ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

過去へのご招待18

[1901] 姫立金花 [PC]  2015/03/22 06:10:37    [削除]


   我が家の小さな花壇を独占する如くにヒメリュウキンカがのさばっています。数年前に野生のものを採って帰って植えておきました。毎年仲間を増やしプランターにまで拡がっています。小さな芋で増えているようです。初めはリュウキンカと思っていましたが、どうやらヨーロッパ原産のヒメリュウキンカのようです。リュウキンカは水辺を好みますが、ヒメリュウキンカは林や草地などの乾燥地でも見かけます。
 ヒメリュウキンカなどというと、小型リュウキンカのイメージを与えますが、同じキンポウゲ科でも属が違います。リュウキンカはリュウキンカ属で、ヒメリュウキンカはキンポウゲ属に分類されています。「山菜ガイド」今井國勝によるとリュウキンカは食べられるとなっていますが、キンポウゲ科植物は全て毒だと思って食べないことを勧めます。


「ようやっと 黄花の咲いて 春彼岸」 


[1902] 平群本番! [PC]  2015/03/23 07:01:26    [削除]


   一週間前に生駒平群へ下見に行きましたが、昨日は40人ほどの参加で再度訪問しました。4班に分かれて案内することになり、その内の一つの斑を担当して来ました。リーダーの方が資料を準備しているので、それに沿っての案内になります。下見で歩いたコースなのに道が判らなくなり、皆さんを右往左往させてしまいました。写真は重要文化財に指定されている藤田家見学でリーダーからの説明を受けた人と、これから受ける人の入れ替わり場面です。
 桃も膨らみ、カンザクラ、トウカイザクラ、ケイオウザクラ、アオモジ、サンシュユ、ハクモクレン、レンギョウなどが花盛りです。ピンク・薄緑・黄色・白・ムラサキなどの花が春の陽射しを受け、輝いている様はまさに桃源郷の雰囲気でした。


「山笑い 十歳ほども 若くなり」


[1903] 深山片喰 [PC]  2015/03/24 05:47:13    [削除]


   春の楽しみの一つであるスプリング・エフェメラル(春の妖精)を探しに散歩に出掛けました。目指すニリンソウはまだ葉を拡げた段階で、花の姿には会えませんでした。ひっそりとミヤマカタバミが咲き出しています。別の場所ではショウジョウバカマも咲き出して来ました。カタバミは睡眠運動をするので、暗くなると葉を閉じます。その状態が葉の片側が喰われた様に見えるところから片喰(かたはむ)→カタバミになったとのことです。
 彼岸の中日を過ぎたのに、昨日は小雪の舞う寒い一日になりました。寒の戻りも後2日間で、それ以降は暖かくなりそうです。よりによってその寒い2日間に十津川までオシドリ観察に泊りがけで行って来ます。従ってその報告は夜になります。


「春小雪 耐えて健気な 白き花」


[1904] 大峯奥駈道 [PC]  2015/03/25 21:05:32    [削除]


   日本一長い路線バスを利用して十津川まで行って来ました。その路線は奈良の八木から和歌山の新宮まで約5時間のバス路線です。十津川の宿に泊まれば往復のバス賃が無料になるという、ラッキーなキャンペーンを利用させてもらいました。3年前の豪雨災害で孤立してしまった十津川に再び観光客を呼び戻したいと云う思いからのサービスです。
 我々はガイドを付けて大峯奥駈道のさわりを案内してもらいました。玉置山から玉置神社までの短いコースです。大峯奥駈道は役の行者(役小角)が開いた1300年の伝統を持つ山岳信仰の聖なる道とされています。中でも玉置神社は75の靡(なびき)という神仏が宿るとされる拝所・行場の10番目の靡で重要な場所らしいです。パワースポットとして若い女性たちに人気があるようです。


「奥駈を 清める塩か 春の雪」


[1905] 野猿 [PC]  2015/03/26 06:09:59    [削除]


   野猿(やえん)とは十津川地方独特の人力ロープウエイの事です。ワイヤーに吊り下げられた「屋形」に乗って、自分で綱を手繰り寄せて対岸まで行くようになっています。猿が木の蔓を伝わっている様子に似ていると云うので「野猿」と名付けられました。基本的に一人で移動出来るようになっていますが、真ん中あたりまではたわみで楽に進みますが、あと半分は引き上げなければならないので大変です。
 我々シニアグループは童心に帰り、朝食前のひと時を腹空かしに楽しんでいました。今は観光用に設置されていますが、往時は重要な移動手段だった事が読み取れます。秘境十津川もトンネルや道幅拡張工事が進み、随分と楽に行けるようになって来ました。


「昨晩は 牛飲馬食 今朝は猿」(川柳)


[1906] 三尾山 [PC]  2015/03/27 07:16:42    [削除]


   最近参加させて頂いている地元の低山会から丹波の三尾山に行って来ました。能勢から車で約1時間走り、三尾山登山口近くに駐車します。直ぐに山岳訓練所という岩場もあり、急峻な山の片りんを見せます。殆ど直登で1時間足らずで眺望の好い前三尾に辿り着きました。ゆっくり休憩のあと中三尾を経由して三尾山本峰に向かいます。そこでお昼。あとは下りだと思い気や、何箇所もピークをアップダウンしてなかなか下山出来ません。
 基本的に岩山ばかりなのでヒカゲツツジの木が沢山目立ち、あと1カ月ほどしたら見事に花を咲かせてくれるだろうなと思い、ふくらはぎ辺りを気にしながら麓の集落まで降りて来ました。不便な山なのでもう訪れることも無いだろうという感想でした。


「山頂で 歴史講釈 風光る」


[1907] 桜開花 [PC]  2015/03/28 07:03:29    [削除]


   やっとソメイヨシノが開花し始めました。今日明日ぐらいで蕾も弾けることでしょう。やはりウキウキします。我々だけではなしに花の蜜が大好きなメジロやヒヨドリが頻繁に訪れます。メジロはアジアの熱帯地方産で、年中花の蜜を追っかけています。花蜜に筆の様な舌を差しこんで、舌の先に含ませるようにして吸蜜出来るように進化したようです。
 “梅に鶯”と云いますが“梅に目白”とした方が実態に合っています。梅が終わると桜に集まってきます。ヒヨドリに農作物を荒らされる農家の方も、花が咲き出すとほっとされることでしょう。それ位甘い物好きの小鳥たちなのです。


「忍び足 一緒に愛でる 初桜」


[1908] 淡墨桜 [PC]  2015/03/29 06:46:40    [削除]


   池田の歴史散策に自然大学で一緒に学んだ皆さんを案内して来ました。史実はともかく、大陸からの渡来人が機織りなどを広めたと云う伝説の呉服(くれは)神社をスタートに、織られた布を染めたと云う染殿井の井戸跡までを、間に昼食宴会を挟みながら巡ってきました。国指定の歴史的建造物などもあり、変化に富んだコースで皆さんの池田再発見のお手伝いをしてきました。歴史音痴の案内でしたが、仲間が足りないところをちゃんとフォローしてくれました。
 コース途中に池田城跡公園があり、色とりどりの花が迎えてくれました。写真は淡墨桜です。岐阜県本巣市にある樹齢1500年のエドヒガンの古木で天然記念物に指定されています。その種から育てたものだそうです。蕾はピンク、満開の頃は白い花色、散り際になると特異の淡い墨色になるのでウスズミザクラと呼ばれています。


「春中に 淡き白花 天守閣」 


[1910] 椿展 [PC]  2015/03/30 07:00:38    [削除]


   阪神尼崎駅前の中央文化センターで椿展を開催していると、友達の友達から案内を受けたので訪れました。コーベ・カメリア・ソサエティと云う団体の主催展です。和種・洋種の椿が約200種ほど展示されていました。メンバーの方が新しい品種を何種類も作ったと云われるぐらい、椿の品種はたくさん生まれています。会場では椿についての蘊蓄を聞いて来ました。殆どが知らない話ばかりで“目から鱗”の勉強が出来ました。
 洋種椿は総じて豪華です。でも日本人好みは、茶の湯と生け花文化からか侘び介など、一重のおくゆかしさを好まれるようです。特に冬から早春にかけて咲くヤブツバキ系の花は、濃い緑と紅い花が一際目立ち、まさに春の花だなと感じさせてくれます。ロクは貰った投票シールを和種に貼って来ました。


「活け椿 シールの数を 競い合い」


[1911] ナガミオランダフウロ [PC]  2015/03/31 06:49:24    [削除]


   1ヶ月ほど前に散歩していた時、道端に見掛けない植物がロゼット状にへばりついていた。何だろうと気になっていたが、手持ち図鑑には載っていなかったので、外来植物図鑑を持っている仲間に調べて貰っていた。直ぐにナガミオランダフウロだと知らせてくれた。早く花を観てみたいものだと足繁く通い、やっと花を見付けることが出来た。1957年に初めて三重県で確認された外来植物で、見る間に全国に広まって行った。荒れ地や道端に根付き易い。
 別名をツノミオランダフウロと云うがこちらの方が判り易い名前だ。まさに角の様な実になり、形からフウロの仲間だと云う事も判る。日本のフウロよりもけた違いに大きくなり、8~12センチぐらいになるらしい。


