決されて1年にあたる昨日、国会前で「戦争させない、9条壊すな!総がかり実行委員会」と云う市民団体主催の抗議集会があり、それに呼応して全国300の地域で集会がもたれた。生憎の雨模様だったが大阪の靱公園には各団体や市民が詰めかけた。旧ママの会や旧シールズメンバー、民進党の辻本議員・共産党辰巳議員・生活の党○○さん・社民党服部元衆議院議員などが壇上から訴えられた。安保法案の白紙撤回を!と。
 南スーダンへの自衛隊の派兵が現実のものとなり、駆け付け警護まで容認して、その訓練を始めている。日本は憲法9条のおかげで、この71年間海外で1人も殺し、殺されることが無かった。憲法違反の戦争法で自衛隊員が危険な任務に送り出されようとしている。ロクは傍観者や評論家にはなれない!


「秋雨を 衝いて正義の 幟立ち」

過去へのご招待22

[2301] 椿油搾り [PC]  2016/02/15 07:02:14    [削除]


   ひとくらクラブ恒例で人気イベントの椿油搾りには沢山の参加者が集まりました。講師のレクチャーを受け、椿の実を砕くところから皆さん体験します。油分たっぷりの実と殻を選り分け、ミキサーで細かく砕いたものを検量して特殊な袋に詰め、それを蒸し上げます。蒸し上がった椿を容器に詰め、手作りの圧搾機で搾ります。大まか25%の油がとれます。子どもたちも難しい話は別にして、体験したことは記憶にしっかリと残ることでしょう。
 女性スタッフの方々が毎度お昼に合わせて味噌汁を作ってくれますが、昨日は珍しい朴葉味噌まで用意して頂きました。外では男性スタッフが焼き芋を焼いています。ほっこりするイベントでした。


「椿の実 絞って想う 故郷を」


[2303] 朴葉焼き [PC]  2016/02/16 07:23:12    [削除]


   一昨日提供された朴葉味噌焼きです。当日はおにぎりを持って行きましたが、熱いご飯で戴くか、日本酒でもあれば最高だったのですが。昔、信州かぶれしていた頃、中仙道辺りの旅からお土産に買って帰ったのを思い出します。方形に象った素焼きのコンロに、和紙を貼り付けだけの素朴さが気に入って購入しました。1~2度家で使ったのを思い出しますが、何処へ消えてしまったのか?多分熱で劣化して壊れてしまったのでしょう。
 朴葉味噌は飛騨高山の郷土料理です。同じ様に朴葉で包んだ朴葉寿司も岐阜県や長野木曽の郷土料理です。ホオノキ・カシワ・サンキライ・アカメガシワなど殺菌作用のある大きな葉っぱを、飯盛り様に使っていた古人の生活が偲ばれます。


「熱燗が 過る朴葉の 昼餉かな」


[2304] 同志社 [PC]  2016/02/17 08:24:17    [削除]


   月1回のじねんクラブ例会で今出川にある同志社のキャンパスツアーに行ってきました。京都の地下鉄「今出川駅」を降りるとそこが学舎につながっているのです。午後から学生ボランティアの案内を頼んであるので、それまでの時間を相国寺の観光や、学食での安い食事体験で俄か学生になって来ました。学生たちは長い休みに入っているので、静かな雰囲気の中、シニアたちはロビーで折り紙教室などを楽しんできました。
 同志社はテレビドラマ「八重の桜」で一躍有名になった新島襄創設の英学校から、140年の歴史を誇る名門大学です。今出川学舎は文系で理系は京田辺市に移設されました。学生の勉学に必要なIT機器など自由に使える恵まれた環境にただただ驚くばかりです。その分学費も高くなって親は大変だろうなぁ~、と子育ての終わったシニアの心配です。


「囀りの 梢見降ろす チャペル在り」


[2305] 相国寺 [PC]  2016/02/18 07:46:22    [削除]


   京都五山の第二位と言われている相国寺に寄り道して来た。元々歴史音痴のロクは、仏教寺院の姿かたちに興味を注がれるだけで、誰が創建したかなど歴史的背景などトンと知らない。何時も帰ってからネットで調べるパターンになっている。今回は妻から実家が臨済宗(禅宗)でその本山が相国寺と聞かされていた。そして昔、親たちと一緒に訪れた事があったらしい。鳴き龍の話も聞いたが覚えていない有様だ。因みに京都臨済宗の五山とは天龍寺・相国寺・建仁寺・東福寺・万寿寺と別格の南禅寺らしい。
 一度来た事があるという事だけで、800円の拝観料を惜しんで境内を散策するに留めた。リアカーに夏ミカンがどっさりと積まれていて、お持ち帰り下さいとある。後先のことを考えずにリュックに入るだけの夏ミカンを、僅かな志納金だけで戴いて帰った。ロクは凡人で小市民だなとつくづく思う。


「名刹も 夏蜜柑には 甲脱ぎ」 


 [2306] 木喰仏 [PC]  2016/02/19 06:58:53    [削除]


   3木と言う妻のグループが猪名川町の木喰仏を訪ねるというので、一緒に参加させてもらいました。江戸時代の真言宗戒律の木食修行を成し遂げた高僧木喰明満上人が、全国を旅し、その間に千躯の仏像を彫ったと言い伝えられています。彼の晩年90歳の春に猪名川町を訪れ、三カ月の滞在の間に33躯の仏像を造られたらしいです。猪名川町には今でも26躯の木喰仏が現存しています。
 その内の16躯の木喰仏を2個所の寺に訪ねました。写真は天乳寺の3躯で住職の説明によると、真ん中が明満仙人自刻蔵で、両端が一本の木を半分に割り彫られた菩薩像で、背中合わせにすると木目がつながります。裏には日付や自分のサイン代わりの花押や年齢、協同制作者の大工の名前まで書かれています。


「春の寺 微笑み仏 猪名川に」 


[2308] 糸寒天 [PC]  2016/02/21 07:13:00    [削除]


   昔は能勢でも寒天作りが盛んでした。聞くところによると能勢の最北部天王と言う寒冷地では、過っては何軒も寒天を作っていたようです。温暖化と機械化が進み、手作り寒天は廃れてしまいました。今では猪名川町阿古谷の井谷寒天製作所だけが手作り寒天の伝統を受け継いでいます。同じ様に三白と言われていた高野豆腐作りも廃れてしまいました。
 写真は阿古谷の糸寒天を乾燥させている工程風景です。道の駅「いながわ」で手に入りますが、かなりの高級品です。お米を炊く時に少し入れたり、サラダにしたりされるようです。能勢ではその加工品としての丁稚羊羹が往時を偲ばせています。


「山間に 寒天干しの 眩しくて」


[2309] 曙馬酔木 [PC]  2016/02/22 07:41:33    [削除]


   日当たりのよい場所ではアセビが沢山の蕾を付け、間もなく満開と言う状態です。アセビは日本原産で山に自生しています。写真はアケボノアセビで植栽されているものです。万葉集ではアシミと詠われ、古今集ではアセボとなっていると知りました。先日“アセビ半分”と僕の持ちネタを紹介してもらいましたが、遊びの意味が含まれているのは知りませんでした。多分古今集のアセボから来ているのでしょうか。
 植栽されているものは園芸種だと思っていましたが、変異種を観賞用として育てたものと思います。交配させて品種を作っているという話はあまり聞きません。盆梅と同じように鉢植えで盆栽仕立てにしているものを鑑賞したことがあります。何れにしても春を感じさせてくれる花です。


「紅を注す 馬酔木シャワーに むせ返り」


[2310] 蕗の薹 [PC]  2016/02/23 08:12:54    [削除]


   この時季散歩しているとフキノトウの萌黄色が目につくのだが、今年はまだ見つからない。顔馴染みの人に会ったのでそれとなく聞いてみると、もう出ているよとのこと。他の農家の人は少量だが今日道の駅に出荷したと教えてくれた。確かに目を凝らすと恥ずかしげに顔を出し始めている。顔馴染みの彼はわざわざハサミとビニール袋まで持って来てくれて、出始めたばかりの蕗の薹を幾つか摘んでくれた。夕餉にほろ苦い蕗の薹の天ぷらを頂いたのは言うまでもない。春は苦味からやってくる。
 フキは冬に黄色の花を咲かすことから冬黄(ふゆき)と呼ばれ、それが転化してフキになったらしい。葉と花が別々の茎に出てくるのが変わっている。花の付く茎をフキノトウと呼ぶ。雌雄異株で雄花は薄黄色で雌花は白色だが、まだ開いていないので区別がつかない。冬黄と言うから雄花が先に咲き出すのだろうか?


「山里に 居を構えて 蕗の薹」


[2312] 牡丹鍋 [PC]  2016/02/24 13:20:44    [削除]


   毎月飲み会をしている仲間に、奥猪名の牡丹鍋の話を得意気にしていたところ、是非行ってみたいと乗り気になられたので、急遽予約して行って来た。客は我々6人だけと言う貸切状態。元々は研修施設だったものを一般にも開放したところなので部屋がだだっ広い。16人部屋に6人が大の字になって宿泊して来た。サービスこそ期待出来ないが、酒類などの持ち込み歓迎なので、驚くほど安く牡丹鍋宴会を楽しめた。
 宴会だけではつまらないので、道中の観光も織り交ぜ、三田のめんたいパークや猪名川町の静思館、多田銀銅山にも寄り道してきた。皆さん初めてという事でちょっとしたミニ旅行気分を味わって貰えた。


「寒暖が 行きつ戻りつ 牡丹鍋」


[2313] 福寿草 [PC]  2016/02/25 07:04:22    [削除]


   旧暦の正月ごろに咲く花と云う事でフクジュソウと言う目出たい名前を頂いています。花色が小判の様に光り輝き、花期が長いので長寿に準えて福寿草になりました。かなり昔から鉢植えにして親しまれてきたので古典園芸植物のさきがけです。フクジュソウはキンポウゲ科の有毒植物です。利尿・強心の薬効がありますが、劇薬成分を含んでいますので民間では利用できない危険な薬草です。
 トンボのメガネで皆さんを自生地に案内したいので、咲き具合を確認に行って来ました。随分と数を減らしています。鉢植え欲しいなら花屋さんで購入してもらいたいものです。盗掘して持って帰っても育ってくれないはずです。ロープを張って監視しなければならないなんて寂しいですから。


