江戸彼岸(エドヒガン)🌸
山を淡いピンク色に染めてくれるエドヒガン
梢のてっぺんでウグイスのさえずりも
今年のソメイヨシノ開花は軒並み遅れているようだ。でも地元が誇る桜エドヒガンが一気に開花を始めた。サークル活動を始めるまでは、桜と言えばソメイヨシノしか頭に浮かばなかった。花を観ながら酒を酌み交わすがサクラの愛で方だとすり込まれていた。落語「長屋の花見」でも演じられるほど、日本人にとっての「花見」は何物にも代えがたい春の行事だった。今なおその風習は受け継がれている。
エドヒガンに惹かれだしたのは、仲間に加えて頂いた「ひとくらクラブ」での活動がきっかけである。一庫公園に自生するエドヒガンの種を拾い集めて、公園内で苗を育て、植樹育成する活動を経験させて貰った。日当たりと水はけの良い谷筋を好むサクラだと言うことも知り、日本一の里山と言われる北摂地域にたくさんの自生地があることも知った。謂わば「おらが村のサクラ」がエドヒガンということである。
春の彼岸ごろに江戸で多く咲く桜ということで、安易に名付けられた名前だが、環境さえ整えれば1000年以上も行き続ける。天然記念物になっているエドヒガンも各所にあるようだ。60年が寿命だと言われるソメイヨシノの片親だということはよく知られている。
桜命という妻を誘って、咲き出した自生のエドヒガンを訪ねた。隣町の猪名川町と殆ど同じ環境なのに、不思議と能勢にはエドヒガンの自生が見つからない。疑問に思っていたが、金のない能勢の住民は杉・檜の植林に走ったようで、金にならない雑木は伐採されてしまった苦い歴史を持つとのことだった。
未来を展望したければ、100年先に照準を合わさなければならない。一時の富に目がくらむと取り返しの負債を背負ってしまうことになる。
「山麓で 黄砂邪魔する 花巡り」