山紫陽花(ヤマアジサイ)
まだ開花前のヤマアジサイ
思わぬカスケイド(滝)の出現
あり合わせの野草の天ぷら
終日降り続いた雨だったが、能勢では全国ニュースになるほどの被害はなかったようである。でも川は増水しているだろうと、渓流沿いまで足を伸ばしてきた。濁流と言うほどではなかったが、水音はすさまじく自然エネルギーの強さに恐怖を感じた。山で貯えきれなくなった水が川を作り、林道をまたぎ渓流に落ちる様はまさに滝である。ウオーターフォールではなく、急ごしらえのカスケイドといった雰囲気だった。過去にも土石流があったのか遊歩道の柵がなぎ倒されたままである。林道まで登り様子を見たかったが、大事を取って近寄らないようにした。
渓流沿いの斜面では自生種のヤマアジサイが咲き出してきた。園芸栽培種ほどの華やかさはないが、素朴な雰囲気が何とも言えない。クサアジサイと共に好きなアジサイである。手持ち図鑑ではユキノシタ科になっているが、しばらく前にアジサイ科として独立した。まわりに萼(額)と称する飾り花が付くのだが、まだ目立たなかった。3~4片の花は中性花で一般的にガクと呼ばれている。ガクアジサイの原種と捉えている。
一週間分の食材を調達したつもりだったが、昨日の夕飯食材がなくなってしまった。今日から小旅行に出るので、冷蔵庫は空にしておきたい。そこで思いついたのが野草の天ぷらである。夕飯前に近くまで採取に出掛けた。二人分だから数は要らない。皆さんにはまだ提供したことのない種類など織り交ぜた。ハゼラン、アイの若葉とユキノシタの花、あとはユキノシタの葉、アカメガシワ、ビワ新芽などである。揚げたては何を食べても美味しい。タマネギやスナップ豌豆などは野草よりももっと美味しかった。贅沢した一週間の帳尻あわせになった素朴な夕餉だった。
「雨上がり 斜面に清し 額の花」