半夏生
見るからに涼しげなハンゲショウの葉が白くなってきました。沼地などに自生しますが、公園の池などでもよく見かけるお馴染みの植物です。ドクダミ科で手折ると同じような臭いがします。絵心があればボタニカルアートとして描いてみたい花の一つです。
ハンゲショウは古名で片白草とも言われ、漢字では半化粧とも表記されます。どちらも葉が白くなる様子を言い表しています。ひも状の目立たない花穂なので、虫たちに花が咲いたよという案内に葉を白くすると言われています。花は下部から開花し次第に直立して行きます。受粉を終える頃になると白くなった葉っぱは元の緑色に戻ります。
七十二候に「半夏」という季節分けがあります。二十四節気の夏至から11日目にあたる日が半夏となっています。太陽暦で7月2日位になります。魔法の筆さんが七十二候をテーマに絵を描いておられるので、ひょっとしたらハンゲショウを描かれるかも知れません。しかし、半夏というのはサトイモ科のカラスビシャクをさすのでそちらになるかも。半夏の頃になると梅雨も明け、農作業も一段落します。この日に農家の人は休んで、豊作を願うためのお供えなどをする風習が残っています。関西では半夏にタコを食べると言う習慣があります。タコの足の様に農作物が大地にしっかり根をおろして欲しいと言う願いからでしょう。
「手招きで 呼んでくれそな 半化粧」