ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

秋の気配

               行ってらっしゃい~!

              帰燕準備のツバメたち

               アキノエノコログサ

          ムラサキエンノコ?

                最後のサギソウ


 今年は夏休みが例年よりも短く8月23日までだった。子どもたちにとっては友達と会えるという楽しさを差し引いても、1週間ほど損をした気持ちになっていることだろう。見守り隊としても24日から朝立ちをスタートである。1ヶ月も見なかった子どもたちの背丈が伸びているのを実感できる。
 定点で彼らが来るのを待ち、国道まで付き添い、信号を無事に渡るまで見守るのだが、既に帰燕準備を始めているのか、田んぼを飛び交うツバメが目立つようになってきた。電線にもたくさん止まっている。ある日を境にすっかり見かけなくなり、秋になったのだなと思う日がまもなく訪れる。
 夏場に目に付いたエノコログサ(猫じゃらし)に代わって、穂の長いアキノエノコログサが目立つようになってきた。エノコログサの仲間も何種類かあり、サークルでも観察対象の一つである。既にコツブキンエノコロを見かけたし、ムラサキエノコロも確認した。
 我が家で育てているサギソウも最後の1輪を残すだけになってしまった。代わりにヒオウギが毎日咲いてくれるのが慰めである。年ごとに株を増やし、それぞれが1日花を咲かせてくれるので、花壇に朱色を注してくれるのがありがたい。


「電線で 点呼を受ける 帰燕前」

屋根上の深山鶉(ミヤマウズラ)

             屋根上に咲くミヤマウズラ

             葉の斑がウズラの卵に似る


 昨年のサークル年間計画に組み込んだいたミヤマウズラだったが、コロナの蔓延で遠出は避けたいとの自主判断で、赤目48滝訪問を断念した事を思い出す。今回はそんなこともあり是非とも再訪してみたいと思った次第である。
 ミヤマウズラはラン科シュスラン属の多年草である。花姿はシュスランに似るが、葉がウズラの卵に似ているところから名付けられた。深山を冠しているだけあって余り見かけない貴重種である。山歩き途中の山道でひと株でも出会えたら嬉しくなる野性ランである。初めてのご対面は妙見の高代寺山で数株見付けたのが印象に残っている。雨予報だったので大事をとり中止連絡を入れた山コースの例会先だった。ところが集合駅に数人来られたので、雨具をつけて登り、雨に煙る中の崖にひっそり咲いていたミヤマウズラだから忘れることが出来ない。
 赤目48滝のミヤマウズラが休憩場所の屋根に群生しているという情報は以前から伺っていた。それが何処かまでは判らないので、屋根にも目を配りながらの歩きになる。所々の斜面に咲いているのを赤とんぼさんが目ざとく見付けてくれる。地味な花なので旨く写真に収められない。目指すコースの中間点ぐらいの東屋の屋根に群生状態で咲いている。通過する殆どの方は素通りされるが、我々は宝物を見付けたように小躍りした。遠出した甲斐が一気に報われた感の小旅行だった。ウクライナを舞台にした「屋根の上のバイオリン弾き」が頭をよぎる。ユダヤ人排斥の歴史背景をテーマにしたミュージカルである。


「此処にだけ 爽気漂う 野性蘭」

岩煙草(イワタバコ)

            最盛期に観てみたかったイワタバコ

                入口到着はお昼前


 我がサークルで訪れた訪問先でもイワタバコを何ヶ所かで見付けたことがある。渓流の対岸だったりして、花の咲いている様子を間近で観察出来たためしがない。それほど貴重な憧れのイワタバコを、赤目48滝でたっぷり観てきたよ!とサークルメンバーから得意気に話された。そんな情報を聞かされて、指をくわえているロクではない。来年の例会に使えないものだろうかとサークル事務局メンバーと訪ねてきた。
 能勢から三重県の赤目48滝まで行くのは大変である。数年前に例会として訪ねたことがあるが、最近は能勢のバス本数が減らされたおかげで滝口に到着できたのは昼前になってしまった。1時間あまり歩けば滝口まで到着できるのだが、それだと渓流沿いを歩く時間を短縮しなければならない。半時間あまり待ってバスを利用した。
 雨が続いたおかげで水量がたっぷりあり、それぞれの滝は迫力満点だった。我々の目的はイワタバコとミヤマウズラである。残念ながらイワタバコは最盛期を過ぎてしまったが、上流に進むにつれて所々に咲き残ってくれていた。群生状態のイワタバコも壮観だが、一輪二輪をつぶさに観察出来るのも赤目48滝ならではある。
 イワタバコは渓流の岩場などに煙草の葉を思わせるぐらい大きな葉を茂らせている。昔から健胃の薬用として使われ、山菜としても利用されてきたらしい。生の葉は少しの苦みがあるところが、独特の風味として好まれるようだ。山菜として好まれてきたので山ジシャ、岩ジシャ、岩タカナなどの地方名を持つ。貴重植物だから採取はしないが、山菜料理として提供されていたら飛びつくこと間違いなしだろう。