「田んぼ脇 押しくら饅頭 福寿草」


[2314] 古墳群 [PC]  2016/02/26 06:57:40    [削除]


   予定もなく買い物ついでの散歩に付き合いました。我が家の近くの裏山は城址になっており、その麓には御門第(みかどやしき)と言って応仁の乱の際に公家たちが移り住んでいた屋敷跡まで在ります。今でもその土地に家を建てたり、触るとたたりがあると言い伝えられています。家から数分のスギ林に鳥居が建っているので、何だろうと前から気になっていました。
 鳥居をくぐり急な坂を登って行くと「大歳神」と書かれた石碑が鎮座しています。円墳らしき所に横穴式の石室の跡があります。資料によると二基の古墳があったようで、一基は倒壊して形を留めていません。能勢町には143もの古墳が確認されています。歴史音痴のロクですが百年単位の世紀で括れる古墳なら齧ってもいいかなと思っています。


「神々の おわす山里 春の雪」


[2315] 鴛鴦 [PC]  2016/02/27 07:35:04    [削除]


   大阪の近郊でオシドリ観察が出来るとの情報を得たので、千里中央公園に下見がてらに訪ねて来た。観察は午後からの方が良いとのことなので、昼食を済ませてから観察場所に着くと、先着のウオッチャーがカメラを据えて待機中。様子をうかがうと、数羽のオシドリがいる、とのことだが全然姿が見えない。池の反対側に回ってみると、樹の下にオシドリが確認出来た。持って行ったドングリを蒔いていると、驚いた事にカルガモがやって来て食べ始める。暫くするとオシドリも姿を見せてくれるようになった。
 地元の人が沢山のドングリを持って来て蒔き始めると、何処に潜んでいたのかオシドリが群れで集まって来る。この池には50羽ほどが10月頃から4月頃まで居るとのこと。池の周りにドングリの木が植わっているので、それを充てに集まって来るようだ。オシドリがドングリを啄むために池に潜るという光景にも出くわせた。


「銀杏羽を 畳んで潜る 鴛鴦の」


[2316] 黄梅擬 [PC]  2016/02/28 06:59:17    [削除]


   写真を撮っている時にオウバイと教えて貰ったが、枝が枝垂れているのでオウバイモドキかもしれない。別名で雲南黄梅と言われている。勿論教えて貰った黄梅かもしれない。オウバイは中国原産で江戸時代初期に渡来してきた。梅と同じ頃に黄色の梅に似た花を付けるのでそのまま黄梅と呼ばれ親しまれている。中国では旧暦の正月頃に咲くので迎春花と呼ばれ目出たい花になっている。
 モクセイ科の低木でジャスミンの仲間らしいが香りは無い。鉢植えなどで育てられているが、垂れ下がった葉っぱからも根付くらしく、繁殖力旺盛で籠抜けしたものが野生化している。ツルニチニチソウの様に処構わず繁茂する事もないだろう。


「黄梅も 黄砂の時季に 黄色増し」


[2317] 万作 [PC]  2016/02/29 07:35:52    [削除]


   春の使者マンサクが咲き始めました。“先んず咲く”から転訛してマンサクになったという由来は有名ですが、古名のシイナと言う名前の忌詞(いみことば)を嫌って万作になってという説もあります。シイナとは殻ばかりで実の無い籾とか、ひなびた果実の事を指す言葉らしいです。マンサクは日本特産種でマルバ(マンサク)・アカバナ(以下略)・トキワ・ベニバナトキワなどが自生しています。中国原産のシナマンサクと言うのもありますが、こちらは品種改良されて園芸種として出回っています。
 細長い4枚の花弁が捩れた何とも変わった形の花ですが、マンサクは3つの花が合着しているように見えます。種類によっては2つが背中合わせになっていたりして、観察すると楽しい仲間たちです。材に粘りがあるので、枝を潰して麻ひも代わりに使う「ねそ」と言う利用法があり、合掌造りの重要な建材になっているとのことです。昔の人々の知恵に感心させられます。


「万作の 咲いて会話も 弾みけり」


 [2318] 春雪 [PC]  2016/03/01 07:18:08    [削除]


   折角春が来た喜びを昨日はアップしたのに今朝は真っ白です。昨夜から寒気団が居座っているのでしょう。基本的には暖冬でしたが、寒暖の差が大きくそれに着いて行くのが大変です。植物の開花も概ね1ヶ月ほど早い様で観察予定を狂わせています。今月半ばに椿の観察を予定していますが、案内を頼んでいる方からは1~2月早く咲き出しているとの連絡を頂きました。その点サクラは開花時期に多少のズレがありますが、寒さをしっかり感知してから開花するので、今日の寒さなどは目覚めに良い刺激を与えていることでしょう。冬眠打破と言います。
 3月が雪で開けてしまいました。一昨日は着ていたコートを脱ぐ位の陽気だったのに今朝の寒さ。明後日辺りからは5月の陽気になるようです。今年の夏が猛暑との予報も出ています。温暖化で極端な気象現象が地球を襲っています。くわばらくわばら。また雪が深々と降り出しました。


「お雛様 白粉塗って 紅を待ち」


[2320] 接骨木 [PC]  2016/03/02 07:12:06    [削除]


   3月の声を聞くといち早くニワトコの花穂が出て来ました。枝に対生に付くブロッコリーの様な蕾が特徴です。漢字表記でも判るように骨折した時に患部に塗ったり、患部を保護する当て木に使われていました。全草が打ち身や打撲、リューマチなどに効く薬草です。神経痛などを和らげる効果があるので煮出した汁をお風呂に入れると良いらしいです。変わったところでは小鳥の止まり木にニワトコの枝を使うと病気をしないようです。
 ロクはもっぱら山菜として利用しています。早春の山で見付けた時には天ぷら用に少し摘んで帰ります。赤く熟れた実の果実酒も酸味のある美味しいものらしいですが、まだ試したことがありません。何時も作る楽しみだけで何年も昔の果実酒が地下収納庫に眠っています。


「接骨木の 二つ並んで 咲き比べ」


[2322] 白木蓮 [PC]  2016/03/03 06:58:53    [削除]


   モクレン属の花はこの欄で一番アップが多いはずです。昨年も何度か登場させました。花が大きくて目立つのでつい写真に収めています。紫色のモクレンより、ハクモクレンの方が早春の青空に映えます。冬の間は殻に閉じこもっていたのが、陽射しが長くなってくるとコートを脱ぎ棄て、真っ白な花が顔を覗かせる様子が“春が来たよ”と告げているようでロクを嬉しくさせます。
 ハクモクレンは中国東部原産ですが、渡来時期は判らないようです。1660年代には記述があるのでそれ以前に入って来たのでしょう。中国では花と蕾は薬用にされ、花弁は食用にされているようです。種子からは油を採るとのことです。仲間のコブシ・タムシバ・ホウノキ・オオヤマレンゲなども良い香りがするので、モクレン属にはたっぷりの精油成分が含まれています。


「颯爽と 飛び出す如き 白蓮の」


[2324] コピー [PC]  2016/03/04 07:11:02    [削除]


   以前、奈良町の「からくり玩具館」に行った時に、江戸時代から明治頃まで楽しまれていた『目付絵』に感心して、アイデアを戴いて植物バージョンで作ってみました。その時友達からこんなのもあるよと、動物イラストで作った『不思議カード』と言うのを見せて貰いました。これを観察会で利用出来ないものだろうかと考えて、水鳥観察用のものを作りました。皆さんからの反応は好評で、気をよくして今度は椿バージョンです。これらのアイデアは全て借りものです。写真と使い方だけがオリジナルなのです。作者が判れば紹介したいのですが……。
 今日、トンボのメガネでは福寿草観察会もあるので、皆さんに開花の様子を伝えたくて歩いて来ました。我が能勢ではまだ春らしいモチーフが見つかりません。苦肉の策として昨日頑張って作った、次回観察用の『お好きな椿』を紹介しました。


「盗っ人も アイデアだけでは 咎ならず」(川柳)


[2325] 雛飾り [PC]  2016/03/05 06:50:57    [削除]


   今年も花折街道の雛飾りを観に行って来ました。竹雛の趣向が毎年変わり楽しませてもらいますが、今年は土雛が無かったのでがっかりです。自治会館に展示されている歴史あるお雛さんも、ヨガ教室とかで観ることが出来ません。町興しで始められたイベントですが、せっかく楽しみで遠くからも参加してもらったのに、教室が終わってから見て下さいというのはあまりにも失礼だと思うのですが。主催者である観光協会などと、地域住民の感覚のずれを感じました。
 途中でお寺に寄りましたが、そこではお茶の接待があり、霰も袋に入れて提供されています。訪いを乞いましたが、無住寺なのか応答がありません。粋な計らいに心ばかりの志納をして立ち去りました。


「雛暖簾 潜り古刹に 憩い在り」


[2326] 観劇 [PC]  2016/03/06 07:49:33    [削除]


   午前中は男の料理教室で鹿肉が手に入ったので、塩麹を浸みこませた鹿肉のハンバーグと竜田揚げを先生が考えてくれた。能勢ならばこそのジビエ料理だ。サークル会員の農家の方が、採れたて野菜を提供してくれるので、新鮮野菜たっぷりのヘルシーメニューが食卓に並ぶ。
 大阪のてっぺん能勢から東大阪の若江岩田まで観劇に行くので、後片付けもそこそこにバスに乗り向かう。4時からの開演には余裕を持って到着できたが、帰りの時間が気になる。劇団「息吹」の団員から毎回案内が届く。今回の公演は井上ひさし作の「闇に咲く花」-愛敬稲荷神社物語ーメッセージは“父さん、ついこのあいだおこったことを忘れちゃだめだ、わすれたふりをしちゃなおいけない”戦争への道を突き進む暴走政治への警鐘と思った。帰宅は9時前になり、能勢は遠い、まさに大阪のてっぺんだ。


「啓蟄と 聞いてバス待ち 苦にならず」


 [2328] 紫鷺苔 [PC]  2016/03/07 07:18:41    [削除]


   普通4月頃から咲き出すムラサキサギゴケが開花しているのに出合いました。やはり今年は総じて花の開花が早いようです。花姿から鷺の舞いを連想して名付けられました。後ろに苔とついているのは、茎が地面を這って拡がっている様子からですが、一般的に言われているコケ植物ではありません。
 良く似た仲間にトキワハゼと言うのがあります。何時も観察会で、どちらだろうと迷うほど似ています。大まかに言って匍匐しているのがムラサキサギゴケで、茎が立ち上がっているのがトキワハゼです。花の色と大きさもムラサキサギゴケの方が勝っています。花期の長さは常盤と言うぐらいですからトキワハゼが秋頃まで開花しています。


