半化粧(ハンゲショウ)
ハンゲショウは「半夏生」とも表記されるが、7月2日から5日間を「半夏生」という七十二候の雑節にあたっているので、紛らわしさを避けるためにあえて「半化粧」とした。
ドクダミ科のハンゲショウも季節を告げる花として人々に愛でられている。絵心でもあれば色紙に描いてみたい花の一つになっている。虫を呼ぶために葉を白くするのだが、その様子から「片白草」とも呼ばれている。池畔に群生する姿は何物にも代え難い情緒を醸し出している。ドクダミ同様に利尿や腫れ物などの薬効を持つ。あろう事か、臭いまでお勧めできないと言うドクダミ科であるが、涼しさを呼ぶ立ち居姿が免罪符になっている。
梅雨末期に最盛期を迎えて虫たちを呼び寄せるが、夏本番になると花も受粉をすませ枯れてくる。それに併せて白く厚化粧をしていた葉っぱも色落ちして、もとの緑の葉っぱに戻り本来の仕事をするようになる。
半夏生の時期に咲く花とされているのはこのハンゲショウではなく、「半夏」と呼ばれるカラスビシャクのことである。先日紹介したオオハンゲの仲間のことである。
「片白草 白くなったね よくもまあ」