「神輿草 日本へ渡来 春休み」


[1912] 太陽の塔 [PC]  2015/04/01 07:43:21    [削除]


   珍しく娘の誘いで万博記念公園に花見に行って来ました。まだ満開までには少し間がありますが、人出は既に満開でした。桜並木のメイン広場には屋台も出て、花より団子を楽しんでいるお馴染みの花見風景です。陶器市も出て、ついつい財布の紐も緩みます。人だかりに近寄ってみると、路上道化師が上手な呼び込みで人を釘づけにしています。
 人込みを避けて日本庭園に回ると、さすがに子どもの姿もなく、落ち着いた雰囲気でサクラを楽しめます。予定している居酒屋には少し早過ぎるので、空いているベンチで暫しの花見を楽しみました。開店一番乗りの居酒屋では爆飲爆食で、娘と別れた二人は終点まで乗り過ごしてしまいました。内緒に出来なくって……。


「太陽の 塔にもあるか 花疲れ」


[1913] 白木蓮 [PC]  2015/04/02 06:44:13    [削除]


   公園や庭木として人気のハクモクレンです。大きな花の割に全開しないので、その姿は白い小鳥が木に止まっているように見えます。どちらかと云うとロクは桜よりも好きな花です。この欄で何回も取り上げています。古くに中国から渡来してきたので、すっかり日本に馴染んでしまっています。別名「磁石の木」と云われているのは花先を北に向けているからです。
 普通モクレンと云うのは紫色のものを云い、白い方をハクモクレンと区別する習わしが、貝原益軒によって提唱されて来ました。ある人から聞いた事ですが、別に紫木蓮と云うのもあるらしいです。花の中まで紫だと云うのです。調べましたが真意の程は……。


「木蓮の 今にも飛ぶと 並び居て」


 [1914] 紫木蓮 [PC]  2015/04/03 06:53:35    [削除]


   昨日は淀川流域観察会で、桜とモクレンを観察して来ました。昨朝アップした紫木蓮の存在を確認してみたかったのです。確かに花びらが中まで紫色でした。帰ってから愛用の山渓ハンディ図鑑で調べてみました。何とこちらが本来のモクレンなのです。別名で紫木蓮と呼ばれることを確認しました。
 花弁の外側は紫で中が白っぽいのは別種でトウモクレンと云われるものです。紫のモクレンに比べてトウモクレンは花を全開させます。したがってツートンカラーが良く目立つのです。モクレンとハクモクレンは全開しません。モクレンばかりアップしていたら他の花をアップ出来ないので、今日は比較のために再度画像をアップしておきます。


「頑なに 筋を曲げぬと 紫木蓮」
[1915] 唐木蓮 [PC]  2015/04/03 06:56:07    [削除]


   これがトウモクレンだと云うのです。こちらの方をよく見かけるのですが。もう少し勉強してみます。


[1916] 踊子草 [PC]  2015/04/04 06:53:24    [削除]


   自然観察サークル『トンボのメガネ』から八幡市の背割堤へオドリコソウを求めて行って来ました。2キロにわたる堤には今を盛りとソメイヨシノが満開です。天気予報では午後から雨と云う事なので、桜には目もくれずひらすらオドリコソウの群生地を目指しました。観察を終え桜の辺りまで引き返すと雨が落ちて来ました。
 オドリコソウは白花の方が多いですが、中にピンクのものもあり、どちらも年に一度は見てみたい綺麗な花です。茎を取り巻く唇弁花を、踊子が傘を被って踊っている様子に準えていますが、別名で虚無僧花とも云われています。根は薬用に、若葉は食用になります。


「傘開き 隣においで 菜種梅雨」


[1917] ケシ科植物 [PC]  2015/04/05 07:34:28    [削除]


   昨日は男の料理教室で献立に旬のヨモギ団子を作った。他にキクイモのポタージュスープなど野生のものも食材として利用した。これから野草山菜料理の季節になりロクの出番が増える。野草採取で気を付けているのは、キンポウゲ科とケシ科には手を出さないこと、先ず毒草と思って間違いないだろう。
 ケシ科のムラサキケマンやジロボウエンゴサクによく似た花が咲いていたので、仲間に教えて貰ったところニセカラクサケマンと云うらしい。手持ち図鑑に載っていないので、ネットで調べるとヨーロッパ原産の帰化植物で、アルカロイドを利用するために栽培していたものが、籠抜けして野生化しているようだ。よく似たセイヨウエンゴサクもあるらしい。ますます帰化植物図鑑が必要になって来た。


「蒸し生地に 餡子を隠し 草団子」 


[1919] 瘡の王 [PC]  2015/04/06 07:08:53    [削除]


   野原のあちこちに鮮やかな黄色で、清楚な感じを与える花が咲いています。これもケシ科のクサノオウです。観察会では同じケシ科のタケニグサやクサノオウに出合うと茎を切り、中から出て来る黄色い汁液を確認してもらいます。花の清楚さと打って変わって、その汁液は毒々しい色に見えます。それが猛毒のアルカロイドなのです。瘡の王と云われるぐらい湿疹やいんきん・たむしなどのできものにはよく効くようです。
 面白いのは種にアリの好物エライオソームと云う糖や脂肪酸が付属しています。巣に持ち帰りおまけを齧り取り、種だけが巣の周りに残ります。カタクリやスミレと同じアリ散布植物で、植物の子孫を残すための生き残り戦術なのです。


「花で蝶 種で蟻寄せ 強かに」 


[1920] 田均し [PC]  2015/04/07 06:44:23    [削除]


   数日前から菜種梅雨が降り始めました。週間天気予報を見ていると雨予報が続きます。予定している活動も中止になったりして、やきもきさせられる毎日です。花見もしっかり出来ないまま花散らしの雨にチャンスを奪われてしまいます。ところがこの雨がこの時季生き物たちにとって必要なのです。
 最近は早生の苗を植える農家が増えて、既に田均しが始まっています。田んぼに水が張られたその日の夜から、カエルの合唱が聞こえ出しました。土の中に潜っていた蛙が突然起こされて、寝ぼけ眼でカップル探しを始めるのです。それを目当てに今朝はダイサギ7羽と鴨が2羽集まって来ました。田んぼの果たす生物多様性環境です。


「田均しを 誰に聞いたか 鳥集い」


[1921] 三椏大群落 [PC]  2015/04/08 07:01:09    [削除]


   所属するサークルのリーダーから丹波愛宕山のミツマタの大群落を案内してもらいました。事前にブログで紹介されていたので期待していました。不便な場所なので行きはタクシー利用です。曇り予報だったのですが小雨が降っています。出発して直ぐにミツマタが迎えてくれます。楽しみは後に取っておいてと云うぐらい、斜面のあちらこちらに群落が見えてきます。最後尾を歩きましたが、写真撮影に忙しく駆け足で追っかけます。
 一目10万本と云われるぐらいの大群落に参加した皆さんは十分満足されたようです。登りに眺めると黄色っぽく見えますが、下り道では白っぽく見えます。また開花直後は黄色も鮮やかですが、落花が近付くと色あせて来ます。午後には雨も止みましたが、ガスがたれ込み肌寒い一日でした。太陽の降り注ぐ日だともっと素晴らしい眺めだったことでしょう。


「三椏の 花群落に 声も出ず」


[1922] 檀香梅 [PC]  2015/04/09 07:27:46    [削除]


   先月の展葉調査の時には、ダンコウバイの花が見事に春の訪れを告げていてくれたが、昨日の調査では花に代わって新芽が膨らんできた。4月だと云うのに朝方は雪がちらつき、活動開始の時間(10時)でも3.6℃と云う真冬並みの寒さだった。銀白色の新芽がネコヤナギのようで可愛い。若葉の頃は葉裏に白い毛が生えている、やがて展葉すると毛が抜け落ちてくる。
 ダンコウバイはクスノキ科クロモジ属なので、枝や材などに芳香があり、楊枝や香水、石鹸などの香料として使われている。名前の由来は“栴檀は双葉より芳し”でお馴染みの白檀の別名を檀香と読んでいたので、そこから拝借したとされる。


「出て来たが 寒の戻りに 戸惑いて」


 [1923] 姫烏頭 [PC]  2015/04/10 07:21:23    [削除]


   小さなヒメウズの花です。何時も写真を撮りますが旨く写った例がありません。今回は辛うじてそれらしく撮れましたが、全体像までは無理でした。花の中まで撮りたかったのです。と云うのも白く写っているのは花弁ではなく萼片です。中に黄色い筒状花弁が隠れています。手持ち図鑑でもはっきりしませんので、ネット「松江の花図鑑」を覗いてみました。実態顕微鏡で撮られた写真など詳しく載っています。ご参考までに。
 ヒメウズをオダマキ属に入れるか、ヒメウズ属に独立させるか、学者によって見解が分かれますが、葉の形はまさにオダマキに似ています。ロクは小さな小さなオダマキと覚えるようにしています。漢字表記で烏頭となっていますが、トリカブトから採ったようです。


「風に揺れ 小さき花に 冴え返る」


[1924] 蓮華草 [PC]  2015/04/11 06:44:18    [削除]