「田んぼ道 色を注したる 春の草」


[2329] 関西蒲公英 [PC]  2016/03/08 07:03:08    [削除]


   タンポポと言うのは日本に20種ほどするキク科タンポポ属の総称です。世界には400種ほどあります。属の特徴はロゼット状の根生葉から花茎を出し、先頭に1つの頭花を付けることです。花茎は分枝もしないし、途中に葉も付けません。タンポポによく似た花にブタナがあります。しかしこちらは花茎が分枝して頭花を複数個付けるので、タンポポ属ではないことが判ります。
 月並みな花ですが、やはり春を一番感じさせてくれる花です。別名で田菜(タナ)と言われるくらい生活域に自生しています。最近はセイヨウタンポポに押され気味ですが、滋養強壮・健胃・がん一般などの薬効が薬理実験で確認されているので、春の味として食卓に乗せたい野草です。自分で作ったことがまだ無いのですが、根っこのタンポポ珈琲も試してみたいものです。


「童顔 コーラス帰り 鼓草」


 [2330] 虚空蔵山 [PC]  2016/03/09 08:02:52    [削除]


   帰ってからネットでコースを調べてみたが見つからないマニアックなルートで虚空蔵山に行って来た。幾つもの山を越えながらの縦走コースで、JR篠山線の草野駅スタート~遠回りして山上山390m~大谷山417m~八王子山496m~虚空蔵山597mから藍本駅に戻るというハードなコースだった。頂上でお昼の予定だったがアップダウンの多いコースで、結局頂上には1時半前になってしまった。下山は一度通った事のある簡単コースで駅まで2時間もかからなかった。
 最近山行回数が減っているので、筋力の低下か足の重かったこと。山行前のアルコールは控えているので、息こそ上がらなかったが、同じように足も上がらなかった。川西池田駅で降りた後の階段の厳しかったこと。打ち上げの人参に釣られて改札口に辿り着いた始末。(*^_^*)


「杉花粉 くしゅん一つ こだまして」


 [2331] 深山樒 [PC]  2016/03/10 07:34:17    [削除]


   ミカン科ミヤマシキミの雄花の蕾かなと同定しました。まだ蕾なので雌花の子房があるかまで確認出来ないのですが、円錐花序の花の多さから雄花にしました。よく似た仲間にツルシキミがありますが、あまりにも似ているので区別がつきません。ミヤマシキミは福島県以西の日本原産種です。葉にアルカイドを含む有毒植物ですが、頭痛やめまいなどの民間薬として使われて来たようです。煎じ液を虫下しに使ったと紹介されています。
 ハイキングでよく見かける植物なので、何気なしにミヤマシキミと言っていますが、同じようなところに生える、ジンチョウゲ科のコショウノキもあるのでうっかりした事は言えません。ただコショウノキは花の数が少ないのと、花期や実のなる時期が速いので区別しています。


「何も無き 山に香りの 弥生来て」


 [2332] 食事時間 [PC]  2016/03/11 06:54:10    [削除]


   窓から覗いていると鹿の一家が山から下りて来て、萌えだした若草を食べに来ています。14~5頭もいるでしょうか。見ている分には愛おしいのですが、地元の農家の方には農作物を荒らす憎たらしい害獣です。鉄砲打ちが少なくなり駆除はもっぱら檻や罠に頼っているばかりです。行政も考えているようですが、これといった解決策を見出せない状態です。ロクは鹿牧場を機会ある毎に提案していますが、聞き入れて貰っていません。と言うより肝心な人に届いていないといった方が正しいでしょう。
 二月堂のお水取りが始まっていますが、松明に使う真竹がピンチを迎えていると報道されていました。こちらは猪がタケノコを食べ尽くしてしまうので、松明用に使う真っ直ぐで太さも揃ったものが調達しにくくなっているようです。奈良の鹿も増え過ぎているので捕獲できる地域を拡げたとの報道もありました。シカ害・イノシシ害困ったものです。今朝も芽吹きを食んでいます。


「朝一に 眺める癖の 春の鹿」


 [2333] 玉の浦 [PC]  2016/03/12 05:43:07    [削除]


   何とも云えない綺麗な椿「玉の浦」の子孫です。長崎県五島市の旧町名「玉の浦」から付けられた命名です。炭焼きを生業としていた故有川作五郎さんが昭和22年に、旧「玉の浦町」の山で偶然見付けました。それを町長であった故藤田友一氏が椿の品評会で発表して見る間に愛好家の間に広まりました。受難を受けたのは発見された母木です。枝や根を持ち帰られ枯死してしまったようです。いま世界中に広まっているのは玉の浦の子孫で、名前に「玉の糸」などと玉やタマが冠されています。
 能勢で歩きまわってもあまり春を感じられないので、都会の植物園に足を運びました。長居公園にある植物園です。今朝は椿の紹介ですが、春を先取りしている花々を、機会があれば古くならない程度で紹介したいものです。


「水甕に 浮かべたき彩 落椿」


[2334] お水取り [PC]  2016/03/13 07:41:44    [削除]


   山友会の例会は足腰の状態が悪いという方が増えて来たので、今回はお水取りクライマックスの奈良公園にしました。鹿寄せも13日が最終回と言う事で、せっかくの機会だからと皆さんを案内しました。今回の奈良はトンボのメガネで2月に訪れたコースのトレースなので効率よく皆さんを案内出来ました。前回は移動にバスを使いましたが、今回は山友会と言う名前が泣くので歩いて貰いました。因みにコースは鹿寄せの飛火野~保護施設「鹿苑」見学~手向山神社~二月堂~頭塔~奈良町散策でした。
 二月堂には全国から講を組んで来られている方でごった返しています。休憩場所はどこも満員です。多分竹などを奉納された講かもしれません。昨日の籠松明はクライマックスにふさわしく、今までより2m長い8mで重さも20k重い60~70kだそうです。写真は本番前のスタンバイ中の籠松明です。


「御水取 終えて季節の 一めくり」


 [2335] ヒキガエル [PC]  2016/03/14 07:19:08    [削除]


   昨日はひとくらクラブの活動日で、鹿の防護ネット設置や樹木に名札を付けたり、観察道をつける作業など森の整備をしました。自然大学校のカエル調査をしている仲間が「ひとくら通信」と言う広報誌を見て、ヒキガエルの生息調査に訪れました。公園の2個所に作られたビオトープ池にはたくさんの卵が産みつけられ、ロープ状の卵塊の中では、孵化しそうな状態にまで成長しています。日当たりのよい別の池では、孵化直後で13ミリほどのオタマジャクシがおしくらまんじゅうになっています。
 昨年も同じ池でたくさんのオタマジャクシがいたのですが、それがニホンヒキガエルだったのです。日本には他にアズマヒキガエルと渓流にすむナガレヒキガエルがいるという事も教わりました。ヒキガエルと云うのは俗に云うガマガエルの事です。昔、滋賀県の武奈ヶ岳から持って帰り、再び山に返しに行ったもらった苦い経験を思い出しました。


「陽だまりで 微かに尾振る 蛙の子」


[2337] 金花茶 [PC]  2016/03/15 06:24:23    [削除]


   キンカチャと云うのは黄色い椿の総称です。1965年に中国の広西省地方で初めて発見され「幻の黄色い椿」として注目を集めました。その後ベトナムにかけて50種ほどが確認され、日本には15種が持ち込まれています。何れにしても珍しい椿で、長居植物園と奈良の万葉植物園でしか見た事がありません。写真は長居植物園の椿エリアに1本だけ在りました。その横には菊花茶とかチューリップタイムなどの珍しい椿も鑑賞できます。
 キンカチャはアルミニューム耐性植物と云われ、その成分で黄色く発色するようです。アジサイなども土壌によって花色が変化するのと同じ理屈です。18日金曜日11時前頃から服部緑化植物園で椿のレクチャを受けます。興味のある方はご参加下さい。


「際立ちて 厚葉に黄色の 椿咲く」


 [2338] 河津桜 [PC]  2016/03/16 07:44:41    [削除]


   1955年に静岡県河津町で発見されたカワヅザクラです。カンヒザクラとオオシマザクラの自然交雑種と考えられています。早咲き桜で花期の長いのが特徴なので、3月1ヶ月間は花見を楽しめそうです。関西でもソメイヨシノが咲くまでの間、いち早く桜を楽しんでもらおうと、公園などへの植樹が増えています。
 昨日はじねんクラブと云うサークル例会で、新たに国宝になった石清水八幡宮と、伏見区淀水路の河津桜を訪ねました。淀競馬場の池から溢れ出る水を水路とした人工河川に170本ほど植えられていて、今が盛りと花を咲かせています。周辺住民以外に観光客にも来てもらおうという試みです。メジロも我々に負けじと訪問しています。


「早咲きの 桜に遊ぶ 目白かな」


 [2339] 小賀玉木 [PC]  2016/03/17 07:34:32    [削除]


   オガタマノキが花を付けている。別名で常盤辛夷と云うらしい。モクレン科の常緑樹で花がコブシを小さくしたようだから、こちらの方が植物の生態を表しているように思う。日本原産で関東以西の日当たりの良い所に自生しているようだが、神社でしか見た事が無い。名前の招霊(おがたま)から神社をイメージしてしまう。神木以外に葉を香料に、樹皮を鳥モチに、材は床柱に使われるようだ。
 オガタマノキの仲間で、中国原産のカラタネオガタマも神社の境内に植えられている。こちらは開花が5月頃になり、花色も淡い黄色で何とも言えない芳香を放つ。その香りはババナエッセンスの様で、香りの花ベストテンにランクされるだろう。


「葉の陰で 香り抑えし 辛夷在り」


[2340] お猿さん [PC]  2016/03/18 07:16:05    [削除]