「滴りを 浴びて妖艶 岩煙草」

葉から芽(マザーリーフ)

         鉢植えの「葉から芽」を水に浸けて観察スタート

              数日で根を出してきた

               タヌキマメ開花の様子

           最近の息抜き


 セイロンベンケイソウに初めて出会ったのは確か石垣島に旅した時だったと記憶している。空港内の売店に並んでいた「葉」を購入して帰り、水につけておくと新たな不定芽をたくさん出すことを知り、多肉植物の戦略に驚いたものである。その後、別名で「葉から芽」や「マザーリーフ」と呼ばれているのを知り、そちらを使うようになった。
 熱帯産植物だから寒冷地の能勢では冬越し出来ない。鉢植えしたものを室内に持ち込んでも凍結してしまう。小笠原に行った時には自生している葉っぱをお土産用として持ち帰った。それも能勢では枯らしてしまい、ちゃんと育てておられるサークルメンバーの赤とんぼさんから、葉を里帰りさせてもらったのが、現在生き続けている何代目かの「葉から芽」である。冬季に葉だけを採り、水につけておくと凍結しないことを学んだ。
 準絶滅危惧種のタヌキマメがやっと花を咲かせ始めた。この植物は1年草だから種を採取しておかなければ絶やしてしまう。こちらも親元はロクだが、赤とんぼさんから毎年苗を里帰りさせてもらっている。辛うじて生き続けているのはサギソウだけである。今年は200輪を咲かせる予定だったが、26輪しか咲いてくれなかった。赤とんぼさん宅は40輪ほど咲かせたらしい。全てで負けている😞


「葉から芽を せめて水風呂 秋暑し」

蝗・稲子(イナゴ)

                交尾中のイナゴ

               一粒ずつポットに

      道の駅でブルーベリーを仕入れてジャムに


 家の周りは言うに及ばず、散歩道でも田んぼを避けて歩く道など無い。そんな田んぼでは早生の稲が頭を垂れ黄金色に変わりつつある。雀が忙しなく往き来しているが、収穫量を左右するほどの被害は出ていないのか、特段の手当てをしているわけではない。
 イナゴが飛び交うのもこの時期である。害虫として駆除対象に入っている昆虫だが、余り目くじらを立てて駆除されているようには見えない。苗の段階でイナゴの発生状況を確認し、農薬散布など判断されておられるのだろう。カメムシに実(米)の汁を吸われると品質を落とすが、イナゴは稲の葉や茎などを囓る程度だから、収量には影響しても品質を落とすことにはならないので寛大なのかも知れない。
 「蝗」と表記されるのは漢語で、大量発生するバッタのことらしい。日本ではトノサマバッタが該当するらしいが蝗害に至るほどの大量発生はしていないようである。因みにイナゴというのはイナゴ亜科の総称で、狭義でも日本にいる8種類のイナゴ属を指すらしい。「稲子」という表記の方が日本らしい。と言うのは古くからタンパク源として食用にされてきたからである。いわば日本での昆虫食の先駆けでもある。
 知り合いの農家の方が作業小屋で白菜の種をピンセットで一粒ずつポットに入れておられた。コーティングされた仁丹粒のような種である。発芽率が良いようだが、それらは全て種苗店で購入しなければならない。見えないところで我々の食糧自給まで支配されている。種子法の骨抜きの所為である。


「いなご捕り 誘った君は 過去の人」