   道端の所々にレンゲソウが咲いています。正式和名は紫雲英(ゲンゲ)だそうです。古くに中国から緑肥として渡来して来ました。昔は田んぼ一面に咲いていたので、紫の雲がたなびく様子から名付けられましたが、最近では農薬に取って替わり一面のゲンゲ畑を見かけなくなりました。農家の方もゲンゲを漉きこむのに、農機具の邪魔にもなるようで、面倒な緑肥は敬遠されるようになったという側面もあります。
 一面のゲンゲ畑は得も言えない風情ですが、単品のレンゲソウも綺麗な花です。蓮華草と云うのはハスの花に見立てて名付けられました。中華料理で使うレンゲも其処から来ているようです。若葉や花など食用になります。


「車待つ 畦に一輪 蓮華草」


 [1925] ツツジ尾根コース [PC]  2015/04/12 07:27:07    [削除]


   山友会の例会で愛宕山に行って来ました。今回は初めてのコースで、JR保津川駅からツツジ尾根を歩き、正面参道の7合目近くで合流します。愛宕山まではあと4分の1で、何時もより遅めの愛宕山到着になりました。下山は大杉谷から清滝に下ります。かなり長いコースでした。登りのツツジ尾根コースはコバノミツバツツジが満開で、最高の演出をしてくれました。途中急登も在りますがそれを忘れさせるぐらいのコースでした。
 生憎の曇り空で何時も最後尾を歩くロクはくしゃみが出るほどの寒さでした。トップグループは何回も立ち止まって後続を確認しますが、くしゃみを聞き「寒がっているんや」と言っていたようですが、肝心の遅い御仁は「誰か噂しているんやろ」だって。好い性格です。


「急坂の 喘ぎを癒す 小葉躑躅」


[1927] タラの木 [PC]  2015/04/13 06:59:42    [削除]


   タラノキの新芽、タラの芽です。食べ頃のタラの芽を見付けたので、人に採られない内にとっておこうと夕方から出かけて採取して来ました。何時もは目を付けている場所に行っても、既に採られた後で、採り残しを頂く位でした。ひと足早かったので短時間で沢山採取出来ました。今年は3回の山菜野草料理が予定されています。それまで保存出来るかが問題です。
 昔からタラの芽は山菜の王者として人気があります。薬草の王様でもあるのです。副作用の無い民間薬として文字の無い頃から使われてきました。樹皮や根皮を生薬として使うようですが、タラの芽は山のバターとも呼ばれる位の脂質とタンパク質を含み、栄養的にも優れています。


「吾先と 先駆植物 芽吹丘」


 [1928] 紅葉苺 [PC]  2015/04/14 07:05:34    [削除]


   山道を歩いていると白いイチゴの花が目立ちます。クサイチゴが多いのですが、たまにモミジイチゴが斜面から枝を垂らして清楚な花を見せてくれます。キイチゴ属には他に何種類かありますが、黄苺と云われるモミジイチゴが一番美味しいようです。沢山採取出来るのはクサイチゴやフユイチゴです。他にはカジイチゴ、ミヤマフユイチゴ、ナワシロイチゴ、ニガイチゴ、クマイチゴなど多数あります。
 このモミジイチゴは二日酔いに効くらしく、黄色く熟した物を数個食べば効果てきめんのようです。でも二日酔いの時に山まで採りに行けないし、困ったものです。モミジイチゴ酒は美味で美肌、疲労回復、食欲増進になるようです。これで迎え酒をすれば好いんだ!(*^_^*)
(昨日のアップはタラと云う漢字が環境依存文字と云う事で表示されませんでした。)


「また来ると 想いを馳せし 苺花」


[1929] 立壷菫 [PC]  2015/04/15 07:39:16    [削除]


   スミレは種類が多く覚えるのが大変です。日本国内だけで150~200種もあると云われています。普通のスミレとタチツボスミレだけしか覚えていません。単に葉の裏が紫色だけでシハイスミレと断定できないようです。短い距(蜜をためるところ)が跳ね上がっているのが特徴です。スミレで覚えたいのは茎の有り無しで、無茎類と有茎類に分かれることです。タチツボスミレは有茎類に属します。だいたい見たら確認もせずにタチツボスミレだと断定してしまいます。一番の見分け方は葉柄の付け根の托葉が櫛の歯状になっていることです。
 スミレは大工道具の墨入れからなまってスミレになりました。開花では普通受粉せず、閉鎖花で自家受粉して種を作るようです。これもアリ散布植物です。全草食用になりますが根っこのトロロはまだ食べた事がありません。


「控えめの 色香で招く 菫花」


[1930] 鈴懸の木 [PC]  2015/04/16 07:25:11    [削除]


   街路樹や公園樹として知られているスズカケノキです。我々昭和世代では鈴木章二とリズムエースのテーマ曲としても有名でした。プラタナスなどと横文字で呼ばれるとお洒落な気がしたものです。山伏が首にかける鈴懸に似た実はお馴染みです。花も同じように球形花序なのです。始めて観察出来ました。まるでイチゴのようで可愛い花序です。
 服部緑地に植わっているのは多分モミジバスズカケだと思います。アメリカスズカケとスズカケノキの3種が知られています。独特の木肌と冬芽にも特徴があり興味の尽きない大樹です。


「公園に 芽吹きを競う 紅き珠」


[1931] 木通 [PC]  2015/04/17 05:51:00    [削除]


   雨の日が続いたので運動不足になっていました。朝から快晴です。妻たちが箕面の山に行くと云うので急遽連れて行って貰いました。シャガの花が満開で出迎えてくれ、山道には色んな花が咲き写真を撮るのに忙しいこと。アケビの雄花・雌花が綺麗に咲いていました。手前の少し大きな花が雌花で、奥の方が雄花です。花弁のように見えているのは萼片です。
 アケビは小葉が5枚からなる掌状複葉です。他にミツバアケビとゴヨウアケビがあります。ゴヨウアケビも5枚の複葉ですからアケビと間違い易いですが、葉が波打っているので見分けがつきます。いずれも薬用になり食用にもなります。ツルもかご作りなどに重宝しています。


「一休み したらどうかと 花木通」 


[1932] 片栗 [PC]  2015/04/18 05:43:55    [削除]


   サークルで大和葛城山へカタクリを観に行って来ました。この山はツツジがあまりにも有名なので、カタクリ群生地と云う事はあまり知られてようです。着いた時は曇り空だったのでカタクリも閉じた状態で垂れ下がっていました。時間が経つにつれて青空が出始め、お昼頃には快晴になりました。植生保護のためにロープで柵をしてあるので近くで撮れませんが、頂上辺りの刈り取られたススキ原にはカタクリが野放しで育っています。寝ころんで撮ることもできます。6枚の反り返った花被片にくっきりと桜模様の様な斑まで観察出来ます。
 ここには鹿がいないのかカタクリやカンアオイがたくさん育っていて、ギフチョウの楽園でもあります。同行した仲間が観たギフチョウは36頭だったようです。カタクリ群生とギフチョウ乱舞のおまけまでついた、素晴らしい観察会でした。


「片栗の 花青空に 反り返り」


[1933] 叡山菫 [PC]  2015/04/19 05:47:29    [削除]


   これも大和葛城山で観察したエイザンスミレです。名の通り比叡山で発見されたので叡山を冠していますが、日本特産種で山の林内で見付けることが出来ます。地名を冠する植物は他にもたくさんあり、伊吹とか白山など総じて発見された場所を差しているだけです。
 先日アップしたタチツボスミレは有茎類でしたが、エイザンスミレは無茎類です。一番の特徴は深裂した葉です。一見したところ5深裂に見えますが、3深裂してさらに2つに分岐しているのです。他に似た葉を持つスミレでヒゴスミレというのもあります。


「渓道に 深山菫の 楚々として」


[1935] 野草料理 [PC]  2015/04/20 07:09:27    [削除]


   サークルで野草料理を楽しみました。今年は地域も含めて3回の野草料理を担当することになっています。昨日がその第1回目でした。農薬を使われていない畑で野草類を採取しました。総勢30数名が4班に分かれて、採取から下準備と調理までこなし、2時過ぎには片付けまで終えると云う段取りの良さでした。野草類は殆ど揃い、天ぷら以外に和え物や、ヨモギ餅なども作り品数豊富な献立になりました。
 駅から歩いて30~40分かかる山村までを、ご夫婦の車でピストン運転して頂き、大変なお世話をおかけしました。リーダーの彼より連れ合いの彼女が大変だったことでしょう。参加したメンバーは長閑な山村風景と、田舎暮らしの雰囲気に十分満足されたことでしょう。


「山村に 野趣を求めて 蓬摘み」


[1936] 箕面駅の燕 [PC]  2015/04/21 06:41:06    [削除]


   最近話題性のある箕面駅のツバメです。今年も巣作りの季節になり、切符売り場の上に巣をかけ始めています。暫く待って観察していましたが、まだ雛は生まれていないようです。糞が下へ落ちないように段ボール箱で受けています。切符売り場に切符用磁気カードの箱なんて、意識されて置かれたのかな、憎い演出です。毎年改札口の上に巣を作るので、そこへは作らせないように壁に透明テープを貼って防御しています。
 奈良県室生にお住まいのサークルリーダーのお宅の離れにも、ひっきりなしにツバメが飛び込んで来ます。多分天井辺りに巣を作っているのでしょう。我が家にも来てくれないかと待っているのですが、最近の建築様式では機密性が保たれているので、ツバメもスズメも住み難いようです。


「君待てど 姿を見せず 燕の巣」


[1937] 黄華鬘 [PC]  2015/04/22 08:03:57    [削除]


   今年3月まで所属していた自然大学校の研究科が行っているOP観察会(武田尾)にお邪魔してきた。一番いい時期で木々の花や山野草の花も咲き出し、楽しい観察会だった。渓筋でキケマンが群生していて、ミヤマキケマンもあると教えて貰った。果して写真のキケマンは何れか?悩むところである。
 帰ってから山渓ハンディ図鑑で調べるとキケマンと云うのは属名で、キケマンだけでは掲載されていない。多分ヤマキケマンとミヤマキケマン(フウロケマンの変種)の違いだろうと想像するにとどまった。なんともややこしい!