   定例の検診日から一目散に帰り、工作に没頭した。干支工作の申は年末から年始にかけて何回も作ったので、今年のお猿さんの工作は終わりと決めていたのだが、自然大学校の仲間からストラップタイプのお猿さん3種類を頂いた。それがなかなか可愛く仕上がっている。そのアイデアを戴いて、少しバージョンアップしたものを作ってみた。手を加えなければならないので大変だが、試作品として写真の数だけ作ってみた。我ながら上出来だとほくそ笑んでいる。
 彼から頂いたものはお猿の横顔だけをストラップにしたものだが、左右の横顔を貼り合わせると、立体感が出て見栄えも良くなると考えて作ってみた。確かに見てくれは良くなったが、手間は倍以上かかり大量生産には向かない。今年のトンボのメガネでサルの観察会も予定しているので、それまでに参加者に差し上げる分は作れるようにしておきたい。


「検診日 歩幅も広く 彼岸入り」 


[2341] 椿山 [PC]  2016/03/19 07:14:43    [削除]


   服部緑化植物園に椿を訪ねた。園内では「この指たかれ」と云うボランティアの団体があり、そこの椿に詳しい仲間から案内して頂いた。彼とは昨年知り合い、椿の展示会にも参加させてもらった関係から『トンボのメガネ』今年度最終回は椿山と決めていた。心配していた雨も降らずに、今を盛りと咲く色とりどりの椿に、皆さん堪能されたようだ。落椿を放置しておくとキノコが生えやすくなり、椿を痛める話など眼から鱗だった。特にロクを満足させてくれたのは、手のひらに垂らして貰った椿の蜜を味見出来たこと。メジロやヒヨなどの小禽たちと楽しみを共有出来た。
 午後からは別のメンバーに園内を案内して頂き、我々の観察会と違った切り口での案内に、また新たな再発見をすることが出来た。サクラの蕾も膨らみ、木々の芽吹きなども観察出来て、植物園は身近な自然を提供してくれる。お二方に感謝したい。


「色香たち 何で誘うか 椿山」


[2342] 閉校式 [PC]  2016/03/20 06:50:34    [削除]


   今まで学校支援ボランティアとして度々お邪魔していた地域の小学校の閉校式に招かれて参加して来ました。能勢では6小学校と2中学校が全て廃校され、今年度から新築された学校に小・中学生は転校になります。昨日訪れた学校は141年の歴史を持ち、地元の方々が巣立って来られた学校です。計画が持ち上がった段階から、能勢の将来が無いと反対して来ましたが、多数派の声になりませんでした。
 新学校は我が家の窓から見える丘の上にあり、これからは校内放送や子どもたちの声が聞こえてくることでしょう。今は鹿が若草を求めて山から下りて来ますが、4月からは子どもたち一色になります。一抹の寂しさと、子どもたちの歓声に包まれる環境を想像して複雑な気持ちになっています。


「卒業を 待たず半ばで 母校去り」


[2343] 葉蘭 [PC]  2016/03/21 08:18:53    [削除]


   常緑の多年草ですから和風庭園に欠かせないハラン(バラン)です。また日本料理を引き立てる脇役として使われて来ました。多分ハランには抗菌作用があるので使われたのでしょうが、最近は味気ないプラスチック製のものにとって代わられました。実際にハランの乾燥根茎には利尿、咳・痰、滋養強壮の薬効があるようです。中国原産でかなり古くに渡来してきたようですが、すっかり日本に帰化してしまった感がします。
 初めてハランの花と実を観察しました。葉をかき分けて覗かないと見付けられない暗紫色の目立たない花です。その横にキンカンぐらいの球形の果実まで在りました。ハランは蝸牛媒花(かぎゅうばいか)と言われる植物で、カンアオイやオモトなどと同じようにカタツムリやナメクジによって花粉が媒介されます。自生している処で花や実を採取して、観察してみたいのですが、鹿児島県辺りの島に行かないと自生種は無いようです。


「目立たずに 葉蘭の根元で 穀雨待ち」


 [2344] 植樹 [PC]  2016/03/22 07:47:46    [削除]


   川西里山クラブのイベントに「ひとくらクラブ」の仲間と参加してきた。妙見の森でのクヌギの植樹と里山再生を研究されている大学の先生の講演会。ブナ科コナラの古木にナラ枯が拡がり、その対策として林を若返らすためにクヌギの幼木を植樹するというもので、初めての体験をしてきた。石の多い急斜面に孟宗竹で土止めの基礎を作り、その上を掘って苗木を植えて行く作業だが、慎重派のロクは2本しか植えられなかった。
 伐採された薪を使ってダッチオーブンでピザが焼かれている。お昼には煙の香りがぷんぷんするピザが参加者全員に1枚ずつ振舞われた。手作りロケットストーブでは引き立てコーヒーが香っている。素朴な野外料理の味に大満足。午後からの先生の講演も、眠気を吹き飛ばす里山再生の実験報告で、いろんな切り口で里山再生を考えようという目から鱗の内容だった。


「幼木の 芽吹きに明日の 夢託し」


 [2346] 甘菜 [PC]  2016/03/23 07:01:53    [削除]


   50歩100歩と云う山サークルから地元の三草山に行って来ました。皆さんをバス停でお迎えし、勝手知ったる田園風景を登山口まで案内しました。後のコースはリーダーにお任せです。下山は猪名川町の槻並集落を通り、最終目的地の屏風岩までアスファルト道を延々と下って行きました。
 空は晴れ渡り、田んぼの脇にはツクシや蕗の薹がたくさん出ているので、皆さん前に進みません。ロクはそんなものには目もくれず、早春の花を探しながら歩きました。何と貴重種になってしまったアマナが咲いています。これもスプリング・エフェメラルに入るのでしょう。夏季には枯死してしまい、地下部の根茎だけが来年の春まで休眠します。甘菜と云うぐらいですから、昔から鱗茎や葉を食用にして来ました。ムギグワイとも呼んでいたようで、鱗茎を何となくイメージ出来ます。自然保護の観点から採取しては駄目な植物になりました。


「内緒道 甘菜の咲きし 農道を」


 [2347] 一休み [PC]  2016/03/24 06:58:09    [削除]


   今日と昨日の二日間は予定が入っていないので、工作でも作るかと取りかかったが、細工が彫刻刀を使う仕事なので肩が凝り、午前中でギブアップしてしまった。今年はフキノトウを採り損ねたので、息抜きを兼ねてフキノトウ探しに歩いてみた。既に花を咲かせていたが、まだ蕾の状態を保っているものだけを採取して帰った。もちろん蕗味噌を作るためである。
 帰り道、知り合いの農家のお年寄りが、農作業の合間の一休みの談笑を楽しんでおられる。やあ~!と気安く声をかけ暫しの時間仲間に加わった。ここでしか“若い人は良いね”と言って貰えない。ホウレン草とワケギを畑から引き抜いて持たせてくれた。感謝!


「ほころびし 話し言葉も 彼岸過ぎ」


[2348] 今朝の月 [PC]  2016/03/25 06:39:58    [削除]


   2日間予定の無いフリー曜日を過ごしたので、今朝は何時もより早く起きだして、天気はどうだろうと窓から空を確認しました。西の山に間もなく沈みかけの月が満丸です。空も晴れ渡っています。気温はと云うと室外、屋内とも2度です。氷点下にこそなっていないものの冬に逆戻りです。これが大阪のてっぺん能勢なのです。
 写真の下に写っているのが明日開校式を迎える新学校です。間もなく東の空に太陽が登ってきます。西の空の月は既に沈んでしまいました。能勢の将来を暗示しているような今朝の風景です。登ってくる太陽に期待するしかないでしょうね。


「あと暫し 残って欲しき 春の月」


 [2350] 燈台草 [PC]  2016/03/26 07:03:43    [削除]


   今朝も霜が降りているので外気温を確認に行きました。マイナス1度です。さて、昨日は下見を兼ねて摂津峡まで足を伸ばしました。目的は山野草の天ぷら材料が当日揃えられるか?所要時間はどれぐらいか?場所の予約は必要なのか?などです。それ以外にコース途中の足場とか、バスの時間など細かいチェックが要ります。年間24回の例会をこなしましたが、案内役は単純に見てその倍は行っている勘定になります。別に負担とか思っていません。
 下見の余禄です。トウダイグサが空き地全体を埋め尽くしています。まるで種をまいたようです。何とも変わった植物なので一度覚えると忘れられない燈台草、灯明を置く台に見立てて名付けられました。手折ると乳液が出てきます。手に着くとかぶれる有毒植物です。と云う事で薬草でもあります。


「土手道の そこだけ春を 独り占め」


[2351] 椿展 [PC]  2016/03/27 07:34:26    [削除]


   コーベ・カメリア・ソサエティ主催の椿展を訪ねました。先日服部緑化植物園で椿のレクチャーを受けた方からの紹介です。会場には和種・洋種の様々な椿の切り花が展示されています。和種と洋種の違いは、漢字表記されているのか、片仮名表記されているのかで、おおよその区別がつきますが、我々素人目には素朴だな、ゴージャスな大輪だな位の判断しかできません。そこでスタッフの方に椿鑑賞の案内を乞いました。懇切丁寧に案内して頂き、世界中で今も椿の品種改良が続いていることまで教わりました。
 春眠暁を覚えず、寝床から起き出すのにエイヤー!と気合を掛けないとなかなか脱出できません。暑さ寒さも彼岸までと云いますが、今年はそんな慣用句が通じない異常さです。今朝も霜が降りています。せめてこの欄で春を感じて貰おうと“椿”をアップしました。


「其々が 自分を生きる 椿展」


 [2352] 土筆 [PC]  2016/03/28 06:57:53    [削除]


   花言葉は「意外・驚き・向上心・努力」のツクシです。写真がまさにそれを表しているようです。石に押しつぶされないで、何くそ!と頑張っているように見えます。春一番の野草として皆さんに好まれています。フキノトウと並んで摘み菜の代表格です。ツクシの後に出て来るスギナには様々な薬効があり、乾燥させたスギナをミキサーにかけ、そのまま服用しても好いようです。乾燥葉はお茶にしたり、入浴剤にもなります。
 ツクシ誰の子スギナの子と童謡で歌われているように、両者は同じ植物でスギナは栄養茎でツクシは胞子茎のシダ植物です。トクサ科でトクサと同じ様に古生代の生き残り植物と見られています。ハカマと言われる部分は葉が退化したものです。


「何くそと 力合わせる つくしんぼ」


[2354] 土佐水木 [PC]  2016/03/29 06:56:28    [削除]


