睡蓮(スイレン)
スイレンの葉には切れ込みがある
長居植物園の池にはスイレンが色彩々に咲き誇っている。何時も観察会で話題になるのがスイレンとヒツジグサの違いである。まずスイレンというのは世界に50種ほどあり、そのなかで、日本にはヒツジグサという種類が自生している。ヒツジグサを含めた総称としてスイレンと呼ばれている。厳密に区別するなら、日本に自生するのがヒツジグサで、それ以外の渡来種や園芸種がスイレンということになる。ヒツジグサは白色で花の直径も3~4cmと小振りで、沼などにひっそりと自生している。一方園芸種のスイレンは色とりどりで花姿も立派である。スイレンが渡来してきたのは明治期に入ってからと記録されている。モネの睡蓮に触れて、西洋式庭園に採り入れたのではなかろうか。ナイル川流域にはスイレンがたくさん咲いているので「ナイルの花嫁」と言われ、エジプトの国花になっている。タイの国花でもある。
スイレンが「水蓮」ではなく「睡蓮」と表記されるのは、夜には花を閉じて眠ってしまうからである。翌日また開花する。3日間繰り返した後水没し実を結ぶ。スイレン科の仲間で8月に咲く盆花ハスも同じような開花を繰り返す。他に日本ではオニバスも自生している。
「睡蓮よ もう起きたかや 昼前ぞ」