ハグロトンボは神様の使いとして昔から大切に扱われてきた。彼らの活動期間が真夏だと言うことにも関係する。ちょうどお盆の頃なので、先祖がトンボに姿を変えて帰ってきたと言い伝えられている。ハグロトンボが止まっている様子が合掌しているように見えるとも言われている。また田んぼの虫たちを食べてくれるところから「神様トンボ」として崇められている。戦国武将にも「勝ち虫」として象徴化された歴史も持つ。そんなありがたいハグロトンボの交尾をしっかり観察する。彼らは子孫を残すために必死で、近づいても逃げないのを幸いに写真に収めることが出来た。神様の使いも愛の営みをするのだ。
散歩道にコナラの枝先がたくさん落ちている。どれもが同じように葉を2~3枚付けた状態で地面に落ちている。そこにはまだ熟れていない青いドングリも付いている。つぶさに観察すると殻斗のあたりに小さな穴が空いている。犯人はゾウムシの仲間、ハイイロチョッキリらしい。ドングリに穴を開けてそこ中に卵を産み付ける。枝先を落とすのは植物の防御機能から逃れるためである。以前に紹介したクロウリハムシが葉に溝を彫り、防御物質を避ける戦略を持つのと同じだろう。
家の近くで自然の営みを観察出来る贅沢は何物にも代えがたいが、公共交通機関という足がなく、鎖国状態におかれるのが一番つらい。
「ウクライナ 羽黒蜻蛉も 合掌し」