ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

金子みすゞの世界

                ホコリタケ幼菌


 名前と評価はかなり前から耳にしていたが、彼女の作品に触れる機会はあまりなかった。たまたま図書室に行った時に目に止まったので借りたまでの話である。断片的にはみすゞの詩に触れることがあっても、彼女の世界まで探求してみようという好奇心はなかった。今回借りてきた本も彼女の生い立ちや時代背景などからの考察が加えられているが、そんなことはどうでもいい話である。もともと童謡や童話は好きだったので、そんな興味から惹きつけられただけである。
 僕は今でも病気の後遺症で音読が出来ない。自分で紙芝居を作っても原稿が旨く読めないので、人に頼っている。ところが金子みすゞの詩は音楽性があるので声に出して読めるということに気付いた。もっと前から彼女に近寄っておれば、僕のリハビリに役だっただろうと悔やむことしきりである。今からでも遅くはないのでみすゞ作品を声を出して読んでみよう。せめて自作の紙芝居を演じることが出来るまでに!
 前進座が「四谷怪談」を舞台に乗せている訳ではないが、歌舞伎絵に惹かれてクーラー代わりに読んでみた。世の男性はいずれの時代でも “色と欲にはだらしがない” と言うことをあらためて知らされた。自死に追い込まれたみすゞもしかりである。


「大漁の 声が聞こそな 鰯雲」

化粧直し

                  足場撤去

            9日は7輪、10日は8輪のサギソウ開花


 やっと足場と覆いも取れて、風が四方から入って来てくれる。2週間の蒸し風呂生活から解放された。すでに暦の上では立秋を迎え、季節は秋へ秋へと歩を進めているようだ。ヒグラシを余り意識しないうちにツクツクボウシが鳴き出した。もちろん残暑はしばらく続くだろうが、暑さの中の幽閉を経験してきたのでへっちゃらである。ただビール生活に馴染んでしまったのを、いかに秋バージョンに変えるかを見付けられずにもたもたしている。9月の誕生日翌日からを休肝モードにしようかな?と都合の良い切り替えスイッチ日を模索している。
 能勢のベルサイユ宮殿(?)の化粧直しも終わり、お披露目出来るようになった。屋根はコーヒーブラウンにして、壁は限りなく白に近いベージュにした。色見本を見て決めるのだが、出来上がりに満足している。地元業者を使うという選択肢もあったが、大手に依頼したのが正解だった。全てに渡って丁寧な仕事ぶりだ。築30年あまりで途中に一度外壁塗装を施している。その時との比較でも工法などに開きがあるのを感じた。
 我々とすれば終の棲家にするつもりだが、ベルサイユ宮殿(?)ともなると子どもたちが後の管理人になりたがらない。まあ良いか~。


「薄化粧 秋の気配に マスク取り」

草玩具

          シュロバッタ・カタツムリ2種・熱帯魚

               5輪になったサギソウ


 夏休み元気ひろばで50人の児童に工作提供をする予定だったが、コロナ第7波の襲来で中止になり意気消沈していた。用意した50人分の工作キットをどうしてくれるのだと、声が漏れないぐらいで毒づいていた。たまたま夏休みに入ったので児童の間でのクラスターは沈静化してきたようである。
 再び教育委員会から9月の放課後にお願いしますとの依頼が届いた。もともと学校の子どもたちは全員孫だと思っているので、へそを曲げて依頼を断るということにはならない。受け入れ児童も20人に限定してくれるということだから、手取り足取りしながら対応できる「草玩具」を提供することにする。
 シュロの葉に絞って出来る何点かを提供したい。高学年には少し難易なバッタが良いのかなと思っている。カタツムリ2種と熱帯魚も作ってみた。先ずお手伝いを願うスタッフにマスターしてもらわないと、子どもたちに伝えきれない。あとはせっかく作り直した紙芝居も提供したい。目標が出来ると忙しさという張りが出て来る。アクティブロクの本領発揮というところか。今日は塗装工事の覆いも取れるので、やっと秋への旅立ちが出来る。


「日焼けした わんぱく坊主は 昭和まで」

映画『橋のない川』

               全国水平社発起人


 今年は全国水平社創立100周年に当たる。それを記念して能勢町人権協会は7月に人権啓発パネル展を開催された。全国水平社創立大会は1922年3月3日に挙行されたと歴史に刻まれている。「人の世に熱あれ、人間に光あれ」との高らかな宣言は、日本で最初の人権宣言と言われている。
 記念行事第2弾として『橋のない川』を上映するというので観に行ってきた。住井すゑ原作本に涙した思い出があるので、今回も再び泣かされるだろうなと覚悟して鑑賞してきた。ところが青春時代にあれほど差別への憤りに突き動かされたのが、今回の映画では伝わってこない。1969年に作られた今井正作品では被差別部落での生々しいまでの実体が描かれていたので、映画館から出るときに泣き濡れた顔を人に見られたくない思いをしたものだ。ところが1992年に作られた東陽一作品では、差別の実態をさらりと流してしまっているので、住井すゑ原作の感動が伝わってこない。
 そう言えば差別解放を訴える運動体が『橋のない川』今井正作品上映阻止のキャンペーンを張っていたこともあった。それに対して作られた東陽一作品だったのかもしれない。わさび抜きのにぎりを食べてきたような、後味のすっきりしない映画だった。


「今もなお 嘘とペテンの 夏議会」

狐の剃刀(キツネノカミソリ)

           散歩途中で出逢ったキツネノカミソリ

        雄しべが飛び出すオオキツネノカミソリ(参考画像)


 初めてキツネノカミソリを知ったのはシニア自然大学校に接してからである。それからは季節になれば群生地を訪ね歩いた。ところが能勢に移住してからは珍しい植物でなくなってしまった。散歩途中で見かける「普通の花」に格下げ状態である。しかも本種のキツネノカミソリ以外にオオキツネノカミソリまでが観察出来る。
 キツネノカミソリはヒガンバナ科で、同じようにアルカロイドのリコリンを持つ毒草だから、人々を近付けないために地獄花とか狐の松明、火事花などと呼ばれている。変わった別名ではフギソウ(不義草)というのまであり、その由来を確かめてみたくなる。葉は花を見ず、花は葉を見られないところからヒガンバナ科植物は相思花とも言われている。
 本来なら毒草だから鹿も食べないはずだったのに、最近の鹿はキツネノカミソリまで食べ尽くしてしまい、同じ郡内豊能町の初谷渓谷のオオキツネノカミソリ群生地は激減してしまい、鹿よけネットを張って復活させようと取り組んでおられる。因みにオオキツネノカミソリは関東以西に分布するらしい。違いは雄しべが花弁より長く突き出ていることで見分けられる。
 我が家のサギソウは3輪咲いてくれた。塗装工事も終わり火曜日には足場も撤去されるので、これからは水やりも出来るようになる。ロクのビールに負けないぐらい水分を供給してやりたい。


「緑陰に 在ってこそ映える 狐花」