「山道で 遇ってほのぼの 春の草」


[1938] 赤芽柏 [PC]  2015/04/23 07:03:19    [削除]


   あまりにも綺麗な紅い葉が展葉して来たので思わず写真に!アカメガシワです。若葉の内は両面毛でおおわれて赤い絨毯のようです。名前もそのまま赤芽を使っています。柏と云うのは食べ物を乗せるのに使う葉を云います。結構な大木になりますが、これもパイオニア植物か、拓かれた空き地などに実生で育っているのをよく見付けます。赤い芽を摘んでノートなどに挟んで擦ってやると、綺麗なプリントが出来るので子どもたちに喜ばれます。
 ロクはもっぱら山菜として利用します。意外に知られていなので、天ぷらにして提供すると驚かれます。薬効も優れていて胃痛や胃がんにも効くようです。毎年食べているので胃痛知らずです。因みに昨夜の献立はコシアブラの胡麻和えとタラノメ・コシアブラ・カキの葉・タカノツメの天ぷらでした。春は好いね(*^_^*)


「ほろ苦き 春を夕餉に 酒の過ぎ」


 [1939] 上溝桜 [PC]  2015/04/24 06:10:53    [削除]


   今年のウワミズザクラは花を沢山付け、遠くからでもその存在がよく判ります。全体に薄白緑の塊として見えるのがウワミズザクラです。幹の溝で亀甲占いをしたり、古くから活用されてきました。蕾や種子には薬効が優れ、不老長寿に効く薬酒になると伝えられ、西遊記の三蔵法師はウワミズザクラの種子を探し求めて旅に出たと云われています。
 黒く熟れた果実は甘くて美味しいですが、ウワミズザクラ酒にしたものは香りが豊かで体にも良いようです。新潟県では蕾の時に採取したものを塩付けにし酒の肴にするようです。「あんにんご漬け」と云うものを食べてみたい!


「この花を 桜仲間と 云われても」


[1940] 筆竜胆 [PC]  2015/04/25 07:22:38    [削除]


   今年初めて川久保美女谷に行って来ました。毎年定点観察のスタートは5月3週目だったので、やはり1ヶ月前では今まで観られなかった植物に出合えます。その一つが春咲きのリンドウです。ハルリンドウかフデリンドウか?持って行った図鑑では同定出来なかったので、帰ってから愛用の図鑑で調べました。同じ近似種ですからどちらでもいいのですが、特徴的な違いはハルリンドウは根生葉がロゼット状になっていることです。ヨーロッパではアルプス三大名花の一つで、ゲンチアナと呼ばれ世界中のハイカーに愛されています。今年も行きたいな~(^v^)
 漢字表記の竜胆は「竜胆(りゅうたん)」という生薬名をあてはめています。「熊の胆(い)」より苦味が強いので「竜の胆」と名付けられました。健胃薬として用いられています。“良薬は口に苦し”の例えは此処から来たのかも。


「春竜胆 心異国に 誘いし」


[1941] 花点草 [PC]  2015/04/26 07:00:00    [削除]


   少し山に近い処に群生しているカテンソウです。あまり目立たない植物ですが、ルーペで観ると可愛い花です。吸盤のように星形に開いている雄しべがユニークです。見えているのは全て雄花です。雌雄異株と云いますが、同株も存在するようです。花が点のように見えるところから名付けられました。葉腋に隠れて目立たない雌花の事を云うのかもしてません。
 昭和までの女性は奥ゆかしさがありました。それでいて芯の強さを秘めていたものです。ところが最近の女性は男よりも目立ちたがります。総じて男性よりも先を歩きたがります。長らく続いた家父長制に対する反動なのでしょうか。カテンソウになりたがっている世の男性になり替わって。


「春の野に 小さき雄花 背伸して」 


 [1943] 烏野豌豆(白花) [PC]  2015/04/27 06:47:25    [削除]


   カラスノエンドウ白花に出合いました。大げさな表現ですが初めてです。基本的に白花の好きなロクは立ち止まって何枚もの写真を撮りました。なんとも清楚な雰囲気です。カラスノエンドウ自体が綺麗な花ので、それに輪をかけたような上品な美しさです。
 カラスノエンドウについては以前にもアップしているので説明は省略しますが、今年の野草料理で天ぷらにしてみようかなと思っています。ただし、貴重な白花には手(口)を出しません。度々訪れて経過観察をしてみたいと思っています。


「白無垢で 少しはにかみ 野豌豆」


[1944] 日陰躑躅 [PC]  2015/04/28 06:23:55    [削除]


   サークルでヒカゲツツジを観に行こうと計画していました。現地の観光案内所に問い合わせたところ、今年は4月中頃が見頃で、殆ど花は残っていませんよと言われたのが20日頃でした。今年が駄目でも来年のために、と篠山市の向山連山に行って来ました。今までヒカゲツツジと云えば筱見四十八滝に行っていましたが、サークルでとなると公共交通機関利用で行きたいとの思いでコース変更しました。下調べしたつもりですが結構急峻な山で3時間13kとの案内でしたが4時間余りかかってしまいました。帰ってからネットで確認すると健脚向きになっていました。
 ヒカゲツツジは岩場に咲くのでそれなりの覚悟で歩かなければなりません。何箇所も三点確保しながらのコースになります。だからこそ出合った時の感動も強いのです。今回は時季が終わっていましたが、申し訳程度に咲き遅れた花が一二輪残っていました。


「岩山に 名残躑躅の 一二輪」


 [1946] 瓊花 [PC]  2015/04/29 07:19:15    [削除]


   鑑真ゆかりの唐招提寺にケイカを訪ねました。鑑真和上の故郷、中国揚州市の花で、隋の煬帝が門外不出としていたことから「皇帝の花」と言われていました。1963年中国仏教教会から送られてきたとのことです。親樹から採った枝をオオデマリに接ぎ木して、いまでは境内に10株ほど植栽されています。そのケイカが満開です。5月6日まで特別公開されていますので、興味のある方は唐招提寺を訪ねて下さい。
 ケイカはガクアジサイに似た飾り花を付けています。こちらの萼は5弁でスイカズラ科に属します。ガクアジサイは4弁でユキノシタ科です。白い清楚な雰囲気が煬帝に好まれたのでしょう。


「春塵を 避けてお披露目 帝花」


[1947] 藤百花 [PC]  2015/04/30 07:54:59    [削除]


   午前中は西の京の世界遺産(薬師寺・唐招提寺)巡りを楽しみ、午後からはバスで移動して、同じく世界遺産の春日大社に行きました。こちらは観光客でごった返し、外国人や学童の多いこと。土ぼこりが立ちマスクがいるほどの賑わいです。周辺には藤の古木が沢山あり、太くなったツルが独特の景観を作っています。
 我々は人込みを避けて万葉植物園に入りました。古くから衣食住で役立ってきた植物たちが古名で紹介され、万葉集に何首登場しているかなども紹介されています。藤園では早咲き・中咲きの藤が咲き乱れ、遅咲きの藤を残し、各種の藤だけで百花繚乱状態です。麝香藤(じゃこうふじ)が園内を甘い香りで包んでいます。


「白藤に 顔近づけて 深呼吸」


[1948] グルジア ワイン [PC]  2015/05/01 06:46:18    [削除]


   自称ワイン通と言っているので、娘がお土産にグルジアワインを持って来てくれた。グルジアはワイン発祥の地で、5000年前にコーカサスの山から湧き出たミネラルウォーターで育った、世界最古のブドウ原種から作られているとのこと。ヨーロッパワインとは葡萄の種類が違うようだ。かのクレオパトラが芳醇なグルジアワインをこよなく愛したと云われている。人前では強権で知られる彼女が、一人静かにグルジアワインを口に涙を流したので、それ以降「クレオパトラの涙」という愛称で呼ばれている。
 その「クレオパトラの涙」を早速試飲したことは言うまでもない。ボトルを空にしてしまったのを、試飲と言うのは間違っているかな?陶器製の容器はグルジアの伝統工芸でなかなかお洒落なものである。赤ワインの味は南米系のワインに似ていると思った。


「赤ワイン 雫一滴 春の宵」


[1950] 立浪草 [PC]  2015/05/02 06:51:02    [削除]


