ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

種漬花(タネツケバナ)


 タネツケバナは春の七草 ナズナ(ペンペン草)と同じように早春から田んぼの畦などに顔を出してくれる。同じアブラナ科の4弁花なので、その時点ではなかなか見分けが付かない。茎や葉の色で判断しているのだが、実を結ぶ頃になると一目瞭然としてくる。ナズナは三味線のばち状の三角形の実をつけるが、タネツケバナはマメ科のような長い実で、熟すと弾けて種を飛ばす戦略を持っている。だから田んぼに絨毯を敷き詰めたように拡がっている。漢字表記するとだいたいの想像が付くが、稲の種籾を水に漬ける頃に合せるかのように、白い小花を一面につけることからタネツケバナと呼ばれるようになった。種を弾き飛ばして繁殖するところから、「種付け馬」に準えて名付けられたという説もある。
 乾燥させた種が薬用になるようだが、食用としても美味しいらしい。生でサラダに使ったり、和え物やおひたし、汁の実などにも使え、クレソンに近い味がするらしい。4月半ばに野草料理の集まりを持つので、一度試してみたいものだ。
 山菜ついでに画像紹介しておくが、タラの芽が出だしてきた。イベントまで残ってくれるか心配事が増えてきた。気候に左右される植物対象の催し計画は難しい。


「見えずとも 種漬けしてる 顔浮かび」

春の妖精探し🔎

             開いてくれたミヤマカタバミ

          閉じたままのミヤマカタバミは葉が目立つ

              春らしくなった散歩道


 暑さ寒さも彼岸までと言われるように、春の彼岸を過ぎなければホッと出来る暖かさが保証されない。案の定今年も彼岸に合せて霜の降りる寒さが戻ってきた。今日辺りから春本番に突入してくれることだろう。
 この時期になるとスプリング・エフェメラルと言われる「春の妖精」探しに出掛ける。地元で確認できる妖精の一番手はミヤマカタバミである。その後、ニリンソウやショウジョウバカマ、エンゴサクなどが顔を出してくれる。彼女たちは落葉樹が芽吹くまでのほんのひとときだけの儚い命なので「春の妖精」と呼ばれている。
 ブログを振り返ると毎年ミヤマカタバミを登場させている。それほど待ち焦がれていた証でもあるのだが。雨上がりの一昨日、マイウェイとしている里道を覗いてみたが、あいにくの曇り空だったのでミヤマカタバミは花を閉じたままだった。やはり開いて「こんにちは」と挨拶を交わさなければ、逢いに行った甲斐がない。と言うわけで天気の回復した昨日再び訪れて挨拶してきた。
 スプリング・エフェメラルの中では清楚すぎて、あまり脚光を浴びないが、陽光を受けるために精一杯頑張っているのがいじらしい。ミヤマカタバミは花も閉じるが、夜には葉も閉じて休眠状態になる。片側だけ食(は)まれた様に見えるので、その様子から傍食・片食(かたばみ)になった。深山を冠しているが、それほど山奥に入らなくとも出合える春の妖精である。


「妖精が 来たよ来たよと 春告げる」

籠脱けムスカリ

              野生化したムスカリ

                芳香を放つシキミ


 いかにも園芸種と言わんばかりのムスカリが野辺に咲いている。地中海沿岸が原産の中心で、日本では1980年頃から市場に出回るようになったらしい。暑さ寒さにも強いので寒冷地である能勢にも適用でき、籠脱けした物が野生化している。多年草だからどんどん勢力を拡げているようだ。球根植物なので何れはヒメリュウキンカぐらいになるのかも知れない。
 一株でも可愛いが絨毯のように拡がれば見応えのある花だから、公園などの客寄せパンダになってくれるかも知れない。キジカクシ科に分類されているが、ヒアシンス科やユリ科としている場合もある。花穂がブドウの房状なのでブドウヒヤシンスとも呼ばれている。
 野の花派のロクだが野生化したムスカリは交友録に加えてやりたいと思っている。よく似た名前にムシカリというガマズミの仲間があるので、つい名前を混同してしまう。草本がムスカリで、木本がムシカリ、赤ちゃんが機嫌を損ねるのが「むずかる」😃
 あまり人の通らない里道(りどう)をマイウエイとして時々寄り道するが、まだニリンソウを咲かせていなかった。代わりにシキミがたくさんの花を咲かせていた。春の彼岸になって一気に冬に逆戻りしてしまい、今朝も霜が降りるほど冷え込んだ。


