ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

岩場の花を求めて


 妻の主宰するに山サークル「2木会」に準会員として入れてもらっているが、発言権は与えられていない。花の名前など知りたい時だけ前から声が掛かり、それに応じるという参加スタイルにあまんじている。
 ところが昨日は岩場に咲くヒカゲツツジを筱見48滝に訪ねるという。謂わば、岩場登りもヒカゲツツジもロクの守備範囲である。何度も訪ねたところだが、いつも花の時期にうまく巡りあえたと云う幸運に見離されている。今年も時期的には早過ぎるので、咲いていたらラッキーと言うぐらいの期待半分という気持ちで向かった。
 48滝を謳っているが、赤目48滝ほど滝があるわけではなく、語呂合せで始終(四十)流れ落ちる8滝があるよと言うことらしい。ところがこのコースはクサリ場の連続でストックが邪魔になる。三点確保でよじ登らなければならない。滝巡りだけでもスリル満点の難所続きである。クサリを頼りに登るが足場探しが大変で、11人のパーティーにもなると時間が掛かってしまう。コース的には短いので時間をかけて慎重に登り、事故も無く滝上まで辿り着くことが出来た。下山は周回コースを辿るので石車だけに気を付ければ良い。
 そんな岩場コース途中でヒカゲツツジが満開状態で迎えてくれた。ツツジ科ツツジ属だが植物分類学上ではシャクナゲに近いとされている。足元に気を付けながら見上げると、淡黄色のヒカゲツツジが陽光に透けて見えるのがなんとも言えない。最高の山歩きになった。


「黄躑躅 岩場に孤高と 咲き誇り」

白い世界

     サギゴケ・トキワマンサク・ヒラドツツジ・ハクサンボク・白椿

            繁殖期特有の冠羽を垂らすコサギ


 昨日ムラサキサギゴケの画像をアップした時に、白色のサギゴケが母種だと紹介したが、あいにく手持ち画像がなかったので割愛した。「まん防」下のサークル運営をどうすべきかという相談がてら、旬のサギゴケ写真を紹介したいと群生地まで足を伸ばして来た。
 昨日の画像紹介ではゴマノハグサ科と紹介していたが、最近ではハエドクソウ科に再分類されている。更に独立させてサギゴケ科とする細分化も進んでいるようだ。白花のサギゴケが母種とされているが、ムラサキサギゴケの方が母種ではないのかとの疑問を持っている。と言うのは、野草では概ね白花の方が貴重とされているからである。
 以前、白い花に惹かれると紹介したことがあるが、春の黄花から夏の白花に季節は進んできたように見受けられる。山に入るとクサイチゴの花が目立つ。公園などでは植栽されたヒラドツツジが色とりどりで美を競い合っている。なかでも清楚な白花が目を惹く。トキワマンサクも花盛りだが、白花が珍しいのでつい吸い寄せられる。椿までが白花でロクを招く。池の浅瀬では繁殖期を迎えたコサギが、長い冠羽を見せびらかして狩りの最中だ。のらちゃんまでが白猫という「白い世界」だった。


「春うらら 黄から白へと 流れ変え」

地獄の釜の蓋(キランソウ)

               シソ科キランソウ

           ゴマノハグサ科ムラサキサギゴケ


 何ともおどろおどろしい名前を付けられたシソ科キランソウの別名である。愛用図鑑の解説では、別名の由来は根生葉が地面に張り付くように拡がっているからとしている。また春咲の野草としては他に先駆けて咲き、彼岸に地獄の釜の蓋が開く頃に咲き出すからとも言われている。ジュウニヒトエやニシキゴロモがキランソウの仲間である。
 シソ科の特徴は茎が四角になっているのに、キランソウは地を這って拡がるためなのか、シソ科には珍しく茎は丸くなっている。昔から民間薬として利用され、漢方薬店でも乾燥葉をキランソウの名前で売られている。鎮咳・去痰・解熱・健胃・下痢止めの薬効があるらしい。地獄どころか天国を冠してやらなければならない。外用薬としても虫刺されやウルシかぶれなどに効くので、茎葉をもみつぶして患部に塗ると効果があるので、覚えていれば役立つ。牧野富太郎の紹介するところでは「肥後ではセンブリを医者倒しと言うが、土佐ではキランソウを医者倒しと呼んでいる。」とのことである。
 昨日は妻が山に出掛けたので、爺さんが夕食当番だった。買い物ついでの散歩をしていると田んぼの脇にはムラサキサギゴケが群生している。もともと白花のサギゴケが母種で、ムラサキサギゴケを変種としているが、基本的には同じ種類とみられている。
 地元スーパーでは珍しい食材として豚バラ軟骨が並んでいた。沖縄料理など好きなロクは直ぐに飛びつき、圧力鍋でとろとろになるまで煮込んで、帰宅した妻をうならせた。