   今年4月から立ち上げたサークル『トンボのメガネ』で泉原の自然観察に行って来ました。身近な里山植物観察と、山菜採りをテーマに楽しみました。山菜は時季遅しでタラの芽も伸びきっています。アカメガシワを採取。後はワラビやセリなど思い思いに採取されていました。クズやセイタカアワダチソウも美味しいよと紹介してあげました。
 コースには沢山の花が咲き乱れ、ウワミズザクラやガマズミなどの花も目立ちます。まさに山笑うの季節です。足下に目をやるとタツナミソウが「いらっしゃい!」と我々を招いてくれているようです。波がしらが立っているようでなるほどと納得出来ます。よく似たラショウモンカズラの命名にはよっさんが言われるように「何でだろう?」と思っています。


「波がしら 立てて今年も 夏は来ぬ」


[1951] 御衣黄 [PC]  2015/05/03 06:37:24    [削除]


   花が緑色と言う事で珍しいサクラだが、咲き始めの頃の話で、次第に黄緑色から中央部に赤い筋を帯びるようになってくる。花色が高貴な貴族の衣装のイメージと言うので御衣黄(ギョイコウ)と名付けられた。オオシマザクラ系の園芸品種である。
 平安時代から桜が植栽されるようになり、色々と人為的に交配させた結果、里桜と言われる園芸品種が200種も作られてきた。殆どの里桜はオオシマザクラが片親だという。基本的に華やかな八重桜などがサトザクラの主流になっている。もちろん自生種の自然交配で出来た桜もたくさんあるだろう。


「花色の 移ろい行くに 暮春知り」


[1953] 鼓楼 [PC]  2015/05/04 08:02:26    [削除]


   つい先日、自然観察に歩いたコースを、今回は歴史散策として妻を案内してきた。数日しか経っていないのに、ずいぶんと花が色あせてしまったり、見る影もなくなってしまったりしていた。季節の進みは速い。しかし、歴史的建造物は何の変化もなさそうに、ずっとそこに悠久の太古を留めている。時あたかも憲法記念日、平和な日本と悠久の歴史を子どもたちに引き継ぎたい。
 写真は唐招提寺の鼓楼で国宝に指定されている。この楼上から毎年5月19日に「うちわまき会式」が行われている。他に金堂・講堂・宝蔵・経蔵が国宝で、礼堂・東室・御影堂が重要文化財に指定されている。金堂内部にある仏像も国宝5体を含め9尊が祀られており、歴史好きにはたまらない魅力だろう。生憎ロクは凄い!というぐらいの感想しか発せない。


「古都奈良も 五月連休 人で蒸し」


[1954] 和太鼓 [PC]  2015/05/05 06:59:19    [削除]


   春日大社の万葉植物園では子どもたちによる和太鼓演奏が披露されていた。こんな催しがあると小市民のロクは随分と得をした気になる。入場するまでは騒音としか感じなかったが、傍で見ながら聴くと迫力があり最後まで観いっていた。最年少は小学校1年生だという。4歳から太鼓を習い始めたと紹介されていた。大太鼓を叩くのは高校生だろうか、筋肉隆々で逞しかった。
 今日は子どもの日である。1年に5節句ある内の真ん中の節句で昔から「端午の節句」と呼ばれていた。人日の節句(1月7日)・上巳の節句(3月3日)・端午の節句(5月5日)・七夕の節句(7月7日)・重陽の節句(9月9日)。全て奇数月で1月を除いて月日が重なっている。子どもたちの未来を守らなければ!との思いを行動で表したいものだ。


「若人よ 泳げ飛び立て 鯉となり」 


 [1955] 野点 [PC]  2015/05/06 06:51:23    [削除]


   能勢歌垣山の野点に今年もお誘いがありました。ゴールデンウイークは誰も遊んでくれないので、予定表も真っ白です。お誘いの電話が妻に入った時二つ返事で参加すると答えました。地元の山仲間も誘って歌垣山頂上を目指します。野点を主催する皆さん方は車で登り、準備をしてお客さんたちを待ってくれています。到着した3人はその場にそぐわない山スタイルです。気を利かせて頂いて長椅子を我々のために用意して下さいました。お手前を見下ろす格好になり、少し気が引けましたが、そこはロクの厚かましさで甘えて来ました。
 登って来た道を引き返すのも芸がないので、妙見奥の院まで足を伸ばし、古刹真如寺に降りるコースにしました。少し膝に違和感があったので、特に下りコースは慎重に歩きました。これで五月連休もメリハリを付けることが出来ました。


「新緑の 山も味わう 野点かな」


[1956] 港田村草 [PC]  2015/05/07 07:25:07    [削除]


   昨日は展葉フェノロジーの調査日で一人で調査地点に向かった。皆さんは車で現地入りされるが、ロクとしては植物観察など新たな出会いを期待して、歩いて行くことを基本にしている。今回も道端に見られない花を見付けた。逞しさとか姿かたちが外来種の雰囲気だ。対生する葉っぱを突き刺すようにシソ科特有の四角の茎が伸びている。外来植物図鑑を持っていないので、写真を仲間に送って調べて貰ったところ、ミナトタムラソウと同定したとの返信があった。ありがたいことだ。
 ミナトタムラソウは静岡県清水港で初めて確認されたので、港を冠している。シソ科アキギリ属らしい。昨年9月の葛城山でアキギリを見付けてアップしているので、検索して見比べて頂くとよく判る。アキギリは食べられるが、こちらは食べたいと云う食欲も湧いてこない。


「舗装路の 隙間に茂る 夏草や」


[1957] 三点確保 [PC]  2015/05/08 06:46:03    [削除]


   妻のグループがOPでヒカゲツツジを観に行きたいと、筱見四十八滝行きをかなり以前から計画していた。向山連山に行った時にヒカゲツツジが終わっているのを確認していたので、目的をシャクナゲに置き換えて行くと云うので、他に目的のあったロクも参加させてもらった。一つは立ち上げたサークルの下見である。もう一つは山菜採取も兼ねている。何回も通ったコースだがクサリ場が多く、ストックも使えない三点確保を強いられる難易度の高いコースだ。植物観察サークルには荷が重すぎると判断できた。
 筱見四十八滝と言うのは、赤目48滝とは違った意味合いである。沢山の滝があると思われるが、実際には8滝だけである。では何故四十八滝なのか?水量が枯れることなく始終(四十)流れている八滝と云う洒落で名付けられた。ヒカゲツツジの隠れた名所だ。


「滝上も 険しき崖も 滴りて」


[1958] 薔薇アーチ [PC]  2015/05/09 05:42:21    [削除]


   万博記念公園は花盛りです。やはり目を引くのは薔薇です。日本庭園前の薔薇園には各種薔薇が美しさを競い合っています。アーチの下をくぐると香りでむせ返りそうです。薔薇はイギリスをはじめヨーロッパの貴族に愛されてきました。貴族に何の所縁もない我が家にも、ミニ薔薇の木が1本だけ残っていますが、まだ花を咲かせてくれません。肥料はやらない、除虫もしない、ほったらかし、辛うじて生き残っているだけと云う有様です。
 あまり園芸種に興味無いので、猫の額放置花壇では、雑草化した多年生植物だけが蔓延っています。今まではお隣の花を鑑賞させてもらっていましたが、世話をする方がいなくなり、そこでも雑草化しています。外へ出掛けなくなったら花壇でもいじろうかな。何時になることやら。


「薔薇の香や 貧乏絵描き 夢想して」


[1959] 蛇結茨 [PC]  2015/05/10 07:29:56    [削除]


   地元山の会「山友会」で678.9mのポンポン山に行って来ました。今回は一番短いコースで行きたいと云う要望から、善峰寺から出灰(いずりは)までの3時間のコースを設定しました。阪急東向日から善峰寺までバス利用と云う手抜き(足抜き)コースです。古刹の善峰寺と山鈷寺へも寄り道して、時間がたっぷりあるのでゆっくり歩きます。それでも頂上には昼を回っていました。下りは出灰までを1時間と見て、バス時間に間に合うように出発しました。何をどう間違ったのか、バス時間まで後14分しかないところで気付きました。皆さんに急いでもらいましたが、結局バスの姿を確認しただけで、バスは我々を積み残して走り去りました。
 次のバスは2時間20分後です。「バスの便がある停留所まで歩こう!」と叱咤激励して歩いて貰った距離が7キロ余り、時間にして1時間30分を延々と歩きました。ブーイングを覚悟していましたが、途中でジャケツイバラの群生地があったりして、不満のはけ口を和らげてくれました。別名で河原藤と云います。蛇結茨より好いネーミングです。


「河原藤 蛇身絡ませ 悶え咲き」 


[1960] 男のロマン [PC]  2015/05/11 05:20:56    [削除]


   所属している「ひとくらクラブ」で山菜料理と燻製を楽しみました。他に野草などをブレンドした薬草茶も作って頂き、盛りだくさんの献立に参加者は大喜びです。山菜として定番のタラノメ・コシアブラは言うに及ばず、ネマガリダケやなかなか手に入らないハリギリまで揃いました。また厄介物のセイタカアワダチソウやクズが意外と美味しいと好評を博しました。
 一方、男性群は燻製作りです。燻製用のチップ作りから始まります。サクラ、クヌギなどを電動鉋で削って用意します。まさに男のロマンが漂います。燻製料理の一押しは「燻製醤油」です。チーズやウインナーソーセージ、シシャモなども喜んで頂きましたが、燻製醤油は全員が初めての体験で、特に卵かけごはんの味付けにぴったりだったようです。「これは旨い!」と云う声が飛び交いました。


