ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

額紫陽花

              土壌がアルカリ性かな?

              青系だから酸性かな?

          装飾花の役目を終え裏返りつつある


 雨に合う花としてアジサイが最盛期を迎えている。殆どが園芸種だが、その母種となっているのがガクアジサイである。本州中部以南に自生する日本固有種である。自生種としてはヤマアジサイやタマアジサイ、エゾアジサイなどが知られている。先日甘茶を紹介したがヤマアジサイの1系統としてアマギアマチャも自生する。アジサイ園などで華やかな色とりどりの球形のものは、シーボルトがガクアジサイを持ち帰り、ヨーロッパで改良され、再び日本に持ち込まれ、その後の改良で多種多様なアジサイになっている。学名に「お滝さん」の名が入っているのは有名な話である。
 ワイルド派のロクは自生種に近いガクアジサイに惹かれる。萼紫陽花と表記されることもあるが、植物学的にも命名の由来からも額紫陽花の方が合っているように思う。不完全花が完全花を取り囲むように装飾花が開花する。その様子を額縁に準えてガクアジサイと命名された。装飾花は虫たちを呼び寄せる看板の役目を持っている。中央の完全花が開花して受粉すると、装飾花は看板の役目を終わり裏を向くようになる。その過程を確認出来たので紹介したい。


「赤青で 開いて閉じて 紫陽花の」

ねんてん先生


 シニア自然大学校主催の俳句講座が今年も開催されることになり、以前から興味を持っていた講座なので参加することにした。講師は現代俳句を代表する坪内稔典先生である。募集チラシの「たんぽぽの ぽぽのあたりが 火事ですよ」という稔典先生の句に惹かれた。今回で7回目の講座になり、初回から参加という方もおらる人気講座である。氏は京都教育大学、仏教大学の名誉教授で、自らも「船団の会」を主宰されておられる。日本文学に造詣が深く正岡子規や夏目漱石の研究でも広く知られている。どんな講座なのか期待を持って臨んだ。
 受け付けを済ませて席に着くと、兎に角一句作って下さいと短冊を渡された。お題は「梅雨晴れ」と「梅雨晴れ間」である。いきなりの句会であり、われわれ初参加の数人は戸惑う。それでもおもいおもいの句を書いて提出した。全ての句が披露され挙手で人気投票をする。その後、先生から何でその句を選んだのかと問われる。併せて簡単な自己紹介もする。知らず知らずに引き込まれていく和やかな雰囲気の講座になった。


「梅雨晴れに ひねり過ぎたか 575!」

美容柳と金糸梅

            ビヨウヤナギ(雄しべが飛び出す)

            キンシバイ(花柱5つが合着)


 公園などに行くと雄しべの長いビヨウヤナギの黄花が目に付くようになりました。概ね同じ公園によく似たキンシバイも植栽されています。案外同じ花だと思って通り過ぎる方が多いようです。それもそのはず、どちらもオトギリソウ属の仲間だからです。薬草としても有用な植物です。雄しべが花弁から飛び出して目立つビヨウヤナギは、60本の雄しべの束が5列で構成されています。その姿が華やかなので美容柳と命名されました。1708年に中国から観賞用として入って来ました。50年ほど後にキンシバイも渡来して来ました。こちらも雄しべの数は300ほどありますが、長くないので区別が出来ます。そして300年近くも経つと野生化したものを見かけるようになっています。
 オトギリソウの仲間には葉を透かすと白い明点と黒い黒点が散在しています。草本のオトギリソウには黒点があり、木本のビヨウヤナギやキンシバイには明点があります。含まれる油分の違いです。オトギリソウの名前には悲しい謂われがあります。鷹匠の兄が傷ついた鷹を治す秘薬としてある薬草を使っていました。気の良い弟はそれを他の鷹匠に漏らしてしまいます。それを知った兄は弟を切り捨てました。恋人も後を追ったと云います。その時に飛び散った血の跡が葉に黒点として残ったのです。弟切りからオトギリソウになったという悲しい名前の由来です。


「黄金の 美花に哀しき 初夏の来て」

甘茶Ⅱ

             雄しべが約10本、花柱は3本


 今年もたくさんのアマチャが咲いた。良く分枝するのでガクアジサイに似た花序の数は、数えきれないほどに咲いている。ガクアジサイとの違いは飾り花に囲まれた花の集団が長方形状に拡がっている点である。10年ほど前に薬科大学から頂いた株は、200花序位も咲いている。昨年アップした時に、来年こそ甘茶を作ろうと思っていたが、蕾を摘み取って葉だけを育てる決断が付かなかった。来年は株分けをして観賞用の花と甘茶用にしてみようかと考えている。甘茶にするには、花を咲かせずに蕾を摘んで、夏場に大きく成長させた葉を採取して、醗酵・乾燥などの加工をしなければならない。
 ヤマアジサイが母種で、その中の甘味成分を持つ1系統がアマチャとして栽培されている。そのまま生葉を噛んでも苦いだけだが、醗酵させると甘味が増しフィロズルチンは砂糖の1000倍の甘実を持つ。口中清涼剤や歯磨きの甘味、醤油の味付けなどにも使われているという。伊豆天城自生のアマギアマチャがあるが、アマチャほどの甘味がないらしい。
 甘茶と云えば4月8日の花まつり(灌仏会)に欠かせない。お釈迦様の誕生日に甘露の雨が降ったという言い伝えから、釈迦像に甘茶をかける風習が今でも受け継がれている。


「赤と青 甘茶に小虫 集い来て」

優れ物

       笛の吹き口に風を送って鳴るかどうかを確かめる優れ物

               皆伐地の整備作業中

          接ぎ木の甘柿が成長

             ムラサキシキブ幼木に花が

                何蜂だろう?

          ツマグロヒョウモン(蝶)の3齢幼虫も


 昨日は所属している「ひとくらクラブ」の例会日で柿渋染めが予定されていた。洗い晒しのTシャツを持って行ったが、あいにくの雨で笛作りに変更された。雨を想定して事前にキットを用意されるという準備の良さだ。過去に色んな笛を作り、子どもたちに提供して来たので目新しいものではなかったが、鳴るかどうかの確認用道具を手作りで用意されていたのには、目から鱗の驚きだった。今までの経験では鳴るかどうかを確認した後、笛の吹き口を濡れティッシュで拭いて、子どもたちに渡していたが、ペットボトルの蓋部分を改良し、その先にゴムホースを付けて笛の吹き口に被せて、ボトルをペコペコして風を送るだけで笛が鳴るという代物だ。こんな確認グッズまでは思いつかなかった。間接キッスをしなくても済むので、保護者にとっても嬉しい優れものだ。何事につけても彼は発明家で色んなものを手作りされている。椿油搾りの圧搾機も車用のジャッキから作られたのは以前に紹介した。
 午前中は公園からお借りしている皆伐地の整備を行った。鹿などが入らないように金網で囲まれているので、先駆植物が好き放題に繁茂している。幼虫や珍しい昆虫類も見かけられるので生物多様性観察のスポットになり、ロクをうきうきわくわくさせている。


「梅雨空に 幼児と交わす 鳴き比べ」