   トサミズキの花序が垂れ下がっているのが、なんとも素朴で可愛いです。仲間にヒュウガミズキがありますが、そちらの花は総状花序で塊に見えます。トサミズキは土佐で自生が確認さてれいる日本固有種です。高野山にも自生地がある様で、日当たりの良い蛇紋岩帯を好むようです。一方ヒュウガミズキの自生地は確認されておらず、日向にも無いようです。愛用の山渓ハンディ図鑑でも石川県から兵庫県の日本海側としか記されていません。
 ミズキと名が付くのでミズキの仲間かと思いますが、トサミズキもヒュウガミズキも春一番に花を咲かせるマンサクの仲間です。寒い春の幕開けでしたが、今日あたりから暖かい花見日和の陽気が戻って来るようです。やっとストーブから解放される朝が来るようになります。因みに今朝も霜が降りていました。


「簪を 風に任せて 土佐水木」


 [2355] 江戸彼岸 [PC]  2016/03/30 07:45:02    [削除]


   ひとくらクラブでお世話になっている方から、エドヒガンが3分咲きだよと云う連絡を頂き、川西市の天然記念物に指定された群生地の一つである水明台を訪ねました。20年ほど前から地元の方々が、渓のサクラを守ろうと森の整備をして来られました。毎年この時期一般公開され、昨年に続いてエドヒガンの観察をさせて貰いました。植栽された若木は手に取って花の観察が出来ますが、成長の早いエドヒガン、あと何年近くで観察出来るでしょうか。殆どが高木になっているので、離れた処から全体を見渡すのがエドヒガンの観方でしょうか。
 エドヒガンは別名アズマヒガンとも言われ江戸(東)の名前が冠されています。関東に多くの自生地や植栽地があったからでしょう。ご存知ソメイヨシノの片親です。本州と四国、九州から台湾まで分布しています。寿命も長く高木になり、天然記念物にも指定されている銘木が各地に在ります。「○○の淡墨桜」と云うのは概ねエドヒガンの古木のことです。


「影写す 清き流れに 江戸彼岸」


[2356] 春蘭 [PC]  2016/03/31 06:56:39    [削除]


   野生ランで春に咲くのでそのままシュンランと名付けられた。冬に咲くカンランもあるが、絶滅危惧種でお目にかかったことが無い。中国シュンランとの3種を総称して東洋ランと呼ばれている。シュンランは江戸時代から園芸用として好まれ、葉の斑入りや紅花、白花などが珍重されたようで、古典園芸植物と云われている。花と茎は食用になり、根を乾燥させて粉末にしたものはひび・あかぎれに効くらしい。花酒にしたり、塩漬けにした花の蘭茶などは目出度い席に供されたようで、昔から好まれてきた植物である。
 昨日は展葉調査の活動中に仲間が林の中で見付け、一昨日はエドヒガンの保護活動地で何株ものシュンランを観察してきた。野生のものを見ると嬉しくなってくる。盗掘されずに来年も同じ所で咲いてくれるか、爺婆の心配事がまた増えた。因みにシュンランの事を別名で「じじばば」と呼ぶらしい。


「淡き花 腰を屈めた 春蘭の」


[2357] 大島桜 [PC]  2016/04/01 07:12:47    [削除]


   昨日は天満橋まで出掛ける用事があったので、ついでに足を延ばして大阪城のサクラを観に行って来ました。全体的にはまだ3分咲きぐらいでしょうか。天神橋大川のサクラも同じぐらいの開花で、明日皆さんと訪ねてみようと思っているので、その下見もしてきました。写真はオオシマザクラで、ソメイヨシノのもう一方の片親と云われています。白い花が他のサクラよりも大きく、一緒に出て来た瑞々しい葉とマッチして、何とも言えない優雅さを持っています。
 オオシマザクラは別名を餅桜とか薪桜と呼ばれています。葉っぱの塩漬けしたものを桜餅に使います。香りの成分クマリンを含んでいるので、なんとも言えない芳香を放ちます。また成長が速く材が柔らかいので薪炭用としても栽培されていたようです。乾燥樹皮には様々な薬効もあるようです。名前の由来になっているように伊豆大島や房総半島などに自生地があります。


「緑葉が 桜の白さ 際立たせ」


[2358] 踊子草 [PC]  2016/04/02 06:49:35    [削除]


   トンボのメガネの定例観察日だったが、終日の雨予報が出ていたのでやむなく中止連絡を送った。しかし主催者としては連絡を見ていない人がいたら困るので一応現地まで行ってみた。案の定メール連絡を確認せずに来られた人がいたので、予定のコースを案内した。小雨降る中、背割堤の桜を観賞しながら、目的のオドリコソウを追っかけた。河川敷の環境が著しく変わり、ブッシュ状態でなかなか前に進めない。スパッツを付けていない足元は雨の滴で濡れている。かなり奥まで進んだところで、茂みの陰にオドリコソウを見付けた。ほっとしたのも束の間、携帯にエリアメールが入り地震情報が。こんなところにいたら大変とそそくさと脱出。昨年も雨に遭いここは鬼門だ。
 シソ科オドリコソウは多年草なので、毎年同じ所に花を咲かせてくれる。野草とも思えない優雅な花で好きな植物である。全草が山菜として利用出来る。乾燥させたものを布袋に入れて浴剤にすると腰痛に効くらしい。次回行く時には山菜狩りとして訪れたい。


「春雨を 舞台装置に 踊子の」


 [2359] 大川花見 [PC]  2016/04/03 06:17:18    [削除]


   午前中は天満繁昌亭の朝寄席で落語を楽しみ、終わってから近くの大川まで桜を観に行った。京都の旅仲間たちや奈良からも来られたので、結局案内する羽目になった。大川端にはぎっしりとシートが敷き詰められて、我々団体の潜り込む余地が無い。散策程度の予定だったのでシート類も持って行かなかったが。しかし、お昼時だったので弁当も摂りたい時間になっている。
 何処にでもあるようだが、会社などの花見の場所取りを請け負う仕事があるようだ!広い場所にシートを拡げて、夕方まで場所を確保しておくらしい。“何でも屋”と云うような「よろず承り商売」なのだろう?そこでアルバイトしている気の良い若者が、夕方まで空いているから、自由に使って下さいと声を掛けてくれたので、渡りに船とばかりに甘えさせてもらった。缶ビールが驚くほど高かったが、ご馳走様でしたと応える若者の声に、爽やかな気持ちで花見を終えることが出来た。


「ひらひらと ブルーシートに 花弁の」


[2360] 黒文字 [PC]  2016/04/04 06:58:22    [削除]


   特徴のあるクロモジの花が膨らんで来ました。雌雄異株ですがこの段階では良く判りません。自生地によって開花の状況が違う様で、高地では花が先に咲き、低地では花と葉が同時に出て来るようです。高級和菓子の楊枝に使われる話は有名ですが、樹皮からアルコール成分を含む精油が採れるようです。ダンコウバイ、ケアブラチャンなどクロモジ属の仲間から採った精油をクロモジ油として、石鹸などの香料などに使われます。材は傘の柄などの細工ものに使われるようです。
 昨日の奈良のサークルで野草料理の会があったので、クロモジ茶でも提供しようかなと探しましたが、全然見つかりませんでした。様々な薬効があるのでお茶にして香りを楽しんだり、クロモジ酒を作ったりして活用したいものです。桜が終わった頃から山菜料理の時期到来で、今年も忙しくなりそうです。


「黒文字の 黄花が山を 染め始め」


 [2361] 団栗発芽 [PC]  2016/04/05 06:15:06    [削除]


   こんにちは赤ちゃん~♪と呼びかけたくなるような団栗の赤ちゃんをこの時季よく見かける。特にコナラのドングリが赤くて目立つ。写真はコナラかクヌギか区別が付かない。外の殻がコナラより丸いのでクヌギかなと思ったりしている。生命力溢れる春の息吹を感じるが、果たしてどれだけが実生で育つのだろうか。
 大型の鹿が出る所ならまず食べ尽くされてしまう事だろう。小型のリスやネズミたちは発芽したドングリを食べないのだろうか。同じ所で定点観察を続けたいところだが、近くで観察できる場所を特定できていない。ブナなどは数年おきに大量の実を付けて、リスなどを介して実生で育つ可能性はあるようだが。


「春眠を 終えて団栗 殻破り」 


[2362] 姫踊子草 [PC]  2016/04/06 07:05:07    [削除]


   ヒメオドリコソウは何処にでもあるヨーロッパからの帰化植物で、あまり興味をそそられませんが、偶に白花があると珍しくって皆さんにも紹介したくなります。愛用の図鑑で調べてみても掲載されていないので、ネットで検索してみたら、各地で観察されていて、シロバナヒメオドリコソウとして植物的に確立しているようです。
 一株しか見付けられなかったシロバナヒメオドリコソウを、同じ場所で2日後に写真を撮って来た仲間がいて、写真を見せてくれたのには驚きました。野の花を慈しむ仲間と喜びを共有できたようで、僕たちの観察サークルが驚きやときめきを求めて、野山を駆け回りたくさせてくれる出来事でした。


「春萌に 真白き小花 凛として」


 [2364] 猩猩袴 [PC]  2016/04/07 07:24:06    [削除]


   次回のトンボのメガネで野草料理を提供するので、菜箸は手作りのものを作りたいと竹を切りに出かけた。ついでに山菜の状況も確認したかった。タカノツメが少し顔を出しかけた段階で、タラの芽もまだ硬い。あと1週間ほどで採取できるまでになってくれるか、今日の温かい雨が成長を促してくれることに期待したい。
 毎年ショウジョウバカマが咲く道を歩いてみると、今が見頃と花が咲き誇っている。中国の想像上の動物「猩猩」は猿の様な顔で大酒飲みらしい。能の演目にもなっていて、頭が赤いところが似ていると名付けられた。ショウジョウバカマは常緑の宿根草でロゼット状の葉を袴に見立てたとのこと。大酒飲みの猩猩はとても他人とは思えない。


「花見酒 喰らい小躍り 猩猩の」


 [2365] 以呂波楓 [PC]  2016/04/08 06:19:32    [削除]


   今月のじねんクラブ例会は醍醐の桜を観賞しようと、日程を早めて行って来ました。醍醐寺は噂にたがわず凄い人出です。コースの最後に設定されていたので、拝観は省略して広い境内をそぞろ歩くに留めました。今回のコースは京都地下鉄小野駅から勧修寺を起点に、山科川沿いの桜を見ながら醍醐駅まで歩き、最後に秀吉気分になって貰おうという企画です。
 コース初めの勧修寺は醍醐天皇が900年に創建されたと伝えられています。落ち着いた雰囲気の庭園が素晴らしく、水戸黄門も訪れて寄進されたという変わった形の灯篭もあります。植栽されたイロハモミジの芽吹きです。早春に葉と花が一緒に出て来るイロハモミジは、桜の華やかさに劣らずしっかり自己を主張しているようです。最近の植物分類ではカエデ科からムクロジ科に変更されています。何でやろ?


