ケサランパサラン
直径5cmもある冠毛
ふわふわ毛玉がケサランパサラン「種子たちの知恵」多田多恵子
古事記に登場のガガイモ「わかる古事記」から
ガガイモの花(参考画像)
ケサランパサランについては、先日のキジョランやガガイモ紹介の時に触れましたが、14日にやっと実物に巡り合いました。ガガイモの実から冠毛に包まれた種が飛び出しているのです。実際に飛んでいる姿を観ると、まるで重力が無いように風に乗り、遠くまで飛び去って行きます。観察してみると種は平らで冠毛は2~3cm程あり、拡がって飛ぶ時には直径で5cmにもなり、日本では最大の冠毛を持つ植物です。
ケサランパサランについては江戸時代後半から伝わる民間伝承上の話で、謎の生物と言われ、捕まえて桐の箱で白粉を餌に飼育すると幸せになれる、と言う何ともメルヘンチックな話です。年に一度しか見たらダメとか、人に内緒にしておかなければ効果が無いなどの制約まであり、鶴の恩返しの様な民話の世界です。1970年代にマスコミで取り上げられて一気に皆の知るところとなりました。その正体は植物性・動物性・鉱物性など各説あり、それぞれに成るほどと思わせる意味付けがあります。
さてケサランパサランの一方の雄であるガガイモですが、日本で最初の書物とされる古事記にも登場します。天の小舟羅摩(カガミ)に乗って小彦名神(スクナビコナ)がやって来るくだりです。その小舟がガガイモの実の鞘なのです。それほど古代から親しまれたガガイモは滋養強壮や虫刺されの薬用になり、若葉は食用になるようです。
「春風に 夢乗せ皆に 幸せを」