ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

カルガモが

            2ファミリーが飛来して来た

                 代掻き中

           手入れの生き届いた田んぼを挟んで


 今年は米作りを放棄したのか?と思っていた田んぼにやっと水が入った。農家から委託されて作っている某農園組織が、放置されていた何面かの田に一気に水を入れ、農機械で慣らしただけの手抜き田んぼである。一軒の農家が手間暇かけて作る田んぼとは雲泥の違いを観てとれる。獲れるお米の味にも随分と差がでると思う。たぶん除草剤や化学肥料たっぷりの農薬漬け農法で作られるのだろう。
 そんなこととは関係なく水を張った田んぼには、カルガモが飛来して来た。雑草が採り易くなったので食べ放題である。彼等の主食は草の葉や茎・草の種などだから、代掻き後の田んぼは願ってもない餌場になる。もともと雑食性だが草が茂る頃は昆虫などに見向きしないのかも。僕は鳥屋ではないから詳しい事は知らないが、カルガモは何時でも見かけることの出来る留鳥である。北海道では夏鳥になっている。雌雄同色だから子育ては雄もするのかなと思う。奈良県橿原市の「軽の池」で夏場に観られたのでカルガモと呼ばれたとされるが、マガモより少し小型で軽いからカルガモになったという方が納得できる。味はマガモより劣るとされているが、草食時のカルガモは遜色がないようだ。食いしん坊のロクは味見をしてみたい。


「軽鴨も 何処へ飛散 夏地震」

忍冬酒完成

           コハク色の薬用酒が出来あがった

          蛍と言われるまで判らない点・点・点

              帽子で捕ったホタル


 5月17日に採取したスイガズラで作った忍冬酒が1ヶ月を迎えた。普通果実酒は3ヶ月ほどかかるが、こちらは花と蕾だけなので1ヶ月で十分らしい。薬効もかなりある様で不老長寿の妙薬かもしれない。家康が長生き出来たのも忍冬酒のおかげだとも言われている。三蔵法師が探し求めたウワミズザクラの果実に匹敵するのかもしれない。今まで各種の果実酒を作って来たが、作る楽しみだけで殆ど飲まなかった。今回は飲むようにしたい。肝臓の血中アルコール性数値が基準値を超えているので、それを下げたい目的もある。その結果は9月にならないと判らない。
 秋を思わせる天気が2日間続いたが、夜に入り蒸しむしする様になってきた。こんな夜はホタル観賞にうってつけである。地域の仲間の呼びかけで近くの川に蛍を観に行った。ここはマスコミでも紹介されたこともある、ホタルの乱舞が見られる隠れスポットだ。少し時期が遅いかと思ったが、たくさんのホタルが乱舞している。一眼千本ならず、一眼40匹ぐらいの単位で点滅を繰り返している。開放機能が付いているカメラだと三脚に据えて撮影できるのだが、手持ちデジカメではホタルの乱舞は写せない。
 蛍を観ると野坂昭如「火垂の墓」のサクマドロップ缶が頭をよぎる。宮本輝「蛍川」も僕の中に明滅する。


「薬用酒 舐めつつ想い 蛍川」

柿蘭


 花色が柿に似ているからカキランと呼ばれる陳腐なネーミングだが、野生ランの一種で、山地の日当たりの良い湿地に自生する。近くで観察すると、唇弁に入る模様が何とも言えない。それがラン科の特徴なのかも知れない。下から順次咲いて行くので8月頃まで楽しめる。ノハナショウブやヌマトラノオと花期が一緒なので、その近くに咲いているかもしれないので探してみる。花の中に蟻の姿を見付けるが、花粉が大きいので運ぶことはできない。蜜を掠め盗るために来ているだけなのか、他に役割を持っているのかよく判らない。
 湿原の干上がりや開発などで環境が変化したり、心ない業者の盗掘などで数を減らしている。環境省の絶滅危惧種まで至っていないが、県単位では既に絶滅したり、危惧種に指定されたりしている。隣の兵庫県では絶滅危惧種Cランクに登録されている。僕は珍しい植物に出合っても、種の保存のために言い触らさないようにしている。


「湿原で ららららららん かきらんの」

笹百合

               1本目見付け~た

                ササユリ蕾

           凛とした立ち姿

                 3輪咲き

                 珍しい4兄弟

                22の瞳で観察中


 早朝から激しい雨が降っている。トンボの仲間からは参加出来ないとか、例会をやりますかなど問い合わせのメールがひっきりなしに届く。基本的には雨天決行としてしているのでその旨を伝え出掛ける。行き先は宝塚市の「西谷の森公園」にササユリを訪ねる予定である。公園と言っても山を利用した自然公園である。雨の降り具合で山道コースを変更しなければならない。
 阪急宝塚駅からは「田園バス」と言うメルヘンチックなバス路線を利用する。客は我々トンボのメンバーと地元住民が一人乗っておられるだけ。途中で乗務員さんからテイカカズラが咲いていますとか、次のカーブ右側にイワガラミが咲いているとか教えてくれる。まるで観光バスに乗っているような親切な方だ。近くでクマの目撃情報が出たので気を付けて下さいと注意喚起までしてくれる。主宰者としては安全を期すために公園管理事務所でクマ情報を確認した。公園より少し離れた山で昨日目撃されたらしい。公園にクマが来るかまでは把握出来ないとのこと。
 クマに対する対応策を皆さんで確認してスタートした。雨も上がっている。出発直後に1本目のササユリを発見!ラッキーである。進むに従ってササユリを散見できる。何輪のササユリを見付けられるか数えながら歩いた。ここにはシカが入って来ないのか、植生も豊かで結局トータル88のササユリに出合えた。
 昔から美人の例えに “立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花” と言われているが、これらの植物は婦人病の薬草でもあるらしい。当然ササユリも色んな薬効があるが、他のユリ科植物で代用できる。種から花を咲かすのに7年ほどかかるササユリは、いまや貴重植物になっているので採集して欲しくない。


「笹百合に 花粉付くまで 顔寄せて」

額紫陽花

              土壌がアルカリ性かな?

              青系だから酸性かな?

          装飾花の役目を終え裏返りつつある


 雨に合う花としてアジサイが最盛期を迎えている。殆どが園芸種だが、その母種となっているのがガクアジサイである。本州中部以南に自生する日本固有種である。自生種としてはヤマアジサイやタマアジサイ、エゾアジサイなどが知られている。先日甘茶を紹介したがヤマアジサイの1系統としてアマギアマチャも自生する。アジサイ園などで華やかな色とりどりの球形のものは、シーボルトがガクアジサイを持ち帰り、ヨーロッパで改良され、再び日本に持ち込まれ、その後の改良で多種多様なアジサイになっている。学名に「お滝さん」の名が入っているのは有名な話である。
 ワイルド派のロクは自生種に近いガクアジサイに惹かれる。萼紫陽花と表記されることもあるが、植物学的にも命名の由来からも額紫陽花の方が合っているように思う。不完全花が完全花を取り囲むように装飾花が開花する。その様子を額縁に準えてガクアジサイと命名された。装飾花は虫たちを呼び寄せる看板の役目を持っている。中央の完全花が開花して受粉すると、装飾花は看板の役目を終わり裏を向くようになる。その過程を確認出来たので紹介したい。


「赤青で 開いて閉じて 紫陽花の」