「指を折り いろはにほへと 芽吹きたり」


 [2366] 石清水八幡宮 [PC]  2016/04/09 07:44:18    [削除]


   自然大学校講座生の頃の仲間たちとの同窓会で、今年2月に国宝に指定された石清水八幡宮を訪ねた。今年2度目の訪問になる。前回は外から綺麗になった八幡宮を眺めるだけだっが、今回は仲間の予約で、昇殿して中を拝観させてもらった。神道などにあまり興味が無かったが、今まで知らなかった神社の仕組みなど、神官に案内してもらい楽しく勉強させてもらった。
 八幡市はエジソンゆかりの地で、一躍竹で有名になった。そこでNPO法人の「八幡たけくらぶ」の顧問をしておられる仲間が今回の企画を組んでくれ、男山の活動拠点にもお邪魔させた頂いた。竹林の整備活動や竹細工同好会の活動なども紹介してもらい、締めくくりの食事会でシニア健在を確認し合った。


「八幡の 朱に彩差す 残り花」


 [2367] 蓮華草 [PC]  2016/04/10 07:28:33    [削除]


   紫雲英とも表記されるレンゲソウです。中国で英とは花をさす言葉らしいです。中国原産で古くに渡来して来ました。マメ科植物は空気中の窒素を取り込んで、地中の根粒菌と共生して窒素を増やすことが出来るので、緑肥として大切な植物でした。しかし、化学肥料が普及して昨今ではレンゲ畑を見ることが出来なくなりました。
 昨日からシニア自然大学校の地球環境「自然学」講座が始まりました。京大名誉教授の田中克先生の主宰でーいのちのふるさと海と生きる社会を目指してーが講座のテーマです。森は海の恋人と云う考えは随分と定着して来ましたが、森と海の間の里も重要な役割を持っています。農薬に頼って来た農業も見直される時期に差し掛かっています。緑肥で育った無農薬の美味しいご飯が何時食べられることでしょう。


「物言えぬ げんげが送る メッセージ」


 [2368] 紅葉苺 [PC]  2016/04/11 07:23:54    [削除]


   バラ科イチゴ属の花がいたるとことに咲いています。殆どがクサイチゴと思いますが、山道では写真のモミジイチゴも咲き出しています。一般にキイチゴと言われる種類で、美味しいイチゴです。果実が黄橙色だから黄苺といわれています。木苺との説もありますが、他のイチゴ属も木本ですから木より黄の方が合っているように思います。
 このキイチゴは美味しいだけじゃなく色んな薬効もあるようです。二日酔いには果実を数個生食すれば収まるとか、乾燥させた根は下痢、腹痛に効くようです。モミジイチゴ酒は美肌、疲労回復、食欲増進になるようです。二日酔いの苦しさは遠い昔のことで忘れてしまいましたが……(*^_^*)


「花色が 黄から白に 移る春」 


[2369] 三葉躑躅 [PC]  2016/04/12 07:56:54    [削除]


   北摂の山の会と云うサークルから久し振りのハイキングに行って来た。リーダーが良く周知の山だったが、のっけからコースが宅地開発で寸断され、ブッシュの中を探し歩きやっと山道に合流できほっとした。だれも文句を云わないほど林の中にはコバノミツバツツジが咲いている。比較的短いコースだったが全コースでミツバツツジが咲き誇り、楽しませてもらった。因みにミツバツツジには小葉以外に大山・東国・西国・南国などを冠する種類が各地に自生している。
 ロクの目的は山歩き以外に、山菜採取も兼ねていた。今週金曜日の野草料理に提供出来る山菜があるかどうかが一番の関心事だった。リョウブとサルトリイバラは採取できたが他の山菜は見つからない。里に下山したところで、採れない場所にタラの芽を1本見付けた。家に帰ってから改めて採取に出掛け、出始めたタラの芽をたくさん採取して帰り、これで皆さんに喜んで頂ける。


「山道に 桃色躑躅 照り映えて」


 [2370] 采振木 [PC]  2016/04/13 07:01:50    [削除]


   尾根道を歩いていると、驚くほどの花を付けたザイフリボクが遥か彼方に咲いている。別名シデザクラと云われるバラ科植物である。采振木とは武将の采配に見立てて名付けられたもので、四手桜は玉串などに添える四手に見た立ている。こんなに咲いているものは過って見たことが無い。庭木や公園にはアメリカザイフリボクが植えられていて、実が出来た時には時々失敬していた。ジューンベリーと云われるぐらいだから果実としても好まれている。写真の分は山の中だから多分自生で咲いているものだと思う。こちらも実が出来るが食べられるのだろうか、まだ食した経験が無い。
 早春の黄色い花から次第に白い花が目立つようになってきた。季節は着実に進んでいるが、寒暖の差が激しく、昨日の朝は霜が降りていた。今朝はどんより曇り、窓から見える桜も色あせて来た。今年たくさん咲いていたタムシバはすっかり姿を消してしまった。今日から三連ちゃんで観察に出る予定だが、天気だけが意地悪しそうだ。せめて金曜日の野草料理だけでも晴れて欲しい。


「山中に 今を盛りと 四手桜」


[2371] 立山竜胆 [PC]  2016/04/14 21:58:12    [削除]


   関西ではあまり見られないタテヤマリンドウです。ハルリンドウの高層湿原型変種と見られています。スキー場などで雪解け後に何とも言えない可愛さで出てきます。ヨーロッパの山で観るゲンチアナの雰囲気が漂い、見付けると嬉しくなります。リンドウは基本的に秋の花ですが、こちらはハルリンドウの仲間ですから今が最盛期です。
 リンドウは好きな花なのでこの写真俳句でも何回も取り上げています。下の検索欄で確認してみて下さい。地元の三草山でも頂上にハルリンドウが咲いているのですよ。熊の胆より苦い竜の胆を充てています。良薬口に苦しそのもので胃薬などに使われます。


「星の花 春雨浴びて 輝けり」


 [2373] 座禅草 [PC]  2016/04/15 06:00:03    [削除]


   達磨大師が座禅を組んでいる姿に似るところからザゼンソウの名になった。ミズバショウと同じサトイモ科の仲間だ。日本海側の湿原などに群生する様だが、自生の群生地をまだ訪ねた事が無い。管理された公園や植物園で見かけるが、自生に近いところで見付けるとやはり嬉しくなる。暗紫色の仏焔苞の中にあるものを肉穂花序と呼ばれているが、たくさんの小花が付いている。匂いを嗅いだことが無いが、特有の悪臭がある様で、馬も食べないという。
 ミズバショウとザゲンソウはサトイモ科で毒草かなと思っていたが、救荒食として利用されてきたと知った。奥飛騨ではどちらも食べられてきたらしい。昨夜は熊本で大きな地震があったので、長崎に赴任している息子に連絡を取ったり、テレビにかじりついて状況把握をしていた。今日の座禅草は被害の少ないことを願う仏の姿だ!


「地震国 原発要らぬと 座禅草」


 [2374] 野草料理 [PC]  2016/04/16 06:55:32    [削除]


   今回の「トンボのメガネ観察会」は趣向を変えて、五感で観察してみようと、食べられる野草探しに徹した。摘み草をしながら、芽吹き始めた摂津峡を楽しみ“あくあぴあ芥川”と云う学習センターの敷地で採取してきた野草を、みんなで手分けしながら間違いないかを確認。同定できたものを順次天ぷらにして食べて頂いた。
 野草料理は初めてだという人もかなりいて、次々と揚がってくる天ぷらに舌鼓を打たれたようだ。好評だったのはヨモギのホットケーキ、ノビルの天ぷらなどで、セイタカアワダチソウを食べるのは皆さん初体験で、こんなに美味しいものだとは知らなかった、という驚きを感じて貰えた。前もって用意していたタラの芽などの山菜も好評だったのは云うまでもない。


「口中に 拡がる香り 春草の」


 [2375] 二輪草 [PC]  2016/04/17 07:20:19    [削除]


   金曜日の重い荷物が腰に負担をかけたのか腰痛になり、昨日はゆっくり休もうと決め込んで音楽など聞いていた。が、回遊魚の(ロク)マグロはじっとして居れない。少し出かける用事があったので周り道をしてニリンソウを訪ねた。この欄で何度も登場させているので開花は4月半ばと判断していた。
 何時もの群生地に何輪ものニリンソウが風に揺らいでいる。二輪が同時に咲かずに少し遅れるのは、種の保存のためと云われているが……。ギリシャ語では風の娘と云う意味らしい。地下の根茎で増殖していくから、採取されなければ大群落を作る。若葉は山菜になるが、トリカブトと間違えやすいので食べないことにしている。と云うよりも春の妖精としての花を楽しみたい。


「控えめな 遅れ花待つ 二輪草」


 [2376] 草蘇鉄 [PC]  2016/04/18 07:10:02    [削除]


   クサソテツなどと書くと他人行儀な感じになってしまう。癖の無い山菜として好まれているコゴミと云った方が馴染み深い。春に出て来る栄養葉の屈んでいる状態を採取する。見ている間に大きくなり可食時期を逸してしまう。放置空き地にコゴミが出ていたので、根元をかき分けて失敬して帰る。目安は茎に葉を付けていない状態のものが良いように思う。
 今週も野草料理を提供しなければならないので、暇を見つけては採取に出掛ける。昨日もタラノメ、コシアブラ、コゴミを採りに行き、ゲット出来たものを冷蔵庫で眠らせている。コゴミがどれだけ鮮度を保ってくれるかが心配の種である。心配事がそれだけかと云われると困ってしまうのが、九州や北海道にもロクの心は向いている。


「青空に 連帯拳 突くコゴミ」


 [2377] 丸葉青椨 [PC]  2016/04/19 06:39:58    [削除]


