ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

久し振りの三草山

            中学生の土木体験「登山道の整備」

           大阪の山の筈だが

           お気に入りの棚田に水が張られた

           帰宅するとジャコウアゲハが産卵中

                仁丹粒ほどの卵


 世間では連休と言うことで、観光地を訪れている様子などがテレビで紹介される。365連休の我々としては連休中の移動は避けるようにしている。しかし5月1日なので、本来なら労働者の祭典としてのメーデーには顔を出したい。能勢の住民たちは田舎の空気に染まってしまい、それすら出掛けようとしない。3日には大阪扇町公園で「大阪総がかり集会」が憲法記念日の催しとして企画されている。たとえ一人でも参加してこようと思っている。それはハチドリの運ぶひと雫かも知れないのだが。
 折角の “晴れた5月の青空に~♪” 家でくすぶるロクではない。久し振りに三草山564mに妻と登ることにした。学校も連休に合せて休校にしているところがあるようだが、三草山にはたくさんの中学生が駆り出されて、麓の井出(農業用水路)掃除や登山道の整備、畑の害獣対策など手分けして作業している。かなり前から関西大学付属中学校が、緑のトラストとタイアップして農業体験などをカリキュラムに組み込んで続けてこられた。地域の「みどりすと」の一員として、彼らの社会貢献活動にエールを送りながら、道作りの邪魔しないように頂上を目指す。
 途中に「ゼフィルスの森」があり、貴重なシジミチョウなどがいるのだが、6月頃にならないと樹冠を飛ぶ姿を確認できない。能勢を「蝶の乱舞する郷」にしたいと願っているので、ジャコウアゲハとアサギマダラ以外にも各種の蝶にも関心がある。オオムラサキ、ギフチョウなどが飛来してくれないかな。一昨年フジバカマを畑の一角に植栽して貰った処にも寄り道してきた。あまり手入れがされていないのでどうなることやら。
 三草山頂上に立派な看板が吊り下げられているが、いつの間にか兵庫100選の山になっている。確かに県境に鎮座する山だが、頂上は大阪府能勢町長谷に位置する。軒下を貸して母屋を取られた気分になって下山してきた。


「仁丹の 粒を散らして 蝶の去り」

ラッパ付き四つ葉🍀

            眠りに入ったラッパ付き四つ葉

           産み付けられたジャコウアゲハの卵


 今年は徒歩通学する児童たちの間で、通学途中の「四つ葉探し」がちょっとしたブームになっている。探した四つ葉を得意げに持ってきてくれる。出来るだけ無駄にしたくはないので、ラミネート加工して返してあげる。見守り隊仲間も、負けずとばかりにたくさんの四つ葉を集めて持ってこられる。昨日も午前中は雨が残っていたのを幸いと、集まった42枚の四つ葉をパウチした。中には五つ葉や六つ葉も混じっている。
 四つ葉(four-leaf clover)とはシロツメクサの小葉が通常は3枚だが、変異体として四つ葉になったり、5枚以上の小葉を持つものが出現する。記録によると56もの小葉を持つものまで発見されたようである。
 今回届けられた中に、四つ葉とは別に、葉が変異したラッパ状の付属物が付いている珍しいものが見つかった。押し葉にすればラッパが潰れてしまうので花瓶に注して観察を続けている。お葉付きイチョウとよく似た形状である。夜になれば四つ葉も休眠状態に入るようだ。ラッパがどう変化するかしばらく観察を続けたい。
 花壇に植栽したウマノスズクサが支柱に沿って成長している。土手道ではジャコウアゲハの乱舞が始まっているので、早く訪問してくれないかなと待っているのだが、既に来てくれたようで卵が産み付けられていた。今年も我が家から成蝶として飛び立ってくれることだろう。夏場に向けて蝶の観察もしなければならない。嬉しい忙しさである。


「クローバー 子どもの笑顔 宝にも」

紫(ムラサキ)

              最後の桜一輪(啓翁桜)