「茎立たず 地面に息吹 敷き詰めて」

花散らしの雨と風

         この程度までなら好きな部類のサトザクラ


 今年は野生種のエドヒガンの開花に併せるように、クローン栽培のソメイヨシノが少し遅れで咲いてくれたので、殆ど同時期に花を愉しめた。ところが一昨日の雨と昨日の風が殆どの桜を散らせてしまった。花筏と花びら絨毯に名残をとどめているだけである。
 これからはサトザクラ(里桜)といわれる八重ザクラの出番である。サトザクラと言うのは栽培品種のことで、オオシマザクラを母親として各種の野生種を交雑させて作られた栽培桜の総称である。そんな意味ではソメイヨシノも人為的に交雑させたのだから広義な意味でサトザクラといえる。同じようにシダレザクラはエドヒガンから改良されて作られた栽培品種である。一般的にはオオシマザクラを母親とする八重桜をサトザクラと呼んでいる。
 平安時代から桜を愛でるようになり、江戸時代には既に300種位も栽培品種が作られたようである。ヤマザクラから桜を愛でるようになったのが、突然変異など珍しい花が咲くと接ぎ木などして育て、八重桜を生み出した。オオシマザクラの自生種を普及するに至って、江戸時代に一気にサトザクラ群が増えたようである。
 因みに分類学上の日本固有種はヤマザクラ・オオヤマザクラ・オオシマザクラ・カスミザクラ・エドヒガン・チョウジザクラ・マメザクラ・タカネザクラ・ミヤマザクラ・クマノザクラの10種類で、カンヒザクラを含めるかどうか決めかねているようだ。それらの変種として100種以上の自生桜が確認されている。
 桜の時期だけロクも桜専門家になろうと、本を読んだりネット検索してみたりするのだが、花が散ってしまうと好奇心まで散ってしまう。


「定めかな 雨と風との 花散らし」

草苺(クサイチゴ)

              花から実になる過程

          ルビーのようなイチゴに変身(参考画像)


 この季節、山道歩きで一番目につくのがバラ科キイチゴ属の草苺の花である。ノイバラよりもバラらしく比較的大きな花を群生状態で咲かせている。これだけの花を咲かせるのだから、5月下旬ぐらいになるとたくさんの野苺を提供してくれることだろうと期待するのだが、誰の口に入ってしまうのか、そう易々とは採取できない。でも穴場さえ知っていれば、フユイチゴと並んでジャムに出来るほど採取できる有り難い野苺である。
 クサイチゴなんて名前だが立派な木イチゴの仲間である。落葉低木で地面から数十センチにしか茂らないので草を冠されている。黄色いモミジイチゴ(ナガバモミジイチゴ)が一番美味しいというが、クサイチゴは香りもあり、甘さも他の野苺に引けを取らないほど美味しい。何よりもたくさん採れるので、ジャムやイチゴ酒にしたり出来る楽しみがある。
 因みにキイチゴの仲間にはモミジイチゴ・カジイチゴ・フユイチゴ・クマイチゴ・ニガイチゴ・ナワシロイチゴなどあり、深山を関するものまである。草本では黄色い花をつけるバラ科のヘビイチゴ属がある。こちらはあまり甘みもなく蛇でも食べるのだろうということで名付けられた。食用としては適さないが解熱、痔などの薬用として利用されるらしい。


「野苺の 香りを花で 先駆けて」