「母の日に 男連中 腕振るい」


[1962] 松本城 [PC]  2015/05/13 23:32:44    [削除]


   元大阪城館長の案内する「戦国城跡巡り」の旅(第4回)に参加して来ました。今回は信州の国宝松本城と小諸城跡の懐古園、さらに真田幸村所縁の松代城跡です。過去2回参加していますが、ロクは根っからの歴史音痴で、別の目で楽しんで来ました。昨年世界遺産になった富岡製糸や草津温泉など、機会がなければなかなか行けない観光地、美味しい酒や珍しい食べ物など、寅さん気分の観光旅行になりました。おかげで2キロ太って帰りました。
 バス旅行ですから地元の人情などに触れる機会がなかったのは残念ですが、ベテランのバスガイドの博識には驚かされました。ガイド経験豊富な話振りに、バス車内には絶えず笑い声が絶えません。宴会場でロクが出しゃばったことは言うまでもありません。


「ペテン師に 引導渡す 夏の陣」


[1963] 東石楠花 [PC]  2015/05/14 07:57:10    [削除]


   小諸懐古園の庭園に上品なアズマシャクナゲが咲き出していました。草津温泉でもお寺の境内に咲いていたので、信州ではこれからがシャクナゲの季節です。地方名を冠したシャクナゲが何種類かあり日本固有種も多いようです。アズマシャクナゲは蕾の内はピンク色で花が開くにつれて白くなっていきます。懐古園ではヤマツツジも満開で絵葉書の様な景観も醸し出しています。早朝の散策やジョギングしている方を沢山見かけました。8時から入場料を払わなければならないので、早朝に利用される方が多いようです。
 シャクナゲはネパールの国花です。そして福島県の県花でもあるのです。またまたネパールと東北で大きな地震がありました。もちろん偶然ですが何か繋がっているような錯覚を覚えます。そうですシャクナゲは綺麗な花を咲かせますが、葉には強毒を持っているのです。


「石楠花の 尺にも満たぬ 懐古園」


[1964] 要黐 [PC]  2015/05/15 05:59:58    [削除]


   カナメモチの花が開きかけました。名前からずっとモチノキ(黐の木)科だと思っていましたが、図鑑で調べるとバラ科だったのです。別名をアカメモチと云います。同じ漢字で黐(モチ)と表記されているので間違って覚えてしまいます。同じようにネズミモチ(鼠黐)などもモクセイ科で別種です。従って図鑑ではカタカナ表記にしています。モチノキ科かどうか?は現地で葉に傷を付けて黒く変色するかで判断しています。 
 以前は日本原産のカナメモチを生け垣などに植えていましたが、病害に弱いと云う事で、最近ではより紅い芽を出すレッドロビン(西洋紅要黐)に人気があるようです。カナメモチは日本の樹木の中で一番硬い樹だと云われています。カマツカと同じように鎌の柄などに使われています。扇の要にも使われているようです。


「紅白に 緑を添えて 赤芽黐」


 [1965] 蟻通し [PC]  2015/05/16 07:32:23    [削除]


   サークル『トンボのメガネ』から矢田寺~松尾寺の自然歩道を観察しながらハイキングして来ました。サークルでは年間計画で行き先を決めており、目的の花に出合えないことがあります。今回もギンランとアリドウシを求めて行きましたが、ギンランはすでに遅しの状態で、アリドオシが辛うじて残っていました。下見で確認してもらったギンリョウソウなども、姿形を観ることが出来ませんでした。総じて今年は一週間以上も早く咲き出していたようです。
 アリドウシは葉の脇に長くて鋭い棘を持ち、それで蟻を刺し通すほどだと言う事で名付けられています。赤い実が翌年春まで残るので「在り通し」から来たとの説もあります。大阪では正月の床飾りにセンリョウとマンリョウにアリドオシをあしらって“千両、万両有通し(ありどおし)”と云う洒落から縁起物として使われています。因みにアリドオシは一両と呼ばれます。


「木下闇 照らす如くに 花垂れて」


[1966] 杜若 [PC]  2015/05/17 07:32:43    [削除]


   区別出来ない物の例えに“いずれ文目(アヤメ)か杜若(カキツバタ)”と云う慣用句が使われます。少し植物に詳しい人なら、アヤメは乾いた陸に自生し、カキツバタは水の中に育つので直ぐに区別出来ます。昔はカキツバタの花の汁を使って布を染めていたようです。「書き付け花」が転じて「かきつばた」になったようです。今では環境省の準絶滅危惧種に登録されています。箱館山などにカキツバタの自生地があり、気高い花の群生を観ることが出来ます。
 アヤメ系の植物は初夏を代表する花です。梅雨時には紫陽花と並んで花菖蒲が似合います。キショウブなども今を盛りと咲いています。アヤメ系の園芸種や西洋種の華やかさに比べて、カキツバタは決して引けを取らない気高さを持っています。


「能あらば 描いてみたき 杜若」


[1967] 田植え [PC]  2015/05/18 05:59:25    [削除]


   昨日の日曜日にはあちらこちらで田植えが行われました。水の張られた田んぼが増えたので、夜はコロロコロと蛙のうるさいこと。田の管理などはお年寄りでも出来るのですが、農機具を扱うのはサラリーマンの息子たちです。若い家族のいないところでは、他の農家に田んぼを貸したり、田植えと稲刈りだけお願いしている農家も増えています。農機具で手伝ってもらったお礼に、稲刈り後の稲藁を牧場に提供している所もあります。能勢は昔から三白三黒と言って特産物を提供して来ました。白が米で黒が牛です。因みに寒天とお酒が白で菊炭と栗が黒です。
 昨日は全国的にも注目の大阪市解体を問う住民投票が行われました。開票を遅くまで見守っていましたが、拮抗していたのでなかなか結果が出ませんでした。今朝ニュースを聞いて1万票の僅差で反対派が勝利を収めました。橋下維新の二重行政と云うペテンに白黒が付いたのです。大阪市民に乾杯!


「蛙まで 勝った勝ったの 大合唱」


[1968] 姫路城 [PC]  2015/05/19 21:47:28    [削除]


   所属するじねんクラブと云うサークルから書写山と姫路城をおとないました。姫路城は修復作業も終わり綺麗な姿で観光客を迎えています。言わずと知れた国宝の城です。他に先日訪れた松本城や犬山城、彦根城がありますが、一応すべて訪ねました。、ロク的には綺麗な建造物だなという印象しか有りません。松江城も国宝に指定されるとか。戦国の歴史へのタイムスリップが出来そうで、それなりの意味もありそうです。歴史的建造物を残そうと云う意味では国宝指定はありがたいことです。
 ただその時代の庶民はどうだったかと云う事により興味を持ちます。ロクが歴史嫌いの訳は権力者の歴史だからです。庶民史を探求してみたい気持ちになります。


「天守まで 登るシニアに 玉の汗」


[1969] 浜昼顔 [PC]  2015/05/20 07:34:18    [削除]


   世界中の海岸に自生しているハマヒルガオです。花はヒルガオと似ていますが、葉は暑くて光沢があります。これはクチクラと云う透明の細胞膜で覆われているためで、水分の蒸発を防ぎ、乾燥した砂浜で生きて行くための進化です。クチクラは海水の塩分からも葉を守っています。
 初夏の海辺には各種の花が咲いています。木本類では公園などでお馴染みのトベラやシャリンバイなどの自生種が、今を盛りと花を咲かせています。草本類ではハマヒルガオの他にハマダイコン・ハマボッス・ハマエンドウなども咲いていて、海辺近くで育った方々の郷愁を誘っています。


「舟虫の 散歩を追えば 浜昼顔」


[1971] 大地縛 [PC]  2015/05/21 07:44:59    [削除]


   タンポポに似たオオジシバリです。春から初夏にかけて黄色花が各種咲いていますが、身近な花なのに名前がなかなか覚えられません。キク科の黄色花をしっかり覚えないと、偉そうに植物観察案内などと言っておられません。仲間に先生役の方がおられてすぐに教えて貰えます。彼女の事を“歩く植物図鑑”と尊敬しています。ロクも其処まで追いつかなければ。ジシバリは茎が地面を這って伸び、地を縛るように生えるところから名付けられました。大型の花がオオジシバリと呼ばれています。
 キク科ニガナ属オオジシバリの別名をツルニガナと云います。一方ジシバリをイワニガナと云います。少し湿った所に拡がって行くのがツルニガナで、岩場でも育つことが出来るのがイワニガナです。生育場所の違いが読み取れます。他にニガナ・ハナニガナ・ノニガナ・カワラニガナなど各種あり悩ませます。これらは苦味が強い乳草でウサギの大好物です。


「野兎の 飛び出しそうな 夏の来ぬ」 


 [1972] 芍薬 [PC]  2015/05/22 07:18:58    [削除]


   “立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花”美人の例えに使われた時代もありましたが、これらは全て婦人病の薬だったのです。シャクヤクはボタンとバトンタッチでもするのかと思わせるぐらい、ボタンの終わりを待って咲き出します。中国から入って来たシャクヤクは足利時代には薬用・観賞用として栽培されていました。下痢・腹痛・婦人病などの薬効が顕著で、漢方では極めて重要な薬草だそうです。毒成分を含んでいますので一般的には毒草として扱う事が大事です。
 野生種でヤマシャクヤクがありますが、ボタンやシャクヤクは園芸種で、一重から八重咲きまで各種あります。どちらもボタン科ですから花がそっくりです。大きな違いはシャクヤクは草本類でボタンは木本類だと云う事です。あまり園芸種には興味無いロクも薔薇や紫陽花・牡丹・芍薬・花菖蒲などには目を奪われます。