   マルバアオダモの木が目立つようになって来ました。トネリコの仲間で遠くから見ると白い花が霞のように見えます。マルバと云うのは葉が丸いというのではなく鋸歯が無いことを意味しています。別名でホソバアオダモと云われる位の葉形です。樹皮や枝を水に浸けておくと藍色の蛍光を発するらしいです。そこから「アオ」になり「ダモ」はタブノキの別称とのこと。
 アオダモがバットの材料だという事は可成り知られています。それ以外に箪笥などの家具、スキー板や天秤棒に、さらに薪炭用としても利用される用途の広い材です。樹脂には薬効があり、古くから洗眼用に用いられてきたとの記述もあります。今日も観察会で出掛けますが、多分マルバアオダモが迎えてくれることでしょう。


「山笑い 過ぎない様に 抑え役」


 [2378] 五葉通草 [PC]  2016/04/20 06:56:54    [削除]


   アケビ三兄弟が咲いていました。写真がゴヨウアケビなのかミツバアケビなのか区別がつきかねています。観察会の現地では皆さんと3種類の違いを確認し合っていたのですが……。普通のアケビは葉っぱが5枚の小葉からなる掌状複葉です。花も白から薄い桃色でよく見かける花です。一方、ミツバアケビは小葉が3枚で花は暗紫色です。アケビとミツバアケビの自然交雑種がゴヨウアケビと云われています。確かにゴヨウアケビの観察をしていると、中に3葉の葉も混じっていました。
 秋に出来るアケビの実は競って採り合いますが、春の新芽も山菜として利用出来ます。ただ量的にボリュームが無いのでロクはあまり採取しません。昨日は天ぷら用にアカメガシワの新芽を採取して帰りました。


「川沿いに 色も気高き 木通咲き」


[2379] 花点草 [PC]  2016/04/21 06:56:06    [削除]


   イラクサ科のカテンソウ雄花です。まさに点の様な小さな花であまり目立ちません。雌花は葉の脇にへばりついているので探さないと見つかりません。イラクサ科の特徴は雄花が開花する時、外側へ花粉を弾き飛ばすバネ仕掛けになっているようです。写真はまさに花粉を飛ばした後の姿です。5つの雄しべが星型に開いているのがなんとも可愛いです。上手くミクロな写真が撮れました。
 愛用の山渓ハンディ図鑑で調べても良く判らな時には、ネットの「松江の花図鑑」のお世話になります。カテンソウの雄花・雌花や葉の特徴など何枚もの写真データを公開しておられるので勉強になります。


「春の野に 笑い弾けし 花点草」


 [2381] 山菜三昧 [PC]  2016/04/22 06:24:15    [削除]


   山菜料理を味わう会を年金者組合と新婦人支部との共催で企画した。ところがあいにくの雨に。キャンプ場での開催予定だったが、大人数では屋根のある場所に収まりきれない。今回は北摂地域の各行政区からも来られるという事で、中止するわけにもいかない。仕方なく会員さんの建物をお借りして実施に踏み切った。高槻・茨木・箕面・豊中・池田・吹田・豊能町などからの参加者で熱気にあふれた山菜パーティーになり、皆さんに初物の山菜を味わって頂けた。
 地元の新婦人の方々はタケノコの炊き込みご飯や山菜の和え物などを人数分提供して頂いた。残りは全て天ぷらで提供。タラノメ・コシアブラ・アカメガシワ・ヤブツバキ・タカノツメ・カキノキ・コゴミ・ノビル・カキドウシ・ユキノシタ・ヨモギ・ドクダミなどなど。余ったタラノメなどは最後にお持ち帰りして頂いた。クロモジ茶やヨモギ入りとスギナ入りホットケーキを提供したのは云うまでもない。


「両の手で 一つパチンと 木の芽かな」


 [2382] ヨコヅナ
サシガメ [PC]  2016/04/23 07:39:27    [削除]


   ヨコズナサシガメに出合うのは今年2度目です。カメムシの仲間で昭和初期頃九州に上陸したようです。水棲昆虫のタガメと同じように、他の生き物の体液を吸って生きています。昆虫が苦手と云う方もおられますが、自然観察をしていると、木の幹などで見かけることもあり、間違って刺されたりしたら大変ですから、しばらくお付き合いください。ヨコヅナと云うのは成虫の体側模様が白黒模様だからでしょうか。大きいからとも云われています。サシは体液を吸うために刺すから。ガメはカメムシを表しています。
 写真は成虫の羽化直後のもので赤色をしています。これは防衛本能で派手な色にして鳥たちから身を守っているのかもしれません。珍しいものに出合えたと思っています。観察していると何時も新たな発見があり、好奇心をくすぐります。


「芽吹き時 うごめく命 また楽し」


 [2383] 三柏 [PC]  2016/04/24 06:14:35    [削除]


   京都北区深泥池のミツガシワです。東北や北海道など寒帯、亜寒帯に育つ氷河期生き残り植物で、遺存種植物と云われる貴重種です。深泥池は湧水で出来た池だから水温が低く、貧栄養だったことが氷河期植物を留めたと考えられています。他では見られない貴重な生物が生息しているので、ここでは生物群全てを含めて天然記念物に指定されています。皆さんと一緒に来ることになっている5月初旬までミツガシワの花が残ってくれているか?
 ミツガシワは今まで何箇所かで群落を確認していますが、花の観察は初めてです。ガガブタの様な花が下から次々と咲いて来ます。上の蕾は紅色を帯びなんとも清楚な花です。咲き終わると球形の実を付けていきます。中国では根茎を睡眠を誘うとして食べられ、ヨーロッパでは苦味健胃薬として用いられているようです。


「階段を 登りつめたる 三柏」


 [2384] 奈良八重桜 [PC]  2016/04/25 07:07:22    [削除]


   天然記念物に指定されているナラノヤエザクラを「奈良の自然を観察する会」で訪ねた。カスミザクラ(ケヤマザクラ)の重弁化した品種で、一般に云われているサトザクラの八重桜とは趣が違う。結実するが子孫は先祖返りしてカスミザクラに戻ってしまう。奈良公園では最後に咲く桜として一番たくさん植えられている。通年5月初旬に満開を迎えるらしいが、今年は今が最盛期と咲き誇っていた。九重桜と云うのもあるが既に散ってしまっていた。
 元々はカスミザクラの突然変異で重弁化したものだが、今は挿し木で増やされているので、ソメイヨシノと同じ様にクローンの桜である。他にも普賢象・ウコン・御衣黄・関山・楊貴妃などの里桜を観察出来た。


「見飽きた 云うほど桜 追っかけて」


 [2385] 鎌柄 [PC]  2016/04/26 06:16:48    [削除]


   鎌の柄に使われるところからそのまま名付けられたカマツカです。ウシコロシの異名を持ち、牛の鼻輪として使われていました。それほど強靭な材質だという事です。観察会で出合うと必ず名前の由来など得意気に話しています。名前にそぐわずバラ科の特徴を備えた綺麗な5弁花を咲かせてくれます。秋に出来る実は甘くておいしいのですが、肝心な時になかなか出合えません。果柄のつぶつぶに特徴があるので間違えることは無いのですが。
 何年か前にアップしていますが、今年は随分と開花が早いようです。たくさんの花を付けてくれるのでよく目立ちます。冬に落葉しても葉柄の基部が冬芽を保護するために残っているのを観察したいと思っています。しかし、葉を落としたカマツカと同定出来ずに困っています。


「鎌柄の 出番とばかり 咲き誇り」


[2386] 衝羽根空木 [PC]  2016/04/27 06:59:22    [削除]


   久し振りに50歩100歩の山歩きに行ってきた。リーダーも体調を崩し2週間ぶりの山歩きとのこと。3人だけの寂しいハイキングだったが、それ位がゆっくり山を楽しめると自分を慰める。最近は所属する山クラブメンバーの高齢化、軟弱化が進み、足腰の状態が良くないとか、体調が優れないとかで存続の危機にさらされている。かく云うロクも皆さんと同じスピードで年齢を重ねているのだが……。
 山ではコバノミツバツツジは僅かに残っているだけで、ウツギの季節に替わって来た。新緑が目にまぶしく、鶯が鳴き交わし気持が良い。写真は萼が追い羽根に似ているのでツクバネウツギと云われている。卯の花でお馴染みのウツギはユキノシタ科で、こちらはスイカズラ科である。日本固有種だと云われると何故か愛おしい。


「尾根道に 忍び音洩らす 空木花」


 [2387] 吊広告 [PC]  2016/04/28 05:41:49    [削除]


   あれっ!と眼を見張る吊広告が目にとまった。透明のプラスチック用紙に筆の写真が印刷されている。興味を持ったロクは座席から立ち上がり内容確認をしに行った。何でも大阪市立美術館の80周年記念の特別展らしい。中国の書家王義之(おうぎし)から空海までの書が展示されているとのこと。帰ってから王義之についてネットで調べてみたのは云うまでもない。
 一時、書も習ってみたいと思ったことがあったが、アウトドアー派のロクには時間が取れなかった。絵に関しても同じである。基本デッサンが出来ていないのでつまらない絵になってしまう。何でもしてみたいのだが、何もものにならないジレンマに陥っている。まあいいか!


