ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

夏の鍋

            規格外のナスも届く嬉しい日常


 暦の上では秋もかなり進み七十二候での「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」の季節。日の短さも実感できる様になってきたが、実態としては猛暑日が続き夏本番である。
 鮮魚を売りにしているスーパーに食材調達に行くが、まだロクと目を合わせる旬の魚に巡り会えない。捌き立てという鱧(はも)が目に止まった。ハモは自分で捌けない。骨切りが命である。天神祭の頃の浪速のごちそうである。湯通しして梅肉などで味付けするが、なんと言ってもハモ鍋が旨い。夕餉の献立は決まりだ。ブリの柵もみつけたので刺身と、余ればブリしゃぶ用に使えば良い。能勢の地酒「秋鹿」の「ひや」も冷蔵庫でいつ飲み切ってくれるのかと待っている。
 ハモ鍋の本場は淡路島である。大阪の泉州から淡路島にかけてタマネギの産地になっている。鴨にはネギが欠かせないが、鱧にはタマネギが欠かせない。淡路島の沼島で鱧料理を食べたいという妻を、満足させるほどの鍋ではなかったが、冷酒の進み具合から判断するに、もう淡路島に行きたいとは言わないだろうと確信できた。
 油蝉が来てくれて少し遅い真夏を演出してくれた。


「出遅れの 鱧に出番と 鍋にして」

棗(ナツメ)

               ナツメの実と葉っぱ

                キツネノマゴ

             オオニシキソウの杯状花序


 曇り空だったので買い物という目的を付加して散歩に出ることにした。照り返しこそないものの蒸し暑い。小雨も降ってきたので晴雨兼用の傘持参になる。室内なら短パンと下着で過ごせるが、たとえ散歩といえどもパンツを替え上着も必要だ。この面倒くささが一歩を踏み出すのを躊躇させる。これが老化の始まりなのかも知れない。
 農家の庭先でたわわに実を付けているナツメが目に入った。シュロの葉を断りなしに頂けることになっているお宅である。まだ青々とした実だが大粒のものを拝借して囓ってみた。少年期に淡路島の親戚の家で食べたのを思い出す。青リンゴの味がした記憶が残っているが、当時は農家にとっては大切な果物だったのだろう。薬用として使われていたのかも知れない。ナツメはクロウメモドキ科で、昔から日本全国で食用・薬用として栽培されてきた。漢方でも強壮・利尿・鎮静役として使われ、韓国料理として有名なサンゲタンにも欠かせない薬膳食材でもある。
 名前の由来は、実の形が茶道具の「なつめ」に似ているからという説と、夏に新芽をだすところから「夏芽」という説がある。童謡「あのこはだあれ」にも登場し ♪あのこはだあれ だれでしょね なんなんナツメの花の下~♪ 誰もが口ずさんだことだろう。
 小さな秋の草花も咲き出してきた。キツネノマゴが可愛い。唇弁花に見えるからシソ科と思いきや、ちゃんとキツネノマゴ科と独立した独自の世界を持つ。外来種のオオニシキソウの杯状花序も特異な形が興味を惹く。


「ピチピチで 大きさ競う 青棗」

先祖の遣い(墓参雑感)

           19輪目開花したサギソウも先祖の遣い?