「芍薬の 花弁落ちる 音もせず」


[1973] 金蘭 [PC]  2015/05/23 07:34:24    [削除]


   立ち上げたサークル『トンボのメガネ』の下見で室生園地へ行って来ました。当初予定の行き先「野崎観音と飯盛山」は梅雨時に入り、ハイキングも暑いだろうし、あまり植物観察が出来ないだろうと思って、同じコース圏内にある山歩きを外したコース設定での下見にしました。このコースだと林内歩きで暑さも凌げるし、湿地などの植物観察も出来る好いコースでした。
 目的の植物に出合えるかは行ってみなければ何とも言えませんが、感触だけは掴むことが出来ました。今回の下見でも予期せぬキンランとの出合いがありました。雑木林の減少、下草刈りなど林の整備が出来ていない上に盗掘などもあり、キンラン・ギンランは絶滅寸前です。大切に見守りたい植物です。


「金蘭の 孤高気高く 林床に」


[1975] 田植え交流会 [PC]  2015/05/24 06:57:11    [削除]


   今年も田植え交流会があり、子どもたちへの工作提供を頼まれました。新婦人大阪府本部の産直担当の方たちと能勢のコメ生産者の恒例の交流イベントです。午前中は子どもを交えての田植え体験からスタートします。交流会場になっている広場に戻って来た子どもたちは、捕虫網で蛙を追っかけたりして、都会では味わえない農村での遊びに夢中になります。
 今年は牛乳パックとストローで作る竹トンボならぬ紙トンボと、よく飛ぶ紙飛行機、おまけにブーブー笛を提供しました。一人で3種類を提供するには無理があり、子どもたちを随分と待たせてしまいました。保護者同伴で来てくれると要領だけ伝えてやってもらえるのですが……。次回は何を提供しようかしら。


「泥んこに なって子どもの 蛙追い」


 [1976] 柿の花 [PC]  2015/05/25 07:33:18    [削除]


   実生で育った壷形の柿の花がたくさん落ちています。落ちた花は鈴の様なコロコロとした感じです。「柿花落」と云う季語があるようですが使い切れません。多分雄花ばかりだと思うのですが確認までしていません。もう少しすると枝に残った花の「へた」になる萼が目立ち、雌花だったんだと確認出来ます。カキは学名でもkakiが使われているので日本原産と思われがちですが、中国の揚子江沿岸から渡来してきたようです。吊るし柿にした渋柿、そのまま食べる甘柿どちらも美味しい果物です。
 柿の葉には殺菌作用があるので、柿の葉寿司が考えだされました。お茶にしてよし、柿の葉酒にしてよし、若葉は春の山菜としても利用出来ます。柿渋も牛乳と一緒に飲んだらいいとか、健康補助食品として申し分ない植物です。特に薬効があるのは柿のへたと云うから無駄がありません。


「柿の花 箒で掃かれて コロコロと」


[1977] 栗の花 [PC]  2015/05/26 07:31:10    [削除]


   コーラスの練習に向かう道筋にクリの花が咲き出しました。“桃栗3年、柿8年、梅は酸い酸い13年、柚子は大馬鹿18年、林檎ニコニコ25年”昨年梅の時季にこのフレーズを紹介しましたが、昨日は柿で今日は栗なのでまたまた登場させました。だいたい実のなる時期を言っているのですが、何事も期が熟さないと成就しないと云う戒めに使われる慣用句です。少し前にはシイの花で山中が黄色く染まりましたが、それに代わって白いクリの花の登場です。もう少しすると能勢中がむせ返る様な青臭い臭いに包まれます。能勢は栗の本場なのです。特に銀寄栗はブランドです。
 クリの葉やイガには消炎作用があり、皮膚炎などによく効くようです。ウルシにかぶれた時はクリの葉をもんで汁を塗ればかゆみが取れるとか。イガは入浴剤にしても好いようです。変わったところではイガの黒焼きを頭皮に擦り込めば脱毛予防になるらしいです。何方かお試しあれ(*^_^*)


「花栗の 道を避けつつ コーラスへ」


[1978] 仙人掌 [PC]  2015/05/27 07:26:59    [削除]


   サボテンなどの漢字表記は無いものだと思っていたら、ちゃんとあるのですね。仙人の掌(手)なんて初めて知りました。棘々の体からこんなに綺麗な花を咲かすのですから、なんとなく仙人のイメージが湧いて来ます。農家の玄関脇の石の間から咲き出している様は、まるで砂漠の岩の間に咲いているようです。言わずと知れたサボテンはアメリカ大陸原産です。
 月下美人など見事な花を咲かせますが、1日で閉じてしまいます。この花も一日花なのかな?サボテンなどあまり水やりなどしなくっても好いから、育てやすくロク向きかも知れません。ただ能勢は大阪のてっぺん、冬の寒さに耐えれるものでないと育ちません。因みに砂漠でも小さなサボテンは日照に弱く、樹や草や岩陰でないと育たないようです。


「情熱の 燃え色夏に 咲かせおり」


[1981] 児手柏 [PC]  2015/05/28 07:27:57    [削除]


   庭木として人気の葉っぱに特徴のあるコノテガシワです。樹形を観ると丸い塊に観えますが、目を近付けて葉っぱを観ると、横に拡がらずに直立した感じで伸びており、子どもが教室で「先生!先生!」と手を挙げている様に見えます。昨日は仙人の掌で今日は児(子ども)の手です。柏と名乗っているところから、昔は出来上がった料理を乗せる皿として使われていた事が伺えます。
 花だと思って撮ったのですがこれは実でした。コノテガシワの花は春に咲き終わっていたようです。葉っぱのどちらが表か区別が付かないと云うのも特徴です。二面(ふたおもて)と云う言葉があり物事の表裏を表す言葉として使われます。薬効もあり滋養強壮(インポテンツ)や毛生え薬にも良いようです。


「戦争に 行きたくない児 手を挙げて」


 [1982] ハルカス [PC]  2015/05/29 07:22:34    [削除]


   自然観察サークル『トンボのメガネ』の下見で天王寺一心寺のジャカランダを訪ねました。時季が早かったのか枝先に数個の花をつけているだけでした。今年はあまり咲かない年かもしれません。公園の薔薇も見頃だろうと期待していたのですが、改装工事中で入ることが出来ません。美術館と動物園と慶沢園だけはオープンしていました。住友家跡の庭園には200種類の樹木が植栽されているので、ミニ自然観察の場としてもひと時楽しめます。この時季ツツジと睡蓮が咲き誇っていました。
 庭園を回遊していると阿倍野ハルカスが目に飛び込んで来ます。何とも邪魔な気もするのですが、この風景も時代と共に融け込んでいくことでしょう。“新旧が織り混ざった風景”と云う事で観光スポットになるかもしれません。


「天高く 汗のかきそな のっぽビル」


 [1984] 金糸梅 [PC]  2015/05/30 06:51:37    [削除]


   オトギリソウ科で木本のキンシバイとビョウヤナギが咲く時期になりました。紫陽花、花菖蒲と並んで梅雨時の花です。鮮やかな黄色が梅雨の鬱陶しさを吹き飛ばしてくれるので、庭木としても人気があります。雄しべが金の糸のようで5弁の花が梅に似ているところから金糸梅と名付けられました。オトギリソウ科ですが木本のキンシバイには飛び散った血の跡は見受けられません。
 近似種のビョウヤナギ(未央柳)もキンシバイより花が大きく目立つので人気があります。どちらも花期が長く次から次へと咲き出します。中国から1760年頃に渡来してきたようです。


「飲み干すか 雫を受けて 金糸梅」


[1985] 未草(睡蓮) [PC]  2015/05/31 07:11:45    [削除]


   昨日はスイスを一緒に楽しんだ京都スイス倶楽部の中の別サークル『カールニコニコクラブ』と云う仲間たちを池田に案内しました。妻が五月山を案内し、ロクが池田の歴史を案内すると云う何とも無責任なガイド役になりました。本来なら妻の方が歴史に詳しいのに。我々を入れて25人の団体です。当初は街歩きは数人だったのですが、池田駅で皆さんの希望を聞くと半数以上が歴史散策を選ばれました。責任重大です。歴史的説明はもっぱら案内板に任せ、コースだけを案内することに徹しました。
 池田の成り立ちや宿場町の雰囲気を感じて貰いながら、最後は池田城跡へと案内しました。城跡公園は綺麗に整備され昼休みにうってつけのスポットです。時間を合わせるようにヒツジグサが咲いていました。未の刻に咲き夕方には閉じてしまいます。今の時間に直すと午後1時から3時ごろまでがしっかり咲く時間なのです。(ガイド役だったので写真は他で撮ったもの)


「城映す 同じ処に 未草」


[1986] 新世界より♪ [PC]  2015/06/01 06:59:34    [削除]