            食用にしたい「藍」の芽吹き

          食べ頃の「茗荷竹」


 日本ではほとんど絶滅して、自生状態でお目にかかることが出来ないムラサキが今年も花を咲かせ出した。大学の薬学部付属植物園で頂いた覚えがあるのだが、製薬会社や薬科大学など色んな処を訪問しているので、何処の大学だったかまでは記憶に残っていない。ムラサキなどの絶滅危惧種を育てているのは薬学部を持つ大学ぐらいだろう。奈良の春日大社に併設する「万葉植物園」で数年前に、植栽された一畝のムラサキを一般公開したことがあるぐらいの貴重植物である。
 花壇で育てていたのだが、紫根が腐ってしまったのか姿を消してしまったことがある。種が法面に落ちて根付いたのを運良く発見できた。なくなった宝物が出てきたぐらいに感動したものである。今はその株を鉢植えして育てている。株分けしたものを赤とんぼさんにお裾分けして育てて貰っている。
 古今集に「紫のひともとゆえに 武蔵野の 草はみながら あはれとぞ見ゆ」千年も前から歌に詠まれ、日本全国の草原に普通に自生していたのを伺わせる。紫根が染料として利用されたり、薬草として掘り返されたりして数を減らしてしまったのだろう。今ではセイヨウムラサキが代役を務めているようだ。因みに紫根染めは小野妹子が中国から帰国して伝えたとされている。江戸時代まで伝わった染め方は「江戸紫」として人気を博した。


「紫の 白い小花で 季節知り」

春紫苑(ハルジオン)

           咲き始めのピンクが可愛いハルジオン

         山で見付けたクリンソウ

          空腹は最大の調味料

        朝は子どもたちに見せたカラスノエンドウ三兄妹


 基本的にはテレビを余り観ない生活習慣なので、朝はラジオからの情報で間に合わせている。それでも朝ドラ主人公が「牧野富太郎」と言うことなので覗いてみたい気もするが、アクティブに動き回っているロクには時間が取れない。「ダーウインが来た」などの関連番組で様子を知ったり、仲間から教えて貰ったりしている。いずれにしても良い番組を作ってくれるNHKに拍手を送りたい。政権や財界に忖度するニュースしか流せない体質を併せ持つが、真面目なスタッフもたくさんいることに救われる。
 さてハルジオンだが、大正年間に園芸用として北米から渡来してきた。それ以前、明治維新の頃に渡来してきたヒメジョオンに対して、牧野富太郎氏がハルジオンと命名した話は有名である。ハルジオンとヒメジョオンは同じキク科ムカシヨモギ属で、糖尿病の薬草として茶剤などに用いられている。ハルジオンの若芽などは食用としても用いられるので、天ぷら材料としても重宝する。
 草ばかり食べさされている妻は「たまには美味しいものが食べたい!」と仰る。ごもっともな話なので、ハイキングの帰りに美味しいものを食べに行こう!と食事目当てで遠征することにした。どちらかと言えば肉より魚が良いと言う共通嗜好で、鮮魚を提供してくれる大起水産に行くことにした。しかも回転寿司を避けて直接オーダーできる鮨屋である。ここは奮発しようと清水の舞台から飛び降りることにした。久し振りに黒マグロの大トロ・中トロ・赤身などに舌鼓を打って帰った。


「草よりも 魚が良いね 春紫苑」

気楽に読書を📖

             花粉だらけのカナブン君


 本は買わずに図書室から借りるパターンに切替えてきたが、どうしても手許に置いておきたい本がある。それが広く地球の自然に関わる本だったり、講演を受けた先生方の本だったりする。少なからず編集に寄与するためにコメントを送り、掲載された本などは記念としても確保しておきたい。子どもたちに読ませたいと買い与えた「昭和史」半藤一利著も我が家用としてストックしておいた。
 そんな本が溜まってきたので、読書と言うよりも「お勉強」のつもりで読み出した。特に半藤さんの「昭和史」戦前篇と戦後篇の2冊を読了するのに、思わぬほど時間がかかってしまった。外出時に本を携行するのだが、電車内で小説を読むように斜め読みが出来ない。苦手とする歴史だし、史実に基づいた内容だから、やたらと昭和に関わった人の名前が出てくる。戦後篇までたどり着くと、何とか映画館のニュースで見た記憶などがよみがえってくる。昭和も30年代に入ってからテレビが一般家庭に普及しだした時代である。変形文庫本上下1200頁は読み応えがあった。そんな「お勉強読書」から解放されて、やっと図書室の本を借りられるゆとりが出て来た。
 書棚に並ぶ山本一力は全部読んでしまおうと、脇目も振らずに直行して、たぶんまだ読んでいないだろう2冊をゲットする。新刊本のコーナーに目をやると「冤罪はいつまで続くのか」が目に飛び込んできた。今まさに話題のテーマ本である。しかも買立てで一番乗りで借りることが出来た。袴田事件など長年の悲願であった再審請求の扉がやっと拓かれつつある。再審法改正のために能勢町と豊能町に請願に訪れ、両町とも賛同して貰った経験がよみがえる。
 気楽に読書を!のつもりがまたまた中断して、冤罪にはまり込んでしまった。


「啄木忌 貴方の愛は 昭和へと」