「早春が 来たり去ったり 今朝の晴れ」

白木蓮・木蓮(モクレン)

           みんな北を向いているハクモクレン

               モクレンも北向きだ


 モクレン科の花が咲き出した。どちらかと言えばハクモクレンがモクレンに先駆けて咲き出す。園芸種も含めて総称でマグノリアと呼ばれている。マグノリアは最も古い花木で1億年ぐらい前から、いまと同じ形の花姿であったらしい。モクレンは中国原産で古くに渡来してきた。飛鳥・天平時代の僧侶がすでに木蓮染めの僧衣を着ていたことでも伺える。
 白花好みのロクはハクモクレンに惹かれる。モクレンは方向指示植物と言われるように、開花直前の花は押し並べて北を向いている。小鳥が一斉に飛び立つような姿がなんとも言えない。蕾の付け根を南に向け、太陽光をたっぷり受けて開花を促しているのだろう。この科の植物は精油を含むので香りも愉しめる。皆さんには花粉が鼻に付くぐらい近付いて芳香を確認して頂く。香水の材料として使われるが、蕾は鼻炎などの漢方薬として葛根湯などにも配合されているらしい。
 しばらく山に出掛けていないが、今頃は自生種のモクレン科タムシバが咲き出していることだろう。関西で見かけるコブシは園芸種だが、仲間のタムシバは山に自生するので、花びらを拾って香りを楽しんだり、味見してみたりする。神社仏閣の境内にはカラタネオガタマが植栽されている。ランプシェードのようなユリノキもマグノリアの仲間だ。


「向き揃え 開花準備の 木蓮よ」

マイクロプラスチック汚染

              漁網に絡まるウミガメ

             餌と間違い食べてしまう

        技術的には処理できても下水料が跳ね上がる

            お口直しにアオモジの花でも


 地球環境「自然学」講座がコロナ禍で休校中だったので、年間20回のカリキュラムを消化するために、3月に入ってリモートで6講座が組まれた。昨日はその5講座目でホテルの会議室を借り切って、リアルタイムのリモート講座が開催された。講師は京都大学 大学院地球環境学堂 准教授 田中周平先生の「琵琶湖・大阪湾における マイクロプラスチック汚染の現況」が演題だった。
 マイクロプラスチック汚染が世界的にも重要課題として注目を集め、地球環境を守るために各国にプラスチック製品の削減を求めている。日本ではペットボトルとレジ袋が汚染の元凶のように捉えられているが、日常消費の全てと言っていいほど石油製品が使われている。氏はマイクロプラスチックから網の目を潜り抜けたナノ・プラスチックの研究に取り組み、可視化できるプラスチックより、顕微鏡でしか確認できない極細プラスチックこそが深刻な汚染を蔓延させていると警鐘されている。
 関係省庁などからはあまり汚染状況を公表しないように釘を刺されているようだが、研究者としての矜恃からコツコツと汚染の実態解明に取り組まれている。琵琶湖の漁業関係者からは「鮎だけは研究対象から外して欲しい」という切実なお願いもあるようだ。目から鱗だったのが化繊衣料が洗濯によって大量のナノプラスチックを放出していると言う研究結果だった。化粧品や歯磨きなどにもプラスチックが含まれているので、垂れ流し状態で海洋汚染が進んでいる。それらのナノプラスチックを体内に取り入れたミジンコが食物連鎖の末、人間に辿り着きガンや難病の引き金になっていると言う、恐ろしい報告だった。我々シニアは我慢できても、未来の孫世帯に汚れた地球をバトンタッチしたくない。
(朝にアップしたのに何故か消えてしまったので、再度のアップになった。😞)
 
「盾のため マスクをするが 矛となり」