 彼岸の中日や盆になると、何時も妻から墓参りを急かされる。それで渋っていると親不孝だとそしられる。墓参りに行かないのはそんなに親不孝なことなのかな?とアヒルのように
口を尖らさせながら着き従うのは毎度のことである。お盆連休のさなかに車の渋滞に巻き込まれるのが何よりの苦痛である。今年はお盆休みの帰省ピークが山の日だったので幾分国道9号線も空いていた。やれやれである。
 金子みすゞの世界に近づいてみたいと、たくさんの執筆者の考察などに目を向けると、彼女の生い立ちなどから「み仏」との関わりも見えてくる。あまたの作品にも宗教的色彩が強く、生命に対する「いたわり」が作品の根幹をなしているように見受けられる。まったくロクと対極にあるような金子みすゞだから新鮮なのかもしれない。
 さて、タイトルの「先祖の遣い」だが、トンボがお盆には先祖になって還ってくると言い伝えられている。お盆には先祖の霊を送り迎えするというスピリチュアル的な話である。特にハグロトンボは神様トンボとも言われている。毎年ビオトープ風花壇には彼らがたむろしているのだが、今年はそれに代わってジャコウアゲハが体の周りにまとまり着くほど訪問してくれる。墓からかえって花壇を覗くと、2頭のメスが卵を産み付けるために羽を休めていた。トンボの代わりに蝶が先祖の遣いをしてくれた。思い出す先祖はお互いの母親のことばかりである。


「盆の蝶 先祖の遣いと 羽休め」

スタージョンムーン🌕

         海遊館のスタージンベイザメ、おまけとしてイヌ鮫


 ほぼ満月の11日は曇り空で月を観ることが出来なかった。8月の100%満月は12日の午前10時半頃と言うから「興ざめ」である。そういえば8月の満月は「チョウザメ月」と言われ「興ざめ月」から来たのかと錯覚してしまう。英名でスタージョンムーンと言われ、チョウザメ漁が最盛期を迎える頃に準えたらしい。昼の月はチョウザメなので仕方なく十六夜月で我慢することした。今月の月は地球に一番近づく月で、スーパームーンに次ぐ大きな月と言われている。
 チョウザメに誘引されたわけではないのだが、海遊館に行ってきた。夏場の訪問先選びの下見も兼ねている。下調べしてくれた赤とんぼさんの情報によると、夏休みとお盆休みで入場制限をしていると言う。シニア仲間には楽しみ要素もいるので、サンタマリア号でのミニクルーズとセットでの企画が必要だ。
 30分以上の時間待ちも覚悟でチケット売り場に並んだ。入場とクルーズ乗船のセットチケットが確保できたのは11時前だった。出航は毎時00分発になっている。予定を変更してサンタマリア号に駆け込んだ。45分ほどのクルーズは風を楽しめた。圧巻は「みなと大橋」を潜る時にメインマストが当たらないかとドキドキさせてくれる。
 水族館は家族でごった返し子どもの声が館内にこだましている。コロナ対策を採っていると言うが、連休明けの陽性者の数値が爆発的に増えないことを願うばかりだ。サークルの訪問時期としては来年の9月第1金曜日を候補にしておきたい。


「8月の 昼の満月 鮫求め」

度が過ぎた😞

      1輪枯れて12輪目が咲いたサギソウ


 盆休みも返上して仕事をしなければならない教職に携わる娘夫婦たちが、時間を割いて来てくれた。過労死ラインを越える管理職の彼らを労ってやりたいという親心から、地元特産の黒毛和牛を提供する焼肉レストランに連れて行った。
 ステーキでも300gを優に食べることが出来る老人たちは、若い二人ならもっと食べられるだろうと手当たり次第にオーダーした。我々老人は霜降りロースなどが食べやすいのだが、彼らは牛タンや赤身肉、さらにカルビなどを好んで食べていたようである。もったいないという気持ちから赤ワインで流し込んで何とか完食した。
 帰宅してからは地元の酒で飲み直しである。冷やした清酒は宴を盛り上げてくれる。どんな話をしたのかも判らないぐらい飲み、昨日は寝不足気味ですっきりしない朝を迎えた。まだアルコールが体内に残っているなんて、親の沽券に関わるので弱音を吐けない。午後からの仕事を抱えている彼らを送り出し、昼食抜きで昼寝するという体たらくぶりの1日だった。夕飯時分になってやっと頭も回るようになり、終戦特集のテレビドラマを観られる日常復帰に辿り着けた。もちろんビールの泡も見たくなかったのは言うまでもない。


「ビール無き 国を旅する 夢を観た」