「車窓から 春風流れ 揺れる筆」


[2388] 瓊花 [PC]  2016/04/29 05:57:30    [削除]


   終日雨予報の中、唐招提寺に『瓊花(ケイカ)』を訪ねた。鑑真和上の故郷揚州の花で、隋の皇帝・煬帝が特に好んだと云う事で門外不出とされてきた。1963年に一本の瓊花が唐招提寺に贈られ、挿し木で増殖して、今は10株になっている。ここ唐招提寺以外では皇居と鑑真和上が上陸した佐賀県、あとは東大寺に栽培されているのを見るのみである。ガクアジサイに似ているが、1つの頭花に5弁の飾り花を8つ付けている。別名で八仙花とも云われている。因みにガクアジサイの飾り花は4枚である。
 じねんクラブのOP観察会として企画されていたが、一応雨のため中止との連絡が届いた。興味ある方はどうぞと云うことで、西の京に行ってみると殆どの方が参加されている。観光客も少なくしっとりした雰囲気の中でケイカを鑑賞することが出来た。今が見頃でケイカの芳しい香りに境内は包まれている。雨予報が素敵な時間と空間を提供してくれた。


「春雨の 雫を纏い 香る花」


[2389] 白根葵 [PC]  2016/04/30 06:47:48    [削除]


   金剛山に行って来た。と云っても観察会ルートと時間配分の確認だから、往復ケーブル利用と云う楽ちんコースを、時間をかけながら観察してきた。頂上付近の気温は4℃で昨日の北海道と同じ寒さだ。晴れ予報になっていたが曇り空で寒い観察会下見になった。しかし、コースには色んな花が咲き出し、帰ってからの写真整理に困るほどの春の花々が我々を迎えてくれた。
 日本海側高山地帯に咲くシラネアオイの群落が大きな花を咲かせている。日光白根山に多くの自生が見られるのでシラネが冠されている。日本特産種で1種1属のキンポウゲ科植物である。淡青紫色の花弁に見えるのは実は萼片らしい。何度か佐渡島にシラネアオイを訪ねたのを思い出す。


「咲き出した 白根葵も 首竦め」


[2391] 山藤 [PC]  2016/05/01 08:37:45    [削除]


   朝方は寒さも残っていたが、日差しと共に暖かくなって来たので散歩に出た。あまり訪ったことのないお寺の説明板に宝篋印塔の写真があり、観てみたいと思っていたところ、僧衣を纏った女性が出てこられたので、後を追っ駆け訪ねてみた。彼女が今から行くお墓に安置されているとのことで案内してもらった。今風の化粧で目の辺りがきらきらしている。彼女と別れて山道に入るとヤマフジがあちこちに咲いている。勝手にヤマフジだとっているだけでしっかり確認していない。
 ヤマフジの自生地は日本の西南部だと云われていて、後は全てノダフジと云う事。したがって西日本ではヤマフジとノダフジが自生している。日本原産で古来から親しまれ、改良園芸品種もたくさん作られ、先日訪れた奈良の万葉植物園には、花穂が地面まで垂れさがるほどの九尺と云う品種や、麝香藤と云う香り高い藤や、黒龍と云う八重の藤まである。ノダフジを始め園芸品種はツルが右巻きだが、ヤマフジだけが左巻きになっている。右か左かを確認すれば済む事だが、それがなかなかややこしい。ロクは親指を立てて拳を握り、右手の指先方向にツルが伸びているか、左手かで判断しているが、それでも判らなくなってしまう。瞬時に判る見分け方を教えて欲しい。


「先急ぐ 尼僧微笑み 藤の花」


 [2392] 山瑠璃草 [PC]  2016/05/02 06:01:26    [削除]


   少し湿り気のある山の斜面で見かけるムラサキ科のヤマルリソウです。場所によって淡い水色だったり、ピンク色だったりしますが、基本色は名前の由来になっている瑠璃色です。この花も日本原産種で福島県以西の本州と四国、九州に自生します。我が家の猫の額花壇には絶滅危惧種のムラサキが毎年大きな株を作ります。まだ確認していませんが染料になる根茎が大きくなっていることでしょう。残念ながら自生のムラサキに出合ったことがありません。
 連休は誰も遊んでくれないので、ひたすら妻のお伴をして出掛けます。今日も次回の山案内のための下見に付き合わされます。六甲ではあまりヤマルリソウを見かけませんが、今日は目的の一つにそれも探してみたいものです。自分の楽しみも折り込まなければ……。(*^_^*)


「瑠璃色の 春宝石を 散りばめて」


[2393] 山躑躅 [PC]  2016/05/03 07:39:19    [削除]


   小鳥の鸚鵡(オウム)は何とか諳んじて書けるが、躑躅は読めこそすれ漢字で書いてみろと言われるとなかなか書けるものではない。ツツジは日本特産種で、各地に色んな種類のツツジが自生している。園芸品種を加えると300種ぐらいになるらしい。万葉の時代から親しまれている植物なのに、なんとも難しい漢字を充てたものだ。葛城山のヤマツツジは有名だが、自生しているものなら何処の山でも観ることが出来る。緋紅色の花を山で見かけると近寄ってみたくなる。色も様々で白色まであるらしい。因みにヤマツツジは5月4日の誕生花らしい。明日アップすれば良かったかな。
 昨日は芦屋ロックガーデンから東おたふく山にコースを採り、荒地山を経由して下山する予定だったが、どこで間違ったのか、とんでもない道なき道に紛れ込み、テープを頼りに歩き進むと下山途中の地点に戻ってしまった。花を愛でる間もなく夏日の中の辛い山下見だった。


「幼木も 自己を誇示せし 山躑躅」


[2394] 谷空木 [PC]  2016/05/04 07:26:07    [削除]


   タニウツギが咲き出す5月になりました。これも日本原産で日本海側に多いと言いますが、どこの山でも7月頃まで自生が見られます。名前の通り渓筋に多く咲きますが、日当たりの良い尾根などでもよく見かけます。タニウツギ属の仲間にはハコネウツギやニシキウツギもあり、公園などに好んで植栽されています。
 タニウツギが米の増量材としての糅(かて)になるとは知りませんでした。愛用の山渓図鑑に記述がなかったからです。葉を乾燥させたものを水に浸し、蒸してから筵に保存しておくと幾十年と味が変わらないと紹介されていました。若葉をそのまま揚げ物など山菜として利用したり、健康茶にも使われるらしいです。


「急坂で 休む口実 谷空木」


 [2395] 三角蔓 [PC]  2016/05/05 07:16:33    [削除]


   連休さなかも休むことなく継続されている週1回の展葉調査に参加してきた。娘がご機嫌伺いに来てくれていたが、ローテーションに組み込まれているのでそちらを優先した。殆どの落葉樹の展葉レベルは4で、しっかり最終段階に達していた。常緑樹ではアセビがあと一歩でレベル3ぐらい、ヒサカキがレベル2と云う段階だった。あと1~2週間で全ての樹種は展葉してしまうだろう。
 調査中に他の植物を観察出来る楽しみがある。ウリカエデがプロペラを拡げていたり、サンカクヅルが花の時期を迎えていたりするのに出合えた。多分以前に取り上げた記憶があるが、花の写真は初めてだと思いアップしてみた。サンカクヅルは野葡萄の仲間で熟すと食べられる。酸味も少なく結構美味しい。昔、修験者が山で修行している時に、喉の渇きを癒すためにサンカクヅルのツルを切り、中の水分を呑んだという伝説から“行者の水”と云う別名を持つ。


「暦より 早く夏立ち 喉乾き」


[2396] 野点 [PC]  2016/05/06 06:16:37    [削除]


   5月5日子どもの日には毎年知り合いの茶道の先生から野点への招待を受ける。厚かましくも友達にも声をかけ一緒に参加させて頂く。我々は客としてお邪魔しているが、会のメンバーさんたちはお稽古の一環として催されている。一服戴いてすぐに退散するもの失礼かと思い、お稽古の様子をつぶさに拝見させて頂いた。会員さんたちは「お濃い」の練習で、お手前の方を中心に色々指導を受けながら進めておられる。お薄を喫する機会は度々あるが、お濃いはまだ経験したことが無い。夜中に目が覚め暫く寝付けなかったが、もしお濃いを戴いていたら朝まで眼が冴えていたことだろう。
 歌垣山の頂上には土を盛り、寄せ植えまで準備されている。青竹で組んだ炉には鉄瓶が吊るされ、程良い温度のお湯が沸いている。赤い毛繊に正座してしばし日本の伝統文化に触れて来たが、ロクはやっぱり柏餅の味に惹かれているきらいがある。


「山頂の 野点お供に 柏餅」


 [2397] 白花杜若 [PC]  2016/05/07 07:12:47    [削除]


   日本三大カキツバタ自生地の一つ京都府北区の「太田の沢」をトンボのメガネで訪ねて来た。愛知県刈谷の「小堤西池」、鳥取県岩美町の「唐川湿原」それぞれ天然記念物に指定されている。太田の沢では鹿害に遭い、かなり花の数は減っているが、防護ネットを作り対策を取られている。写真の白花カキツバタは、大田神社より少し離れた深泥池に自生しているカキツバタで、こちらも生物群の一部として天然記念物に指定されている。
 名前の由来は花の汁で布を染めた所から「書き付け花」と呼ばれ、それが転化してカキツバタになったらしい。漢字表記で杜若を充てているのがロクを悩ませる。“いずれが文目か杜若“と似ているものの例えに使われるアヤメとカキツバタであるが、アヤメは山地の乾燥地に自生して、カキツバタは水湿地でしか自生できない。花被片の色や模様でも見分けられる。アヤメは網目模様になっており、カキツバタには白い筋がくっきり見える。因みに梅雨時に咲くハナショウブは黄色である。


「雨露を 真珠代わりの 杜若」 


 [2398] 菖蒲 [PC]  2016/05/08 07:06:50    [削除]


   観察会でショウブの花が咲いているのを見付けました。皆さんに紹介すると怪訝な顔をされています。アヤメ科のハナショウブやキショウブをイメージされているので、どうやらピンとこなかったようです。端午の節句に用いられるのはサトイモ科(現在はショウブ科)ショウブ属のこちらです。根茎には万能薬と云っていいほどの様々な薬効があります。葉っぱにも精油が含まれていて芳香があります。子どもの日に風呂に浮かべて香りを楽しみました。
 日本では民間薬としてショウブの根茎を使いますが、中国では同属のセキショウを使っていたようです。漢字表記も中国の石菖(菖蒲)をそのまま持ってきたようです。因みにアヤメと混同されるのは、漢字変換するとアヤメも菖蒲になっているからでしょう。混同を避けるためにも図鑑では片仮名表記される所以です。


「母の日に 便り無いのは 無事かなと」


 [2399] 野草料理 [PC]  2016/05/09 06:50:42    [削除]


   今年は既に4回目になる野草料理の会で腕をふるってきた。今回は「ひとくらクラブ」の例会で、昨年から野草料理と燻製を採り入れるようになった。健康茶もその道の自称プロ級の方が、昨年よりバージョンアップしたものを作って全員に小分けして頂いた。野草料理・燻製・健康茶を提供するスタンスは手作りで自然のものを戴こうという所にある。
 野草料理は天ぷら以外に和え物や煮物なども各種作って頂き、春の野生の味を経験して貰った。燻製ではチップ作りから始まり、材料こそ購入したものを使ったが、アウトドアー料理の醍醐味を味わってもらえた。健康茶は薬効まで記した資料を提供して頂き、不老長寿で200歳まで長生きしたら…という心配まで与えてしまった。


「夏野菜 出回るまでの 凌ぎ技」