   昨日は関西シティフィルハーモニー交響楽団のファミリーコンサートに行って来ました。プログラムはバーンスタインの「キャンディード」序曲、ガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」、世界三大交響曲の一つドヴォルザークの「新世界より」です。久し振りの生演奏に心が震えました。特に新世界は第一楽章から第四楽章まで聞き慣れた旋律が出てくるので、眠る間もなくアンコールまで高揚した気分のコンサートでした。
 新世界で思い出すのは天王寺界隈です。通天閣のある辺りを新世界と呼んでいました。最近、環状線の19駅が発車メロディーを新たに作り直しました。その駅や街らしさを出す工夫がされています。因みに新今宮駅が「新世界より」になっています。環状線に乗って19駅の発車メロディーを聞き比べてみては(*^_^*)


「爽やかと 言うには熱き 五月暮」


[1987] ふれ愛~♪ [PC]  2015/06/02 07:24:44    [削除]


   我が混声合唱団「コール・クレッシェンドのせ」が地元の老健施設をおとない“ふれ愛コンサート”を開催して来ました。合唱団としての社会貢献活動として大切なイベントです。毎年施設は2個所訪問することにしています。他に文化祭や学校のPTAコーラスとの交流演奏会があり、年4回の発表をこなしています。施設訪問では前半に皆さんご存知の歌を選び、中頃には皆さんと一緒に歌います。最後は今年の練習曲4曲を歌います。穏やかな司会者の進行に入所者の緊張もほぐれて行き、笑顔がこぼれたり一緒に口ずさむ方も増えて来ます。
 ロクのパートはバスなのですが、何時もバスに乗り遅れている状態です。1年間の練習でやっと追い付いたかなと云う状態です。言葉のリハビリとして始めたコーラス、施設訪問で貢献などと言っていますが、実際は自分自信が色んな意味で力を頂いて帰ります。


「梅雨間近 歌声満ちて 心晴れ」


[1990] お膳立て [PC]  2015/06/03 06:46:51    [削除]


   目を覚ますと朝からよく降っています。九州では梅雨入りしたとのニュースがありましたが、今日の雨で近畿の梅雨入り宣言が出されるのか微妙なところです。池田の水月公園では花菖蒲が雨を待ち焦がれています。紫陽花も所々で花を咲かせるべくスタンバイしています。農家の方も雨を心待ちされておられます。そう云う意味で梅雨を迎えるためのお膳立ては整っています。今日の雨は植物たちにとっては恵みの雨になりました。
 今日も観察会の下見計画があるロクには出足を挫かれる雨の降りようです。敬愛する先生は、雨の日には違った顔を見せてくれるものだ、と言われていますので、僕たちの観察会も雨天決行スタイルに持って行きたいものです。


「花菖蒲 雨に咲く花 雨を待ち」


[1991] 捩木 [PC]  2015/06/04 07:29:45    [削除]


   京都北山の大田神社から深泥池まで歩いて来ました。金剛山の下見を予定していましたが、朝から激しく雨が降っていたので行き先変更です。大田神社からは山道を通って深泥池に抜けられるコースがあり、雨も上がっていたのでその小路を探索しました。山道には小さな花がいたるところに落ちているので、見上げるとネジキが咲いています。エゴノキと同じ様にネジキを探すのも落花で探せるのです。
 ネジキの花は壷形で、小さな花が枝から垂れ下がっている様子は、まるで簪の様でアセビの花にも良く似ています。幹もそっくりなのです。幹の捩れからネジキと呼ばれるようになりました。アセビとの違いは落葉樹だと云う事です。今まで知らなかったのですがネジキの葉も毒を持つようです。ナツハゼの葉と似ているので気を付けなければ。


「雨上がり 小さき花の 滴りて」


[1992] 夏茱萸 [PC]  2015/06/05 06:53:29    [削除]


   ナツグミよりも“ビックリグミ”の方が馴染みがありそうです。アキグミやナワシログミより立派で、味も数段上で美味しいです。唐グミと云うのもあり比較が難しいようです。漢字表記で夏茱萸としているのは、赤く熟れた実がサンシュユ(山茱萸)に似て、夏に出来るからだそうです。グミの謂れは色々ありますが、渋みがあるので「えぐみ」から転訛して「ぐみ」になったと云うのが納得出来ます。
 何時もお世話になっているキャンプ場の知り合いのお宅にビックリグミがたわわに垂れ下がっています。食べてみるとこれが美味しい、殆ど渋みもなく甘いのです。鳥の大好物ですが鹿もやってきます。お年寄りから困っていると云われて、鹿避けネットを張ってあげる事になり、数粒のグミが高いものになりました。まあ好いか~(*^_^*)


「夏茱萸を 一度に三つ 頬張りて」


 [1995] べっ甲蜆 [PC]  2015/06/06 06:02:40    [削除]


   昨日は午後からの雨予報が出ていましたが“雨が降ったら濡れれば好いさ~”とトンボのメガネの例会を催行する事にしました。大阪の水源地で有名な柴島から淀川に出て、少し下流に歩いたところに干潟があります。干潮は午後2時半頃です。それまでは河川敷の植物観察をしながら時間を待ちます。何と外来種の多い事、ここでは外来種図鑑必携です。3時ごろから雨だろうとふんでいたのですが、昼前から雨が降り出したので時間を繰り上げてのシジミ獲りです。
 写真は収穫です。綺麗な大粒のべっ甲シジミが短時間のうちに沢山獲れました。ヤマトシジミと云う種類ですが、砂地に生息するシジミだけが綺麗な鼈甲色をしているのです。淀川のブランドで大粒のべっ甲シジミは料亭などに出荷されています。もともとは島根県の宍道湖や宮崎県産の稚貝を放流したものが現在のべっ甲シジミの祖先などです。


「降る雨を どこ吹く風と 蜆獲り」


[1996] 更紗満天星 [PC]  2015/06/07 22:43:29    [削除]


   サークルから和佐又山に泊りがけで行って来ました。目的はオオヤマレンゲですが、何回も観た事があり特別興味もありませんでした。ただ色んな植物が観察出来るかなという期待です。和佐又ヒュッテの近くには植樹されたサラサドウダンツツジが見頃を迎えていました。更紗模様と云うのは濃いピンクの縦じま模様を言うらしいです。太陽光を受けるとランプシェードの様なロマンチックさを持つ花です。
 僅かですがベニドウダンツツジも植わっていて、違いを見比べて楽しんでいました。ルーペ片手にああだこうだと観察するのは楽しいものです。夜にはコノハズクの鳴き声を聞きに懐中電灯を持ってウオッチしてきました。ブッポー ブッポー♪


「更紗色 ガラス細工か 風鈴か」 


[1997] 和佐又山 [PC]  2015/06/08 07:40:29    [削除]


   前日は9時消灯で朝早くから目覚めました。それでなくとも早起きのシニアたちです。朝食前に散策をかねての観察会です。ヒュッテの前はゲレンデになっていて、芝生は鹿が綺麗に刈ってくれます。奈良公園のようにルリセンチコガネが沢山います。捕まえると死んだ振りをする仕草に、思わずカメラを向けます。意外に逃げ脚が早く、土の中にもぐったり飛び去ったりします。
 朝食後、2班に分かれて行動します。ゆっくり観察組とハイキング組です。足腰に自信の元気シニアは、大普賢岳コースの途中、役の行者にまつわる笙の窟まで歩き、引き返して和佐又山に登ってくるコースです。約5時間ほどの歩きでしたが、皆さん満足されていたようです。


「頂上に 吾らと遊ぶ 蝶の昼」


[1998] 胡椒の木 [PC]  2015/06/09 07:17:41    [削除]


   林内で見付けたコショウノキです。ミヤマシキミとよく似ているので間違い易い低木です。同定の決め手はこの時季に赤い実を付けている事です。ミヤマシキミは真冬に赤い実を付けるので、マンリョウやセンリョウと同じように庭木などに植栽されます。因みにシキミはシキミ科で、ミヤマシキミはミカン科です。コショウノキはジンチョウゲ科です。全て毒を持っているのでシキミ科かなと思ってしまいがちです。
 ところで胡椒の木というネーミングが良く判りません。手持ちの図鑑にも名前の由来が載っていないのです。実は毒だから胡椒のように使えないだろうし。誰かがロクのように口に入れてみた時に、胡椒の実のようにピリピリしたのかな?


「修権道 滴る山に 赤き実の」 


[2000] 定家蔓 [PC]  2015/06/10 07:32:28    [削除]


   久し振りに花曜日ハイキングに参加させてもらいました。西山三山(光明寺・義峰寺・柳谷観音)を巡るための古道です。阪急西山天王山駅から小倉神社の脇を通って天王山に向かいます。天王山には寄らずに分岐を柳谷観音にとります。朝まで降っていた雨で山道の所々が小川になっています。同行の方がたくさん落ちている花を観て名前を尋ねられます。ネジキやモチノキなどの小花や、スクリュー型の花がよく目立ちます。特徴あるテイカカズラの花です。
 テイカカズラの花は5月頃から咲き始め、7月には咲き終えます。その後、新しい枝が伸びて来て9月頃また咲き出します。謡曲「定家」にでてくる由来や、天岩戸にまつわる話、葉や茎には鎮痛や強壮の薬効があるなど昔から人々に愛されてきた植物です。


「渓筋に 定家蔓の 花残り」

×

非ログインユーザーとして返信する